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   惜別!スコット・マクレーン(さようなら)

   

 

 やはりと言うか、ついにと言うか、マクレーンが自由契約となった。10月からのプレーオフにも出場しない模様である。 今回の解雇通知は、西武ライオンズの助っ人の中でも極めて珍しい事例(3回目)として残りそうだが、さすがに再々々雇用は無いものと思われる。

 客観的に本年の成績は全く解雇に対して言い訳の出来ないものであり、ファンとしても自由契約の覚悟は出来ていた。しかし平成13年の活躍がまぶたの裏に残っている者としては実に残念である。この時のシーズン39本塁打はフェルや和田はもちろん、松井稼やマルティネス・清原も未達の域であったので、同時入団のカブレラと共に「ツイン・バズーカ」に大きく期待したものである。 

 しかしその後は相手に外角低めの変化球に対する弱さが見抜かれ、特に打率の点で苦悩することになる。カブレラやフェルナンデスは打率も残せるため、余計デメリットが目立った感じである。

本年の初打席、中飛はフェンス前で惜しくも失速…

 ところで、解雇&再雇用を繰返した経緯を簡単に書いておこう。初年度は前述の通りの活躍だったが、2年目は開幕直後のケガでシーズンのほとんどを棒に振る。代役で阪神から移籍のエバンスがまずまずの成績だったのでこちらは残留かと思われたが、選手起用に対する舌禍事件があった(?)らしく解雇、マクレーンが他力大逆転残留を遂げる。

 しかし相手チームに弱点を掴まれた以上は、その克服が期待されるも結局それが果たせなかった。平成15年は特に後半戦での不振が大きく、打順も5番から7番へ降格、さらに代打要員になってしまった。

 この頃になると打率がかなり下落したため、せめてホームランで数字を稼ごうと思ったのか引っぱる打撃が多くなってしまった。それが更に打率を落とす悪循環に陥る結果となり、ファンとしては見ていてつらかった…。そしてシーズン終わる際に、マクレーンは解雇された。

 ところが今春のカブレラの骨折でなんと再々契約。カブレラの欠場が開幕直前で、その補充に急を要すチーム事情が彼に味方した。

期せずしてこちらを見て微笑むマクレーン

 もちろん再契約の要素としてはカブス傘下のマイナーで好成績を上げていた理由もあったわけだから、期待はあった。しかしカブレラが復帰するまでのツナギ役、仮にそれ以降もDHで出るには早期の実績作り(ホームラン・打率とも)が要求された。これは過去にない事情であり、かなりのプレッシャーがかかったように思えた。平成13年ごろと比べてもチーム内にライバルも多く、ちょっと心配でもあった。

 果たして心配は的中し、その成績たるや散々。その結果が今回の「自由契約」であり、これは仕方がない。仮にこの成績で残留しても、チームに各種の悪影響は避けられないだろうから。

 あぁ、しかし思い出は尽きない。中3日の松坂を援護する35号満塁弾(平成13年)、日本シリーズでのヘッドスライディング2塁打(平成14年)、代役4番での3号満塁弾・東京ドームでの2打席連続弾(平成15年)、粘りに粘った代打3号3ラン(本年)と今もって脳裏に鮮やかである。

 脳裏に鮮やかという点では、「外角スライダー片手空振り」を落としてはならない。不振時には多くて困ったが、これも思い出として必ず残る。思うに、少々頼りない点がファンとして彼を一層応援させたのかも知れない。

松井と守備につくマクレーン(平成15年、以下同じ)

   オマイラ、コレガオレノ「外角スライダー片手空振り」ダ!

    カズオとは仲が良かったようで…

さようならマクレーン、本当に4年間ありがとう!

 

<スコット・マクレーン4年間の成績>

背番号 試合数 打率 本塁打 打点
平成13年 135 .247 39 87
平成14年 19 .238 2 5
平成15年 44 131 .225 26 69
平成16年 00 35 .184 4 10
サードの守備は良かったマクレーン(逆シングルもOKだった)