2010年11月15日(月)
エル・エヒド市内ハウスへ
ハウス街へ入っていくと
広い道路から
枝分かれした
ハウス街は
入り口がゲートになっている
とこなどもあった。
こういうところだけ比べたら
芸西のハウス街
とちょうど似たような感じだが
違うのは
芸西だったら
この時間帯は
一つ一つのハウスの入り口に
軽トラがずらっと並んでいるのだが
なんとも人の気配が少ない!
市役所で聞いた数のとおりだ
ハウスの面積の割りに
働いている農家や作業員さんの数は
圧倒的に少ない!のだ。
右から2番目の方が
この農園の農場主さん
右端の人が
テクニコと行って
それぞれの農家や農場の
技術指導等をする存在の方
このテクニコさんの持っているカギを見れば
この方がいくつのハウスの指導を
しているかがわかる!
だいたい一人
20農家くらいの指導をしていると
いうことだったが
確かに
この方も20個くらいカギを持っている
のであった
昔は
けっこう泥棒なんかもあったりしたし
それから
今はGAPで
安全管理面からも
農園にはカギをちゃんとかけると
いうことのようだ。
さて
アルメリア
1ハウス目は
パプリカ
グーグルアースでは
ハウスの前に止まっている車は見えるが
ハウスの中までは見えないので
やっぱり実際に
訪れてみなとわからない
このハウスは
養液栽培、培地はココピートのバックカルチャー。
無加温
1月いっぱいまで採って
後はスイカorメロンを植えるそうだ。
ジャリを敷いた上に
そのまま培地を置いているだけ
灌水装置はイスラエル
実にシンプル
天敵は
定植後一ヶ月くらいで
タイリク3000頭/10aを入れといて
その一週間後にスワル100頭/株
ということだった
天敵の単価は
日本の1/3からヘタすれば1/6くらい
エルエヒドの14000ha
アルメリア全体で28000haの
主要品目
ピーマン、キュウリ、トマト
すいか、メロン、ナス、インゲン、ズッキーニ
の全てのハウスで
使っているわけで
安くなるのは当然だが
それにしても
やっぱり安い。
おのずと
放飼頭数も日本より格段に多い。
やっぱり
最後はこれだ。
日本全体でいえば59000haも
ハウスがあるわけで
日本も
こちょこちょこちょこちょ
何十年も試験ばっかりやってないで
それらの品目とイチゴあたりは
いくつかのメーカーさんとも
しっかり協議しておいて
産地毎の放飼時期と放飼量を決定しておいて
価格の折り合いと供給体制の整備をばっちり整えたら
日本中の産地が連携して一斉に
ど〜んと本気でやれば
こんな世界になるのになあ
・・・
これは
本気で
なんとかしたい!
タイリクも
だいたいどの花にも複数匹定着していた。
スワルはすでにパックが主流
日本はまだ登録で時間がかかっていて
発売すらされていない・・・
それから
これは何だろうと
思ったら
ネッシー
というあだなで
タバコカスミカメだった。
10年前に大流行していたマクロファス
にかわって
今はネッシーが
大流行に
なってきているようだ。
普通に500mlのボトルに入っていて
ソバガラが緩衝材
放飼はこのような形で
やられているようだ。
スワルもだいたいどの葉にも
きれいに定着していた。
次は同じ農場主さんの
キュウリのハウス
カギをあけて
よっこらしょと
入り口のドアを開ける
テクニコ(指導員)さん
キュウリも
ここは12月になったらもうすぐ
引き上げのようで
樹もだいぶ疲れていた。
ここも培地で養液栽培
誘引も簡単
ツル下ろしとかせずに
上まで行ったら
棚に横にはわせて
棚も行き着いたら生長点は下に行って
採り終わったら終わり
天敵はスワルの2段階放飼のようで
定植後
本葉がそこそこ大きくなってきたら
ボトル製剤で放飼して
生長点が棚まで伸びたころに
パック製剤を放飼するようだ。
実にわかりやすくて
簡単でいい。
日本は
とにかく天敵が高いので
できるだけ少なく・・・
という頭が強すぎて
放飼の時期やら放飼の量やら
タイミングやら
未だに考えている。
食う虫と食われる虫の関係は
食われる虫の増える速度よりも
食う虫の増える速度が速ければ収束するわけで
そのためには
食う虫をとにかくたくさん入れることさえできれば
細かい技術なんぞは
あんまり関係ないわけで・・・
みんなが取り組めるようになるためには
やっぱり
大量放飼ができる体制づくりを
急ぎたい。
キュウリもきっちり
定着しておりました。
こういう粘着板なんかも
けっこうきちんと使ったりもしておりました。
(ハウス全体ではなかった。
聞いて見るとモニタリングだけのためではなく
やっぱり密度抑制のためということだった)
次はトマトのハウス
出荷のためのトラックと
フォーク
ここは
レールがあって
温湯のボイラーがあるようだった。
ということで
このトマトは植え替えず一作採りの作型
収穫中の作業員さん
レールはあるが
収穫車はいたって低コスト
オランダ方式とはだいぶ違う
とにかく
低コストの工夫がいっぱい
一番感動するのは
ハウスの構造だ
つづく
・・・
農業部長さんによると
エル・エヒド市では
このような加温のハウスは
まだ1000haくらいしかないのでは
ということで、
視察初日に案内してもらった
この農場は
先進的な取り組み農家
ということのようだ。
APハウスの最大の欠点のC鋼は使わず
パイプだけで仕上げている
また鋼材のコストアップにつながる
必要以上の梁はなし
エロ親父さんによると
これに近いやつは
すでに
○昇さんとこにあるぞ
ということだ。
今まで見たところは
どこも内張すらない
それから
AMだが
どこも開け放していて
ハウス内の温度は
高知の温度管理よりも
明らかに低い
ほったらかしっちゅうことか??
ということで
この農家さんでは
ここまでの
予定だったようだが
あんまり熱心に見聞きするので
普通の一般的な土耕も見せるよ
ということで
土耕のパプリカハウスへ
作型は
一緒で、無加温なのでやはり1月末までで
ウリ科に転換
畝とかはまったく作らず
ベタだ。
Hさんが土づくりのことを聴いて
答えにびっくり
ここは
元々砂漠地帯のようなところなので
水田立地の田んぼにハウスを建てている
我々の土づくりの感覚とは全く違っているのであった。
ハウスを建てる時に
土地を整地して
こんな感じの岩盤みたいなところがほとんどなので
岩盤はガリガリと機械で崩してちっちゃな礫・砂
にして
それを20cmくらい敷き詰めるらしい
それから
その上に
コンポスト・鶏糞等で作った堆肥を
数cm(2〜3cm)敷き詰めるらしい
そしてその上に
また
ジャリというか砂というか
この表面の土を7〜8cm
敷いてできあがりらしい。
それで、5、6年〜10年くらいは
OKということらしい。
経費的にはココピート等の培地を使うよりも
そちらの方が安いということで
多くのハウスはそういう形で
土を整備して(客土というべき感じ)
栽培をしているということだった。
テクニコさんが掘って見せてくれた
確かに
7,8cm砂というか礫というか
表面の土を掘っていくと
茶色い有機物の層があって
その下はまた砂というか礫
したがって
肥培管理は
ほとんど100%
液肥の点滴灌水
どの作物でも
どの農家にも
栽培が終わった後の
管理をお聞きしてみたところ
6月末頃栽培が終わったら
作物は鋤込むのではなく
全部外へ出して
それは産廃処理(堆肥センター)
みたいなところ(市内に数カ所あるらしい)で
で処理をしてもらって
あと
ポリをベタがけして
太陽熱消毒を
励行している
とのことであった。
ハウス群の間にあるの作業小屋の
前の広場には
栽培途中で摘葉した葉っぱ等を回収して
コンポスト場へ持って行くパレット(緑のやつ)が
で〜んとおかれていた。
農薬庫や
培養液を調整しているところも
見せてもらった。
GーGAPに耐えうる
必要最低限の整理管理が
されているような感じだった。
栽培履歴的なものは
農家がきちんと整理するというよりは
農家を回って指導している
(もちろん農家がお金を払っている)
テクニコさんらが
整理しているというような感じだった。
ということで
朝からず〜と視察を続け
時間はもうすでに
2時をちょい回り
・・・
こちらは
12時でお休み!
という感じではまったくなく
シエスタは
13時半〜3時
らしい。
そろそろお昼にしましょう!
ということで
20分くらいハウス街を抜けて
海岸沿いまで下りていった。
リゾートマンションみたいなのが
建ち並び
ゴルフ場があったりで
海まで出ると
ヨットハーバーになっていた。
お〜なんと
優雅な・・・
ヨーロッパの方々は
こういうところで
バカンスを楽しむのだろう
・・・
ということで
シーフードレストランの
半オ−プンカフェみたいな素敵なところで
ゆっくりとお昼となったのであった。
ビールが超うまかった。
ツブ貝のオリーブ漬けみたいなのがうまい
ガスパッチョもうまい
ホタテみたいな貝もうまい
そして
パエリアも
ちょー大盛りで
ちょーうまかった。
結局
ワインも飲んで
4時すぎくらいまで
昼食
お腹もいっぱいいっぱいになって
それではそろそろと
いうことで
午後の視察へと移動したのであった。
今は静かなヨットハーバー
バカンスの時期にはどんな賑わいになるのだろう・・
ということで
午後からは
約500戸の農家が出荷しているという
COOPというか
農協というか
出荷組合というか
集出荷場というか
におじゃました。
なかなか大きな集出荷施設で
総会をやるという
会議室もあった。
500戸の農家を回っているテクニコさんらが
例えば、来年度の作付け計画
キュウリは何ヘクタールで誰がどの作型の作るか
トマトはどうするか
みたいなのも全部決めているそうだった。
とてもでかい
ズッキーニのライン
GーGAP対応のはずなのだが
オランダのレベルと比べたらまだまだだが
日本の集出荷場のレベルと同様だった。
予冷施設等も
バッチリ揃っていた。
ナスのライン
米なすタイプが一個ずつ袋詰めになっていた
通いコンテナ
もうすでに
ヨーロッパでは当然のことだが
集出荷場というのは
当然産地の箱というのもあるが
主は出荷先の量販店毎に
PBに対応した荷姿・規格・箱で
出荷する対応ができている。
日本はヨーロッパ程には
まだ量販店の寡占化は進んでいないので
どうしても産地の箱ちゅうのが
ほとんどだが
これからはもっと
メインの顧客さんには
PBで必要な量を定時定量継続して
供給できる体制が必須であろう。
もちろん
全体の出荷量は日々変わるので
契約以外の分は
産地の箱で、今までと同様
売ってもらう対応でいい。
顔が見える!?
とかいいつつ
また、生産者を分けて
区分販売したりし始めているが
産地の思いだけで
荷物を分けてもダメなことは
もう何年も前から証明済みであって
区分販売するなら
その分は、顧客も固定して
量も単価も規格も期間も決めて
日々変わる出荷量で
それ以外の分は
区分せずに出荷できる体制を
つくらないと
意味がないのではないかと思う。
ということで
ゆっくり見せてもらっていると
いつの間にか
外はまっくら
初日の視察は
無事終了したのであった。
あっ
ちなみに
この集出荷場の
勤務体制は
2交代で
7時〜3時くらいのパターンと
3時〜8時くらいのパターンだそうだ。
エル・エヒド市の夜景
電照のハウスはほとんどなくて
この灯りは
道路の街灯です!
さて、
お昼にメチャクチャ食べたので
みんなお腹が減ってなく
晩ご飯はいらないが・・・
でも、やっぱりビールは飲みに行きたいぞ
ということで
高知のおっさん5人組は
通訳のSさんにつき合ってもらって
ホテルの近くのバーへ行った。
夜の8時半にならないと
飲食店は開かない!
すぐ近くの
カルフールを覗いて
いろいろお菓子などのお土産
を見たり、水を買ったりして時間をつぶして
それから
飲みに行った。
つまみはあんまし
いらなかったのだが
Sさんによると
アルメリア地方では
多くの店では
ビールを頼むと
ちょっとした料理が一皿つく
システムになっていて
米なすのピザ
ビールをおかわりするたびに
いろいろおいしそうな
料理が
ついてきて
またついつい
それからなんと
ワインを頼むと
ワイン1本には
なんとつまみが
5皿もついてきて
・・・
うお〜
どんどん
夜は更けていったのであった
・・・
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