第一報はイサオくんより電話で、
『なんか、葉が黒くなる害があって、新しいダニのようなもんが
おるがやないろうか？』
とのことであった。
『黒くなるというのは、すすみたいになるのか？』
と聞くと、そうだとゆうことで
『それは、アブラムシかコナジラミかカイガラムシ
当たりがおるんじゃないかえ？』
と確認すると、
『それやったらわかるが、そんなようなもんはおらんのだ！』
ということで、イサオくんはダニがいるのではないかと
ダニトロンをスポット散布して様子を見たらしいが
いっこうに改善されないので電話をしたとのことだった。
見に行ってみると、ダニの症状ではなく、やっぱり
アブラムシかコナジラミのようなすすになっているが
アザミウマが吸ったようなキズもあり、なんか全体にきたない感じの
被害になっていた。
スポット的にだんだんと症状が広がっているようであった。
茎もすすけてきている。
果実もヘタの上の方がすすけている。
よく見てみると、ダニトロンでスポットしたからか
死骸のようなものもあったが、なんか黒い動きのにぶい
アザミウマのような形をした虫と、ショクガタマバエの幼虫よりも小さい
ようなボテっとしたウジのような幼虫も見えた。
成虫？
動きはにぶい
幼虫
ボテっとしてさらににぶい
早速、試験場のムシ先生に確認すると
クリバネアザミウマとゆうアザミウマで
最近野市の方でもピーマンで確認されたらしい。
香美地区担当さんによると、今のところピーマンとシシトウで
２戸発生しているらしい。（２／２０）
文献などでは、鉢物など静岡県あたりでは症例があるそうだが、
ナス科で加害をしたとゆう報告例はないそうだ。
普通に殺虫剤で消毒をしていれば、発生して加害することは
ない弱い害虫であろうが、天敵利用が進み、ほとんど殺虫剤を使用しないために
今まで問題になっていなかったが、新たに問題になった害虫の一つということになろう。
圃場で見たとおりで、動きはにぶいため
他のアザミウマ類のように、ピョンピョン跳んで移動するわけではなく
一気に被害が拡大して蔓延していくというようなタイプではないようだ。
最初は、下葉の方から徐々に広がっていく感じだ。
また、文献によると、日本では雄は確認されておらず
雌だけで単為生殖で増えるそうである。
アザミウマ類であれば、タイリクヒメハナカメムシで防除できると考えられるが
イサオくんちはカメムシの定着ハウスであるにもかかわらず、被害が発生した。
その理由として
① 他のアザミウマを食べ尽くして、１月以上前から
タイリクヒメハナカメムシの密度はかなり低下していた。
② 他のアザミウマと比べて、どうもタイリクヒメハナカメムシにとって
おいしそうでない
③ 生息地帯が、下の方中心で、花や新芽の方に多い
タイリクヒメハナカメムシと生息域が異なる
あたりが考えられた。
防除としては、殺虫剤ではアザミウマ対象のものはほとんど効果があるのでは
と考えられるようだ。
ただし、２／１４情報では、イサオくんがさっそく
ダニトロンに続いて、スピノエースをスポットで散布したのだが
丸一日経過後、まだ生きているやつがいるとゆうことなので
もう少し傾向を見ていく必要がある。
また、今のところ他の圃場では確認してないが
ピーマン類だけでなく、ナス等でも発生する可能性はあるので
注意していきたい。
とゆうことで以降２／１７ちょい追加（二報）
週開けてイサオくんちに確認に行ったところ
スピノエースやコテツで発生カ所にかなりスポットをして様子を
見ていたのですが。
こうゆう葉脈のところなどに
チラチラと幼虫やら成虫が生き残っておりました。
案外、やっつけにくいのかもしれません。
ということで、一週間後の2/21ちょい追加（三報）
あんまり、他のハウスではないのかなと思っていた所
安芸市黒鳥のｳｴﾉさんちで
ウエノさんが『なんか見たことないようなあやしいスリップスがおるぞ！』
ということで、早速見せてもらうと
まちがいなく、このクリバネアザミウマ！
ウエノさんは、よく観察していて何でもとにかく発見が早い人なので
今のところ、ハウスの入り口からすぐの所と、その近くの畝の８０ｍくらい先
の２カ所におる！ということだった。
年明けすぐには発生していて、様子を見ていたが
あんまり広がる感じじゃないし、下葉を取ると、すすも目立たなくなる
ので今のところ様子見中
やっぱり、問題のカイガラムシなどよりは心配しなくても大丈夫
な感じでしょうか。けんど、じわ～と蔓延させてしまったら
いやなのは間違いなし！ってなところでしょうか。
撮り放題トップ