アルヒ作り方


アルヒとは、モンゴルのお酒!
蒸留酒だから、けっこうアルコールはきついのだ。

この季節、どこのゲルでも、作っている。

まず、このような、おおきなバケツで牛乳を
ヨーグルト状に発酵させてある。




そして、それを蒸留してアルヒつくる。
簡単な原理だがすごくうまく出来ている。

煙突が出ているのが薪ストーブ!?で    
その火の上に、でっかい丸底のおなべに
牛乳を発酵させたアルコールヨーグルトを
たっぷり入れて、ぐつぐつと沸かす。

そのおなべの上に、右の写真に映ってい
る木製の底のない樽をおいて、
更にその一番上にまたでっかいお鍋
(丸底になっているのがミソ)
をおいて、その中に冷たい水を
たっぷり入れてある。

沸騰したアルコールヨーグルトから、アルコール成分が蒸発して、
上にのっけた冷たい水をいれた丸底の鍋で冷やされて
真ん中からポタポタと蒸留したお酒が落ちる。
とゆう仕組みになっているのだ。



1時間くらいグツグツ蒸留して、上の水を入れたお鍋を取ると
このように、真ん中の小さい樽の中には
ホカホカのアルヒがたまっていて
出来上がり!!なのです。


熱燗で、できたてのアルヒを飲ましてもらうと
これが、また、なかなかうまいのです。



アルヒを飲む芸西村のフジト親分とえのちゃんとわたし
こうならぶと
つい、ゲルの中なのにいつもの飲み会のような雰囲気に!



さて、さらに、ここからが大事なのですが・・・
モンゴルは、家畜の恵みを本当に大事にします。

アルヒを蒸留した後
お鍋の中には、まだいっぱいアルコールヨーグルトの
アルコールが抜けた、いわゆる酒粕がいっぱい
残っています。




この酒粕から、さらに、大切な、保存食を作ります。


ネルのような布で酒粕をこして水分を絞ります。



ゲルの外にでて、漬け物石のようなやつをおいて
じわ〜とさらに水分を絞ります。






それから、酒粕がやわらかく固まったチーズみたいな固まりを
糸で、す〜、す〜と1cmくらいの厚さに切ってお盆の上に
並べて、ゲルの上などにおいて乾燥させて栄養たっぷり酒粕保存食
の出来上がりです。




それが、どこのゲルにおじゃましても、天井にぶら下がっているおもちのような
チーズのようなにおいのする、だいじなだいじな保存食なのでした。


ぼくは今回の旅行までこれはチーズだとず〜と思っておりました。
チーズではなかったんです。



みえさんも酒粕おもちの
糸カットに挑戦!!








それで、さらにもう一つ!

なんか忘れているものがあります!

そう、アルコールヨーグルトを蒸留して
アルヒが出来て、その酒粕を絞って
保存食が出来たわけですが・・・

そう

その絞った時にでる
水分!
アルヒの残りエキス
これがまたちゃんと利用方法がありまして、

取っておいて髪を洗う時にこの水を使うのだそうです。
とても、ツヤツヤになるとゆうことでした。

やはり、一滴も無駄にしないモンゴルなのでした。





それから、今回はじめてわかったことがありました。


実は、前回訪れた時も、この作業をみせてもらったのですが
ぼくは、とにかく、ゲルの生活ではこうやって絞った乳から
アルヒを作って、それも大量にできるもんだから、
こんなに作ったら毎日飲むだけでたいへんじゃないか?とか

一年中こんなにアルヒを作っているのか?
とかいろいろ疑問点があったのです。


実は、とゆうか、当たり前のことだったのですが・・・

モンゴルは寒い国なので、北海道みたいな感じで
春夏秋が一気にやってきて短いのです。
それで、その草の海が現れる短い季節の間に
家畜たちも必死で草を食べて、子供を産み
そして、その子供を育てるために、乳をいっぱい出す
わけです。短い春夏秋が終わってしまうと、寒い冬の中で
耐えていかねばならないので乳もこんなにふんだんには
ないわけなのです。

だから、このつかの間の最高の季節に
アルヒもいっぱい作って、太陽もなかなか沈まないし
人々もちょっと飲み過ぎるくらいに楽しみながら仕事もして
保存食もいっぱい作りためておくとゆうわけだったのです。

やっぱり、冬も訪れてみないとモンゴルのことは
なんにもわからんのだろうなあとつくづく感じた瞬間なのでした。







ブルガン村の草原パノラマ









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