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   ビートルズ随想記(9)

ファンが「赤盤」を手放すとき

2002年に入手した「マジカル〜」のアップル赤盤

 

   長年ビートルズのファンを自負(?)していると、やはりコレクター的収集に身が入ることもある…。

   のっけから変な書き出しとなったが、実は高田馬場の中古レコードショップ「TIME]を本日訪れた際にLP「アビイ・ロード」「ヘイ・ジュード」の赤盤に出会った。前者が2,000円、後者が3,000円とあって価格的にもリーズナブル、財布と慎重に相談(ホントに慎重だったのかな…)してゲットと相成った。ジャケットと歌詞カードが少々痛んでいるが、価格を考えれば納得と言えよう。

  ところで「赤盤」て一体なに??? と言うCD世代のファンのために簡単に記すと、ビートルズ現役時代のレコードについては初版に限りホコリの付きにくいカラーレコード(写真にあるような透明な赤色)を販売していた。レコードの色は通常黒盤であるが、赤色であることから「赤盤」と呼ばれている。ビートルズの場合、ベストアルバム「1962〜1966」もジャケットの色から「赤盤」と言われることがあるが、その意味は全く異なるので注意が必要である。(よって自分はこのベストアルバムの方は単に「赤」と呼ぶことにしている。)

  プレス数が少ない故に貴重盤としてコレクター垂涎の「赤盤」、当然ながら中古市場にもなかなか顔を出さないのが常である。よって購買意欲をそそるのは当然としても、私は入手の際にこの「赤盤」を手放したファンの気持ちはどのようなものなのか思いを馳せることがある。コレクターであればまず手放すことは考えられない。むしろ現役時代からのファンが何らかの(止むに止まれぬ)事情で中古レコード店に持ち込み換金した可能性が高いのである。このレコードには並々ならぬ思い出があるのだろうな、と思わずにはいられないのである。

  何か理由があってビートルズのファンをやめたのか、引越しに伴う整理等の事情なのか、真相は知るすべもない。ただ自分としてはこれら「赤盤」を前主の気持ちを汲んで大事に保存・管理したいなと思わずにはいられない。もし自分が30年近くかけて揃えたレコード・CDを処分しなければならなくなったとしたら、やはりつらいものね。

   「赤盤」を陽光にかざすと、アップルレーベルのライトグリーンとの対比がきれいである…。