口唇口蓋裂について > ハルトの場合 >  始めての外出 

 私とお母さんはハルトを連れて、3人で産婦人科の先生から紹介してもらった小児科を尋ねた。
その病院で診てもらった先生はK大学病院の先生でしたが、私たちはこの日からずっと(現在まで)この先生にお世話になる事になります
(運命の出会いかも?)。いろいろな意味で、一人の先生に一貫した診察、治療をして頂く事がハルトにも、私たち親にとっても大事な事でした。
この日の外出がハルトが生まれて最初の外出でした。少しずつハルトの口の事が気になり始めていた私は、口の傷を他人の目から隠してあげようと思って、子供用のマスクを捜し回りましたが、生まれたばかりの赤ちゃんに合うような小さなマスクがなくて、結局お母さんが手作りの小さなマスクを作ってくれました。
今、思い返して見ると、「ハルトの傷を他人の目から隠してあげたい」と思う気持ちは、もしかしたら他人の目を気にしている私自身の気持ちだけを優先しての事だったかも知れません。でもそのマスクは結局、日の目を見る事はなく外出の際にもマスクなしで外出するようになりました。自分でも気付かないうちに、人にハルトの顔をジロジロ見られても気にならずハルトを抱っこして堂々と外を歩けるようになっていました。
当然の事だよねハルト?・・・でも、少しでも「堂々と」できなくなりかけたお父さんが間違ってるし、悲しい事だったと思う。
本当にごめんなさい!。


 口唇口蓋裂について > ハルトの場合 >  哺乳びんとの格闘? 

 口唇口蓋裂で産まれてきた子供の殆どがそうであるように、ハルトも口蓋(上あご)が裂けているのでミルクが上手に飲めないのです。
飲んだミルクが鼻へ上がってしまったり、乳首を吸う力が極端に弱かったり。そういった面をカバー(補助)するのが、上あごの裂け目の型取りをした「プレート」です。
このプレートは正確には「ホッツ」っていうのかな?ボクもあちこちのHPを拝見させてもらっていて知ったんだけど・・・(^^ゞ
 チョッと余談ですが、おしゃぶりをしている子供の口に自分の指を入れてみた事ありますか?(普通はやりませんよね)。もちろん、手を洗って綺麗な状態にした人差し指を赤ちゃんの口の中に入れておしゃぶりさせてみると、ビックリするくらいの力で吸うんですよ!上あごに押し付ける感じで、舌がまるで生き物のように、うねうねとうねりながら吸うんです!!。上あごが裂けているって事がどんなに大変な事なのか改めて思い知らされた気がしました。
その吸う力を少しでも引き出せるようになるのが、このプレートなんだと思いました。もちろん、ほかにもいろいろとプレートを使用する意味があるんでしょうけど、専門的な面よりも、こういった身近で当たり前の事を改めて気付かされた事に感動したりして(^^ゞ

 プレートは、子供の傷口に合わせて型を取り、口の中(上あご)にフィットするように調整していきます。子供の成長に合わせて何度か形を整えながら、2回目の手術までのちょうど1年間ぐらい使用していました。
最初は、なれないプレートを舌でいじりまわして出したりしていましたが、だんだんと慣れて来てミルクもたくさん飲めるようになってきました。ハルトの場合、3個のプレートを作りましたが、子供の成長はほんとに早くて1年間で3回も型を取らなければならないくらい、先に作ったプレートが口に合わなくなっていたのです。
プレートは子供が舌で押し出すだけで、簡単に外れてしまいます。子供の口から落ちてしまってなくさないように注意しましょう。特に外出の時なんかは!

 口唇口蓋裂児の場合、自分の力で乳首をくわえて吸う事が困難になります。
そのために、プレートを付けて哺乳びんで授乳を行いますが、哺乳びんも口唇口蓋裂児用に大小2通りのものがあります。
1.<写真右>大きい哺乳びん:いったん口の中に入ったミルクが哺乳びんの中に逆流するのを防ぐストッパーつきです。少しずつ押し出すようにして飲ませてあげます。あごの力がついてきて要領がつかめるようになると自分で哺乳びんを持って飲めるようになります。
2.<写真下>小さい哺乳びん:こちらは乳首が細く、一般的な哺乳びんよりも長めの乳首になっています。口の奥の方まで乳首を入れて飲ませられるので、子供が上手く吸う力がない場合に使うと良いかもしれません。
ハルトの場合は、大きいほうの哺乳びんを使いましたが、いくら押してもミルクが少ししか出ませんでした。腕が筋肉痛になって「握力を鍛えなきゃ!」と思うくらい苦難の日々(?)でしたが、ある日突然、ストッパーの向きが逆だったのに気がついたんです!。

くれぐれもストッパーの取り扱いにはご注意を(そんなん間違えるか!?って?(^_^;)


 口唇口蓋裂について > ハルトの場合 >  通院生活はじまる 

 大学病院の形成外科への外来と、口腔歯科(こうくうしか)への外来で、ハルトは一生懸命頑張っています。
ハルトの付き添いは、ほとんどお母さんに任せっきりになっているので、お母さんには頭が上がりません(感謝!感謝!)
何度か通院を重ねているうちに、同じ病気を持っている子供のお母さん同士で仲良くなり、いろいろとお話しする事で情報の交換になったり、励まされたりとお母さんも大分気持ち的に楽になって行ったようです。
最初は、2週間おきの通院だったのが、成長とともに一ヶ月に一回と減ってきて、ハルトもお母さんも楽になってきた反面、他のお母さん達といろいろなお話が出来ない事を残念がっていました。

 ハルトの場合、産婦人科のほうで以前にも口唇口蓋裂の子供が生まれた前例があり、適切な処置と迅速な対応、専門医の紹介と私達は恵まれた状況だったのですが、中にはそうでない親御さん達も。
実家へ戻って出産したけど、口唇口蓋裂の専門医が不在の為に東京にとんぼ返りして大学病院へいらした方や、産婦人科のほうで前例がない為に、適切な処置やアドバイスがなくて、専用哺乳びんの事すら知らずに「一般の哺乳びんの乳首に大きな穴をあけてミルクを飲ませていた」というお母さんもいらっしゃいました。

 自分達だけでいろいろと考え込むよりも、こうやって通院の際に沢山のお母さん、お父さん方とお話しする機会を積極的に作る事で自分達の心配や悩み事がひとつづつ解消されて行くのかもしれません。口唇口蓋裂のお子さんを持つ親だけではなく、健康なお子さんの話しや違う疾患を持つお子さんの話しを通して自分達も少しづつ親としての自覚に目覚めて行くものかも。
(おまえは親としてしての自覚に目覚めたか?って聞かれると返答に困るけど・・・(^^ゞ


ごあんない
 Introduction
口唇口蓋裂のコーナーを作った事について切々と語っています(^^ゞ

 口唇口蓋裂とは?
口唇口蓋裂とはどんな病気かについて出来るだけ詳細に書いてみました

 ハルトの場合
ここでは息子の治療内容を取り上げて書いています。
「一回目の手術」では生後4ヶ月目で受けた口唇手術の様子を
「二回目の手術」では口蓋手術の様子を
「修正手術と今後」では三回目の手術となる唇の修正手術の様子をそれぞれページを分けてレポート形式にして見ました。


最近では,口唇口蓋裂をテーマに取りあげているサイトも増えました。親御さんが運営するサイトや既に成人なさった患者さん本人が運営するサイトなど、個人のサイトからは生き生きと明るい印象を受ける事がほとんどです。特に、患者さん本人が運営しているサイトを拝見していると自分の息子もこんなにたくましく育ってほしいとつくづく思うほどの力強さを感じます。このサイトを立ち上げる際にも、こういった方々のサイトから受ける影響は計り知れないものがありました。「お気に入り」のページからは独断と偏見で厳選されたホームページへお邪魔する事ができますので、是非,こちらもご覧になって下さい。

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