日常あるいは平穏な日々(2)





今日は知り合いと御緒井競馬場に来ているにゃ。
何しろ今日は七夕の日。七夕賞があるのにゃ。
「なるみにゃんは何を買ったんだい」
「七夕だから7番の馬から流しにゃ。ひこ君は?」
「7枠11番! あずみちゃんは?」
「あたいは4枠4番にゃぁ」
ひこ君とあずみんは競馬場で知り合った友達。
もう、5年以上の付き合いにゃ。
今日もせっかく仕事が速く終わったからと御緒井競馬場までやってきたにゃ。
「パドックは見てきた?」
「見ると当たらないからにゃ」
「あたいは見てきたにゃぁ」
「どうだった?」
「7枠10番が馬体のつやも良かったにゃぁ」
「私買ってないにゃ」
「そろそろ始まりそう。ゴール直前に行こう」
3人でゴール直前に向かったにゃ。

ファンファーレが鳴り、各馬がゲートインし始めたにゃ。
この瞬間がたまらなく好きだにゃ。
「おっ、ゲートインが終わった」
ひこ君がそう言った瞬間、ゲートが開き各馬がいっせいにスタートしたにゃ。
スタンドが一斉に歓声が湧き上がる。
まるで地響きがしそうな感じにゃ。
「いけー!」
「マクレー!!」
「差せー!!!」
あっという間に第四コーナーに差し掛かったにゃ。
ひときわ大きく歓声が上がり、各々が買った馬を応援する。
直線勝負で団子状態から抜け出したのは7枠11番。
「そのままいけー!!」
ひこ君が新聞を振りかざして応援する。
このままなら11番が1着にゃ。
…と思ったら、急に失速して7枠10番が。
「にゃ、にゃに?」
そのまま10番、11番の順にゴールしたにゃ。
「あ〜あ」
ひこ君がすっごく悔しそう。
「なるにゃん当たった?」
「外れた〜。あずみんは?」
「ハ〜ズレ♪」
「なんであそこで失速するかな」
ひこ君が悔しそうに新聞を叩いている。
「しょうがないにゃ。じゃ、帰ろう」
そう言って帰ろうとしたとき、馬券を落としてしまったにゃ。
「なるみにゃん、落としたにゃぁ」
とあずみんが拾ってくれたにゃ。
「あれ? なるみにゃん、これ当たってるにゃぁ」
「へ?」
あずみんから受け取った馬券を見てみたにゃ。
「え? あ、7番流しで買ったつもりが7枠流しで買ってたにゃ」
てへ、間違えちゃったにゃ。
「な、なにぃっ!!」
ひこ君が目の色変えて馬券を奪い取る。
「まじで当たっている」
馬券を持っている手を震わせているひこ君。
「くっそう! こうなったらなるにゃんにおごってもらうぞ!」
「おう!」
なに?
「確か枠でも万馬券だったよな。じゃ、おごり決定!」
はうぅ!
「あたい、焼き鳥でいいにゃぁ」
うぅぅ…しかたがないにゃぁ。
この後、御緒井町駅に向かう途中の焼き鳥屋で飲んで帰ったにゃ。
今日は楽しかったにゃ。



おわり




2周年記念ということで、去年と同じようなものを書いてみたにゃ。
もちろん、この話はフィクションにゃ。
どうだったかにゃ?
次回また何かの機会があったら書いてみたいにゃ。




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