貝類館訪問記

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 8月初めに、京都大学総合博物館で行われる小中学生対象の体験EXPOのプログラムの一つとして、現在貝を使った触察のワークショップの準備をしています。そのためにも、私自身実際に多くの貝に触れ少しでも貝類についての知識も得ようと、5月30日に西宮市貝類館、5月31日に菊池貝類館に行ってきました。さらに6月20日には菊池貝類館を再訪しました。

●西宮市貝類館
 兵庫県西宮市西宮浜4-13-4
 TEL: 0798-33-4888
 (水曜日休館)
 
●菊池貝類館
 兵庫県西宮市大浜町1-41
 TEL: 0798-35-5060
 (土・日・火曜日の午後のみ開館。事前に確かめて行ったほうが良い。)
 
以下、2つの貝類館で触察した貝などを紹介します。(記述にあたっては一部「貝の博物誌」 http://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/kakuka/umikai/m000/m000.htm を参考にしました。このページは、貝類についての面白い話が満載です。)

◆西宮市貝類館
 10年ほど前に開館した小さな博物館ですが、私の好みの博物館です。一部の貝はケースに入っておらず、実際に手に取って触って観察できます。貝の名前も点字のラベルが付いていて自分で確かめることができます。
 展示は、海産の貝、淡水の貝(カワニナなど)、陸産の貝(カタツムリなど)、人とのかかわりのある貝(ハマグリの貝合せ、貝ボタンなど)に別れています。また水槽では、生きた化石と言われるオウムガイがゆったりと泳いでいるそうです。
 実際に触って観察できるのは海産の貝の一部です。また、砂浜を再現したジオラマも一部触ることができます。
 ここの博物館の良い所は、事前に連絡すれば職員が案内し解説してくれることです。私の貝についての知識の一部は、ここで実際に触察しながら係の方に解説してもらうことで得られたものです。また、ここのショップでは、種類はあまり多くはありませんが、各種の貝をはじめ、ウニやサメの歯など、かなり安く買えます。
 私は1年半ほど前に初めて訪れ、今回は 2度目の訪問でした。以下、今回実際に触って観察した貝を紹介します。
 
●クジャクアワビ
 長径15cmくらい。卵形の平べったい形。殻は全体に厚く、表面には平行して湾曲したいくつもの筋状の模様などがよく分かる。殻の縁近くには孔が6個くらい並び、さらに閉じたと思われる孔の痕跡のようなのが続いている。殻の内側はつるつるしていて真珠層になっているとのこと。
 全体の形は皿状で、二枚貝のように思ってしまうが、注意して触ると低い螺塔が分かり、そこから螺旋状に貝殻が成長しているらしいことが分かる。殻口は大きく広がっていて、普通の巻貝のように体を隠す場所はないように思われるが、足で強く岩に吸着して岩に張り付いている。
 
●メガイアワビ  長径12cmくらい。殻の縁近くの孔は3個で、閉じたような孔がさらに続いている。形などはクジャクアワビと同じ。
 
●ツキヒガイ
 直径10cmくらいの円形の平べったい二枚貝で、殻頂をはさんで上側の殻がちょっと反り返っているような形。殻の表面は滑かで、同心円上の成長線のようなのが観察できる。上側の殻は赤褐色、下側の膨らんだ方の殻は白っぽくて、日と月にたとえられてこの名になっているとのこと。
 表面も触ってきれいに思うが、それぞれの殻の内側の面は中心部から50本ほどの放射する線が触察でき、手触りもすべすべしていてとてもきれいに感じる。
 
●イナズマツノヤシ
 殻長25cmくらいの大きな巻貝。形はヤシガイと同じで、殻口は大きく開いている。螺塔は小さくその回りに角のような突起が7個くらいあり、螺塔が隠れている感じ。殻の内側に稲妻のような模様がありこの名が付いているとのこと。
 
●ゴホウラ
 殻長15cmくらい。螺塔は円錐形に飛び出していて、殻口はソデガイ風に開いている。殻の厚さが1〜2cmくらいもあり、とくに殻の縁は厚くなっている。
 
●ピンクガイ
 殻長20cmくらい。ソデガイ風に殻口が大きく外側に広がっている。殻の厚さは5mmくらいはあり全体に厚い。太い突起のようなのが7、8個。殻の内側はつるつるしていて、その色合いからこの名が付けられているとのこと。
 
●クモガイ
 長さ15cmくらい。ソデガイ風に広がった殻口の縁から6本の棘のようなのが伸びている(私のコレクションのクモガイは7本)。殻の縁の下のほうには、湾曲した水管溝とともに深いくぼみのようなのがあり、この窪みは目を出して外を見るためのものだとか。背面には太い板状の突起が2つあった。
 このクモガイと似たものに、ムカデガイもあった。
 
●チューリップボラ
 殻長15cmくらいで、下に長く管のようなもの(水管溝)が伸びている。全体に細長くするっとしたような感じ。
 
●ヒシメロン
 殻長10cm余。螺塔は小さく、下にすぐ円錐形を縦に半分に切って膨らませたような形が続く。表面は全体に平滑でするっとした感じ。
 
●クレナイガンゼキ
 径10cmくらい。斜めに7本くらいの縦肋がはしり、その上に棘が並んでいる。殻の内側は鮮やかな色できれいなようだ。
 
●アッキガイ
 長さは18cmくらい。殻本体はずっと小さく、 3段くらいに球形が重なった感じで形がきれい。3方に120度ほどの間隔で縦に3列棘が並んでいる。
 
●ホネガイ
 長さ15cmくらいで、上のアッキガイとほぼ同じ形。棘は、アッキガイは1cmくらいの間隔で並んでいたのにたいし、ホネガイは5mmくらいと密に並んでいる。
 
●ラクダガイ
 殻長25cmくらいのかなり大きな巻貝。殻は厚く、縁の当りは1、2cmくらいはあり、全体にかなり重い。殻の回りに8個くらい大きな突起があり、また背面にはラクダのコブを思わせるような大きな隆起がある。
 これは老成したもので、これよりも小さい(若い)ラクダガイもあった。殻長20cmくらい、殻の厚さ5mmくらいで、背面にコブのような隆起はなく、老成したものに比べるととても軽かった。
 
●エゾワスレガイ
 8×5cmくらいの二枚貝。殻は滑らかだが、同心の楕円状の成長線がよく触察できる。触った感じも手に持った感じもとても好ましかった。
 
●サカマキボラ
 殻長20cmくらいの大きな巻貝。巻貝はふつう右巻きだが、この種は左巻きが普通のようだ。螺塔を上にして殻口を手前側にすると、右巻きの場合は殻口が右に、左巻きの場合は左にになる。
 左巻きの貝を丁寧に触察できたのが、この貝類館での一番の収穫だった。
 
 その他、ずっしりとしたトウカンムリガイ、3cmくらいの棘が多数あるオニサザエ、ころっとした形のカンコガイ、スイジガイ、触って模様がきれいな細長いテングニシ、ミルクソデ、ヤツシロガイ、ミヤシロガイ、スジウズラなどにも触れました。
 
 ここの博物館の良い所は、触れられる貝にはそれぞれ点字で名前が付いていて、1人でもう一度見直すのにとても便利になっていることです。その日は、私が触察したり点字でちょっとメモしたりしているのに回りの子どもたちが興味をしめし、結局途中からはその子どもたちといっしょに、しばしば名前などを教えてもらいながら見て回りました。
 
 
◆菊池貝類館
 この貝類館は、菊池典男氏(1915年生まれ)のコレクションの一部を展示している私設の博物館です。
 菊池典男氏は、すでに戦前から、日本貝類学の創始者の一人故・黒田徳米博士の指導を受けて貝の収集や研究も始めていたようですが、太平洋戦争に出征し、敗戦後シベリアに抑留されます。帰国後、西宮市回生病院の歯科医として、また院長として務めるとともに、世界各国の貝の収集も続け、その膨大なコレクションの一部を1986年から公開しました。また、恩師の黒田徳米博士の貝類資料約3万8千点を西宮市に寄贈し、それがきっかけで西宮市貝類館が発足したようです。菊池氏は自然保護活動にも熱心で、西宮自然保護協会の会長も務め、現在も御健在だとのことです。
  *黒田徳米(1886〜1987年。淡路島生まれ)は、小学校卒業後、1901年京都の平瀬介館(淡路島出身の日本の貝類学の先駆者平瀬与一郎が設立)に務めて貝類の研究を始め、さらに1921年京都帝国大学地質学鉱物学教室の助手となります。28年の日本貝類学会設立に参画し、48年からは同学会会長を務めます。日本の貝類学の創設者の一人として、「日本産海棲貝類目録」などを刊行。晩年は菊池典男氏の所で研究を続けていたそうです。
 この貝類館の特徴は、ほとんどの展示物がケースに入っておらず、直接手にとって観察できるようになっていることです。私が行った時も、一般の来館者にも「どうぞ手にとって触ってみてください」と受付をしている菊池先生の奥様が言っておられました。
 この貝類館は1986年設立ということですので、開館からもう20数年にもなるのですが、こんなにも触察に適した博物館を私は最近まで知りませんでした。
 私は菊池先生の奥様の案内で2時間余、貝などをゆっくり見て回ることができました。優に80歳は越えているように見受けられる方で、とても疲れたのではと思います(ときどき、どんな風に説明していいかわからない、と困っていました。一生懸命説明することでも疲れたと思います。)本当に心から感謝しています。
 
 これまで一度も触ったことのないいろいろな貝に出会えました。また、貝のほかにも、いろいろ触って面白い物がありました。
 まず、貝類から紹介します。
 
●マドガイ
 直径8cmくらい。殻の厚さは2mmくらいと薄くまったく膨らみのない平板な形。二枚貝だが、両方の殻を合わせてもどこに体が入っているのかと思うくらい。
 白っぽい半透明で、マドガラスのように使われたことから名付けられたようだ。
 
●つつがき
 長さ20cm余、太さ3、4cmの湾曲した棒状で、中は空洞になっている。一見貝とはまったく思えない形。
 根元とから6、7cmくらいの高さまでは、筒の回りにいろいろな大きさの小石や貝が付着しており、その間に1.5×1cmくらいの小さな二枚貝が触れてわずかに分かる。この部分の上に、ざらざらした感じの筒状の部分が、数段継ぎ合わせたように続いている。
 
 
●クロシュミセンガイ
 さっと触った感じは、ちょっと重い木の枝のようだ。長さ20数cm、太さ3cmくらいの真っ直ぐな棒の中ほどから垂直に20cm近くはありそうな枝が伸び、その先は薄くなりつつ右側に大きく曲がっている。
 表面はごつごつした感じでとても貝とは思えないが、きれいに二つに分かれて、その内側を触ってみる。そうすると、殻の内側特有のつるつるした手触りで貝であることを納得できる。つるつるした部分は貝の全体の形にしたがってT字形のくぼみ状に伸びている。
 
●クマサカガイ
 これもとても面白い貝。本体は、径6、7cmくらいの薄く広がった円錐形の巻貝だが、その上面や周りに貝などを多数付けている。二枚貝を付着させているもの、棒のような貝などを周りに付けているもの、小さな石や泥のようなのを一面に付けているものなどがあった。とくに二枚貝を付けているものは、その付いている貝はみな内側が表になった状態になっていて、なんとも面白い。
 熊坂貝という名は、石川五右衛門とと並ぶ大泥棒とされる熊坂長範にちなんだもの。
 
●ヒレジャコガイ
 直径20cm近くある、全体にずんぐりした形で、オオジャコなどと同様、大きな凹凸が5、6本ある。凸の放射肋の上に、薄いヒレ状の突起が下に強く湾曲して並んでいる。
 
●オオジャコガイ
 二枚貝で最大の種類で、この貝類館に展示されているのは、それぞれの殻が100kg、合わせて200kgの重さがあるとのこと。径は1mくらいはあり、殻の厚さも数cmから数十cm、大きく深い凹凸がたぶん10本近くあり、全体に大きく波打っている感じ。どのようにして、これだけ大きな殻を作ることができるのだろうなどと考える(調べてみると、ズーサンテラという単細胞性の藻類が共生しているとか)。
 
●エントツガイ
 これも貝とは思えないようなものだった。長さ70cmくらい、太さ4、5cmの、まっすぐ伸びた筒状の形。全体に表面はざらざらしていて、先は筒壁の厚さはとても薄くなっていて、折れてしまっていた。根元のほうにはフナクイムシ(「ムシ」といっても貝の種類)に属する小さな二枚貝がいるはずだが、それわ失われているとのこと。
 
●ショウジョウガイ
 径5cm余の二枚貝だが、多数の棘が伸びており、その一部は3、4cmくらいもある。色が鮮やかな赤っぽい色で、名前はそれにちなんでいると思われる。
 
●イタヤガイ
 径5cm余の二枚貝だが、片方の殻はほとんど平板で、7、8本の深い放射肋がほぼ平行に走っている。膨らみのあるほうの殻はホタテなどと同じような感じ。
 
●キンギョガイ
 径5cm余の、全体にぽこっと膨らんだ形。殻頂付近に細かく鋭いザラザラした部分があり、これは触ってとても目立つ。
 
●ツキガイ
 径5cm余の二枚貝。表面には、多数の縦線(放射肋)と横線(成長線)とが交わって細かいざらざらの模様となり、触ってとてもきれいに感じる。
 
●サソリガイ、フシデサソリガイ
 ソデガイ風の殻の縁から何本もの長い棘のようなのが出ていて、その形は確かにサソリに似ているようでもある。フシデサソリガイのほうがやや大きく、突起もふくめた長さは20cmくらい。サソリガイのほうが全体につるつるした感じなのにたいし、フシデサソリガイは背面にいくつもの隆起のようなのがあり、また広がった殻の内側にも平行な横筋が走っている。
 
●ヘビガイ
 いろいろな大きさ・形のものがある。巻貝らしいが、どこが巻き始めなのかはまったく分からない。触った感じも、貝というよりサンゴなどのような細かいザラザラ感。管のようなのが曲がりくねっていて、端は5mm〜1cmくらいの穴が開いている。その管が何本ももつれ合ったようなのもあった。
 ヘビガイについて調べてみると、普通の巻貝は自由に動けるのに、この貝はセメント質を分泌してしっかり岩肌にくっつき移動することはできず、クモの糸のような粘液を張りめぐらして網にかかった海草の破片や小動物をたぐり寄せて食べているとのこと。(触った感じのザラザラ感はたぶんそのセメント質だろう。)
 
●マテガイ
 殻は、長さ10cmくらい、太さ2cmくらいの円柱を縦に2つに割ったような形。殻はとても薄くて、すぐ割れそうな感じがする。(小さいころ触ったような記憶がよみがえる。)
 
●リュウキュウタケノコガイ
 長さ25cm、根本の直径4cmくらいの円錐形で、名前の通り表面に触れる螺旋はタケノコを思わせる。(見た目もタケノコそっくりだとか。)
 
 
●チマキボラ
 殻長10cmくらいの、軽くて表面がすべすべしてきれいな形の巻貝。四角い太紐をきれいに螺旋系にねじったような形のように感じた。
 
●アライトマキナガニシ
 長さ25cmくらいの細長い紡錘形の巻貝。全面に細い糸を密に巻いたような線がくっきりと触察でき、また縦にも細い線が走っていて、触った感じは好ましかった。
 
●ガンゼキバショウ
 径7、8cmくらいの巻貝で、背面と両側の3方に薄い葉のような突起が広がり、また上のほうには小さな棘のようなのも並んでいて、形が全体にきれいだと思った。3方に広がる葉のようなものの形からこの名が付けられたのだろう。
 
●リンボウガイ、ハリナガリンボウガイ
 径3cmくらいの薄い円錐形の巻貝で、殻の縁から水平に数本の細い棘のようなのが広がっている。ハリナガリンボウの棘は3、4cmくらいと長い。
 
●アオイガイ
 カイダコというタコの雌が作るとても薄い殻。触った感じは、貝殻というよりは、薄いプラスティックで作ったような感じ。この中で卵を生み、子どもを育てるとか。
 長径15cmくらいの平たい半円形で、ちょっとオウムガイに似た形のように思う。表面には中心に向ってきれいな平行の筋が並んでいる。殻は触るとユラユラするくらい薄く、壊れやすそう。この殻を2つ上下逆さまに合わせると、形が葵の葉に似ているところからこの名になっているとのこと。
 
 その他、各種のウミギクガイ、ダイオウザルガイ・ワダチザルガイ、ウズラガイ・ミヤシロガイ・ヤツシロガイの仲間たち、テングガイ、ソデガイの仲間たち、イモガイの仲間たち、ゴホウラ、ボウシュウボラ、ピンクガイ、ヤコウガイ、ラクダガイ、スイジガイ、ツメタガイ、マンボウガイ、カザリガンゼキ、バライロセンジュガイ、オウムガイなど、他にも今は名前を思い出せないものもいろいろ触りました。
 また、巻貝の標本では、たぶん半数近くは、貝殻の中にその蓋も収められていて良かったです。蓋もいっしょのほうが、それだけ生態も想像しやすいです。殻口と比べた蓋の大きさも様々でしたし、その厚さや表面の触った感じもいろいろありました。一部の大型の巻貝では、すっかり乾いてパリパリになった薄皮に覆われているものもありました。
 
 
 さらに、この貝類館には、貝以外にも、菊池先生が世界各国を旅して集めたいろいろな品が展示されています。次にそれらを紹介します。
 
●貝にまつわる民具など
 すべて貝細工で作られた犬の置物など、ハマグリの貝合せ、厚いハマグリの殻から切り出して作る碁石、法螺貝など。
 
●化石や剥製など
 アンモナイトや貝の化石、とくにいろいろなアンモナイトや貝が多数入ったジュラ紀の大きな板状の岩塊は素晴らしかった。
 イグアナ:対長1m余、胴の太さ6、7cmくらい。前脚で木につかまっている感じ。全体にザラザラしていて小さな鱗のようなので被われているかもしれない。背の中央には細い突起が並ぶ。脚の指は前脚が4本、後脚が5本のようだった。
 カブトガニ:数点ありましたが、一番分かりやすかったのは仰向けの状態になっているもの。カブトの直径は30cm近くあり、尾の長さは40cmくらい(先は欠けているようだ)、足がよく観察できた。
 センザンコウ:対長40cm弱。背は1cm弱くらいの小さな鱗状のもの(これは毛から変化したものだとのこと)でおおわれていて全体に丸まったきれいな形。腹側は短い毛でおおわれている。前脚の指はすべて後ろに曲がっていて、穴を掘るのに便利なようだ。
 ハシボソミズナギドリ:対長30cmくらい。5cmくらいのくちばしを左に向けている。羽はたたんだ状態で、尾羽は交差している。羽が何重にもなっているためだと思うが、横幅は10cmくらいもあり、羽を広げた時はかなり大きいだろうことが想像される。この鳥はタスマニア付近から北極海付近まで渡りをし、もっとも長距離の渡りをする鳥の1つとして知られる。また親は子に大量の餌をあたえて渡りが十分できるまでに肥え太らせ、それから親鳥が先に渡りに出るとのこと。この剥製は日本近辺で落ちたものだとのことです。
 その他、カニの甲羅やカメもありましたし、とくに各種のサメの顎は、鋸歯状の歯や釘のように尖った歯が何重にもなっていてすごかったです。
 
 この他にも、玩具や置物、アフリカ諸国のお面、各国の写真など、いろいろな収集品が展示されていました。
 
 
 以上のように、貝の世界は本当に多様ですし、それは触覚を使った観察でもそれなりに楽しむことができます。私ももう少し典型的な貝のコレクションを増やし、また貝の生態についてももっと知ろうと思っています。
 

(2009年6月21日)


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