8月27日・土曜日。本来は翌日の観戦予定だったところ、予告先発が今シーズン絶好調の西口である。そこで私は予定を変更して急きょ観戦したのだが、その後の試合進行をこの時点では全く知る由もなかった。もちろんそれは他のライオンズファンも同じであったろう。
内野自由席で見ていると西口はスイスイと楽天打者を斬る。スライダーで空振りを良く取れているようだ。しかし序盤ではむしろ楽天一場(0勝7敗)の見違えるような素晴しい投球に多くのファンは苛立っていたようだ。彼もこの日は速球・スライダー・フォークの制球が素晴しく、ライオンズ打線もゼロ行進が続く。
7回が終わってもまだ0−0。普段はこの辺で中段通路を帰宅客がゾロゾロと移動し始めるのだが、さすがに今日はそれも少ない。翌日が日曜ということもあろうが、やはり西口の「完全試合」に期待が高まっているのである。そのため楽天の凡打ひとつにも声援のボルテージは上がるばかりである。
8回2死、楽天益田の打球がワンバウンドで西口の頭上を越える。うわっ抜けると思った次の瞬間、高木浩が回りこんで捕球、サッとファーストへ。ワンバウンドながら一塁カブレラもパッとグラブに収めアウト、野手たちも気合いのはいったプレーだ。ところがそれが自軍の攻撃には現れない。西口は打者27人を見事にパーフェクト、あとはサヨナラ勝ちで彼の胴上を見るばかりなのだが…。
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