ショクガタマバエの成虫!撮影成功


ショクガタマバエはオランダではアブラムシ対策で
けっこう使われているらしいが、日本では
まだまだあんまり売れていない天敵の一つだ。

アブラムシの天敵といえば、なんといっても
コレマンアブラバチと

麦のバンカーなのだが

ケースケ親分(右)とわたし(左)
手前がバンカー



いろいろやっていると、コレマンアブラバチが
寄生できない、ジャガイモヒゲナガアブラムシや

チューリップヒゲナガアブラムシ

が発生したり
それから、コレマンアブラバチでやっつけることが
できるモモアカアブラムシやワタアブラムシであっても
そこへ、そのマミーに寄生してしまう高次寄生蜂(2次寄生蜂)

が入ってくると、約1カ月後には、コレマンアブラバチが
どんどん2次寄生蜂にやられてまたアブラムシが爆発してしまうのだ。


そこで、ちょっとづつショクガタマバエを試してきたのだが
去年あたりから、完全に天敵中心のIPMになっちゃったハウスでは
どんどんどんと当たり前に
このショクガタマバエの利用を始めちゃっているわけなのだ。

ケイスケさんちの放飼

放飼方法もいろいろ名人さんが
それぞれ工夫をして
マニアック放飼箱を作ったり、ショクガタマバエ倍増計画を実施したり
いろいろやっているのだが・・・
それはまた後日紹介するとして、


今回は、あんまり見たことがない!
ショクガタマバエの成虫の姿をご紹介!

なんせ、ショクガタマバエの成虫は夜行性なので
昼間ハウスを回ってもなかなか素人には見つけられないわけなのだ。


ということで、ミノルさんちでコップで羽化させたやつを
見せてもらった

2003.4.7安芸市みっちゃんハウスにて

なんか、ハエというよりカのようなもんだ。

特徴はとにかく前足がぶらさがりやすいような形状をしている。
それから、雄はクルクル巻いた触角がある方らしい。




明るいところで、どまどっているようだ。
グフグフ


こうやって、放飼するときに、ちょっとだけ取って
別に羽化させておいて確認するとわかりやすい。


2003.4.7安芸市みっちゃんハウスにて
放飼した近くで見ると、ナスの木にも止まっていた。


それからナスの葉っぱに止まったところ
2003.4.7安芸市みっちゃんハウスにて

とにかく、なんというか前足がくきっと曲がっていて
特徴があるようだ。


それから羽化した成虫は飛んでいって
アブラムシの出すおしっこ?に含まれている
糖などに誘引されて、アブラムシのいるところへ
卵を産んでいくようだ。


2003.4.7安芸市みっちゃんハウスにて


それで、アブラムシの近くでこのような幼虫が出てきて
アブラムシをやっつけながら
3回脱皮して、地面に落ちて潜って蛹になって
また成虫になるというサイクルらしい。


そこで
これは、ちょっと問題点なのだが


2003.4.7安芸市みっちゃんハウスにて

ミノルさんちは畝の上にマルチをしているのだが
蛹になるのに、葉っぱからポトッと落ちた幼虫が
マルチの上に落ちてしまうと、ありゃりゃ・・・
ということで、そのまま干からびちゃったりして
死んでしまう確率が高いようだ。


まあそうはいっても、オランダは全部ロックウールで土なしの中で
利用しているわけなので、効率は悪くなるだろうがマルチ下でも使えない
ことはないはずなのだ。

それから、蛹は、土を体にくっつけたようになって
いるわけで・・・・
土の上に落ちたとしても、
あんまりカラカラに乾いていると
それもダメのようで・・・

どんな条件がいいのかなどは
まだ、あんまりわかってないようだ。


まだまだ奥深し
ショクガタマバエ

ま、とにかく、大事な天敵の一つでございます。



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