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  update 2009. 3.29

 
東海道補遺集 2

東京都大田区「美原通り」
 

来訪日:2009/2/22  

    

  今回は品川宿と川崎宿との間にある「美原通り」を取り上げる。

  この区間は鈴ヶ森刑場跡以南が国道15号線の喧騒そのもので、ある意味で最も旧状をとどめない区間である。しかしそんな中で今回の「美原通り」(右地図)の区間だけは当時の道幅が残り、人の往来が中心の商店街となっている。

  本編ではこの区間の記述が欠落しており、この補遺にて紹介する。   

   

  

  鈴ヶ森刑場跡から国道15号線を15分ほど南下すると左へ分岐する道があり、これが今回の「美原通り」である。分岐点に大森海岸交番があるので目印としたい。

  

   

  

  分岐して程なく左に「大森スポーツセンター」があり、その道脇の石のベンチには旧街道らしい挿絵が施されている。同様な石のベンチはこの美原通りに何ヶ所かある。

 

    
 

 道の右手には「美原不動尊」という真言宗の小さな寺がある。左右と背後をビルに囲まれた狭い区画に今なお残っている、といった感じの寺である。

 

    

    

  やがて旧街道は交差点にさしかかる。右はすぐ京浜急行の平和島駅、左は流通センター方面への道となる。

  この付近にはさすがに古い建物は殆ど無いが、道幅が旧街道時代とほぼ同じと考えられ、往時の姿をとどめている。

 

    
 

  さて交差点を渡り右手に「餅甚」という和菓子屋さんをみつけるが、屋根上看板の「創業 享保元年」の文字にビックリ!享保と言えば将軍吉宗の頃であり、なかなかの老舗である。

    
 

  程なく旧街道は内川という川を渡るが、その左手に美原通りについての解説版が立っている。文面にもあるように、土地の字名(南原・中原・北原)から三原と名乗っていたのを美原と変えたようである。

  

   
 

   美原通りは距離にして1キロ弱の道なので程なく国道15号線に合流してしまうが、都内の旧東街道ではちょっとした隠し味のような区間とも言えそうである。