もちろん再契約の要素としてはカブス傘下のマイナーで好成績を上げていた理由もあったわけだから、期待はあった。しかしカブレラが復帰するまでのツナギ役、仮にそれ以降もDHで出るには早期の実績作り(ホームラン・打率とも)が要求された。これは過去にない事情であり、かなりのプレッシャーがかかったように思えた。平成13年ごろと比べてもチーム内にライバルも多く、ちょっと心配でもあった。 果たして心配は的中し、その成績たるや散々。その結果が今回の「自由契約」であり、これは仕方がない。仮にこの成績で残留しても、チームに各種の悪影響は避けられないだろうから。 あぁ、しかし思い出は尽きない。中3日の松坂を援護する35号満塁弾(平成13年)、日本シリーズでのヘッドスライディング2塁打(平成14年)、代役4番での3号満塁弾・東京ドームでの2打席連続弾(平成15年)、粘りに粘った代打3号3ラン(本年)と今もって脳裏に鮮やかである。
脳裏に鮮やかという点では、「外角スライダー片手空振り」を落としてはならない。不振時には多くて困ったが、これも思い出として必ず残る。思うに、少々頼りない点がファンとして彼を一層応援させたのかも知れない。 |