ディジー・ミス・リジー／アンナ

(single)
 

   古い話だが、ビートルズが日本に知られるようになった１９６４〜５年当時はアルバムからのシングルカットが非常に多かった。この点は本国イギリスと販売形態が大きく異なるが、それは当時の日本では若年層のファンにとってアルバム（ＬＰレコード）は高嶺の花で、より安価なシングルを購入するケースが多かったからのようである。

   さて今回紹介するシングル「ディジー・ミス・リジー／アンナ」も日本独自のシングルカットでイギリスでは発売されていない…と、ここまでは別段大した話ではないのだが、実はこのシングルには購入時から一つの疑問があった。それはＡ面のディジー・ミス・リジーが最新作のアルバム「４人はアイドル（Ｈｅｌｐ！）」からのカットであるのに、Ｂ面のアンナがイギリスでの初アルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」からのカットである点であった。両アルバムの発表時期には２年５ヶ月のタイムラグがあり、購入当時はなぜこのような不自然なカップリングとなったのか全くわからなかった。

   ところが近年、ネットで殆ど正解かと思われる有力説に出会った。その内容は日本で初めてアンナを収録したのが日本独自のアルバム「ビートルズＮo．５」（現在は廃盤）であり、次のアルバム「４人はアイドル」とは発売日の間隔が４ヶ月程しかなかったので、日本ではほぼ同時期の曲と解されてカップリングされた、との説であった。

   そうか！なるほど、これならわかる。つまり現行ＣＤ等で常識となったイギリスオリジナルアルバムの感覚に慣れ切って、当時の日本独自のアルバム「〜Ｎｏ．５」の収録曲として頭に浮かばなったのが原因のようである。やれやれ、購入後３０年以上を経過してようやく目の前の霧が晴れる思いであった。

   購入日： 昭和５３年５月８日 
   購入店： 大船西友「新星堂」
   購入価格：５００円