コナジラミの羽化


2003年10月23日


今年は、天敵に取り組み始めてから最もコナジラミ類が多い!?
のじゃないかと思う。

けっこうあちこちのハウスで、今の時点で、すすになっているところが
出てきている。ま、一昨年までは、ククメリスカブリダニとアブラバチが
ほとんどであったので、けっこう天敵を利用しながらも
防除の中心は化学農薬という農家が多かったので、アブラムシや
コナジラミ類はあんまし問題でなかった。

ところが、天敵が当たり前になってきて
最も問題な害虫のアザミウマ類に対してタイリクヒメハナカメムシを
どんどん利用するようになってから、まず問題になったのが
アブラムシ類で、それから天敵の少ないホコリダニ類、カイガラムシ類
そして、ちょっとノーマークだったのがコナジラミ類だというわけだ。

昨年も確かにちょっと兆候はあって、
いくつかのハウスでは、タイリクヒメハナカメムシが定着途中に
増えて、すすをかいたハウスもあった。
しかし、たいていは、ナスではアザミウマ対象にラノーなどを散布しているうちに
同時防除ができて、そのうちカメムシが定着するとエサにもなったりして
それと更に、厳寒期になってきて、温度も低くなってコナジラミ自体の増殖も遅くなって
春まで持ち越して、ず〜と問題になる!というハウスは一戸もなかったのだ。

ところが、今年は、ちょっと違う。

今の時点でやっぱり確かに、多いようだ。
今後どうなっていくかは誰もわからない。


ということで
蛹がいっぱいある葉を取ってきて
お昼に実体顕微鏡を覗いていると
見る間に、ポイポイと羽化してくるではないか!



このように蛹の上からすけて目玉が見えているやつは
けっこう見ていると数分で羽化してきたりする。


透明の殻をプチュっと頭から割ると
前後に体をくねらせながらちょっとづつ出てくる。


けっこうその速度は速く、2,3分で羽化するようだ。


手をすりすりしたかと思うと、力を入れて
くいくいと出てきて、またちょっと休んで
また力をいれて、クイクイと出てくる。


こうなったらもう、すぐに出てくる。

羽根はまだちじれている。



この蛹からまさに出た瞬間を撮りたい!と思ったのだが・・・

とにかく、蛹からポロッと出終わると
すぐにちょこちょこちょこと這って蛹から離れてしまうので
こんなのしか撮れなかった。




それから、だんだん羽根が伸びてきて
だんだん羽根の色が透明から白く
なってきて、乾いたらパタパタと飛んでいけるようになるようだ。


ま、とにかく、一枚の葉で30分くらい見ているうちに
ポンポンポンと5匹くらいはこんな風に出てきて
ウロウロしだしたのでございました!


ムシの生命力は逞しいねえ!

ちなみに、この害虫ももちろん海外からの侵入害虫でございます!

虫写真トップへ