栄養一口コラム


牛乳の栄養とその効果
牛乳は子供の頃から、馴染み深い飲み物のひとつだと思います。
先週、女性に欠かせない栄養分として、カルシウムを紹介しました。
今週は、カルシウムといえばこれ!というくらい代表的な牛乳のお話です。

まず、牛乳に含まれている代表的な栄養は、
たんぱく質・脂肪・カルシウム・ビタミンA、B2などです。

牛乳に含まれているたんぱく質はとても良質で、体内では合成することのできない
必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。
牛乳のたんぱく質はカゼインが主で、このカゼインは
必須アミノ酸のひとつトリプトファンから構成されています。
よく、『眠れない時には牛乳を飲むと良い』と言われていますが、
それは、このトリプトファンが大きく関係しているのです。

入眠作用があるセロトニンという物質があります。
トリプトファンはこのセロトニンを体内で作る原料となるのです。
だから、“眠れない時には牛乳が良い”のですね!

なぜ、眠れない時に牛乳が良いのかといえば、
もうひとつ理由があります。カルシウムです。

カルシウムは99%が骨の中にあり、残りの1%は細胞や血液の中にあります。
その働きは骨を作る以外にも、筋肉の収縮や神経の伝達に関与しています。
カルシウムは体内では合成できないので、食べ物から摂取するしかありません。

不足すると、まず、血液中のカルシウムが溶け出し、それを補うために、
骨のカルシウムが使われます。
カルシウムが不足するとイライラするのは、
血液中のカルシウム濃度が低下し、
神経を過敏にしてしまうからとみられています。
カルシウムには、人が起きている時に働く、交感神経を休ませる働きがあります。
カルシウムが不足すると交感神経が休まらず、
夜になっても眠れない、という状態になってしまうようです。
そこで、カルシウムを豊富に含んだ牛乳を飲むと良いといわれるのです。
ただ、カルシウム不足を解消するには、日頃から牛乳を飲んでないとだめなんだそうです。

カルシウムの必要量は、大人で1日600mgです。
もっと正確に言うと、体重1kg当たり、成人男性で約8mg、女性で約9mgです。
女性は閉経後に、ホルモンのバランス変化によって
カルシウムが2倍のスピードで失われていくため、骨がもろくなり、
骨粗しょう症になりやすいのです。
予防のためにも日頃から、カルシウムを取るよう心がけると良いですね!

長くなってきましたが、最後に、脂肪のお話を少し・・・

牛乳の脂肪(乳脂肪)はとても小さい粒子でできているので、
消化吸収が良く、エネルギーとして使われやすく、
脂肪として体内に蓄積されにくい
のだそうです!!
また不飽和脂肪酸(オレイン酸)が含まれており、
生活習慣病を予防する効果もあります。
おまけに、牛乳には脂肪の代謝を助けるビタミンB2も含まれているのですから、
牛乳ってエライのかも・・・

乳脂肪はカラダの脂肪になりにくい!!
おやつを食べるなら、アイスクリームが太りにくいって
昔、あるTV番組で言ってたなぁ・・・

不眠も防いで、骨を守り、おまけに太りにくい。
まさに牛乳は女性の味方なんですね!!


必須アミノ酸
たんぱく質は筋肉や内臓、細胞を作り出す物質であり、
20種類のアミノ酸から構成されている。
必須アミノ酸とは、このうち、体内で合成できない8種類をさす。
ロイシン、イソロイシン、リジン、バリン、
スレオニン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン


セロトニン
必須アミノ酸のトリプトファンを原料として
脳内で作られる物質。
セロトニンは、副交感神経系に作用する物質で、
交感神経によって支配されていた体の興奮や
覚醒活動を抑え、眠りに導くのです。

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参考文献〜五訂食品成分表