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ビートルズNo.5!

(album)
 

 

   

   今回取り上げるのは「ビートルズNo.5」である…が、このアルバム名を聞いてその収録曲や曲順をイメージできるファンは果たしてどれ程いるのだろうか?おそらく少ないはずである。その理由はこのアルバムがCD化されることなく廃盤になったためで、現在のファンの間では極めて存在感の薄いアルバムかも知れない。

   それでも「No.5!」の存在価値については少なくともこのアルバムがレコード店頭に並んでいた時代には“有った”と言え、かく言う自分もファンになりたての頃に購入を検討したものである。その理由は当時ビートルズの楽曲をアルバム収集により効率良く揃えるためには日本オリジナル盤「ビートルズ!」「ビートルズNo.2」「ビートルズNo.5!」を購入すればシングルで発表された楽曲も含め収集でき(英国オリジナル盤では漏れてしまう)、大変便利だったからである。また英国オリジナル盤を重視するファンにとっても「抱きしめたい」「シー・ラヴズ・ユー」のドイツ語版などアルバム未収録曲を収集できるメリットがあった。

   しかし自分は「ビートルズ!」は購入したものの、以降の日本オリジナル盤は結局買わずじまいだった。それはファンとしての造詣が深まるにつれ英国オリジナルアルバムのコンセプトを重視するようになったのと、日本オリジナル盤がステレオではなくモノラル仕様であったからである。(他にも「レアリティーズ」リリース等の理由があった。)

   さてそんな「No.5!」であったが、突如として購入の機会が訪れた。先週ふらりと訪れた中古レコードショップ「レコファン」が5枚買うと1枚につき200円引きセールなるものを実施しており、多数のビートルズ商品の中にほぼ美品の「No.5!」を見つけたのである。かつて購入を検討した中学生時代を思い出すのもいいかな、と考えて買ってみた。当時から30年以上経過したいわゆる「大人買い(?)」である。

   帰宅してレコードを開封する。あぁジャケットの国旗帯(日の丸!)、アップル黒盤のレコード、各アルバム共通のライナーノーツ仕様…。たちまちにしてティーンエイジの自分に戻ってしまうアイテムばかりで少々感動、早速レコードを聴いてみる。「ロング・トール・サリー」「シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語)」と英国オリジナルアルバム未収録曲だなぁと思っていたら次が「アンナ」…何だよだいぶ時代が戻ったな〜(詳細は前回UPの「ディジー・ミス・リジー/アンナ」を参照)と思ったら「マッチボックス」と時代が進む。その後も「ユーヴ・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー」で戻ったかと思えば「シーズ・ア・ウーマン」でまた進み、次のA面最後の曲が「アスク・ミー・ホワイ」とデビュー程ない頃の曲…。近年では編集盤CDでも発表時代順に聴く習慣がついているファンにとっては違和感だらけの曲順で、当初の感動がいつの間にか疲労になってしまっていた(苦笑)。なお国旗帯記載の謳い文句には「初期の通向きアルバム」とあるが、当時バラバラのアルバム未収録曲を片っ端から収録した結果そうなったのであり、予め通向きアルバムを企図して出来上がったものではないと念を押しておく。

    総括するとこの「No.5!」は現在ではさすがに受け入れられる内容ではなく、それは仮にCD化されても変わらないと思われる。むしろ発売当時の雰囲気に接したり、ビートルズ研究資料の一枚として考えるのであれば価値あるアルバムなのかも知れない。

   購入日: 平成23年5月25日 
   購入店: 「レコファン」渋谷BEAM店
   購入価格:2280円


盤面は新品のようにキレイであった

このライナーノーツの仕様はとても懐かしい