2005年2月17日(木)
今日は沖縄2日目
きのうよりは暑くなかったが
朝からTシャツで十分くらいの温度だ。
残念ながら雨が降っていた。
試験場におじゃまして
2つの研究室でいろいろ教えてもらった。
冬場の日射量は
高知あたりの80%くらいになってしまうらしく
温度的には圧倒的に暖かいが
作物に一番大事なお日様条件は
あんまり良くないらしい。
お昼前まで
耐候性ハウスのことや
沖縄の天敵利用のことなど
聞いて、それから近くの沖縄ソバ屋さんで
ちょっと早めにお昼を食べて
実際の農家の試験圃場をあちこち案内してもらった。
試験場の公用車は4駆で
天敵のPRもしていて
後ろには、テントウムシのシールも貼ってあったりしていた。
土電の広告車両は
ペイントは自前でやったとして
年間数百マンくらいの価値があるわけで
県の公用車は
あちこち地味〜に
目立たず走っているが
農業関係だけで100台以上あるわけで
菜援隊の菜援丸までいかなくても
いろいろ11人兄弟キャラクターやISOシールを作って
ペタペタやっとけばいいと思った。
ゴーヤの花の中のミナミキイロアザミウマ
アリガタシマアザミウマやハモグリミドリヒメコバチ
などの試験をあちこちでやっていた。
沖縄でも現状で一番問題な害虫は
シルバーリーフコナジラミと言っていいかもしれないようで
サバクツヤコバチなど導入しながら、土着の寄生蜂の調査など
いろいろやられているようだった。
シルバーリーフコナジラミの土着の寄生蜂ソフィア
のマミー
サバクツヤコバチのマミーは
黒くならないの見にくいが
ソフィアのマミーは黒くなるので
見やすいらしいが
わたしら素人にとっては
ルーペなしではなかなかむつかしい
肉眼ではほこりにしか見えないが
ルーペで見ると、たしかにマミーになっている。
オンシツツヤコバチのマミーに比べると
わたしの記憶ではオンシツツヤコバチの方がもうちょっと
マミーが大きく見やすいような印象がある。
ソフィアのマミーはオンシツツヤコバチのマミーと比べたら
回りが白っぽいような感じなので
小さく見えるのじゃないか。
それらの寄生蜂の親は、マミーよりは見つけやすい。
肉眼でもわかるが、
アブラムシの寄生蜂 > エカキの寄生蜂 > コナジラミの寄生蜂
なので、みなもう一画アニアックに観察してもらわないといけない。
親の種別は目の色などでわかるらしいが
われわれにとっては、とにかくコナジラミをやっつける
寄生蜂ならなんでもいいわけなので、ようはクリーム色の
ちっちゃいちっちゃいハチということだ。
問題なのは
アブラムシの寄生蜂のコレマンアブラバチや土着のギフアブラバチは
マミーになっていれば、殺菌剤などがかかっても全然平気だし
エカキの寄生蜂も、葉の中で幼虫時代なので
寄生すれば殺菌剤などがかかってもけっこう平気で
問題ないが
コナジラミの天敵は、あまりにもちっちゃくなるので
特に親は殺菌剤の散布でも、親蜂はかなり死んでしまうということだ。
それで、マミーが確認できていれば、マミーはちゃんと残るよ
ということならまだいいかもしれないが、そこらあたりの情報も
まだほとんどないようだ。
土着の寄生蜂は沖縄以外でも
サバクの試験をしているところなどで
同様に観察されてきているようなので
高知でも、とにかく、シルバーリーフの初期密度と
選択制剤の利用と、導入天敵の早め放飼かつ追加放飼かつマミーの確認
などなど、せめて200戸くらいはど〜んとやってもらっていくと
かなりいろいろわかってくるのじゃないか。
ただ、沖縄でもナスのハウスなどで
土着でかなりの寄生率になってくるのは
引き上げ時で、かなりやられた後
ということなので、
今のままいくと、やはりまだ数年は
どこも苦労するという感じだ。
トマトの問題のウイルス病は沖縄には
入ってないらしい。
理由の一つとして、ミデイトマト以外は
ほとんど本州から苗が入ってないことが
あるらしい。
購入苗というのは、便利だがやはり
侵入害虫の拡大・蔓延の大きな原因のようだ。
嶺北では、以前はミナミキイロの問題がかなりあったが
苗を平場から入れなくなって、地元の育苗センター主体
になったことで、ほとんどミナミキイロを見なくなっている
状態のようで、もちろんシルバーリーフもまだ問題に
なってないわけで・・・
冬場侵入害虫が越冬できないところで
育苗をして、クリーンな苗の供給体制を取るのは
たいへんかもしれないが、結局農家が楽になる
一番の近道なのかもしれない。
コナジラミ自体侵入害虫なので
その寄生蜂がなんで土着?でいるのか
コナジラミが侵入する前は、何に寄生していたの
とか、いろいろ教えてもらいたいのだが
なかなかそこらへんもあまり知られてないらしい。
それから、現場の圃場ではエカキと同じで
導入天敵よりも土着寄生蜂がだんだん優勢になってくる
いくつかある土着の寄生蜂でもソフィアというのが
一番多いらしいのだが、
人工増殖すると、ソフィアよりもマルトモというやつが
優先になりやすいらしい。
飼いやすさと圃場での定着のしやすさがどうなのか
どの種が寄生率が高く、実際の害虫の抑制効果としては高いのか
コナジラミが先にわいて、寄生蜂が遅れると、
最後には逆転しても防除したとはいえないことになるが
では、コナジラミの発生極初期からの導入で
どこまでバッチリ押さえれるかとか
そこらへんもまだまだこれからだ。
ピーマン類よりはナスの方がだいぶ
コナジラミがわきやすいし、ナスの方が殺菌剤が多く必要なので
よけい寄生蜂の利用も準備がいるということだけは
間違いないようだ。
ハモグリバエは高知といっしょで
普通に管理していれば
あんまり問題にならないようだ。
トマトのハウスに
クロヒョウタンカスミカメムシもいた。
クロヒョウタンは沖縄でも普通にいるそうだ。
飼育も簡単らしい。
コミドリチビトビカスミカメムシがもっと多いらしい。
コナジラミも食べるが
バッチリとはいえないようだ。
オランダはまず寄生蜂の利用で
寄生蜂も最近はいろいろミックスしたやつが中心で
さらに捕食性のカメムシなども利用して防除している
わけだが、われわれには導入できる捕食性天敵としては
タイリクヒメハナカメムシしかないので
あとは、観察で頑張るしかないぞというところだ。
さて、あっちこっち
お世話になって見せてもらって
6時も回って薄暗くなって
夜は試験場の近くで、試験場の方らとJAの方と普及員の方と
居酒屋に行った。
なぜか北の大地とかいう名前のお店だったが
メニューはしっかり沖縄料理がたくさんあって
お酒も泡盛がいっぱいあった。
いろいろ天敵の普及の話で盛り上がった。
それから2次会は、国際通りのなかなかデープなところへ
案内してもらって
ちょうど安芸でいうとペキンのあるあたりのような雰囲気で
餃子屋さんに入った。
奥のふか〜い店の奥の部屋で
餃子と泡盛がうまかった。
なんというか、不思議な祭壇というか飾り付けで
なかなか味があって、またどんどんと夜は更けていった
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