5月15日と23日、家内と散歩がてら、近くの牟礼神社に行きました。安威川沿いに南に行き、橋を渡って向こう岸の中村町の住宅街の中にあります。
クスノキ2本とイチョウが、茨木市指定の保存樹になっていて、まずそれに触ってみました(その他、ムクノキも保存樹になっているが、これは2018年の台風で倒れてしまったとのこと)。とくに指定番号23号のクスノキは立派な姿のようです。直径2mくらいはあるでしょうか、太い根が10本くらい放射状に地上を伸び広がっていて、私はそれぞれの根をまたぎながら一周してみました。そして、大樹にしばらく寄りかかるようにして、エネルギーを感じていました。(もう1本のクスノキは、直径1.5mくらいだったでしょうか、道沿いの崖のような所にあって、うまく触れなかった。イチョウは、葉に触れてみると、6cmくらいの扇形のちょうど真ん中にきれいにすうっと切れ目があって、かわいい感じだった。)
牟礼神社は式内社(平安中期の延喜式の巻9と10の『延喜式神名帳』に掲載されている神社のこと。そこに「摂津国島下郡 牟礼神社」と記載されているとのこと)ということになっていて、由緒書きのようなものを少し読んでもらいましたが、あまりよくは分かりませんでした。幾度か安威川沿いの地を移転しているようです。昭和14年(1939年)には、安威川の改修で社地が河川敷となるため、現在の地に移転したそうです。そのさい、社伝などは大阪市天王寺区生玉町の生國魂(いくくにたま)神社の境内社・北向八幡宮の社殿を移築したものだとのこと。移築の様子を伝える貴重な写真があり、写真では、淀川に架る旧枚方大橋を、牛 2頭?に引かれ、多くの人たちに囲まれながら、流造のような社が渡っているのが見えているようです。この社殿は、見えにくくてはっきりとはしませんが、奥の本殿になっているようです。
神社にお祀りする神様は、有名な神様をあちこちから迎えるというのはよく聞きますが、建物まで移築・転用することがあるのだと、興味深く思いました。
昭和14年以前、この地がどんな所だったのかもよく分かりません。樹齢数百年にはなると思われるクスノキなどもあるので、もしかして鎮守の森のような所だったのかもと思ったり。「遥拝所」というのもありますが、なんだかよくは分かりません(遥拝所と言えば伊勢神宮遥拝なのかもしれませんが、何を拝むのでしょうか)。遥拝所の正面には大きなクスノキが見えているので、クスノキを拝むことになるかもと思ったりです。拝殿には、かなり古そうな狛犬もありました。いろいろなものを寄せ集めて、独特の、けっこうよい空間をつくっている、そんな印象を受けました。近くの人たちもしばしば訪れていました。
(2021年5月26日)