2010年11月16日(火)
本日もいいお天気
アルメリアのホテルでお目覚め
昨日は
雇用形態の大規模農家だったが
本日は
家族経営の
一般的な農家への訪問
案内をしてくださったのは
伸び盛りの出荷場のブチョーさん
まずはキュウリ農家さんへ
ここでも質問の対応は
その農家さんに出入りしている
テクニコの方
このハウスは
この地方の
最も一般的なスタイル
柱は
鉄筋入りのコンクリート
ほとんど水平張りのようなハウスで
すごいのは
天のフィルムを支えるのは
ワイヤーのみ
まさに低コスト
台風とかがないし
大雨も降らないので
こういうタイプで十分なのだろう。
うらやまし〜〜
夏場の暑さは
石灰のペンキをぶっかけて
遮光する。
誘引のワイヤーを
止めている
ワイヤーと柱
灌水は
点滴のドリップと
このハウスは
天に簡単なミストも
できるようになっていた。
天窓の開口部
どのハウスも
開口部は天もサイドも全て防虫ネットをしている
縦0.8-横0.4だとか言っていた。
でもこんなちっちゃな開口部で
換気が十分できるのか・・
今の時期の温度管理としては
ここも高知のハウスよりは
ずっと涼しい温度管理だった。
夏はかなり暑い!
という風に聴いているが
今の日本の夏と比べたら
海洋性気候でだいぶ
涼しいのじゃないだろうか。
これはやっぱり
夏も来てみないとわからないぞ・・・!?
昨日みたキュウリと比較したら
だいぶ樹が新しく
これから収穫できる果実が
ずらずら成っていた。
ここも
天敵は
スワルを
初期にボトル放飼
それから
生長点が誘引ヒモに届くくらいに
なったら
パック放飼
でも
このハウスは
みなで
けっこう探したが
定着を確認することは
できなかった。
それにしても
みなでこうやって
地球の反対側の
全然環境が違うところで
営まれている農業の
それぞれ工夫して
いろいろ磨いて
努力して
競争して
築き上げてきた
いろいろ技術の話を聴いていると
ほんとに
おもしろい!
これだ
この感覚
ライバルが
技術を高め
人を育てる
いい
ライバルを
持とうじゃないか!
ということで
次は
この農家が出荷している
伸び盛りの出荷場
・・・
ありゃ
昨日行ったところの
お隣さんでした
・・
こちらは
オランダと一緒で
完全防備で
中へ
手洗いも徹底
なるほど
ここは
オランダと
全く同レベルだった。
どのラインも
整然としている
箱によって
ブランドを変えている
PB対応もあるし
それから
上級品中心のブランドと
分けた
下級品専用のブランドも
あるようだ。
これは何か
アイルランドの市場行きの
無印!?ブランド!?
・・・
どういうこっちゃか
よくわからなかったが
そんなのもあった。
オレンジのパプリカのライン
すごい出荷量だ。
ズッキーニのライン
それぞれのパレットには
これで
生産者とかラインとか
日時とか
全部トレースできるらしい
ちょい前までのオランダは
それぞれの農家が
選果施設も持って個選中心だったが
それでは
量販対応はムリだし
効率が悪いということで
どんどん共選体制になって
どでかい集出荷場が整備されたりしている。
スペインは
個選で市場出荷も
あるにはあるようだが
それは
国内流通のセリ市場のみのようで
メインの65%の輸出用は
こういう集出荷場
(農家出資のCOOP等が中心)
で効率を追求して
やっているようだった。
あとは
大きな雇用中心の
100haとかの農家(明日訪問予定)
は、自分の農場で
完結した集出荷施設を持っている
ようだ。
さすが
オランダに
追いつけ追い越せの
世界3大園芸産地の雄(勝手に命名)!
いずれにしても
ムダをなくし
いろんな強豪産地に負けない
というか
時期なり品目なりで
自分の産地のシェアをきちんと確保できる
努力は常に怠たらない
姿勢がよくわかったのであった。
産地の中に
ダラダラした雰囲気は
まったくない!
日本より
遅い
お昼は
ゆっくり
休んで
バカンスも
ゆっくり
あるようですが
・・・
見てて一番おもしろかったライン
3色パプリカの
袋詰めライン
どんどん
ラインにパプリカがたまっていって
仕分けがたいへんそうだった
・・・
ということで
記念撮影をして
今日も
ちょっと遅い
お昼へ
また海岸の
リゾートの
ヨットハーバーの
ちょっとまた別の
シーフードレストランに行った。
昨日みたいに
どっさり料理がでたら
ちょっと
ありがたこまるぞ
ということで
軽めにお願いして
もちろん
ビール!で乾杯
お〜うまい!
二杯目は
外向いて乾杯
お天気もいいし
あんまり気持ちがいいので
エロ親父さんは
ご機嫌になって
なぜか
ビールを飲んでいる自分を自分で撮るのだ!
とかいいつつ
芝生の上で
パフォーマンスをして
うけまくっていたのであった。
このオリーブがうまい
サラダも
オリーブオイルと
ビネガードレッシングをちょいと
かけてうまい
タコをたたいてやわらかくして
焼いたのもうまい
キノコとアサリもうまい
イカリングもうまい
そして
ムール貝もうまい
・・・
ということで
またワインも飲んで
ゆっくりと
午後の昼下がりの
ランチを
いただいたのであった
立ち並ぶリゾートマンション
けっこう空いている部屋が
多いような気がするが
・・・
それから
またバスに乗って
ちょっと
高台で止めてもらった。
並木の下はゴルフ場
左手が
リゾートマンション地帯で
その先に
ヨットハーバー
正面に広がっているのが
ハウス地帯の一部
ヘリコプターかなんかで
上空にいかないと
この広い14000haのハウス地帯は
写真に撮れない
もともとの
土地は
こんな感じの
岩盤みたいな感じのとこが
多い
正面は
地中海
思い切って
見に来てよかった!
ということで
20分くらい
アルメリア側に戻って
コパートスペインへ
おじゃました。
出荷を待つマルハナバチや
スワルスキーのパック製剤
そうなのだ
天敵産業も
これくらいの規模に
早くならないと
メーカーもやってられない!
ここでは
コパートはもちろん
バイオベストもあるし
ビオもあるし
シンジェンタもある
それぞれ
テクニコさんもいて
パレットで
農薬ではなくて
どんどん天敵が流通する
これが
大流行の
ネッシー
(ネシバック)
(タバコカスミカメ)
ネッシーを放飼して
エサとなる害虫が少ない時に
エサとして
放飼することが出来るエサまで
売っていた。
ようは
スジコナの卵
安い
わたしは
コパートで
これが一番感動した。
これは
魚釣りとかで使うクーラーボックス!
なんで天敵販売メーカーに
こんなものが
パレットであるのか!というと
農家が天敵を注文して
デリバリーするのに
温度が上がりすぎたりすると
パ〜
なので
この
クーラーボックスに
天敵を入れてデリバリーする!
天敵を入れる入れ物も
パレットでズラッとある!
天敵産業は
日本ではまだたかだか3億ちょい
そのうち高知が1億
後発なのにすでに
お隣さんの韓国でもすでに20億産業に
なっているという
・・・
日本でも早く
これくらいの産業に
しないと
日本の農家はつらい
・・・
ということで
本日の最後は
コパート社の方に
リクエストしてお願いしていた
ナス農家さんに案内してもらった。
入り口を入るところ
今回の訪問で
わたしは
この農家さんが最も印象に残った。
明るく
なんでも自分でパキパキと質問に答えてくれる
ナス農家さんと
質問するKくん(左)と、なんでもバッチリ通訳してくれるSさん
なんと
この農家さん
家族3人で
1.5ヘクタール
ハウスのナスを栽培しているとのことだった。
雇用はなしらしい
親父さんの代からナスを作っているらしい。
ということは
親父さんとお母さんと本人さんか・・・
それにしても3人で
1.5ヘクタールはすごいが
これがアルメリアの平均なのだ。
いろいろ聴いてみると
定植やビニール張り、引き上げ
などの作業は、
他の農家らと共同でやるそうだ。
業者に頼むのもあるらしい。
出荷は
パッケージングは
もちろんパッケージセンター(集出荷場)で
輸出用の出荷組織にも出しているし
国内流通用のオークション地方市場にも
出荷しているとのことだった。
それにしても
高知のナスは
だいたい夫婦で0.3ha
それをいかに粗放的にしているといっても
3人で1.5haも収穫したり世話したりするためには
シエスタが取れないのじゃないか!
とお聞きしてみると
『スペイン人は、世界で最もシエスタを取らない人種なんですよ!』
とジョークが帰って来た。
(ホントはとにかく1時半から3時までのシエスタ中は
視察訪問もできないのが実態)
そしてそのあと
パッパッパと
両手でバリバリ脇芽留めと摘葉を
して見せてくれ
『このスピードでやるんだ!』
みたいな感じで
ニヤッと笑って
教えてくれたのであった。
実にサッパリして
かっこいい農家さんだった。
ハウスは
おそらくこれが
最も一般的なのだろう
ほんとに低コスト
柱は木製
(ただし基礎のコンクリ巻はしている)
下写真右
土は
やはり客土したもので
中には有機物の層
ただしここは
整地してだいぶ経つようで
表面のジャリは踏み固められて
土みたいになっていた
それから
クロマルチをしていた
ほんとにほとんど水平張りだ
サイド縁は木を斜めにしてワイヤーを張っている。
誘引はなんとマイカー線のような・・
天敵は
スワルのパックと
ネッシーが
ちゃんと定着していた。
農家さんによると
タイリクとネッシーと比較すると
ネッシーの方が単価は高いが
定着はネッシーの方がいいということで、
オランダくらい安かったら
タイリクをもっと大量に入れれるのでいいのだが
そんなに入れると
コスト高になるので
ネッシーを使うようになっている
とのことであった。
明快でたいへんわかりやすい!
なぜか、カリフラワーのようなのの畝があって
おっバンカーか何かか?
と思ったが
自分とこで食べるためだよ!
とのことだった。
とはいいつつ
こんなピーマンの畝もあった。
食べるのもホントだろうが
バンカー的な意味も持っているのだろう
トマトの畝もあった
この農家さんも
殺虫剤は限りなくゼロ
とのことで
殺菌は?
ウドンコと葉かび、灰色かび等が
問題になるとのことだったが
こんだけ乾燥していたら
やっぱりウドンコが最も問題
イオウ中心で
それ以外の化学農薬としては
ストロビーのようなのと
リドミルの粒剤
を使っているのを見せてくれた。
全使用回数は
年に数回のようだ。
女性陣はコパートの職員さんのようで
真ん中はテクニコさん
このダンデイーな方も
テクニコさん
とにかく
スペインでは
GAP、IPMのキーマンは
テクニコさん(技術指導員)
農家の
テクニコさんのニーズは
もちろん時代によって変わるわけで
2004年から
最も必要な技術指導はIPM関連
そしてまた
グローバルGAPや
それぞれの輸出国先の量販店GAPや
認証等への対応指導
テクニコさんは
当然
大学など国の機関で
そういう分野の研修を受けて資格を取る
あとは指導力で
農家からお声がかかるかかからないか
企業からお声がかかるかかからないか
なかなか厳しい
スペインでは
農家も肥料や農薬を買うためには
講習を受けて免許みたいな資格を取らないと
ダメなシステムで
環境直接支払いみたいな支援も
そういう講習を受けて免許を持っている農家でないと
受けられない。
いずれにしても
明確だ!
もうかなり夕暮れで
温度は15度くらいには冷えているが
サイドは全開
それから
Tセンセイが
お願いして
これまた
条例みたいな感じで
この地域の全農家に徹底されている
降った貴重な雨水は
必ずプールを作って貯めるか
地下水層へ浸透させなければならないが
どんな風にしているのか
ということで
実際に見せてもらうことになった。
まったく想定外の
質問だったと思うが
OKOKということで
パッパとハウスの外へ出て
ハウスの裏へ案内してくれた。
雨が少ないので
ほんとにハウス構造が簡単だ。
通路に草もぜんぜん生えにくそうだ
これは
一定の負担金を払って利用する
共同利用の灌漑水パイプ
これが樋の先の
地下水層へ水を浸透させる穴だ
えっ〜どれ?
これだ!
なるほど
ヘクタール規模のハウスで受けた
雨水がこの穴ではけるという
ことで
時間降雨100mmを越えてしまう
場合もある高知では
絶対考えられない
大きさなのであった
・・・
ということで
日も暮れてきて
ほんとに親切にいろいろ教えてくれた
農家さんとテクニコさんらにお礼を言って
高知のお土産を受け取ってもらって
農家さんは
左の出荷用のトラックで
去っていったのであった。
ハウスは開けっ放し
なのであった
・・・
あ〜〜
温度計を設置したい
あとで総合的に簡単に検証してみると
労働力3名で1.5ヘクタール
ナスはパプリカやキュウリとは違って
年一作で
その収量は14t〜15t/10aということで
米なすタイプとしては
高知よりはだいぶ低い
この温度管理と、この面積で
さすがに高知並の収量を採られたら
まいるよなあ
・・・
しかしながら
ナスの単価が
メチャクチャ安くなっていて
30円/kgとからしい
となると
15tとして10aで45万
1haで450万の売り上げ
ということになるので
確かに
それは3人程度じゃないと
飯が食えないことになる
ハウスとか施設、資材も
とにかく低コストに仕上げないと
赤字になることも
納得がいく
それにしても
岩盤ばかりで乾燥大地¥の
決して豊かではないが
広さと3000時間の日射量
そして少ない雨量だが
切れることはない
シエラネバダ山脈からの
伏流水と
地中海性の気候を
ほんとにフルに生かした
大産地
なのだなあと
実感したのであった。
帰りのバスから撮影
お〜
写真の左にあるのが
でっかいフルイで
これに
粉砕した礫をフルイにかけて
土らしきものを作って
それを
岩盤の上に客土して
整備していく!
ちゅうことだ
ということで
ハウスの水平線に沈む夕日を後にして
アルメリアのホテルに戻った。
また今日も
スーパーとか
街中を
うろうろして
お土産や
ウインドショッピングをして
うろうろした。
街の雰囲気もすごくいい
クリスマスのイルミネーションの準備が
始まっていた。
きっと12月になったら
あちこちにきれいなイルミネーションが
点灯するのだろう
・・
小路もいっぱいあって
どっち見ても
絵になっている
教会かな?
ということで
本日も通訳のSさんが
見つけてくれた
とても素敵なレストラン
八時半になって
オープン!
ということで
おじゃましたのであった。
レンガ造りで
入り口のカウンターに
なじみ客のようになじむ
Nアニキ
(今回Nチーフは、メンバー全員にすっかりアニキ!
と呼ばれるようになったのであった)
ということで
お店の奥の方に
席を作ってもらって
今日もお昼に
ゆっくりたくさん食べたので
そんなにお腹は減ってないが
またアルメリアサービスで
ビールを注文すると1皿
ピッチャーで注文するとなんと5皿
ワインをサイダーで割って中に柑橘も入っている
おいしいやつもピッチャーで注文すると5皿
ワインを注文すると5皿
ということで
どんどん料理のお皿が増えていき
気持ちよく
おいしく
お酒がどんどん進み
イカスミのパエリアとか
スペイン料理もいっぱいで
盛り上がり
明るい店員さんが
フラメンコも踊れる!
ということで
Kさんと一緒にチラッと披露してくれたりして
大いに盛り上がり
アニキとKさんと踊ってくれた店員さんと
Aリマチーフにそっくりな男の店員さん
スペインの夜は
今日も
どんどん
更けていったのであった。
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