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    ビートルズ随想記(48)

1977 「At the Hollywood Bowl」 2016

 

 

  

 
   待望久しかった
「The Beatles At the Hollywood Bowl」がついにリリースされた。
1977(昭和52)年以来39年ぶりの公式リリースと記載すればこの気持ちが伝わるだろうか?リミックス&リマスターで音質向上、歓声よりも演奏をややオンに編集し直し"Dizzy Miss Lizzy"での音揺れを無くし"All My Loving"でのジョンの3連符ギターが一層快調に響くさまには、編集に当たったジャイルズ・マーティン以下のスタッフ諸氏にひたすら敬意を表すばかりである。

   で…あるが、今回のリリースに関する専門的考察は既に書籍やネットに溢れているので、当HPではこのアルバムに対するサイト管理人の思い出と併せて今回のリリースについての所感を綴ってみたいと思う。


ファンに深々とおじぎをする4人のメンバー
   

 

    1977(昭和52)年の5月、当時中学生だった自分はリリース直後のNHK-FMのエアチェックでこのアルバムに接した。ビートルズファンになってまだ1年余り、未知の曲も少なからず有ったので取り敢えず録音してみようとカセットテープをセットしたと思われる。

    この頃はビートルズのライヴについての知識が皆無に等しかったので、いきなり飛行場でのコンサートかと思える程のファンの連続悲鳴に驚き、正規のアルバムよりもややラフな演奏に戸惑い、メンバーのお喋り(MC)に新鮮さを感じる、かなり異色なアルバムであった。

    後年に彼らの世界各地でのライヴをブートで収集するようになって、このアルバムが悪いなりに良い(どっちなんだ?)ことがよくわかったものである。


LPとCD、39年間は長いようで短かったかも知れない
  

 

    さて取りとめもなく綴ってきたが、今回のリリースCDについて是非コメントしておきたい点がある。それは旧LP裏面にあるジョージ・マーティンによるライナーで、幸い今回のCDにもその内容が引き継がれている(右写真)。

    このライナーは非常に含蓄ある名文なので、できればその原文(英文)に接したいところだが、添付の和訳を参照するのも良いだろう。自分は彼の娘が当時(1977)の代表的アイドルグループ「ベイ・シティ・ローラーズ」を引き合いに出してビートルズについて彼に質問するくだりが特に気に入っている。

    今回は主観的なコメントが多くなったが、ファンにとって当アルバムのリリースはまさに「アッと驚く」事件だったのだと感じて頂ければ幸いである。


ぜひ読みたい、秀逸なジョージ・マーティンのライナー