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    ビートルズ随想記(35)
 

入門書「ビギナーズ・ザ・ビートルズ」

 

 

  

   近年はファン層や研究ジャンルの広範化に伴いビートルズの書籍が数多く出版されている。特に「音源」をテーマとする曲目解説書については詳細な書籍が次々と出版されてオールドファンを驚かせて(?)いるが、一方で「純然たる通史的な入門書」が久しく見られなかったようにも思える。

    そんな時、とある書店で「おっ、これは……」と思わせる入門書に出会った。それが今回紹介する「ビギナーズ・ザ・ビートルズ」(高瀬重良著:幻冬舎・1400円+税)である。右写真のようにコンパクトなサイズで、昭和50年代の入門書「ビートルズの本」(立川直樹著)を思わせる手頃感がある。


中央が
「ビギナーズ・ザ・ビートルズ」(ハンディな入門書)
左はスタジオセッションを綴った
「Recording Sessions」
右は初版から40年以上のロングラン書籍
「ビートルズ事典」
   

 

    著者の高瀬氏は音楽業界の人ではないが、1950年生まれと言えばわかるように「ビートルズ現役時代」からのファンである。そのため入門書とは言えリアルタイムでビートルズに接してきたファンの視点から観た著述が見逃せないポイントとなっている。

   書籍の内容を多く書いてしまっては営業妨害(?)になるので控えるが、事実の記述と著者の経験・推論が適度に組み合わされており、ビギナーはもちろん中上級者にも楽しく読める一冊である。

    最後に、本書に共感した部分としてビートルズの「楽曲の良さ」こそが今なおファンの心を掴んで離さない最大の理由だ、という点を取り上げて紹介文の結びとしたい。


裏表紙にある「あとがきと謝辞」の抜粋