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グレイテスト・ヒッツ

(album)
 

 

   

   ビートルズのベスト・アルバムは彼らの現役時代(LP)から今(CD)に至るまで非常に多くのものがリリースされているが、今回は「グレイテスト・ヒッツ」を取り上げてみよう。

    かつて東芝EMIは販促活動の一環としてアルバム購入者に非売品のポスターや小冊子をプレゼントするキャンペーンを行なっていた。昭和53年の春にも小冊子「THE BEATLES FOREVER '78」が作成され自分も運良く入手できたが、これに当時新発売のアルバムとして紹介されていたのが「グレイテスト・ヒッツ」と「ビートルズ・ビート」であった。前者はオランダ編集盤・後者は西ドイツ編集盤というのがそれまでになかった仕様で目を引いたものである。しかしこれらもCD化されることなくやがて廃盤となり、今や一部のオールドファンの記憶に残るのみとなってしまった。

   それから33年が過ぎ、平成23年の5月。渋谷「レコファン」でこの「グレイテスト・ヒッツ」を発見した。発売枚数が多くないせいか中古レコード店でも普段から品薄のアルバムであり、ならばこの機会にと思い購入の運びとなった。

    帰宅後開封してジャケットを眺める。30数枚ある国旗帯盤の中でも唯一のオランダ国旗帯をまとうジャケットがファン心理をくすぐる。裏面はブルーを基調としたシンプルなデザインだが、オランダ語による解説はさすがにわからない。ところが更に理解不能な事実を発見して目が点になってしまった。裏面の下部には他のアルバムが紹介されているのだが、当アルバムリリースの1965年前半にはこの世に存在しないはずの「ラバー・ソウル」「リボルバー」「SGT.」が載っているではないか!

    この点について後日調べてみると、どうやらこの部分は日本発売時に東芝EMIによる内容差替えが有ったようで、オランダはじめ欧州盤では現地で既にリリースされたアルバム紹介となっている。ちなみに一番下の写真で「リボルバー」ジャケットの上にあるEAS−80556は紛れもなく日本発売の国旗帯盤のナンバーで、さすがに「何だよこりゃ?」と苦笑せざるを得なかった。

    さて曲目も見てみよう。この「グレイテスト・ヒッツ」は1965年初めのシングル「涙の乗車券」までの発表曲から選曲されている(右下写真参照)。ベスト盤としては早期の企画のせいか意外な収録曲も散見されるが、いずれも名曲と言うよりはビートの効いた初期のビートルズらしい曲が収録されている。

    ファンらしい聴きどころとして面白いのはKANTU(SIDE2)ラストの「オール・マイ・ラヴィング」だろう。歌い出しの前にハイハットが“チャッチャッチャッチャッチャッ”と5回、そのあとポールの歌が始まるテイクが収録されている。まぁ、曲頭にハイハットのカウントが有るか無いかだけの話なのだが、発売当時はこれがちょっとしたウリになっていたのかも知れない。

   購入日: 平成23年5月25日 
   購入店: 「レコファン」渋谷BEAM店
   購入価格:2280円


 ジャケットの裏面はオランダ語の解説

右に“EAS−80556”の「リボルバー」が