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50年前に生まれた「強運」の楽曲
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今からちょうど50年前の1965年6月17日、ビートルズのメンバーは「アビー・ロード・スタジオ」でレコーディングを行っていた。ジョンが物憂げに“It's been a long time〜”と歌い出すこの曲名は「Wait」、8月に発表されるアルバム「Help!」に収録される楽曲の1つであった。
こう書くとファンのかたは「えぇぇ〜Waitはその次のアルバム(Rubber Soul)の収録曲だろ?」といぶかしく思うだろうし、それが正解である。つまりこの「Wait」はせっかくレコーディングされながら、アルバム「Help!」収録曲から外されてしまった楽曲なのである。その理由は不明だが、おそらく映画「Help!」の明るいイメージにいまひとつ合わなかったからではなかろうか?
この時点では薄幸の楽曲「Wait」で終わってしまうところ、同年秋のアルバム「Rubber Soul」のレコーディンセッションで今度はどうしても年末の発売に向けて収録曲が1曲足りない事態が生じたため、この「Wait」がオーバーダブを加えられた上で収録されるに至ったわけである。その曲調も明るい「Help!」よりは芸術的な香り漂う「Rubber Soul」に適していたのかも知れない。
ところでビートルズの楽曲には少なからずボツ曲が存在し、それらは未発表曲としてブートレグの貴重な音源となったり、後年の「アンソロジー・プロジェクト」でようやく陽の目をみるに至っている。(アルバム「Help!」の頃にも存在する)
しかしこの「Wait」は何と言ってもビートルズ史に輝く213の公式録音曲に列せられたのだからやはり大出世、強運の楽曲に違いないだろう。ボーダーラインで蹴落とされても「待てば海路の日和あり」である。
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