読み分け辞書

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◆はじめに
 私は長年点訳書の校正の仕事をしています。校正では、単純な誤字や読み誤りのほか、文脈に適した自然な読みにも心掛けています。点字は仮名だけなので、読み誤りとは言えないまでも不適切な読み方で点訳されると、しばしばそこで指が止まってしまい、ときには意味不明ということになります。
 この辞書は、点訳者が文脈に適した読みで点訳するのに少しは参考になるのではと思い作成したものです。

 2字以上から成る語で、2つ以上の読み方があり、その意味に多少とも違いがあったり、意味はほとんど同じでも文脈によって読み分ける必要のあるものを掲載しました。1字の語については、しばしば不適切な読みが見受けられるものについてのみ、いくつか掲載しました。
 掲載項目は現在約1000です。
 掲載の形式は
●見出し語
 読み:意味 (→用例)
のようになっています。意味や用例の大きな区切り目は句点、小さな区切り目は読点にしています。なお、見出し語が動詞等の活用形の場合は、←で基の形を示しました。
 意味や用例の大部分は『大辞泉』と『大辞林』に基づいていますが、一部はネット上の様々な語彙集などを利用したり私の記憶にのこっている例なども使いました。読みの中には『大辞泉』や『大辞林』には載っていないものも一部あります。


●愛敬
 あいきょう:顔つき・振る舞い・性格などが優しく愛らしいこと(古典では「あいぎょう」)
 あいけい:親しみ敬うこと、敬愛 (→愛敬の念)

●相対
 あいたい:当事者同士がさし向かいで事をなすこと。合意の上であること (→相対で話をつける。相対相場、相対売買、相対死に)
 そうたい:他との関係で存在・成立すること (→相対運動、相対主義)

●白馬
 あおうま:「白馬(あおうま)の節会」の略。その時引き馬とする白馬または葦毛の馬。青毛の馬
 しろうま:白い馬。にごり酒 (→白馬岳)
 はくば:白い馬 (→白馬会)

●青梅
 あおうめ:よく熟さない梅の実
 おうめ:東京都西部の市 (→青梅街道、青梅縞)

●青女
 あおおんな:年若く世馴れない女
 せいじょ:霜・雪を降らす女神。霜の別名

●青花
 あおばな:ツユクサの別称 (→青花紙)
 せいか:白地に青の文様のある焼物 (→青花白磁)

●青山
 あおやま:樹木の青々と茂った山。地名、人名
 せいざん:樹木の青々と茂った山。骨を埋める所 (→人間(ジンカン)到る所青山あり)

●赤熊
 あかぐま:ヒグマの異称
 しゃぐま:赤く染めたヤクの尾の毛、それに似た赤い髪の毛。縮れ毛で作った入れ毛 (→赤熊髷)
 *ヤクの尾の黒い毛は「黒熊(こぐま)」、白い毛わ「白熊(はぐま)」という。

●赤子
 あかご:赤ん坊 (→赤子の手をひねる)
 せきし:あかご。天子が人民をさす語、国民 (→赤子の心、願くば陛下の赤子をして餓ゑしむる勿れ)

●赤地
 あかじ:地色の赤いもの
 せきち:作物の収穫のない不毛の地

●暁闇
 あかつきやみ:(雅語的)月のない明け方、その頃の暗さ(陰暦で1日から14日頃までの明け方をいう)
 ぎょうあん:夜明け方のほの明るいやみ (→暁闇をついて出発する)

●赤面
 あかつら:ひどく赤い色をした顔。浄瑠璃や歌舞伎で顔を赤く塗るメーク-アップ、その扮装の役
 せきめん:恥ずかしくて顔を赤らめること

●赤裸
あかはだか:身に何もまとっていないこと、すっぱだか。家財を取られるなどして何もない状態 (→火事で焼け出されて赤裸になる)
 せきら:からだに何もつけていないこと、丸裸。包み隠さないこと、むき出し、あからさま (→赤裸な山肌。赤裸な告白、赤裸に言う)
 *「赤裸々」は「赤裸」を強めた言い方

●赤身
 あかみ:魚などの肉の赤い部分
 せきしん:まるはだか。あかはだか

●空地
 あきち:使われていない土地
 くうち:空き地。都市計画で、公園・広場・道路など。建築基準法で、建物に占有されていない部分 (→空地地区、有効空地)

●商人
 あきんど:物の売買を職業とする人(日本の古典や歴史ものでは「あきびと」「あきゅうど」「あきんど」と読むことが多い) (→商人気質、商人の空誓文)
 しょうにん:商業を営む人。[法律]商法上自己の名をもって商行為を行うことを業とする者、店舗などの設備により物品販売を業とする者 (→近江商人、御用商人)

●空く
 あく:中身が消費されて容器がからになる。部屋・建物・土地・座席などを占めていた人や物がなくなり空間や余地ができる。穴・空間・間隔などが生ずる。欠員が生ずる。使用中だった物が用が済んで使われなくなる。仕事が終わって暇になりゆとりができる (→グラスが空く。今会議室は空いていない、席が空いている。道路に穴が空いた、電車とホームの間が広く空いている、行間が空き過ぎている。課長のポストが空く。その電卓空いたら貸して下さい。体が空く、手が空く)
 すく:ある空間を満たしていた人や物が少なくなってあきができる、まばらになる。空腹になる。つかえていたものがなくなりすっとする、心がはれる。当面することがなく暇ができる (→がらがらに空いた電車、道路が空いている。腹が空く。胸の空く思い。手が空いたら手伝ってくれ)
 *「手が空く」は「てがあく」「てがすく」どちらの読みでもよい。

●倦む
 あぐむ:物事に行きづまってどうにもしようがなくなる、もてあます (→攻め倦む、考え倦む)
 うむ:退屈する、嫌になる。疲れる、くたびれる 

●上底
 あげぞこ:箱などの底を少し上げて外見からは実際より中身が多く見えるように作ったもの (→上底の菓子箱)
 じょうてい:台形の平行な2辺のうち上の辺(角錐台・円錐台では上方の底面)

●総角
 あげまき:古代の少年の髪形(頭髪を中央から二分し耳の上で輪の形に束ね二本の角のように結ったもの。角髪)。明治期の女性の髪形(髪を全部頭頂にまとめて巻き込みピンでとめる)。源氏物語第47巻の巻名
 そうかく:髪をあげまきにした子供、その年頃 (→総角の好み(よしみ))
 チョンガー:独身の男子、独り者(本来は朝鮮で丁年に達しても未婚でいる男子のこと)

●開ける
 あける (→窓を開ける、封を開ける、目を開ける、店を開ける)
 はだける:衣服の襟元や裾などを広げる、それらが乱れてひらく (→胸を開ける、裾が開ける)
 ひらける (→急に道が開ける、眺望が開ける、文明が開ける、運命が開ける、開けた地域)

●蜻蛉
 あきつ:トンボのこと
 かげろう:カゲロウ目の昆虫の総称 (→蜻蛉日記)
 せいれい:トンボの別名
 とんぼ:トンボ目の昆虫の総称 (→蜻蛉玉)

●空間
 あきま:空いている部屋
 くうかん:なにもない体積のひろがり。隙間など

●悪心
 あくしん:悪事をしようとする考え
 おしん:むかむかして吐き気を催す感じ

●悪手
 あくしゅ:囲碁や将棋で悪い手
 あしで:下手な書、悪筆

●悪性
 あくしょう:悪い性質、とくに酒色にふけりたがる性質 (→悪性者(あくしょうしゃ))
 あくせい:たちの悪い性質、とくに病気などの直りにくい性質 (→悪性インフレ、悪性腫瘍)

●悪霊
 あくりょう:人にたたりをする霊魂、物の怪(普通の読み方)
 あくれい:キリスト教の聖書での読み方(悪魔の支配下にあり神への信仰から人を引き離そうとする霊)

●下火
 あこ:禅宗で火葬の時の点火、またその仕草
 したび:火の勢いが衰えること

●明後日
 あさって:明日の次の日 (→明後日の方を向く)
 みょうごにち:明日の次の日(改まった言い方)

●麻布
 あさぬの:麻で織った布
 あざぶ:東京の地名

●朝日
 あさひ:朝の太陽
 ちょうにち:朝鮮と日本

●足跡
 あしあと:人や動物の歩いたあとに残る足の形。歩いて行った道筋、経路 (→足跡を追う)
 そくせき:成し遂げた成果、業績(→物理学の発展に大きな足跡を残す)

●明日
 あした:今日の次の日(もっとも日常的な言い方) (→明日天気になあれ、明日は明日の風が吹く)
 あす:今日の次の日。近い将来、未来 (→明日の世界に希望をかける、明日を担う若人)
 みょうにち:今日の次の日(改まった言い方) (→明日また参ります、明日の御予定はいかがでしょうか)

●足取り
 あしとり:相撲のきまり手の一
 あしどり:歩くときの足の運び方。人の通った道筋 (→軽い足取り。足取りを追う)

●足下
 あしもと:(普通の読み方) (→足下が暗い、足下を脅かす、足下にも及ばない、足下を見る)
 そっか:足の下、足もと。相手の足もと・あなたのそばの意で、手紙の脇付に用いる語。二人称の人代名詞(同等またはそれ以下の相手に用いる敬称) (→足下にひれ伏す、千里の行も足下に始まる。田中太郎様足下。足下の御尽力を謝す)

●飛鳥
 あすか:地名 (→飛鳥の宮)
 ひちょう:空を飛ぶ鳥、また非常に動作の速いさまをたとえていう (→飛鳥のごとく、飛鳥の早業)

●朝臣
 あそみ:689年に制定された八色(やくさ)の姓(かばね)の第二位
 あそん:(平安時代)五位以上の人につける敬称。宮廷貴族間で使われた男子に対する呼び方 (→源朝臣頼政)
 ちょうしん:朝廷の臣下、廷臣

●頭
 あたま (普通の読み方) (→頭が上がらない、頭が痛い)
 かしら (→尾頭つき、八歳を頭に三人の子持ち、大工頭、獅子頭)
 こうべ (→頭を垂れる)
 ず (→頭が高い)

●頭数
 あたまかず:人の数
 とうすう:動物の数

●彼方
 あちら:向こうの方
 あなた:自分から遠い方、転じて「相手」のこと
 かなた:ずうっと向こうの方

●悪気
 あっき:悪いにおいの空気、濁った空気。人に災いをなす気
 わるぎ:人に害を与えようとする気持ち、悪意 (→悪気でしたのではない)

●悪口
 あっく:[仏教]人をあしざまに言うこと、その罪(十悪の一)
 あっこう:人を悪く言うこと、悪態をつくこと、その言葉 (→悪口を浴びせる、悪口雑言)
 わるくち:人を悪く言うこと、その言葉 (→上司の悪口を言う、誉めて千人悪口万人)

●圧した・圧して
 あっした・あっして ←圧する
 おした・おして ←圧す

●集った・集って
 あつまった・あつまって ←集まる
 たかった・たかって ←集る
 つどった・つどって ←集う

●集る
 あつまる (→学校に集る)
 たかる:群がる、せびる (→バラに油虫が集る、不良に集られる、人集り)

●艶やか
 あでやか:女性の容姿がなまめかしいさま、美しくて華やかなさま (→艶やかにほほえむ、艶やかな衣装)
 つややか:光沢があって美しいさま (→艶やかな肌、艶やかな髪)

●跡見
 あとみ:人名。茶会のあと参会できなかった客が茶の道具を拝見する会 (→跡見の茶事)
 とみ:狩の時に鳥獣の通った跡を見てその居所を考えること

●溢れる
 あふれる:いっぱいになってはみ出す、いっぱいに満ちている (→水が溢れる、人が溢れる、希望に溢れる青春)
 あぶれる:余ってはみ出す、仕事などにありつけなくなる

●海士
 あま:海に潜って貝などを取る人(男)。能の一つ。島根県隠岐郡の町
 かいし:海上自衛官の最下位の階級

●海人
 あま:海に潜って貝などを取る人。能の一つ
 かいじん:漁民。海神と同じ

●天草
 あまくさ:九州の地名
 てんぐさ:寒天の原料

●甘煮
 あまに:甘く煮ること、甘く煮た物 (→栗の甘煮)
 うまに:肉や野菜類を砂糖・酒・醤油・みりんなどで濃いめの味に煮あげたもの

●甘味
 あまみ:甘い味、特に野菜や果物のもつ自然な甘さ
 かんみ:甘い味、砂糖をたくさん使ったあまみが主の食品 (→甘味料)

●雨水
 あまみず:雨の水
 うすい:雨の水。二十四節気の一つ (→雨水溝)

●天地
 あめつち:天と地、全世界。天の神と地の神
 てんち:天と地。世界、世の中。書物・荷物などの上と下 (→新天地。紙の天地)

●雨露
 あめつゆ:雨と露(「うろ」と読んでも良い) (→雨露をしのぐ)
 うろ:雨と露。広大な恵み、大きな恩恵 (→雨露の恩、雨露の恵み)

●菖蒲
 あやめ:アヤメ科の多年草 (→菖蒲と杜若、六日の菖蒲十日の菊)
 しょうぶ:サトイモ科の常緑多年草(端午の節句に用いる)。アヤメ科のハナショウブの別名 (→菖蒲湯)

●争う
 あらがう:逆らう、抵抗する (→運命に争う、権力に争う)
 あらそう: (→優勝を争う、先を争う)

●新手
 あらて:戦いや試合などにまだ参加していない元気な軍勢や選手。新しくその仲間に入った人 (→新手を繰り出す。新手の業者)
 あらて、しんて:新しい手段や方法 (→新手の犯罪、新手を編み出す、新手の広告)
 しんて:(将棋や囲碁で)定跡には無い新しい手

●粗目
 あらめ:(編み物・織物・金網・やすりなど)目のあらいこと
 ざらめ:粒の大きい砂糖。「粗目雪」の略

●現し
 あらわし: ←現す
 うつし:現実にこの世に生きている (→現し世、現し身)

●表す
 あらわす:心に思っていることや考えていることなどを表情・言葉・絵などで示す。ある特定の意味を伝え示す (→喜びを顔に表す、気持ちをうまく言葉に表すことができない、荘厳な雰囲気を音楽で表す。地図で寺を表す記号)
 ひょうす:態度や言葉にあらわす (→感謝の意を表す)

●有り様
 ありさま:物事の状態、様子 (→世の中の有り様、事故の有り様、こんな有り様では完成しない)
 ありよう:物事の状態。ありのままの姿、実情。あるべき姿、理想的なあり方。あるべきはず、あるわけ (→世の中の有り様に疑問を感じる。事の有り様を申し上げましょう。義務教育の有り様を考える。そんな馬鹿げたことは有り様がない)

●粟粒
 あわつぶ:アワの実の粒(きわめて小さいもののたとえに用いる) (→粟粒ほどのふきでもの、粟粒大)
 ぞくりゅう:あわつぶ、非常に小さな粒(主に医学での読み方) (→粟粒結核、粟粒疹、粟粒性痘瘡、粟粒大)

●鞍馬
 あんば:鞍を置いた馬(「くらうま」と読んでもよい)。体操用具の一、それを使う競技
 くらま:京都の地名

●家探し
 いえさがし:住むための家をさがすこと (→引越ししようと家探しする)
 やさがし:家の中を残らずさがすこと (→家探ししても見つからない)

●家人
 いえびと:「かじん」「けにん」の古い言い方
 かじん:家の人、家族(とくに妻) (留守に家人が電話を受けた)
 けにん:奉公人、家臣、家来

●家中
いえじゅう:家の中すべて。家の中の者全員 (→家中ちらかしている。家中で花見に行く)
 かちゅう:(文語的)家の中、屋敷の中。家族全員。武家の主君や家臣団の総体を示す擬制的同族呼称 (→家中一同より。

●如何
 いかが:どのよう。どう、どのように、どんなもの、どうですか (→その考え方は如何なものか。御機嫌如何」「この件は如何いたしましょうか、その案は如何かと思う、お一つ如何)
 いかん:事の次第、なりゆき。(文末に用いて)どんなであろうか (→理由の如何によっては、事の成否は君の協力如何による。君の心境や如何)
 *「如何わしい」は「いかがわしい」、「如何せん」は「いかんせん」。「如何なる」「如何に」「如何ばかり」「如何ほど」では「いか」と読む

●如何様
 いかさま:いかにも本当らしく見せかけること、いんちき (→如何様をやる、如何様ばくち、如何様師)
 いかよう:どのよう (→如何様な品をお探しですか、如何様にもおわびします)

●怒る
 いかる:腹を立てる、憤慨する(抽象的なことにも使う。やや文章語的)。荒れ狂う。角張ってごつごつしている (→烈火のごとく怒る、政界汚職に怒る。波が怒る。怒った肩)
 おこる:腹を立てる(我慢できない気持を外に表す)。よくない言動を強くとがめる、しかる (→真っ赤になって怒る。先生に怒られる)
 *怒り
 いかり →怒りがこみあげる、怒り狂う、世間の怒りを買う、怒り心頭に発す
 おこり →怒り出す、怒りっぽい、怒りん坊、怒り上戸

●経緯
 いきさつ:物事のこみいった事情、事件の経過 (→これまでの経緯を語る)
 けいい:縦糸と横糸。経度と緯度。物事の筋道、いきさつ (→事件の経緯)

●異形
 いぎょう:普通とは違う怪しい形・姿をしていること、そのさま (→異形の者、「異形コレクション」)
 いけい:普通とは違ったかたち (→異形再生、異形質、異形胞子、異形鉄筋、異形石器)

●生花
 いけばな:花を生ける様式 (→生花を習う)
 せいか、なまばな:生の花 (→生花を霊前に贈る)

●遺言
 いげん:先人の残した言葉
 いごん:「ゆいごん」の法律上の読み方(現在は「いごん」「ゆいごん」どちらの読み方も許容されている)
 ゆいごん:死後のために言い残しておくこと、その言葉 (→財産の分与について遺言しておく)

●射殺した(して)、射殺される
 いころした(して)、いころされる ←(矢で)射殺す
 しゃさつした(して)、しゃさつされる ←(銃で)射殺する

●誘う
 いざなう:[雅語的] (→文学の世界え誘う)
 さそう (→悪の道に誘う、笑いを誘う)

●石高
 いしだか:道に石が多くでこぼこしているさま。花ガルタで特点の多いこと (→石高な道)
 こくだか:土地生産高を示すための米の公定収穫高(大名・武士の知行高も示す) (→石高制)

●石橋
 いしばし:(普通の読み方)
 しゃっきょう:能の曲目 (→石橋物)

●石持
 いしもち:ニベ科の魚シログチの別名
 こくもち:紋所の名(福岡黒田氏の家紋)。紋を入れる部分を白く染め残した衣服

●弄る
 いじる:指先や手で触ったりなでたりする。物事を少し変えたり動かしたりする。趣味でする、なにかをすることの謙称 (→ネクタイを弄る。編成を弄る。盆栽を弄る、毎日パソコンを弄っている)
 まさぐる:手先をしきりに動かしてさぐる (→ポケットを弄る、数珠を弄る)

●何方
 いずかた:(古典での読み方)不定称の指示代名詞。不定称の人代名詞
 どちら:不定称の指示代名詞(不特定の方向や場所、または複数の中の一つだけをさす)。不定称の人代名詞(不特定の人、または複数の中の一人だけをさす) (→何方へおいでですか、何方がお好きですか。何方さまもお忘れ物のないように願います、テニスをなさるのは何方ですか)
 どっち:不定称の指示代名詞(「どちら」よりもややくだけた感じの語) (→交番は何方ですか。何方も何方、何方つかず、何方道)
 どなた:不定称の人代名詞(「だれ」の意の尊敬語) (→あの方は何方ですか、何方とおいででしょうか)

●何処
 いずこ、いずく:「どこ」の古い言い方
 どこ:どの場所、どのような程度

●出水
 いずみ:鹿児島県の地名
 しゅっすい:水が出ること、洪水 (→トンネル内に出水する。貝の出水管)
 でみず:洪水

●忙しい
 いそがしい:多くの用事に追われて暇がない、多忙である(→目が回るほど忙しい、仕事が忙しい。猫の手も借りたいほど忙しい、資金繰りに忙しい)
 せわしい:気がせいて落ち着かない、せかせかしている(主観的な気持ちを表す)。速い調子で続くさま、絶え間がない (→忙しく立ち去る、忙しいしゃべり方をする、車の往来が忙しい。忙しく息をつく、扇子を忙しく動かす)
 *「小鳥が忙しくとびまわる」などではどちらの読みでも良い。文語では「せわしい」と読むことが多い。

●抱く
 いだく:[雅語的]腕でかかえ持つ、だく。かかえるように包み込む。ある考えや感情をもつ (→母親の胸に抱かれる、掻き抱く。大自然の懐に抱かれる。疑問を抱く、不信感を抱く、青年よ大志を抱け)
 だく:両腕を回して物を中にかかえこむ。卵をかえすために鳥が卵の上にしゃがむ。男女が肉体関係を持つ

●懐く
 いだく:心の中にある考えや感情を持つ
 なつく:慣れ親しむ

●徒事
 いたずらごと:無益なこと、役に立たないこと。みだらなこと、うわついたこと
 ただごと:取り立てていうほどのこともない事柄(あとに打消しの語を伴うことが多い) (あの騒ぎは徒事ではない)
 とじ:むだなこと (→心づくしも徒事になった/鴎外)

●労った・労って
 いたわった・いたわって ←労る(弱い立場の人を大事にあつかう)
 ねぎらった・ねぎらって ←労う(人の苦労に感謝する)

●一
 いち:(普通の読み方)
 いつ:ひとつ。同じ。(「一に」の形で)もっぱら、ひとえに (→その生活は―の秘密だといふことであつた/鴎外。軌を一にする、心を一にする、帰する所は一である。成否は一に各員の努力にかかっている、この成功は一に努力のたまものだ)

●一押し
 いちおし:一番のお勧め (→今年一押しの本)
 ひとおし:一回押すこと。一がんばり (→一押しする。もう一押しだ)

●一月
 いちがつ:一年の最初の月
 ひとつき:1ヶ月

●一行
 いちぎょう:文字の一列。仏教で一つの行 (→一行三昧)
 いっこう:一緒に行動している人々。一つの行い。一つの銀行 (→御一行様。一言一行)

●一見
 いちげん:初めて会うこと、初めての客 (→一見の客、一見さん)
 いっけん:一度見ること、ちょっと見たところ

●一言
 いちげん (→一言一行、一言居士)
 いちごん (→一言一句、一言半句)
 ひとこと (→一言多い)

●一期
 いちご:一生涯。臨終、最期 (→一期の不覚、一期一会)
 いっき:ひとつの期間

●一時
 いちじ:時刻。しばらくの間。過去のある時。その時だけ。一回、一度 (→出発を一時見合わせる。一時はだめかと思った。一時の気の迷い。一時払い)
 いっとき:昔の時間の単位(2時間)。[やや文語的)わずかな時間、しばらくの間 (→花の盛りも一時、一時小雨になった、聞くは一時の恥聞かぬは末代の恥)
 ひととき:しばらくの間 (→楽しい一時を過ごす、憩いの一時)
 *「一時に」は「いちどきに」とも読む

●一日
 いちじつ (→一日の長、十年一日)
 *「一日千秋」「一日三秋」はふつう「いちじつ」と読むが、「いちにち」と読んでも間違いではない
 *その他、「いちにち」「いっぴ」「ついたち」「ひとひ」の読みがある

●一場
 いちじょう:その場限りのこと。ひとまとまり (→栄華は一場の夢と化した。一場の訓示、一場の演説)
 いちば:演劇や芝居の一区切り

●一定
 いちじょう:確かにそうと定まっていること (→死は一定なり)
 いってい:(普通の読み方) (一定の分量)

●一途
 いちず:ひたむき (→一途な性格)
 いっと:一つの手段、一つの方向 (→悪化の一途をたどる)

●一段
 いちだん:階段や段階などの段
 いったん:土地の面積の単位(「一反」と書くことが多い)

●市場
 いちば:いち、マーケット (→市場へ買物に行く、魚市場、公設市場)
 しじょう:取り引き経済の母体 (→市場を開拓する、株式市場、市場経済)

●一端
 いちはな:いちばん先、真っ先 (→一端駆けに)
 いったん:一方の端。一部分 (→ひもの一端。感想の一端を述べる)
 いっぱし:一人前。人並みに、一人前の能力や資格があるかのように。 (→やっと一端の板前になった。あれで一端専門家のつもりでいる)

●一番
 いちばん:順序や番号の最初。最も優れているもの
 ひとつがい:雌雄一対 (→一番の小鳥)

●一分
 いちぶ:重さ・長さ・割合の単位。ごくわずか (→一割一分、一分銀。一部の隙もない)
 いちぶん:一身の面目 (→武士の一分が立たない、一分がすたる)
 いっぷん:時間の単位 (→一分間)

●一物
 いちぶつ:一つの物 (→一物一価)
 いちもつ:一つの物、わずかの物。心中に秘めたたくらみやわだかまり。男根のこと (→胸に一物がある)
 *「無一物」は「むいちぶつ、むいちもつ」どちらの読みでもよい

●一文
 いちぶん:一つの文章 (→一文を草す)
 いちもん:古い貨幣単位 (→一文無し)

●一味
 いちみ:仲間。一つの味 (→一味唐辛子)
 ひとあじ:ちょっとした味加減、ほかとは違った味わい (→一味足りない汁物、一味違う)

●一目
 いちもく:一見、一望。碁盤の目、碁石 (→一目する、一目瞭然。一目置く)
 ひとめ:縫い物のひと針。ちょっとみること (→一目見る、一目惚れ)

●一文字
 いちもじ:一字
 いちもんじ:一つの文字。「一」という文字。まっすぐなこと (→真一文字)
 ひともじ:葱の別称(もと女房詞)

●一葉
 いちよう:一枚の葉。紙など平らで薄いもの1枚 (→一葉の写真)
 ひとつば:ウラボシ科の常緑多年生のシダ
 ひとは:一枚の葉(俳諧では特に桐の葉をいう)

●銀杏
 いちょう:樹木の一種
 ぎんなん:いちょうの種子 (→銀杏を拾う)

●何時
 いつ (→何時の間にか)
 なんじ (→今何時ですか)
 なんどき (→いつ何時必要になるかもわからない)

●一角
 いっかく:一つの角。片隅。一つのつの (→町の一角、一角獣)
 ひとかど:ひときわ優れていること、一人前 (→一角の人物)

●一口
 いっく:一つの口 (→一口同音)
 いっこう:一つの口。人ひとり (→一口両舌)
 ひとくち:一度に食べてしまうこと。まとめて手短に言うこと。あるひとまとめ、一単位 (→一口で言うと、一口千円)

●一間
 いっけん:長さの単位
 ひとま:一つの部屋

●一石
 いっこく:穀物を量るます目の単位
 いっせき:一つの石 (→一石二鳥、一石を投ずる)

●一山
 いっさん:同じ境内にある本寺・末寺・坊などすべてを含めた寺院全体
 ひとやま:その山全体。野菜・くだものなどのひとかたまり

●一寸
 いっすん:長さの単位。比ゆ的にわずかなこと (→一寸たりとも動かさない、一寸先は闇、一寸の虫にも五分の魂)
 ちょっと:すこし (→一寸昼寝をする)

●一世
 いっせ:仏教で過去・現在・未来の三世の中の一つ。一生 (→一世一期、一世一代)
 いっせい:一生、一代、その時代、最初の代 (→一世一元、一世を風靡する、ナポレオン一世、日系一世)
 ひとよ:人が生きている間

●一声
 いっせい:大きい一つの声や音。能の短い謡や囃子事 (→汽笛一声、第一声、一声を発する)
 ひとこえ:一度出す声や鳴き声。一言口に出すこと (→鶴の一声。隣に一声かけて出掛ける、社長の一声で決まる)

●一齣
 いっせき:小説・戯曲などのひとくぎり
 ひとくさり:謡い物・語り物などの一段落。ある話題についての話のまとまったひとくぎり (→さわりを一齣語る。彼は本題に入る前に自分の生い立ちを一齣話した、小言を一齣聞かされる)
 ひとこま:演劇・映画などの一場面。ひと続きの事柄の中の一場面。フィルム・漫画などの一区切り。大学などの時間割の一時限 (→映画の一齣。日常生活の一齣、青春の一齣。一齣漫画)

●一節
 いっせつ:詩や文章・音楽などのひとくぎり。プロ野球などの日程のひとくぎり (→詩の一節)
 ひとふし:竹・木・草などの一つの節。音楽などのひと区切り (浪曲を一節聞かせる)

●一足
 いっそく:履物の一組 (→一足飛び)
 ひとあし:一歩。わずかな距離・時間 (→一足違いで)

●行った・行って
 いった・いって ←行く
 おこなった・おこなって ←行う

●一筆
 いっぴつ:同じ筆跡。墨継ぎをしないで一気に書くこと。簡単な文章。土地の1区画
 ひとふで:ちょっと書き付けること。線を切らないで書き続けること。(江戸時代には)地面の一区画

●一方
 いっぽう:ひとつの方向、片方
 ひとかた:程度が普通であるさま。「一人」の丁寧な言い方 (→悲しみようは一方でない、一方ならぬお世話になりました。お一方様)
 *「一方流」は「いちかたりゅう」(平曲の流派の一つ)

●射手
 いて:弓を射る人
 しゃしゅ:弓を射る人。銃を撃つ人、射撃手

●幼い
 いとけない:[雅語的] (→幼い子)
 おさない (→息子はまだ幼い。考えが幼い)

●暇
 いとま: 時間の余裕。一時的に休むこと。別れて去ること (→枚挙に暇がない、三日ほどのお暇を乞う、暇を告げる)
 ひま:継続する動作などの合間に生じるわずかの時間。事をするための一定の時間。自由時間、なすべきことのない時間。主従・夫婦などの関係を断つこと (→食事をする暇もない、暇のかかる仕事、暇を持てあます、暇を出す、暇をもらう)
 *形容動詞として使われている時は「ひま」 →暇な時、暇になる、暇でしょうがない

●居所
 いどころ:居るところ (→虫のいどころが悪い)
 きょしょ:住んでいる場所、人がある程度継続して住む場所

●命
 いのち (普通の読み方)
 みこと:(「古事記」や「日本書紀」で)神や貴人の名前の下につける尊称 (→大国主命、須佐之男命)
 めい:いのち、生命。命令。運命 (→命旦夕(たんせき)に迫る。命を帯びる、命を受ける、命に背く。命は天に有り)

●歪
 いびつ:物の形がゆがんでいるさま。物事の状態が正常でないさま (→箱が歪になる。歪な社会)
 ひずみ:[物理]物体に外力を加えたときに現れる形状または体積の変化、テレビやオーディオなどで音などの再生された信号波がもとの信号波と等しくない状態。ある事の結果としてあらわれた悪い影響、弊害 (→歪計、歪硬化、歪波。政策の歪を是正する)

●燻り出す
 いぶりだす:煙で外へ追い出す (→きつねを穴から燻り出す)
 くすぶりだす:よく燃えずに煙を出し始める (→たき火が燻り出した)

●燻る
 いぶる:よく燃えないで煙が出る (→くべた生木が燻る)
 くゆる:炎を出さずに燃えて煙がゆるやかに立つ (→タバコが燻る)
 くすぶる:物がよく燃えないで煙ばかりを出す。煙のすすで黒くなる。争い事などが表に現れずに解決しないままで続いている。閉じこもって陰気に過ごす。地位や状態などがその段階にとどまったまま低迷している (→生木が燻る、焼け跡が燻る。天井が燻る。不満が燻る。一日中下宿で燻っていた。下積みで燻っている)

●嫌気
 いやき:嫌だと思う気持。相場にたいする悲観的な気持ち (→嫌気売り、嫌気筋)
 いやけ:嫌だと思う気持 (嫌気がさす)
 けんき:[生物]酸素の無いまたは少ない状態 (→嫌気呼吸、嫌気性細菌)

●入会
 いりあい:特定地域の人々が山林などを共同で利用できること (→入会権、入会地)
 にゅうかい:会に入ること

●入船
 いりふね:港に入ってくる船
 にゅうせん:船が港に入ってくること

●入る
 いる:(「はいる」のやや古めかしい言い方。動詞の連用形に付いて複合動詞を作る) (→虎穴に入らずんば虎子を得ず、微に入り細を穿つ。消え入る、染み入る、聞き入る、押し入る。有卦に入る、悦に入る、気に入る、興に入る、堂に入る
 はいる:(普通の読み方)

●入れる
 いれる:中に移し置く。組織や集団の一員とする。ある範囲や数量に含める。ある作用を加える
 はいれる:入ることができる

●色紙
 いろがみ:種々の色に染めた紙
 しきし:和歌・絵などを書き付ける四角い厚紙。弱くなった衣服に裏打ちする布 (→色紙に歌を書く)

●英蘭
 いんぐらんど:「イングランド」の当て字
 えいらん:イギリスとオランダ (→英蘭戦争)

●飲食
 いんしょく:飲むことと食べること(普通の読み方)
 おんじき:飲むことと食べること(主に古典や仏教関係での読み方)

●音信
 いんしん:贈り物、進物(=音信物(いんしんもの))
 おんしん:手紙などによる連絡、便り (音信不通)

●陰陽
 陰陽:陰と陽 (→陰陽五行説)
 おんよう、おんみょう:「陰陽道(おんようどう)」「陰陽師(おんようじ)」の略 (→陰陽家)

●憂い
 うい:思うようにならずつらい。つれない (→旅は憂いもの。憂い奴だ)
 うれい:心配 (→再発の憂い、後顧の憂い)

●有為
 うい:[仏教]因縁によって生じたいっさいの現象 (→有為転変)
 ゆうい:才能があって活躍が期待できること (→有為の人材)

●初産
 ういざん:初めての出産
 しょさん:「ういざん」の医学での読み方

●上下
 うえした:上と下。上と下が逆になる状態、さかさま (→揺れて積み荷が上下になる)
 かみしも:上衣と袴がひとそろいの衣服。江戸時代の武士の礼装・正装 (→上下を着る)
 じょうか:上級と下級。上院と下院 (上下両院)
 じょうげ:上と下。上がり下がり、上り下り (→上下水道、上下する)

●上田
 うえだ:人名、地名
 じょうでん:土地の肥えた田

●上つ方
 うえつかた: 身分の高い人々 (「うえつがた」とも)
 かみつかた: 上の方、かみて

●上野
 うえの:地名、人名 (>上野戦争)
 こうずけ:旧国名(現在の群馬県) (→上野介)

●上人
 うえびと:殿上の間に昇殿を許された者、殿上人
 しょうにん:修行を積み智徳を備えた高僧。僧の敬称 (日蓮上人、親鸞上人)
 じょうにん:立派な人、身分の高い人、すぐれた人

●上向き
 うえむき:上を向いていること (→上向きの矢印、上向きの力、上向き通風ボイラ、上向きに寝る)
 うわむき:上を向いていること。物事が上昇傾向にあること。表面のようす、うわべ (上向きに寝る、運が上向きになる、上向きの市況。上向きは裕福にみえても家計は火の車だ)
 *「上付き」は「うえつき」と読む(上付く」の連用形のときのみ「うわつき」)

●穿った、穿って
 うがった、うがって ←穿つ
 ほじくった、ほじくって(ほじった、ほじって) ←穿る

●誓約
 うけい:吉凶や正邪・事の成否などを判断する古代の占い
 せいやく:誓って約束すること

●大人
 うし:師匠や貴人・富者などを敬っていう語
 おとな:成長して一人前になった人
 たいじん:体の大きな人。徳の高い人、大人物 (→大人国、大人の風格)
 だいにん:おとな。料金の区別に用いる場合はふつう中学生以上をいう

●有職
 うしき:僧侶の職名(已講・内供・阿闍梨の総称) (→有職三綱(さんごう))
 ゆうしょく:職についていること (→有職者、有職婦人)
 ゆうそく:故実や礼式に詳しいこと (→有職家、有職故実、有職文様)

●氏名
 うじな:名字、姓
 しめい:名字と名前、姓名

●有性
 うしょう:[仏教]存在すること。悟りを開く素質のあるもの、仏性を持っているもの
 ゆうせい:[生物]雌雄の区別があること (→有性生殖)

●後手
 うしろで:両手を後ろに回した状態。後ろの方向 (→後手に縛る。敵の後手に回る)
 ごて:囲碁や将棋で先手のあとで着手すること。他に先を越されること、相手に先に攻められて受け身の立場になること (→後手になる、後手に回る)

●薄氷
 うすごおり:薄く張った氷。和菓子の一
 うすらい:冬が過ぎ水面をかろうじて覆っている薄い氷(春の季語)
 はくひょう:薄く張った氷 (→薄氷を履む)

●埋める
 うずめる:物に覆われて外から見えない状態にする (→マフラーに首を埋める、恋人の胸に顔を埋める、骨を埋める)
 うずめる、うめる:穴などに物を入れ上に何かをかぶせて見えなくする。人や物である場所をいっぱいにする (→金塊を埋める、壺を庭に埋める、火種を灰に埋める。観衆が会場を埋めた、バックを花で埋める)
 うめる:くぼんでいるところに物を詰めてくぼみをなくす。不足や損失を補う。水などを加えて温度を下げたり濃度を薄めに整えたりする (→外堀を埋める、城の堀を埋める。赤字を埋める、欠員を埋める、空白を埋める。風呂を埋める)

●泡沫
 うたかた:水面に浮かぶ泡。はかなく消えやすいもののたとえ (→泡沫の如く消える。泡沫の恋、泡沫の夢)
 ほうまつ:あわ、あぶく。(比ゆ的に)あわのようにはかないもの、問題にならないようなもの (→泡沫消火剤。泡沫会社、泡沫候補、泡沫夢幻)

●転寝
 うたたね:ついうとうと眠ること (→テレビを見ながら転寝する)
 ごろね:寝るしたくもせずにそのまま横になって寝ること (→疲れてソファーで転寝する)

●打ち壊す
 うちこわす:たたくなどして物を破壊する。既存の思想・計画などを努力して取り除く (→蔵を打ち壊す。古い道徳観を打ち壊す)
 ぶちこわす:打ったりたたいたりしてめちゃめちゃにする。うまく運びそうな計画や話を妨害する、整っているものを台無しにする (→錠前を打ち壊して侵入する、分厚いガラス戸を打ち壊す。縁談を打ち壊す、せっかくのムードを打ち壊す)

●打倒した(打倒して)・打倒される
 うちたおした(して)・うちたおされる ←打倒す (→強力なパンチで相手を打倒した)
 だとうした(して)・だとうされる ←打倒する (→独裁制を打倒した)

●内面
 うちづら:内輪の人に対して見せる顔つき
 ないめん:内部。人の精神や心理

●初心
 うぶ:純真な様子。性的な知識を十分知らないこと (→初心な娘)
 しょしん:最初の心構え。習い始め (→初心忘るべからず)

●馬場
 うまば:よい馬の産地
 ばば:乗馬・馬術競技・競馬をする場所
 *競べ馬をする所は「うまば」と読んでも良い。

●海牛
 うみうし:軟体動物腹足綱後鰓(こうさい)亜綱のうち殻のないものの総称
 かいぎゅう:海牛目の哺乳類の総称(ジュゴンなど)

●産出した(して)・産出される(させる)
 うみだした(して)・うみだされる(させる) ←産出す (→この事業は大きな利益を産出した)
 さんしゅつした(して)・さんしゅつされる(させる) ←産出する (→日本では石油は産出されない)

●海風
 うみかぜ:海から吹いてくる風、海の風 (→海風が心地好い)
 かいふう:[主に理科]昼間に海から陸へ向かって吹く風 (→陸風と海風)

●裏面
 うらめん:印刷物や書面の裏の面(辞書の見出語にはこの読み方は載っていないが、一般にはしばしばこのように読まれている) (→裏面の記入欄)
 りめん:物の裏側の面。物事の外部に現れない部分、世間に知られていない部分 (→裏面の記入欄。政界の裏面に通じる、裏面工作)

●煩い
 うるさい: (→話声が煩い、人目が煩い。口煩い)
わずらい:悩み、悩みのもと (→煩いの種、恋煩い)

●患い
 うれい:予測される悪い事態に対する心配 (→備えあれば患いなし、虎を養いて自ら患いを遺す
 わずらい:病気 (→長の患い、患い付く)

●熟れる
 うれる:果実や穀物などが十分みのる、熟す (→真っ赤に熟れたトマト)
 こなれる:食べた物が消化される。世慣れて円満になる。物事に熟練する、無理なく思いのままに運用できるようになる (→人間が熟れてきた。芸が熟れる、熟れた文章)
 なれる:食物がほどよく発酵するなどして味がよくなる、熟成する。腐る (→よく熟れた味噌)

●上枝
 うわえだ:上の方の枝
 ほつえ:上の方の枝(主に古典での読み方)

●上書
 うわがき:一度書いたものの上から書くこと
 じょうしょ:官庁や主君・貴人などに意見を述べた書状を差し出すこと、その書状

●上皮
 うわかわ:物の表面を覆うもの、外皮。体表を覆う皮膚、表皮 (→ミルクの上皮をすくう)
 じょうひ:動植物の体表面や動物の体内の器官内表面などをおおっている細胞層 (→上皮細胞、上皮組織)

●上面
 うわつら:外見、うわべ (→問題の上面を見ているだけで本質をとらえていない)
 じょうめん:物の上になっている側の面

●上手
 うわて:他よりまさっていること、高飛車なこと。相撲の取り手 (→役者が一枚上手だ。上手に出る。上手投げ)
 かみて:上座に近い方、川の上流の方、舞台の客席から見て右側
 じょうず:巧みで手際のよいこと、そのさまやその人
 *「上手い」は「うまい」

●上物
 うわもの:その土地の上に建っている建物
 じょうもの:上等の品物

●右腕
 うわん:野球の右投げ投手の略称
 みぎうで:右の腕

●柄
 え:手で握りやすいように道具類につけた棒状の部分、取っ手。きのこのかさを支える部分や葉・花・果実を茎や枝につけている部分 (→ひしゃくの柄)
 がら:体格、体つき。その人に本来そなわっている品位・性格。布・織物などの模様 (→柄が大きい。人のことを言える柄ではない、柄が悪い、柄にもない。はでな柄)
 つか:刀剣などの手で握る部分。筆の軸 (→刀の柄)

●永久
 えいきゅう: (→永久不変、永久平和)
 とわ: (→永久の別れ、永久に幸あれ)

●衛士
 えいし:護衛の兵士
 えじ:律令制で諸国の軍団から選抜されて宮廷の警護に当たった兵士。神宮司庁および熱田神宮の警護に当たった職員

●役
 えき:戦争、たたかい。人民に課された公の労務 (→西南の役、後三年の役。役務、予備役)
 やく:役目。受け持ち

●腋臭
 えきしゅう:「わきが」の医学での読み方 (→腋臭症、腋臭病)
 わきが:わきの下から不快臭を発する状態(普通の読み方)

●慧眼
 えげん:[仏教]五眼(ごげん)の一(一切の事物を空であると見通す智慧の目)
 けいがん:物事の本質を鋭く見抜く力 (→慧眼の士)

●回心、廻心
 えしん:[仏教]心を改め正しい仏の道に入ること
 かいしん:従来の生き方を悔い改め新しい信仰に目覚めること

●蝦夷
 えぞ:日本列島の東方・北方に住み日本人によって異族視されていた人々に対する呼称。
 えみし:「えぞ」の古称(平安時代前半までの読み方)

●枝葉
 えだは:枝と葉。本筋や中心から離れた重要でない部分 (→話が枝葉に及ぶ)
 しよう:[文章語的]樹木の枝と葉。物事の本質にかかわりのない部分 (→枝葉の問題にこだわる、枝葉末節)

●岐路
 えだみち:本道から分かれた脇道。本筋から外れていること (→議論が岐路にそれる)
 きろ:分かれ道。将来が決まるような重大な場面 (→人生の岐路に立つ)

●鴛鴦
 えんおう:オシドリのつがい (→鴛鴦の契り)
 おしどり:カモ目カモ科の水鳥。仲がよくていつも一緒にいる男女のたとえ (→鴛鴦夫婦)

●嚥下
 えんか:口の中の物を飲み下すこと (→錠剤を嚥下する)
 えんげ:口の中の物を飲み下すこと(医学分野での慣用読み。一般にもしばしばこのように読まれている) (→嚥下性肺炎)

●遠近
 えんきん:遠くと近く
 おちこち:あちらこちら。将来と現在 (→鶏の声も遠近に聞こえる/藤村)

●遠国
 えんごく:遠い国、特に都から遠く離れた国
 おんごく:都から遠く離れた国。律令制では、関東・越後以北、石見・安芸以西、四国の伊予・土佐、および九州の諸国 (→遠国奉行)

●追討
 おいうち:逃げていく者を追いかけて討ち取ること (→浮き足立つ敵に追討をかける)
 ついとう:追いかけて討ちとること。討手を差し向けて賊を征伐すること (→賊軍を追討する。追討使)

●黄金
 おうごん:金。金銭、貨幣。金のように輝くもの、貴重で価値のあることのたとえ (→黄金の仏像。黄金の山。輝く黄金の翼、黄金の日々、黄金分割)
 くがね:金、こがね (→銀(しろかね)も黄金も玉も何せむに優れる宝子にしかめやも)
 こがね:金。大判・小判などの金貨。「黄金色」の略

●桜桃
 おうとう:セイヨウミザクラの別名、その実
 さくらんぼ、さくらんぼう:セイヨウミザクラの果実。サクラ類の果実

●横道
 おうどう:人間としての正しい道に外れていること、そのさま、よこしま (→鬼神に横道なし、神明に横道無し、横道な者)
 よこみち:本道から横に入る道。本筋からはずれた筋道 (→話が横道にそれる)

●大字
 おおあざ:町村内をさらに分けた区分
 だいじ:大きな字

●大汗
 おおあせ:多量の汗 (→大汗をかく)
 たいかん:モンゴル民族の皇帝に対する称号

●大君
 おおいぎみ:貴人の長女の尊称(二女は「中の君」、以下「三の君」「四の君」などという)
 おおきみ:天皇、親王・諸王、皇女・女王などにたいする敬称。主君の敬称
 たいくん:君主の尊称。とくに江戸時代に外国に対して用いた徳川将軍の称

●大分
 おおいた:地名
 だいぶ、だいぶん:数量や程度がかなり多かったり進んでいたりするさま(「だいぶん」のほうが文語的)

●大兄
 おおえ:長兄。皇子につける尊称 (→中大兄皇子)
 たいけい:兄を敬った言い方。男性が自分より少し年上または同輩の男性を敬っていう語

●大臣
 おおおみ:大和朝廷で大連と並ぶ最高位の執政官
 おとど:貴人や大臣・公卿の敬称、女主人・女房の敬称
 だいじん:国務大臣のこと。律令制における太政官の上官

●大形
 おおがた:形が大きいこと (→大形の魚)
 おおぎょう:大げさな(「大仰」と書くことが多い)。大がかりな (→大形な言い方、大形に振舞う)

●大木
 おおき:人名
 たいぼく:大きな木

●大切
 おおぎり:芝居などで最後の演目。大きく切り分けること、切り分けたもの
 たいせつ:非常に重要だったり大事なさま(古典では「たいせち」とも読む)

●大声
 おおごえ:大きい声
 たいせい:大きな声を出すこと。高雅な音律、上品な音楽。偉大な道理を含んだ語 (→男ながら大声して泣く、大声里耳に入らず、大声叱呼)

●大事
 おおごと:重大な出来事、大きな影響を与える事件 (→大事にならずに済む、そりゃ大事だ)
 だいじ:重大な事柄、容易でない事件。大がかりな仕事・計画。たいへんな結果。大切で重要な様 (→国家の大事、大事を成す、大事を企てる、大事に至らないで済む、大事な品、大事な用)

●大勢
 おおぜい:人数が多いこと (→大勢の学生)
 たいせい:おおよその形勢 (大勢が決まる、大勢に影響はない、大勢に従う)

●果せる
 おおせる:(動詞の連用形に付いて)成し遂げる、すっかりし終える (逃げ果せる、隠し果せる)
 はたせる ← 果す

●大先生
 おおせんせい:(二人以上の先生のうち)年長または上位の先生(「若先生」と対で使われることが多い)
 だいせんせい:すぐれた先生、その道の権威者(しばしば、ひやかしの意味を込めて使われることもある)

●覆った・覆って
 おおった・おおって ←覆う
 くつがえった・くつがえって ←覆る

●被った・被って
 おおった・おおって ←被う
 かぶった、かぶって ←被る
 こうむった・こうむって ←被る

●大手
 おおて:同業の中でとくに規模の大きい会社。城の正面、表門 (→大手筋、大手門)
 おおで両手を大きく広げたり、手を大きく振るようす (→大手を振る)

●大門
 おおと:大きな海峡 (→明石大門)
 おおもん:大きな門。邸宅・城郭などの正門。遊郭の入口の門
 だいもん:寺院のいちばん外側にある大きな門。社会的に地位の高い家柄。地名(東京都・宮城県・富山県など)

●大根
 おおね:物事のおおもと。太い矢の根。ダイコンの古名
 だいこ:だいこんの音変化
 だいこん:野菜の一種

●大引
 おおびき:床板と根太を支える横材
 おおびけ:取引所での最終の立ち会い、その時の相場。遊郭でその日の営業を終え消灯して大戸を閉じること

●大身
 おおみ:刃渡りの長いこと (→大身の槍)
 たいしん:身分の高い人 (→大身の旗本)

●大水
 おおみず:洪水
 たいすい:大きな河川や湖

●大連
 おおむらじ:大和朝廷で大臣と並ぶ最高位の執政官
 だいれん:中国遼寧省の都市

●大目
 おおめ:分量が少し多い加減。細部にこだわらず大ざっぱに見ること
 だいめ:茶室用の畳で台子部分を除いたもの

●大文字
 おおもじ:アルファベットのA・B・Cの類。基準より大きな文字
 だいもんじ:大きい文字。「大」という漢字。「大文字の火」「大文字山」の略

●大家
 おおや:家主。本家 (→大家さん)
 たいか:大きな家、りっぱな家屋。ある分野で特にすぐれた見識・技能をもっている人 (日本画の大家)
 たいけ:金持ちの家、社会的地位や身分の高い家柄 (→大家のお嬢さん)

●大山
 おおやま:人名。大きな山。思いきった賭けや勝負 (→大山を当てる)
 たいざん:大きな山 (→大山鳴動して鼠一匹)
 だいせん:鳥取県西部の山

●公事
 おおやけごと:(私事にたいして)個人的でないこと、公式のこと。政務、政治。宮中の儀式・行事。朝廷への奉仕や租税
 くじ:朝廷の政務・儀式。中世では年貢以外の雑税・夫役の総称。訴訟およびその審理・裁判 (→公事方御定書)
 こうじ:政府・官庁などのおおやけの仕事、公務。公共に関する事柄

●大雪
 おおゆき:雪がたくさん降ること、たくさん降り積もった雪
 たいせつ:二十四節気のひとつ

●男神
 おがみ、おとこがみ:男の神(普通の読み方)
 だんしん:男の神(仏教などでの読み方) (→男神立像)

●傍目
 おかめ:わきから見ていること、第三者の立場で見ること (→傍目八目)
 はため:はたの見る目、当事者以外の人から見た感じ (→傍目を気にする、傍目には幸せそうに見えた)

●晩生
 おくて:普通より遅く開花したり実が成熟する草木
 ばんせい:おそく生まれること。農作物などが普通よりおくれて成熟すること (→晩生種)

●起った・起って
 おこった・おこって ←起る
 たった・たって ←起つ
 *起つ:決意して事を起こす、奮起する (→反対運動に起つ)

●御札、お札
 おさつ:紙幣
 おふだ:神社や寺で出す守り札

●大仏
 おさらぎ:人名
 だいぶつ:大きな仏像

●和尚
 おしょう:戒を授ける僧、修行を積んだ僧の敬称。寺の住職、僧侶
 かしょう:天台宗・華厳宗で戒を授ける僧、高僧の敬称
 わじょう:律宗・法相宗・真言宗・浄土真宗で戒を授ける僧、高僧の尊称 (→鑑真和尚)

●白粉
 おしろい:肌を色白に美しく見せるための化粧品
 はくふん:白色の粉

●落葉
 おちば:落ちている木の葉
 らくよう:木の葉が落ちること。落丁と同義

●御付
 おつき:貴人の側用人。芸能人の付き人
 おつけ:吸い物の汁、みそ汁、おみおつけ

●御手洗
 おてあらい:トイレの美称
 みたらい:人名、地名
 みたらし:神仏を拝む前に参拝者が手や口を洗い清める所。「御手洗会(みたらしえ)」「御手洗川」の略

●御代
 おだい:「代金」の尊敬語・丁寧語 (→御代はいかほど)
 みよ:天皇・皇帝・王などの治世、その在位期間 (→明治の御代)

●音
 おと:音波を聴覚器官が感じとったもの。うわさ、評判 (→ラジオの音、風の音。音に聞えた美女)
 おん:人が言語として使うために口から出す音、言語音。漢字の読み方の一 (→「し」と「す」の音をはっきり区別する。音と訓)
 ね:人の感情に訴えかけ、快の印象やしみじみとした感じをもたらすような音 (→鐘の音、琴の音、楽の音、虫の音)
  *「音を上げる」「ぐうの音も出ない」

●脅かす
 おどかす:怖がらせる、脅迫する。びっくりさせる、驚かす (→有り金全部置いていけと脅かす。隠れていて脅かしてやろう)
 おびやかす:相手が恐怖や不安を感じるようにする、おびえさせる。今ある好ましい状態が存続しがたいようにする、危うくする (→拳銃をちらつかせて脅かす。地位を脅かす、安全が脅かされる)

●男女
 おとこおんな:男でありながら女のような、また女でありながら男のような性徴・性質をもつ者
 だんじょ:男と女

●男気
 おとこぎ:弱い者が苦しんでいるのを見のがせない気性、男らしい気質 (→男気のある人、男気を出す)
 おとこけ、おとこげ:男が居ることを感じさせる様子やふんいき (→この家には男気がない)

●御所
 おところ:「住所」の丁寧語
 ごしょ:天皇・上皇・三后・皇子などのすまい、そこに住む人を敬っていう語
 ごせ:奈良県の市

●大人気
 おとなげ:おとならしさ (→大人気ない)
 だいにんき:にんきの度合いが大きいこと

●御中
 おなか:腹を丁寧にいう語
 おんちゅう:官庁・会社・団体などの宛名の下に書き添える語

●尾羽
 おは:鳥の尾と羽 (→尾羽打ち枯らす
 おばね:鳥の尾骨から生えている羽(普通の読み方)

●十八番
 おはこ:得意の芸。その人のよくやる動作や口癖 (→十八番を出す。また十八番の小言が始まった)
 じゅうはちばん:「歌舞伎十八番」の略。その人のいちばん得意とすること

●尾鰭
 おひれ:魚の尾とひれ。本体以外につけ加わった余分なもの (→尾鰭が付く)
 おびれ:魚類の体の後端にあるひれ

●御前
 おまえ:二人称の人代名詞(古くは目上の人に対して用いたが、近世末期からしだいに同輩以下に用いるようになった)
 おんまえ:神仏や貴人などの前。女性が手紙の脇付に用いる語
 ごぜ:二人称の人代名詞で婦人に対して用いる尊敬語。女性を表す名詞に付いてその人に対する尊敬の意を添える(「ごぜん」とも) (→尼御前。母御前)
 ごぜん:貴人・主君などの座の前。貴人に対する敬称(近世では大名・旗本・大名の奥方に対する敬称) (→陛下の御前で演奏する、御前会議)
 みまえ:神仏や貴人の前

●御守、御守り、お守り
 おまもり:身につけていると危難を逃れることができると信じられているもの、特に社寺の守り札
 おもり:子どもをあやしてめんどうをみること

●重石
 おもし:物の上にのせるおもり
 じゅうせき:タングステン酸塩鉱物の総称

●表面
 おもてめん:印刷物や書面で表と裏の両面がある場合その表の面(辞書の見出語にはこの読み方は載っていないが、一般にはしばしばこのように読まれている) (→表面の記入欄)
 ひょうめん:物の外側をなす面。物事の外から見える部分、うわべ (→液体の表面。事が表面に出る、表面的な見方)

●親子
 おやこ:(普通の読み方( (→親子は一世)
 しんし:[主に法律] (→実親子、継親子、養親子)

●小山
 おやま:人名。栃木県南部の市
 こやま:人名。小さい山

●女形
 おやま:歌舞伎のおんながた。操り人形の女役の人形 (立女形。女形人形)
 おんながた:歌舞伎で女の役を演じる男の役者、その役柄

●下り物
 おりもの:子宮から出てくる粘液や組織片などの総称
 くだりもの:上方から来た品物、

●音声
 おんじょう:人の発する声。「音声楽(おんじょうがく)」の略 (→大音声。入(いり)音声、参入(まいり)音声、音声菩薩。隻手の音声)
 おんせい:人の発する声、とくに話し言葉として発する言語音。テレビやパソコンなどの音(普通の読み方) (→音声学。音声多重放送、音声解説)

●音色
 おんしょく:その音のもつ感じ、ねいろ(音響学や音楽等での言い方。高さ・強さとともに音の三要素の一)
 ねいろ:音の感覚的な特性(普通の言い方)

●女気
 おんなぎ:女が自然に備えているとされる気質や気持、女心
 おんなけ、おんなげ:女が居ることを人に感じさせるふんいきや様子 (→わが家には女気がない)

●開眼
 かいがん:目を見えるようにすること (→開眼手術)
 かいがん、かいげん:物事の道理や真理がはっきりわかるようになること、物事のこつを会得すること
 かいげん:仏像や仏画像に眼を入れて仏の霊を迎えること、その儀式 (→開眼供養、大仏開眼)

●買春
 かいしゅん:男性が金品を代償として女性と性交すること(「売春」と同音になることを避けるため法律関係などでされる読み方)
 ばいしゅん:男性が金品を代償として女性と性交すること(売春を買う側からいう語)

●解す
 かいす:理解する (→風流を解す、ユーモアを解さない人)
 げす:理解する、なっとくする (→真意を解しかねる、なんとも解せない話しだ)
 ほぐす:ほどく。凝り固まっているものをやわらかくする (→糸のもつれを解す。肩のこりを解す、緊張を解す)

●芥子
 かいし:カラシナの種子
 からし:カラシナの種子を粉にした香辛料。カラシナの別名 (→芥子がよくきいている)
 けし:ケシ科の越年草 (→芥子粒)

●解釈
 かいしゃく:言葉や文章の意味・内容を解きほぐして明らかにすること、その説明。物事や人の言動などについて自分なりに考え理解すること
 げしゃく:[仏教]経典などの文章を説き明かしその内容をわからせること

●懈怠
 かいたい:[法律]法律において実施すべき行為を行わずに放置すること(民法上「過失」と同義) (→期日の懈怠、通知の懈怠)
 けたい(近世ごろまでは「けだい」):なまけること、おこたること、怠惰。[仏教]善を修し悪を断ずることにおいて怠る心 (→懈怠の心が生じる)

●開幕
 かいばく:幕府を開くこと
 開幕:舞台の幕を開いて劇などを始めること

●外面
 がいめん:外側の表面。外から見えるようす、見かけ (→外面を飾る)
 げめん:外側。表面にあらわれた顔つき (→外面如菩薩内心如夜叉(げめんにょぼさつないしんにょやしゃ))
 そとづら:他人に対して見せる顔つきや態度 (→外面のいい人)

●外用
 がいよう:薬を体の外から効かせること (→外用薬)
 そとよう:服や靴など外出に用いるもの

●傀儡
 かいらい:あやつり人形。自分の意志や主義を表さず他人の言いなりに動いて利用されている者 (→傀儡政権)
 くぐつ:歌などに合わせて舞わせる操り人形。くぐつを操ったりして各地を漂泊した芸人。舞妓や遊女、遊び女 (→傀儡回し。傀儡女(くぐつめ))

●帰す
 かえす:もとの居場所に戻らせる (→使いを帰す)
 きす:(「帰する」の文語形)最後にはそうなる。罪や責任を他の人や物のせいにする (→水泡に帰す、灰燼に帰す、無に帰す、烏有に帰す。責任を部下に帰す)

●顔色
 かおいろ:顔の表面の色、血色。感情の動きの表れた顔のようす、顔つき、機嫌 (→顔色が悪い。上役の顔色をうかがう、顔色を見る)
 がんしょく:感情の動きの現れた顔つき (顔色を失う、顔色無し)

●踵
 かかと:足の裏の後部、履物の後部(普通の読み方)
 きびす:足の裏の後部、履物の後部 (→踵を返す、踵を接する)

●各行
 かくぎょう:文章のそれぞれの行
 かくこう:それぞれの銀行

●格式
 かくしき:身分や家柄などによって定まっている礼儀や作法 (→格式を重んじる、格式張る)
 きゃくしき:律令を補足・修正するための法令 (→弘仁格式、貞観格式)

●掛け金
 かけがね:戸や箱などに取り付けてもう一方の金具に掛けて開かないようにする金具 (掛け金をはずす)
 かけきん:定期的に積み立てたり支払ったりする金。掛け売りの代金 (→保険の掛け金)

●水夫
 かこ:船を操る人(古くは広く船乗り全般をさしたが、江戸時代には下級船員をいった)
 すいふ:船乗り

●火口
 かこう:火山の噴火口
 ひぐち:出火した所。火をつけるための口 (→かまどの火口)
 ほくち:火打ち石で発火させた火を移し取るもの

●河口
 かこう:河川が海や湖に注ぎ込む所
 かわぐち:川が海や湖に注ぐ所。人名、地名

●下刻
 かこく:河川の水流が川底を浸食する作用 (→下刻作用】
 下刻:一刻を三分したうちの最後の時間 (→辰の下刻)

●風穴
 かざあな:風が吹き通る穴やすきま。通風や換気のために壁や窓にあけた穴 (→風穴を開ける)
 ふうけつ:山腹などにあって夏季に冷たい風を吹き出す洞穴(溶岩トンネルや石灰洞など)

●風潮
 かざしお:台風などの強風によって起こる高潮
 ふうちょう:風によって生ずる潮の流れ。時代の推移に伴って変わる世の中のありさま (時代の風潮に逆らう)

●風袋
 かざぶくろ:風神の持っている袋。武具の指物の一つ
 ふうたい:秤で物を量る時の容器。うわべ、見かけ (→風袋込みの目方。風袋ばかりりっぱな人)

●河岸
 かがん:川の岸 (→河岸段丘)
 かし:川の岸、特に船から荷を上げ下ろしする所。川岸に立つ市場、特に魚市場 (→河岸揚げ、魚河岸)
 かわぎし:川に沿った両側の地

●蝸牛
 かぎゅう:かたつむり。[医学]内耳の一部でカタツムリの殻状をした聴覚にたずさわる器官 (→蝸牛角上の争い。蝸牛管、蝸牛神経核)
 かたつむり:巻貝の一種 (→今朝見れば夜の歩みや蝸牛)

●学生
 がくしょう:平安時代に大学寮・国学または貴族の大学別曹などに学ぶ者。寺院で学問し仏教を研究する者、仏道を学ぶ僧。修学僧。学識、学問
 がくせい:学問をしている人。特に、大学生

●仮借
 かしゃ:漢字の六書の一(ある語を表す漢字がない場合その語の意味とは無関係の別の同音の漢字を借りて表す方法)
 かしゃく:みのがすこと、ゆるすこと (→仮借ない批判を加える)

●冠者
 かじゃ:(意味は「かんじゃ」と同じ。主に狂言や能での読み方) (→太郎冠者、次郎冠者、延命冠者)
 かんじゃ:元服して冠をつけた少年、若者、若輩。六位で無官の人 (→小冠者、猿面冠者)

●拍手
 かしわで:神道で神を拝むとき両の手のひらを打って音を立てる礼拝作法 (→拍手を打つ)
 はくしゅ:両手を打ち合わせて音をたてること、手を打ち合わせて賞賛や賛成の気持ちを表すこと (→拍手する、拍手喝采)

●片言
 かたこと:語られる言葉の一部分。たどたどしい不完全な言葉 (→片言も聞きもらさない。子どもが片言を言っている、片言の英語を話す、片言交じり)
 へんげん:わずかな言葉、ちょっともらした言葉。一方の人の言葉、片方の言い分 (→片言もゆるがせにしない、片言隻語、片言隻句)

●金輪
 かなわ:金属製の輪、鉄製の車輪。三本足の鉄製の輪、五徳
 こんりん:[仏教]地下にあって大地を支える大輪 (→金輪際、金輪奈落)

●芳しい
 かぐわしい:(雅語的)上品なかおりがおだやかににおうさま。心が引かれる、好ましい (→芳しい梅の香り)
 かんばしい:香りがよい。(多く否定の語を伴って)高い評価が与えられるさま、思わしい (→栴檀は双葉より芳し。業績が芳しくない)

●荷重
 かじゅう:積荷の重さ。機械や構造物に加わる力、構造物が耐えうる重さ (→荷重試験)
 におも:荷物が重いこと。責任や負担の重過ぎること (→荷重な車。新人には荷重な仕事だ)

●加重
 かじゅう:さらに重さや負担を加えること。[生理] 2つ以上の刺激を神経や筋肉などに与えることにより、個々の刺激による効果以上の大きな効果が得られること (→責任が加重される)
 かちょう:[法律]刑法で、累犯または併合罪の場合、法律上の範囲内で法定刑を重くすること (「かじゅう」と読むこともある)

●拍手
 かしわで:神道で神を拝むとき両の手のひらを打って音を立てる礼拝作法
 はくしゅ:賞賛や賛成などの気持ちを表して手をたたくこと

●春日
 かすが:地名
 しゅんじつ:のどかな春の一日、明るい春の太陽 (春日遅々)
 はるひ:春の日、春の陽光、春の一日。春日(地名)の枕詞 (→竹の風ひねもすさわぐ春日かな/犀星)

●難い
 かたい:難しい、なかなかできない (→守るにやすく、攻めるに難い城、想像するに難くない、言うは易く行うは難し)
 がたい:[接尾語]動詞の連用形に付いて「それが困難であること」「できないこと」を表す(「にくい」よりも使用範囲が狭く、硬い表現ないし否定の気持を強調した表現になる) (→忘れがたい思い出、信じがたい話、得がたい人物、近寄りがたい人、動かしがたい証拠、耐えがたい苦しみ)
 にくい:[接尾語]動詞の連用形に付いて「そうすることが難しい」「簡単にはそうならない」といった意味を表す (→見難い、読み難い、書き難い、病気になり難い、この絵の具は変色し難い)

●方方、方々
 かたがた:「人々」の敬称
 ほうぼう:あちこちの場所

●片側
 かたがわ:一方の側
 へんそく:「かたがわ」の医学での読み方 (→片側痙攣、片側性多汗症)

●気質
 かたぎ:身分・職業・年齢層・環境などを同じくする人たちの間にみられる特有の気風・性格 (職人気質、昔気質)
 きしつ:その人の身に備わった性質、気だて、気性 (母方から流れる芸術家の気質、激しい気質)

●徒歩
 かち:乗り物を使わないで歩くこと(主に古典での読み方)
 とほ:乗り物を使わないで歩くこと(普通の読み方)

●月光
 がっこう:「月光菩薩(がっこうぼさつ)」の略
 げっこう:月の光

●勝った、勝って
 かった、かって ←勝つ
 まさった、まさって ←勝る (→実力で勝っている)

●月日
 がっぴ:日付としての月と日
 つきひ:暦の上での月と日(がっぴ)。過ぎていく時間 (→月日が経つ)

●花道
 かどう:花を花器に挿して鑑賞する技法・作法 (→花道を習う)
 はなみち:観客席を貫いて舞台に至る道。力士が支度部屋から土俵に出入りするための通路。最後にはなばなしく活躍する場面や時期、人に惜しまれて引退する時期 (→引退の花道を飾る)

●勾引
 かどわかし:子供や女などをむりやり、またはだまして他に連れ去ること
 こういん:捕らえて連行すること。被告人や証人などを一定の場所に引致すること

●仮名
 かな:ひらがな・かたかな
 かめい:本名を隠すときの仮の名前 (→新聞には仮名で出ていた)

●鉄追
 かなづち:釘などを打ち込む鉄製の鎚。泳ぎのできないこと、その人
 てっつい:大がたのかなづち、ハンマー。厳しい制裁のたとえ (→鉄鎚を下す)

●金目
 かねめ:金銭的価値の高いこと (→金目の品)
 きんめ:江戸時代の金貨の単位の名。猫などで目の色が金色のもの (→金目銀目)

●下部
 かぶ:下の部分、下の方
 しもべ:召使い、身分の低いもの

●下風
 かふう:風下。人の支配を受ける低い地位 (→風下舷。人の下風に立つを潔しとしない)
 しかかぜ:樹木などの下を吹く風 (→下風が心地よい)

●甲虫
 かぶとむし:コウチュウ目コガネムシ科の甲虫
 こうちゅう:コウチュウ目の昆虫の総称

●被る
 かぶる:頭や顔などの上にのせて覆う、すっぽり覆う。水などを上から浴びる。本来は引き受けなくて済むものを身に受ける (→帽子を被る、布団を被る。波を被る。人の罪を被る。泥を被る。猫を被る)
 こうむる:災いなどを身に受ける。他人から行為や恩恵などを受ける (→被害を被る。格別の恩顧を被る)

●下文
 かぶん:下にある文章
 くだしぶみ:上位者の意志を下位者に伝える公文書(平安・鎌倉時代に多く用いられた)

●花柄
 かへい:花軸から分かれ出てその先端に花をつける小さな枝
 はながら:花の模様。咲き終わって枯れた花 (→花柄のブラウス)

●花弁
 かべん:[生物]花びら
 はなびら:花冠を組み立てている一枚一枚の小片

●螳螂、蟷螂
 かまきり:カマキリ科の昆虫
 とうろう:カマキリの漢名 (→蟷螂の斧)

●喧しい
 かまびすしい:「やかましい」と同義(文語的) (→喧しい蝉の鳴き声、世間の声があれこれと喧しい、議論が喧しい、波の音常に―・しく/方丈記)
 やかましい:(普通の読み方)

●髪形
 かみがた:ヘアスタイル
 かみかたち:頭髪と顔だち
●上方
 かみがた:(皇居のある方)京阪地方 (→上方漫才)
 じょうほう:上の方

●上京
 かみぎょう:京都市の区名
 じょうきょう:地方から都に行くこと

●上座
 かみざ:地位の高い人や客が座る座席
 じょうざ:[仏教]教団内の長老。禅宗や曹洞宗の年長の者

●上席
 かみせき:寄席で1日から10日までの興行のこと(→中席、下席)
 じょうせき:年長者・上位の人・正客などのすわる席、上座。上位の等級・席次 (→主賓を上席に据える。上席の検事、上席研究員)

●神代
 かみよ:神が治めていたという時代(日本神話では神武天皇即位前までの時代) (→神代の昔から)
 じんだい:神が治めていたという時代(日本神話では神武天皇即位前までの時代) (→神代歌、神代文字)

●通った・通って
 かよった・かよって ←通う
 とおった・とおって ←通る

●空
 から →空の箱、家を空にする、空の巣症候群。空元気、空いばり、空回り、空手形
 くう →空を切る、空を飛ぶ、空をつかむ、空をにらむ。空の思想、色即是空。今までの努力が空に帰した
 そら →東の空が白む、鳥のように空を飛ぶ。今にも降り出しそうな空。異国の空、旅の空。生きた空もない。山手線の駅名を空で言える。空耳、空涙、空頼み、空とぼける、空恐ろしい

●辛い
 からい:舌やのどを強く刺激するような味。「甘い」と対照的な意味で使われる(→インド風の辛い料理。辛い煮つけ、辛い酒、辛い採点)
  *「つらい」と同じような意味で使われることもある (→辛い目をみる)
 つらい:冷酷な、むごい。我慢できないほど苦しい。対処が難しい (→辛いしうち、辛く当たる。辛い別れ、いじめられて辛い目にあう、練習が辛い。辛い立場にいる、その話をされると辛い)

●機関
 からくり:仕掛け、仕組み (→機関絵、機関芝居、機関灯籠、機関眼鏡、覗き機関、水機関)
 きかん:(普通の読み方) (→水力機関、金融機関)

●体
 からだ:(普通の読み方)
 たい:身体。一定の内容と形式をそなえて現れるかたち。物事の本質をなすもの (→体を預けて寄り切る、体を開いてはたく、体をかわす。論文としての体を整える、文章の体をなしていない。名は体を表す)
 てい:外から見た物事のありさま、ようす。見せかけ、体裁。(名詞などの後に付いて)そのようなもの、そのようなようすなどの意を表す (→満足の体、そしらぬ体、這う這うの体。体のいい返事。職人体の男)

●空振
 からぶり:振っても当たらないこと。当てが外れて失敗すること
 くうしん:爆発や噴火などで起こる大気の振動

●花柳
 かりゅう:紅の花と緑の柳、華やかで美しいもの。芸者や遊女、遊里・遊郭 (→花柳界、花柳の巷、花柳病)
 はなやぎ:姓氏の一。日本舞踊の流派の名 (花柳流)

●科料
 かりょう:軽微な犯罪に科す財産刑(罰金より軽く、千円以上一万円未満)
 *法曹界では「過料」と区別するため「とがりょう」と読むことがある

●過料
 かりょう:行政上の軽い禁令を犯した者に科する金銭罰
 *法曹界では「科料」と区別するため「あやまちりょう」と読むことがある

●軽軽、軽々
 かるがる:重い物をいかにも軽そうに動かすさま。たやすくやってのけるさま (→米俵を軽々と担ぐ。跳び箱を軽々飛び越えた。軽々しい)
 けいけい:考えや判断に慎重さが欠けているさま (→軽々にその是非を論ずることはできない)

●枯草
 かれくさ:枯れた草(特に冬枯れの草)。飼料にする干し草、まぐさ
 こそう:枯れた草 (→枯草菌、枯草熱)

●側板
 がわいた:建物や家具類の側面にある板
 そくばん:[生物]脊椎動物の発生の初期に中胚葉から生じて体側から腹側へのびる部域

●翡翠
 かわせみ:ブッポウソウ目カワセミ科の野鳥
 ひすい:宝石の一つ

●川柳
 かわやなぎ:川辺に生える柳、特にネコヤナギのこと。ヤナギ科の落葉低木
 せんりゅう:(柄井川柳から)前句付けから付句のみが独立した一七字無季の短詩

●土器
 かわらけ:素焼きの陶器。素焼きの杯。酒宴(土器の酒杯をすすめたり受けたりすることから)。成年女性の陰部に毛の生えないこと (→土器色。土器物(かわらけもの))
 どき:素焼きの焼き物

●寒気
 かんき:寒さ、冷たい空気 (→寒気がゆるむ、寒気が入り込む)
 さむけ:不愉快な寒さを感じること、悪寒 (→寒気がする、寒気を覚える)

●歓喜
 かんき:非常に喜ぶこと (→歓喜して躍り上がる)
 かんぎ:[仏教]仏法を聞いて満足し喜びを感じること (→歓喜天)

●玩具
 もて遊ぶ道具、遊び道具 (→郷土玩具)
 おもちゃ:子供が手に持って遊べるように作ってあるもの。なぐさみにもてあそばれる人や物 (玩具の電車、玩具箱。玩具にする)

●甲高
 かんだか:声が甲高いさま (→甲高にわめく、甲高な女の声)
 こうだか:手や足の甲が高いこと、そのさま。足袋や靴で足の甲にあたる部分が特に高いもの (→幅広で甲高な足)

●強盗
 がんどう:「強盗提灯」の略。「ごうとう」と同義 (→強盗提灯。強盗返し、強盗頭巾)
 ごうとう:(普通の読み方) (→ 居直り強盗、押し込み強盗)

●甲板
 かんぱん:船の上の平らな部分、デッキ(普通の読み方)
 こういた:机・棚などの上面の板
 こうはん:船の上の平らな部分、デッキ(主に業界や専門書での読み方) (→甲板員、甲板室)
 こうばん:カメ類の甲の革質板

●管領
 かんりょう:管理・支配すること、治め取り締まること、その人(「かんれい」と読むこともある)。我がものにすること
 かんれい:室町幕府の職名(将軍を補佐し政務を総轄)。「関東管領」の略 (→三管領)
  *鎌倉時代の「内管領」や「蝦夷管領」も「かんれい」と読む

●生薬
 きぐすり:まだ調合しない材料のままの薬。漢方薬
 しょうやく:植物・動物・鉱物などを材料とする薬を乾燥させたもの

●戯言
 ぎげん:ふざけて言う言葉、冗談 (→戯言を弄する)
 たわごと:ばかばかしい話、たわむれごと (→そんな戯言を聞いている暇はない、戯言をぬかすな)
 ざれごと:ふざけて口にする言葉。冗談 (→彼の言は戯言である/幸徳秋水)

●気骨
 きこつ:自分の信念を守ってどんな障害にも屈服しない強い意気 (→気骨のある若者)
 きぼね:心づかい、気苦労 (→気骨が折れる)

●生酒
 きざけ:混ぜもののない純粋な酒
 なまざけ:もろみを絞っただけで殺菌のための火入れをしていない酒

●更衣
 きさらぎ:陰暦2月の異称
 こうい:衣服を着替えること。(平安時代)女御に次ぐ後宮の女官 (→更衣室。更衣腹)
 ころもがえ:別の衣服に着替えること、とくに夏冬の季節に応じて衣服や調度を改めること (→更衣の時節)

●生地
 きじ:手を加えていないもとのままの性質や状態、素材 (→パイ生地)
 せいち:生まれた土地

●気色
 きしょく:心の状態が外面にあらわれた様子、顔色。気持、気分、体調 (→気色をうかがう。気色が悪い、気色がすぐれない)
 けしき:態度や表情などおもてにあらわれでた心の動き。何かが起ころうとする気配、きざし (→反省する気色。雨は止む気色もない。気色ばむ)

●旗色
 きしょく:立場、態度 (→旗色鮮明)
 はたいろ:形勢、事の成り行き。立場 (→旗色が悪い)
 *「旗色を鮮明にする」の場合は、「きしょく」と読むのが自然だが、「はたいろ」と読んでも間違いではない。

●競った・競って
 きそった・きそって ←競う (→人々は競ってその本を買った)
 せった・せって ←競る (→ゴール前で激しく競った)

●北上
 きたかみ:地名
 ほくじょう:北に向かって進むこと

●北国
 きたぐに: 北方の国
 ほっこく:北方の国。北陸道の諸国(→北国廻船、北国街道)

●来る
 きたる:やってくる。月日や行事などを表す語の上に付いて「近いうちにくる」「この次の」の意を表す (→米大統領来る、冬来りなば春遠からじ。来る三月一日の総会、来る定期総会において)
 くる:こちらに近づいたり着いたりする

●木造
 きづくり:青森県津軽地方の地名
 もくぞう:(普通の読み方)

●牛車
 ぎっしゃ:牛にひかせる乗用の車(主として平安時代に貴族階級を中心に使われたもの)
 ぎゅうしゃ:牛が引く荷車

●気風
 きっぷ:気前、気性、特に思いきりがよくさっぱりとした気性 (→江戸っ子の気風を示す、気風のいい男)
 きふう:気性、気だて、特にある集団や地域内の人々に共通する気質 (→代々伝わる進取の気風、気風の荒い土地柄)

●気取る
 きどる:他人の目を意識して動作や表情を飾る。人をまねてそれらしく振る舞う (→気取って歩く。スターを気取る)
 けどる:気配から事情などを察知する (→二人の関係を気取られないように振る舞う)

●昨日
 きのう:今日より1日前。ごく近い過去 (→昨日の花は今日の夢)
 さくじつ:今日より1日前(改まった言い方)

●生平
 きびら:粗い晒していない麻布
 せいへい:つねひごろ、平生

●君達
 きみたち:「君」の複数形(普通の読み方) (→未来は君達の双肩にかかっている)
 きんだち:上流貴族の子弟。(古文で)あなたさま方・あなたさま。 (→女君達)

●木目
 きめ:皮膚や物の表面の細かいあや、それに触れたときの感じ (→木目の細かい肌、木目細かい)
 もくめ:木材の表面の模様

●逆手
 ぎゃくて:腕の関節を反対に曲げること、その技 (→逆手をとる)
 ぎゃくて、さかて:相手の攻撃を利用して逆に攻め返すこと、ふつう予想されるのとは反対の方法で応じること。鉄棒などで持ち方や握り方が普通とは逆であること
 さかて:短刀などの刃を外側に向けて持つこと (→短刀を逆手に構える)

●九重
 きゅうじゅう:九層に重なっていること (→九重奏、九重唱)
 きゅうちょう:いくえにも重なること (→錦衣九重、九重の天)
 くじゅう (→九重山)
 ここのえ:九層に重なっていること、幾重にも重なっていること。皇居、宮中。地名 (→九重人)

●宮城
 きゅうじょう:天皇の住む所、とくに旧憲法下での皇居の称
 みやぎ:県の名前

●救世
 きゅうせい:乱れた世の人々を救うこと、この世の苦しみや罪悪から人々を救うこと (→救世主)
 くせ:[仏教]世の人々を苦しみの中から救うこと(「くぜ」「ぐぜ」とも読む) (→救世観音)

●求道
 きゅうどう:真理を求めること。(キリスト教などで)宗教的な悟りを求めて修行すること
 ぐどう:[仏教]仏の教えを求めて修行すること

●鳩尾
 きゅうび:「鳩尾(きゅうび)の板」(鎧の付属品)の略。[漢方]任脈経の経穴名
 みぞおち:胸骨の剣状突起の下部

●今日
 きょう:今過ごしているこの日。その日と同じ日付や曜日の日 (→大会は今日開催される、今日の情は明日の仇。来年の今日会いましょう)
 こんにち:きょう、本日。今の時代。現在 (→今日より向こう三日間休業。今日の世界情勢。私が今日あるのはあなたのお陰です)

●教化
 きょうか:人を教え導き望ましい方向に進ませること (→人民を教化する、教化活動)
 きょうけ、きょうげ:[仏教]人々を教え導いて仏道に入らせること。法要の際仏前で朗唱する讚の一種

●供花
 きょうか:葬儀などで死者に花を供えること、その花 (→供花料)
 くげ:仏堂などで仏前に花を供えること、その花(「供華」と書くことが多い) (→供花会(くげえ))

●境界
 きょうかい:土地のさかい。物事のさかい (→隣国との境界。文学と哲学の境界)
 きょうがい:境遇・境涯、境地。[仏教]自分の力が及ぶ範囲、善悪の報いとして得られた境遇 (→現在の境界)

●頬骨
 きょうこつ:[医学]頬の上方の突出部を占めている星形の骨 (→頬骨神経)
 ほおぼね:ほおの上部に少し高く出ている骨 (→頬骨が張った顔)

●警策
 きょうさく(きょうざく):人が驚くほど詩文にすぐれていること。人柄・容姿・物事などがすぐれてりっぱなこと
 きょうさく、けいさく:禅宗で座禅中の僧の眠けや心のゆるみ・姿勢の乱れなどを戒めるため肩などを打つ木製の棒
 けいさく:馬を走らせるために打つむち。注意や自覚を呼びおこすこと

●業
ぎょう:なすべきこと、仕事。生業、職業。学問や技芸 (→畢生の業。家の業を継ぐ、弁護士を業とする。業を修める)
 ごう:[仏教]人間の身・口・意によって行われる善悪の行為。前世の善悪の行為によって現世で受ける報い。理性によって制御できない心の働き (→業が深い、業を曝す、業を滅する。業を煮やす)
 わざ:行為、しわざ (→神のみわざ、至難の業、その砂丘は見事な自然のなせる業だ、容易な業ではない)

●形相
 ぎょうそう:顔つき(とくに怒りや嫉妬など激しい感情の現れた顔つき) (→形相が変わる、必死の形相)
 けいそう:物のかたち、すがた。[哲学]ある事象を他のものと区別させそれを存在させるのに不可欠な事象の本質的な存在構造 (→質料と形相、形相因)

●経典
 きょうてん:仏の教えを記した書物。ある宗教の基本的な教義などを記した神聖な書(キリスト教の聖書やイスラム教のコーランなど)
 けいてん:聖人や賢人の教えを記した書(「論語」「易経」など)

●競売
 きょうばい:複数の買い手に値をつけさせて最高価格をつけた者に売る方法、オークション (→競売に付す)
 けいばい:「きょうばい」の法律上の読み方(現在はどちらの読み方も許容されている) (→競売法)

●敬礼
 きょうらい:神仏や僧を敬って礼拝すること。仏に祈るとき仏の名に冠して唱える語
 けいれい:敬意を表して礼や挙手などをすること (→最敬礼)

●強力
 きょうりき:小麦粉のうち粘り気の強いもの (→強力粉)
 きょうりょく:力や作用が強いこと (→強力な味方、運動を強力に推進する)
 ごうりき:力が強いこと、そういう人やそのさま。登山者の荷物を背負い道案内をする人 (→強力無双、強力犯。富士山の強力)

●極小
 きょくしょう:きわめて小さいこと、そのさま。[数学]変数のある値に対する関数の値がその付近では最小となること (→極小の粒子。極小値。太陽活動極小期)
 ごくしょう:きわめて小さいこと、そのさま (→極小未熟児)

●玉石
 ぎょくせき:玉と石。価値のあるものとないもの (→玉石混淆)
 たまいし:川や海岸などにある丸い石

●清水
 きよみず:澄んだきれいな水。京都市の地名 (→清水の舞台から飛び降りる、清水寺、清水焼、清水座頭)
 しみず:湧き出るきれいに澄んだ水。人名、地名。狂言の一つ
 せいすい:澄んできれいな水 (→清水に魚(うお)棲まず)

●切羽
 きりは:トンネル工事や鉱石の採掘で掘削が行われる現場
 せっぱ:刀のつばの部分に添える薄い金物。差し迫っていること、どたん場 (→切羽詰まる)

●儀礼
 ぎらい:中国の儒教教典の一(「周礼(しゅらい)」「礼記(らいき)」とともに三礼(さんらい)と称される)
 ぎれい:(普通の読み方) (→儀礼的、通過儀礼)

●木綿
 きわた:パンヤの木の別名。綿花
 もめん:ワタの種子からとった繊維、それで作った糸や織物
 ゆう:コウゾの皮の繊維を蒸して水にさらし細かく裂いて糸としたもの (→染め木綿(しめゆう)、白木綿(しらゆう))

●金玉
 きんぎょく:金と玉、財宝。珍重すべきすぐれたもの (金玉の声)
 きんたま:睾丸の俗称

●近近、近々
 きんきん:近い将来、近いうちに (→近々に上京する予定です)
 ちかぢか:時間的に隔たらないさま、ごく近いうちに。距離的に近いさま (→近々引っ越しするつもりです。近々と寄ってのぞき込む)

●金星
 きんせい:太陽系の惑星
 きんぼし:相撲で平幕の力士が横綱を倒したときの勝ち星、転じて大きな手柄 (→金星を上げる)

●公達
 きんだち:上流貴族の子弟 (→公達受領)
 こうたつ:政府や官庁からの通達

●筋肉
 きんにく:運動するときに収縮する器官
 すじにく:スジの多い肉

●空言
くうげん:根拠のないうわさ。実行の伴わない言葉 (→空言に惑わされる。空言を吐く)
 そらごと:うそ、いつわり (空言をいうな、ひま人の空言)

●工数
 くかず:細工の手数
 こうすう:ある作業を行うのに必要とされる延べ作業時間・仕事量

●区区、区々
 くく:ばらばらでまとまりのないさま。小さくてとるに足りないさま (→区区としてまとまりがない。区区たる問題)
 まちまち:物事や意見などがそれぞれ異なっていること、そのさま (区区な服装、各人が区区に意見を述べる)

●括る
 くくる:紐などを物の周りに巻いて締める、縛る。全体をひとつにまとめる (→小包を括る、柱に括る。引用部をかぎ括弧で括る)
 くびる:紐などでくくり締める
 *括れる
 くくれる:くくることができる
 くびれる:物の中程が両端に比べ細くなっている

●潜る
 くぐる:物の下や狭い間・中を姿勢を低くして通って向こう側へ出る、門やトンネルなどを通り抜ける (→潜り戸、掻い潜る)
 もぐる:水中にすっかり入り込む、物の中や下に入り込む (海に潜る、床下に潜る)

●臭い
 くさい:いやなにおいがする。怪しい (→息が臭い。臭い仲)
 におい:深いなにおい。好ましくない気配 (→ドブの臭い。犯罪の臭いがする)

●草原
 くさはら:草のしげっている野原
 そうげん:草が一面に生えている広い平地。[地理]草本植物を主とする植物群落(温帯草原のステップやプレーリー、熱帯草原のサバンナなど)

●苦汁
 くじゅう:にがい汁。つらい経験 (→苦汁を飲まされる、苦汁を嘗める)
 にがり:海水から食塩を析出させたあとの残液 (→苦汁を加える)

●九十九
 くじゅうく (→九十九島、九十九里浜)
 つくも:「九十九髪」の略。植物フトイの古名
 つづら (→九十九折り)

●薬師
 くすし:医者 (→薬師にかかる)
 やくし:「薬師如来」の略

●口舌
くぜつ:言い争い、特に江戸時代に男女間の恋のうらみ言や痴話げんか (→口舌がましい、口舌文(くぜつぶみ))
こうぜつ:口と舌。口先だけの言葉 (→口舌の争い、口舌の徒、口舌の雄)

●降る
 くだる:高い所から低い所へ移動する。負けて降伏する (→天下る。敵の軍門に下る、陣門に下る)
 ふる:雨や雪など細かいものが落ちてくる。日光などがそそぐ。(比ゆ的に)たくさん集まるさまなどを表す (→雨が降ろうが槍が降ろうが、火山灰が降る。やしの葉影に降る月の光。降るような星、降るほどの縁談)

●件
 くだん:前に述べたこと、例の。いつものこと (→件の用件で話したい。件の如し)
 けん:ある特定の事柄(普通の読み方) (→例の件は承知しました)

●口伝
 くちづて:人から人へと言い伝えること (口伝に彼の逝去を知る)
 くでん:言葉で伝えること。師が学問や技芸の奥義などを弟子に口で伝えて教え授けること、その教え

●口の端
 くちのは:言葉のはしばし、うわさ (→口の端に上る)
 くちの端:口のはし(文字通りの意味) (→口の端にご飯がついている)
 *このように熟語としての意味か文字通りの意味かで読み分けが必要なことがしばしばある。例:謁見の間、鏡の間、木の間、目の当たり

●功徳
 くどく:[仏教]現世・来世に幸福をもたらすもとになる善行。神仏の恵み、御利益 (功徳を施す。功徳がある)
 こうとく:功績と徳行

●国柄
 くにがら:国家の成り立ち、国の状態。その国や地方に特有の持ち味
 こくへい:国家を統治する権力、国権

●国境
 くにざかい:国と国のさかい (→国境の峠)
 こっきょう:国家と国家とのさかい、国家主権のおよぶ限界線 (→国境を固める、芸術に国境はない)

●国立
 くにたち:東京都の地名 (→国立音楽大学)
 こくりつ:国が設立し維持・管理すること

●工夫
 くふう:よい方法や手段をみつけようと考えをめぐらすこと、その方法や手段 (→工夫が大切)
 こうふ:土木などの工事に従事する労働者

●弘法
 ぐほう:[仏教]仏の教えを世間に広めること
 こうぼう:「弘法大師」の略 (→弘法にも筆の誤り)

●凹む
 くぼむ:周囲より低く落ち込む (→目が凹む、凹んだ土地)
 へこむ:(外から押されたりして)表面の一部が周囲より低くなる。屈服する、ひるむ (→指で押すと凹む、薬缶が凹む。しかられて凹むような奴ではない)

●熊野
 くまの:紀伊半島南部の地名
 ゆや:能の曲目。

●公文
 くもん:律令時代の公文書の総称。中世では荘園の文書の取り扱・年貢の徴収などをつかさどった荘官、幕府の訴訟機関で記録を担当した役 (→公文所)
 こうぶん:政府や官庁などが職権として作成・発行する文書 (→公文書、交換公文)

●蔵人
 くらびと:造り酒屋の酒蔵で働く人
 くろうど:蔵人所(くろうどどころ:令外官の一つ)の職員(「くらんど」とも読む) (→蔵人頭)

●栗鼠
 くりねずみ:栗鼠色。馬の毛色の名、鼠色のまじった栗毛
 りす:森林に生息する小動物

●反転
 くるべき:枠に糸を掛け回転させて繰る道具
 はんてん:反対方向に向きかわること (→反転する)

●包む
 くるむ:布や紙などで巻くようにして物をつつむ(「つつむ」と読んでも間違ではない) (→書類を風呂敷で包む、体をタオルで包む、赤ん坊を毛布で包んで抱く、お包み)
 つつむ:物を中に入れて全体をすっかりおおう(普通の読み方) (→風呂敷で包む、炎に包まれる、祝儀を包む、オブラートに包む)

●黒板
 くろいた:人名
 こくばん:チョークで文字や図が書けるように黒または緑の塗料を塗った板

●黒衣
 くろぎぬ:黒色の衣服、とくに律令制では家人や奴婢の衣
 くろこ、くろご:役者の後見人の黒い衣服、それを着る人。表に出ないで裏で物事を処理する人
 こくい:黒色の衣服、特に仏教の僧の着る墨染めの衣や牧師や修道女のまとう僧衣(仏教では「こくえ」とも読む)

●黒衣
 くろぎぬ:黒色の衣服(律令制では、家人・奴婢の衣とされる)。喪服
 くろご、くろこ:役者の後見人の黒い衣服、それを着る人。表に出ないで裏で物事を処理する人
 こくい:黒色の衣服(特に仏教の僧の着る墨染めの衣、牧師や修道女のまとう僧衣)。(「こくえ」と読むこともある) (→円頂黒衣、黒衣の宰相)

●黒子
 くろご、くろこ:役者の後見人の黒い衣服、それを着る人。表に出ないで裏で物事を処理する人
 ほくろ:皮膚にできる黒い斑点 (→顔の黒子)

●黒白
 くろしろ:黒と白。事の是非、よしあし (→黒白をつける)
 こくびゃく:黒と白。善と悪、正と邪、是と非 (黒白をつける、黒白の差、黒白を争う、黒白を明らかにする、黒白をわきまえる)

●黒土
 くろつち:黒い色の土(腐敗した植物質などを含み耕作に適する)
 こくど:[地理]チェルノーゼム(温帯の半乾燥気候下の草原地帯に発達する肥えた黒色の土壌) (→黒土地帯)

●軍役
 ぐんえき:軍隊に所属し軍人として勤務すること。戦争、いくさ
 ぐんやく:武士が主君から給与された所領や俸禄の高に応じて負う軍事上の負担

●汚す
 けがす:清らかなものや美しいものをきたなくする。女性を辱める。名誉や名声に傷をつける。分に過ぎた地位につく(謙遜した言い方) (聖地を汚す。身を汚される。名を汚す。末席を汚す)
 よごす:きたなくする。不正なことなどをする。あえものをする (→水を汚す。手を汚す。ごまで汚す)
 *「汚れる」は「けがれる」「よごれる」、「汚らわしい」は「けがらわしい」、「汚らしい」は「きたならしい」、「汚そう」は「よごそう」「けがそう」「きたなそう」

●下下、下々
 げげ:下の下、もっとも程度が低いこと。しもじもの者の履物、藁草履 (下下の下。藁の下下)
 しもじも:身分・地位などの低い人々、(役人にたいして)一般庶民

●下座
 げざ:座をおりて平伏すること。歌舞伎劇場で囃子方のいる席(舞台の下手にある) (→土下座。下座音楽)
 しもざ:目下の者が座る座席

●下山
 げざん:山を下りること
 しもやま:人名

●下手
 げしゅ:手を下すこと (→下手人)
 したて:恐る恐る手を出す様。相撲の取り手 (→下手に出る、下手投げ)
 しもて:下座の方、川の下流の方、舞台の客席から見て左側
 へた:手際が悪いこと、巧みでないこと

●下種
 げしゅ:[仏教]信仰の種を人々にうえつけること
 げす:心根の卑しいこと。身分の低い者

●血脈
 けちみゃく:血のつながり、血統。[仏教]師から弟子へと代々仏法を正しく伝えること、その系譜 (→血脈相承)
 けつみゃく:血管。血のつながり、血統 (→源氏の血脈を伝える一族)

●月次
 げつじ:毎月、月例 (→月次報告)
 つきなみ:毎月きまって行われること、月に一度ずつあること (→月次の会。月次絵、月次講、月次祭)

●結集
 けっしゅう:ばらばらになっているものを集めて一つにすること (総力を結集する)
 けつじゅう:[仏教]釈迦の入滅後教団の代表者が集まって仏説を集成し編集したこと

●決定
 けつじょう:あることが定まって動かないこと、信じて疑わないこと。疑いなく、必ず (→未来を決定し得たり/漱石)
  *「決定信」「安心(あんじん)決定」「決定往生」など、仏教用語としても使われる
 けってい:はっきり決めること、決まること(普通の読み方)

●下田
 げでん:土地のやせた田
 しもだ:地名、人名

●下品
 げひん:品性が劣ること (→下品な人)
 げぼん:[仏教]極楽浄土を上・中・下に三分した最下層

●下野
 げや:官職を辞めて民間に下ること (→選挙に敗れ下野する)
 しもつけ:地名(旧国名の一、栃木県の市)。バラ科の多年草
 しもの:人名

●眩暈
 げんうん:目が回ったりくらんだりすること(医学での読み方)
 めまい:目が回ったりくらんだりすること

●検校
 けんぎょう:当道所属の盲人の最高の位階 (→八橋検校)
 けんこう:調査し考え合わせること

●健児
 けんじ:血気盛んな男子 (→全国の健事が技を競う、健児の塔)
 こんでい:奈良・平安時代に国府や関所などを警備した兵士 (→健児の制、健児田)

●間尺
 けんじゃく:一間ごとにしるしをつけた縄
 ましゃく:建築物などの寸法。損得の計算、利害の割合 (→間尺に合わない)

●現世
 げんせ:現在の世、この世(仏教では「げんぜ」とも読む)
 げんせい:現在の世界(地学では「完新世」のこと) (→現世統)

●現生
 げんしょう:現在の世。この世
 げんせい:現代に生存していること (→現生人類、現生種)
 げんなま:現金の俗称

●現場
 げんじょう:事件や事故が実際に起こった場所、現にそれが起こっている場所(警察関係などでの読み方) (→現場不在証明)
 げんば:事件や事故が実際に起こった場所、現にそれが起こっている場所。実際に作業が行われている場所、企業などで管理部門に対する実務部門 (→事故の現場を目撃する。工事現場、現場の意見を採用する)

●見物
 けんぶつ:催し物や名所旧跡などを見て楽しむこと
 みもの:見る価値のある面白いもの (この勝負は見物だ)

●小字
 こあざ:町村内の字(あざ)をさらに細分した区分
 しょうじ:小さい字

●光害
 こうがい:夜間の照明によって引き起こされる様々な害の総称(従来の読み方)
 ひかりがい:夜間の照明によって引き起こされる様々な害の総称(「公害」と区別するために最近は「ひかりがい」と読むのが普通になっている)

●溝蓋
 こうがい:側溝などのふた(建築関係や行政文書での読み方)
 みぞぶた:溝のふた(普通の読み方)

●後漢
 こうかん:中国の五代の一国(947〜950)
 ごかん:中国の王朝の一つ(25〜220) (→後漢書)

●合歓
 ごうかん:歓楽を共にすること
 ねむ:ネムノキ

●強気
 ごうぎ:強情なさま、頑固
 つよき:気が強いこと、積極的な態度に出ること。相場が先行き上がると予想すること (→強気な姿勢。市況が強気に転じる)

●口腔
 こうくう:口の中の空所(医学分野での慣用読み。一般にもしばしばこのように読まれている) (→口腔鏡、口腔外科)
 こうこう:口の中の空所(正式の読み)
 *類例:鼻腔(びくう、びこう) 腹腔(ふくくう、ふくこう) 胸腔(きょうくう、きょうこう)。とくに、鼻腔・咽頭腔・胸膜腔・喉頭腔については、それぞれ、鼻孔・咽頭溝・胸膜溝・喉頭溝と読み分けるために、「腔」は「くう」と読んだほうがよい。

●光合成
 こうごうせい:光エネルギーを用いて行う炭酸同化作用(普通の読み方)
 ひかりごうせい:光エネルギーを用いて行う炭酸同化作用(生物・化学分野でしばしばされる読み方)
 *生物・化学分野で「光」を「ひかり」と読む例:光屈性、光走性、光受容、光飽和点、光要因

●高山
 こうざん:高い山 (→高山植物)
 たかやま:地名、人名

●好事
 こうじ:よいこと。よい行い (→好事魔多し。好事門を出でず)
 こうず:珍しい変わった物事を好むこと、物好き (→好事家)

●工場
 こうじょう:機械を備えて継続的に物品の製造や加工などを行う所 (→工場制手工業、鉄工場))
 こうば:「こうじょう」と同儀だが、とくに小規模なものを指していうことがある

●後世
 こうせい:のちの世 (後世に伝える)
 ごせ:[仏教]あの世、来世

●後生
 こうせい:後から生れてくる人、後から生れてくること (後生畏る可し、後生鉱床、後生説)
 ごしょう:[仏教]死後に生まれ変わること、死後の世。他に哀願するときに用いる語 (→後生だから助けてください、後生大事)

●高台
 こうだい:高く組まれた建造物。焼物の器体を支える台。二人称の人代名詞(手紙などで相手を敬っていう語)
 たかだい:周囲よりも高くて平らになっている土地

●高潮
 こうちょう:満潮で海面が最も高くなった状態。調子や程度が極度に高まること (→高潮線。議論が高潮する、最高潮)
 たかしお:台風通過による強風や気圧の変化により海水面が異常に高まる現象

●公道
 こうとう:手堅く地味なこと、堅実・質素な様
 こうどう:国道・都道府県道・市町村道など。正しい道、おおやけの道理 (→天下の公道を行う)

●降伏
 こうふく:戦いに負けて敵に服従すること (→抵抗をやめて降伏する、無条件降伏)
 ごうぶく:神仏の力や法力によって悪魔や敵を防ぎおさえること (→怨霊を降伏する、降伏法)

●紅粉
 こうふん:べにとおしろい。 (→紅粉青蛾]
 べにこ:中国から渡来した紅、唐紅(とうべに)

●高名
 こうみょう:手柄を立てること、特に戦場での手柄、功名 (→高名を立てる、高名の中に不覚あり)
 こうめい:高い評価を受け広く一般の人々に名前を知られていること。相手を敬ってその名をいう語 (→高名な作家。御高名はかねがね承っております)

●紅葉
 こうよう:秋に葉が紅色に変わること
 もみじ:イロハモミジおよびその近縁のカエデ類の別名、その葉。[雅語的]秋に葉が紅や黄に色づくこと (→紅葉のような手)

●合力
 ごうりき:力を貸すこと。金品や物品を恵み与えること
 *金銭や物品を恵み与える意味では、「合力金」「合力米」のように、「こうりょく」または「ごうりょく」と読むことが多い。
 ごうりょく:[物理]二つ以上の力が作用するときそれらの力と効果が等しい一つの力

●小刀
 こがたな:小形の刃物、ナイフ
 しょうとう:小さい刀、脇差

●五月
 ごがつ:1年の5番目の月
 さつき:陰暦5月のこと。ツツジ科の常緑低木 (→五月晴)

●小柄
 こがら:体格が小さいこと。模様が細かいこと (→小柄な女性。小柄な花模様のブラウス)
 こづか:刀の鞘の差裏に添える小刀の柄、その小刀 (→小柄を抜く)

●古今
 こきん:「古今和歌集」の略 (→古今調)
 ここん:昔と今 (→古今に例を見ない、古今東西)

●扱く
 こく:打ちつけたり狭い所を通したりして付いているものをむしり取る (→稲を扱く)
 しごく:細長いものを握ったり指で挟んだりして強く押さえつけるようにしながらその手や指をこするように動かす。きびしく訓練する (槍を扱く、あごひげを扱く。新入部員を扱く)

●戸口
 ここう:戸数と人口 (→戸口調査)
 とぐち:家の出入り口

●御幸
 ごこう:上皇・法皇・女院の外出を敬っていう語 (→大原(おはら)御幸、小野御幸)
 みゆき:行くことを敬っていう語、特に天皇の外出をいう

●虎子
 こし:虎の子
 まる:病人や幼児用の持ち運びできる便器、おまる

●乞食
 こじき:食物や金銭を人から恵んでもらって生活すること、その人
 こつじき:僧侶が修行のため人家の門前で食を請い求めること (→乞食行脚)

●拗れる
 こじれる:物事がもつれてうまく進まなくなる。病気が治らなくて長引く (→交渉が拗れる。風邪が拗れる)
 ねじれる:くねり曲がる。心が素直でなくなる (→コードが拗れる。性根が拗れている)

●擦る
 こする: (→目を擦る、背中をへちまで擦る、冷えた手を擦って温める)
 する: (→マッチを擦る、墨を擦る、競馬で擦る。擦り剥く、擦り寄る)
 なする:物の表面に他の物をつけようとして軽くこする。罪や責任などを他人に負わせる (→顔に墨を擦る、手の汚れをズボンに擦る。失敗の責任を部下に擦り付ける)

●堪える
 こたえる:我慢する、耐え続ける、保つ (→寒さが身に堪える、母の死が堪える、持ち堪える、踏み堪える)
  *湯上がりによく冷えたビールは堪えられない
 こらえる:苦しみなどに耐えてがまんする。感情などを抑えて外にあらわさない。外から加えられた力に耐える。堪忍する (→痛みを堪える、飢えや寒さを堪える。怒りを堪える、笑いを堪える。強烈な寄りを堪える。今度だけは耐えてやろう)
 たえる:感情などを抑える。能力がある、できる。そうするだけの価値がある、値する (→憤慨に堪えない、喜びに堪えない。任に堪える、重責に堪えない。鑑賞に堪える作品、聞くに堪えない)

●東風
 こち:[雅語的]春に東から吹いてくる風 (→東風吹くや山一ぱいの雲の影/漱石)
 ひがしかぜ:東から吹いてくる風
 とうふう:東から吹いてくる風 (→熱帯東風。馬耳東風)

●断った・断って
 ことわった・ことわって ←断る
 たった・たって ←断つ

●粉炭
 こなずみ:木炭が砕けて細かくなったもの
 ふんたん:粉状または細粒状の石炭

●この間
 このあいだ:今より少し以前、先日 (→この間会ったばかりだ、この間の日曜日)
 このかん:ある点からある点までの時間または距離。ある事柄が経てきた時間 (→この間約二時間が経過した、この間の距離。この間の消息は明らかでない)

●この頃
 このころ:この時期・時分・時代 【この頃は物が安かった、この頃私はアメリカにいた)
 このごろ:近頃、最近、今 (この頃よくそういう話を聞く、この頃の若者)

●好み
 このみ ←好む
 よしみ:親しいつきあい。何らかの縁によるつながり (好みを結ぶ。昔の好みで金を借す)

●小人
 こびと:背がきわめて低い人。武家で雑役に従った身分の低い人 (→小人症。小人組、小人目付)
 しょうじん:身長の低い人。度量や品性に欠けている人、小人物 (→小人症、小人国。小人の腹は満ち易し、小人閑居して不善をなす)
 しょうにん:こども(料金の区別に用いる場合はふつう小学生以下をいう)

●小節
 こぶし:民謡や歌謡曲などで用いられる細かい節回し (→小節をきかせた歌い方)
 しょうせつ:取るに足らない義理立て。文章の小さな区切り。楽譜上で縦線によって仕切られた一区切り (→小節にこだわる)

●五分
 ごぶ:1割の半分。1寸の半分。物事の半ば、半分 (→五分通り出来上がる、五分粥、五分五分)
 ごふん:時間の長さ
 ごぶん:五つに分けること

●細切り
 こまぎり:細かく切ること、細かく切ったもの
 ほそぎり:細く切ること、細く切ったもの

●細細、細々
 こまごま:細かくて雑多なさま。事細かなさま。丁重なさま (→細々した要件を片付ける。事情を細々話す。細々と世話をする)
 ほそぼそ:非常に細いさま、細く弱々しいさま。かろうじて続いているさま (→細々とした声。細々と山道が続く、年金で細々と生活する)

●小身
 こみ:刀身の、柄に入った部分(中子)。鏃の、矢幹に差し込んだ部分(篦代) (→小身先)
 しょうしん:身分の低い人、禄高の少ないこと (⇔大身)

●米粉
 こめこ、べいふん:米の粉
 ビーフン:米の粉で作った白くて細い乾燥麺

●小雪
 こゆき:少しの雪
 しょうせつ:二十四節気のひとつ

●御霊
 ごりょう:(怨みを残して死んだ人の霊や疫神など)人々に災厄をもたらす怨霊 (→御霊会、御霊信仰、御霊神社、御霊塚)
 みたま:死者の霊魂を尊んでいう語 (→先祖の御霊をまつる、御霊よ安らかに。御霊祭、御霊屋)

●声色
 こわいろ:声の様子、声音。役者のせりふ回しや声をまねること (→声色を使う)
 しょうしき:[仏教]聴覚や視覚など感覚の対象となるもの
 せいしょく:物を言うときの声と顔色、態度 (→「声色を和らげる、声色を改める)

●小童
 こわっぱ:子供や未熟者をののしっていう語 (→小童のくせに口出しをするな)
 こわらわ:子供、こわらべ(主に古典での読み方)
 しょうどう:年少の男子。子供の召使い、使い走りの少年

●声音
 こわね:声の調子
 せいおん:声、音声 (→声音学、声音文字)

●根元
 こんげん:物事の一番もとになっているもの、おおもと (→諸悪の根元)
 ねもと:根のもと、根のあたり (→木の根元、根元が腐る)

●今春
 こんしゅん:今年の春
 こんぱる:能楽の流派の一つ(金春流)

●根本
 こんぽん:物事が成り立っている基礎、おおもと (→根本悪、根本的問題)
 ねもと:根のもと、根のあたり

●西域
 さいいき:中国人が西方地域・西方オアシス諸国を総称して呼ぶ地域名(仏教関係での読み方) (→大唐西域記、西域記)
 せいいき:中国人が西方地域・西方オアシス諸国を総称して呼ぶ地域名(主に歴史関係での読み方) (→西域都護府、西域水道記)

●在家
 ざいか:いなかの家
 ざいけ:出家せずに普通の生活をしながら仏教に帰依すること、その人。いなかの家 (→在家信者)

●罪科
 ざいか:法律や道徳・宗教などのおきてに背いた罪。法律により処罰すること、しおき (→罪科を数え立てる。罪科に処す)
 つみとが:つみととが、罪過。(キリスト教で)神の意志にそむくこと

●在郷
 ざいきょう:郷里にいること (→在郷する旧友を訪ねる)
 ざいごう:都会から離れた地方、田舎 (→在郷の農家、在郷者。在郷軍人)

●再建
 さいけん:建造物を建て直すこと。会社や団体などをあらためて組織しなおすこと (→倒壊した家屋を再建する)
 さいこん:神社や寺院などを建て直すこと (→本堂を再建する)

●最高値
 さいこうち:最高の値 (→気温の最高値)
 さいたかね:もっとも高い取引の値段 (→最高値を更新する)

●最上
 さいじょう:最も上にあること、最も優れていること
 もがみ:山形県を流れる川の名

●最中
 さいちゅう:動作・状態が現在進行しているさま (→試合の最中、仕事をしている最中)
 さなか:物事・状態がいちばん盛んなとき (→激戦の最中、大雨の最中に外へ飛び出す、暑い最中、忙しい最中)
 もなか:和菓子の名(「さいちゅう」の意味もある)

●罪人
 ざいにん:罪を犯した人
 つみびと:罪を犯した人。キリスト教では原罪を負う人間一般をさす

●西方
 さいほう:[仏教]西の方、極楽浄土のある方角 (→西方浄土、西方極楽、西方世界)
 せいほう:西の方(「西洋」の意味で用いられることもある) (→西方教会、西方世界)
 にしがた:勝負や競技などで西に陣どったほう

●細目
 さいもく:細かい点について規定してある項目 (→規則の細目、支出を細目に分ける)
 ほそめ:細く開いた目。細くした織り目や編み目。いくらか細いこと、そのさま (→細目を開ける。細目の女)

●再来
 さいらい:また来ること、起こること。また生まれてくること、生まれ変わり (→キリストの再来)
 さらい:(週・年月などを表す語の上に付いて)次の次の、翌々との意を表す (→再来週、再来月、再来年)

●栄える
 さかえる:勢いが盛んになる、繁栄する、繁盛する
 はえる:りっぱに見える、目立つ (→仕上がりが栄える、栄えない役割)

●座頭
 ざがしら:演劇・演芸などの一座の長 (→芝居の座頭)
 ざとう:当道座の四官の最下位(一般に盲人をも指した) (→座頭市)

●先先、先々
 さきざき:これから過ごす遠い先。出かける場所場所 (→先々のことを考える。行く先々で歓迎を受けた)
 せんせん:(年月や順序を示す名詞の上に付いて)その前の前である意を表す (→先々週、先々月、先先代)

●先だって
 さきだって:よりも以前に、より前の順で (→講演に先だって講師の紹介があった)
 せんだって:さきごろ、先日 (→先だってお話しした件)

 さきて:真っ先に進む軍勢、先鋒。船具のひとつ (→先手の大将、先手組)
 せんて:碁や将棋などで先に着手すること、その人。相手の機先を制して物事を先に行うこと。今後起こるべき事態に備えてあらかじめ講じておく対策 (先手を取る。先手必勝。先手を打っておく)

●作物
 さくぶつ:製作したもの、特に文学・美術上の作品
 さくもつ:田畑につくる植物、農作物
 さくもの:名匠の製作した刀剣や器具類。地歌の一種で、こっけいな内容を座興的におもしろおかしく歌ったもの

●作法
 さくほう:ものの作り方(現在は「さほう」と読むことも多い) (→小説の作法)
 さほう:物事を行う方法、きまったやり方。礼にかなった立ち居振る舞いのしかた。しきたり (→礼儀作法、無作法。旧来の作法)

●酒癖
 さけぐせ:酒に酔ったときに出る癖 (→酒癖が悪い)
 しゅへき:酒を飲む癖、酒を好む性癖

●避ける
 さける:好ましくない人や物や事態に近づかないようにあるいは触れないようにする。好ましくない結果を生むような行動をしないようにする、さしひかえる (→危険な場所を避けて迂回する、ツバメは冬の寒さを避けるために南へ渡る、人目を避けて暮らす、混雑を避けて早朝に出発する。事情を考慮して公表を避ける、混乱を避けるために入場を制限する、出すぎた発言は避けたほうがよい)
 よける:触れたり出あったりしないようにわきに寄る、身をかわしてさける。前もって被害を防ぐ。一部分だけを別にする (→日なたを避けて歩く、犬を避けて通る、車を避ける。囲いをして風を避ける。自分で食べる分は避けておく)

●竹筒
 ささえ:酒を入れる携帯用の竹筒
 たけづつ:竹を横に切って作った筒

●支える
 ささえる:倒れたり落ちたりしないようにおさえる。持ちこたえる、維持する。支援する。防ぎとめる (→柱で梁を支える。暮らしを支える。ボランティア活動を支える。敵の攻撃をかろうじて支える)
 つかえる:妨げられて先へ進めない (天井に頭が支える、もちがのどに支える、車が支える、言葉に支える、仕事が支えている)

●私語
 ささめごと:ひそひそ話、ないしょ話(特に男女間の恋の語らい)。室町時代の連歌論書(心敬著)
 ささやき:ささやくこと、その声や言葉 (恋の私語、私語千里)
 しご:ひそかに話すこと、ささやき。公の場で自分たちだけでひそひそと勝手な話をすること、その話 (→私語を慎む)

●点す
 さす:ごく少量の液体をある部分にそそぎ入れる (→目薬を点す、歯車に油を点す)
 ともす:あかりをつける (→ろうそくを点す、爪に火を点す)

●早急
 さっきゅう:非常に急ぐこと、そのさま(本来の読み方) (→早急な処置が望まれる、早急に対策を講じる)
 そうきゅう:非常に急ぐこと、そのさま(やや改まった言い方。最近この読み方をする人が増えている)

●茶店
 さてん:「喫茶店」を俗に略していう語
 ちゃみせ:通行人などに茶菓を供して休息させる店、茶屋

●左党
 さとう:左翼の政党。酒の好きな人(=左利き)
 ひだりとう:酒の好きな人(=左利き)

●茶道
 さどう:茶の湯の道(普通の読み方)
 ちゃどう:茶の湯によって精神を修養し礼法を究める道(江戸時代までは「ちゃどう」と読まれ、日本史では「ちゃどう」と読むのが普通)

●様様、様々
 さまさま:感謝の気持ちを表すために人や物につける接尾辞 (→女房様々、梅雨時の晴間はお天道様々だ)
 さまざま:いろいろ、種々(「ようよう」と音読みすることもある)

●白湯
 さゆ:沸かしただけで何も入れない湯(「しらゆ」とも読む)
 ぱいたん:豚骨や鶏ガラなどを煮込んでつくる白濁したスープ
 はくとう:(薬湯に対して)普通の入浴用の湯

●左右
 さゆう:左と右
 そう:(古典で)左と右。指図。知らせ、便り
 とかく:あれやこれや、なにやかや
 ひだりみぎ:左と右。左と右を取り違えること (→サンダルを左右に履く)

●触れる
 さわれる ←触る (→熱いので触れない)
 ふれる (→熱いので触れないでください)

●左腕
 さわん:野球の左投げ投手の略称
 ひだりうで:左の腕

●三位
 さんい:競技大会などで3番目になること
 さんみ:位階の第三位。キリスト教で父と子と聖霊のこと (→正三位、従三位、三位中将。三位一体)

●山陰
 さんいん:山の陰、山の北側。「山陰地方」の略 (→山陰道、山陰本線)
 やまかげ:山の陰になること (→山陰に沈む月)

●三業
 さんぎょう:料理屋・待合茶屋・芸者屋の3業種 (→三業組合、三業地)
 さんごう:[仏教]身業・口業・意業のこと、身・口・心による種々の行為 (→三業相応、三業惑乱)

●懺悔
 さんげ:[仏教]犯した罪悪を告白して許しを請うこと (→懺悔滅罪)
 ざんげ:神仏や他人の前で犯した罪悪を告白して許しを請うこと(一般的な読み方) (→懺悔録)

●三国
 さんごく:三つの国 (→三国時代、三国一、三国干渉)
 みくに:地名 (→三国峠、三国山脈、三国街道)

●三重
 さんじゅう:三つ重なること (→三重苦、三重奏、三重結合)
 みえ:三つ重なること。県の名

●三一
 さんじゅういち:31
 さんぴん:二つのさいころに三と一の目が出ること。「三一侍(さんぴんざむらい)」の略。「三一奴(さんぴんやっこ)」の略

●三世
 さんぜ:[仏教]前世・現世・来世。本人・子・孫の三代 (三世因果。三世一身の法)
 さんせい:三代目 (→三世市川団十郎、日系三世)

●山積
 さんせき:山のようにうず高く積もること、とくに処理すべき仕事や問題などがたくさんたまること (→難問が山積している、課題山積)
 やまづみ:うず高く積み重ねること。問題や仕事などがたくさんたまること (→トラックに荷物を山積する。問題が山積になっている、山積の懸案を片付ける)

●山川
 さんせん:山と川、それらを包括した大地 (→山川万里、山川草木)
 やまかわ:山と川、山や川。人名
 やまがわ:山の中を流れる川

●山足
 さんそく:山のふもと、山すそ
 やまあし:スキーで斜面に横向きに立ったときの山側(高いほう)にある足

●三幅
 さんぷく:書画など掛け物三つ (→三幅対)
 みの:並幅の布3枚分の幅、その幅の布。「三幅布団(みのぶとん)」の略

●柱
 じ:琴などの弦楽器のこま (→琴柱]
 じゅう:琵琶の弦を支えているもの
 はしら:(普通の読み方)

●地方
 じかた:(江戸時代に)町方に対して農村のこと、転じて農村における民政一般 。日本舞踊で伴奏音楽を演奏する人々。能で地謡方のこと(→地方役人)
 ちほう:区分した広い地域。首都など大都市にたいしてそれ以外の地域

●子規
 しき:ホトトギスの異名。正岡子規 (→子規忌)
 ほととぎす:鳥の名

●自棄
 じき:自分自身に失望してすてばちになること (→自暴自棄)
 やけ:思うようにならなくてなげやりな行動をとること、そのさま(普通の読み方) (→自棄を起こす、自棄になる、自棄酒)

●食堂
 じきどう:寺院で僧が食事をする所、そのための建物
 しょくどう:食事をするための部屋、店

●執行
 しぎょう、しゅぎょう:[仏教]寺社で諸務を行う僧の中の長
 しっこう:とりおこなうこと、実際に行うこと (→職務を執行する、刑の執行)

●地形
 じぎょう:じがた:建築を始める前に地面をならし固めること、その工事
 ちけい:土地の形状

●地下
 じげ:昇殿を許されない官人の総称。宮廷に仕える者以外の人々の総称(一般農民や庶民をさす)。在郷、在郷の人 (→地下人、地下侍)
 ちか:地面の下、土の下 (→地下街、地下鉄)

●施行
 しこう:実際に行うこと、政策や計画などを実行すること。法令の効力を発生させること(→命令を施行する。新税法を施行する、施行令)
 せぎょう:仏法の善行を積むために僧侶や貧しい人に物を施し与えること、布施の行 (→施行米)
 せこう:法令の効力を発生させること(法律関係でしばしばされる読み方) (→新条例が施行される)

●施工
 しこう:工事を行うこと
 せこう:工事を行うこと(工事関係者などの間で慣用的に使われ、また「施行」と区別して一般でもしばしば使われる) (→地下鉄工事を施工する、施工図)

●醜名
 しこな:相撲の力士の呼び名。あだ名。自分を謙遜していう語
 しゅうめい:よくないうわさ、不名誉な評判 (→醜名を流す)

●地質
 じしつ:布などの生地の性質・品質 (→地質がよい反物、丈夫な地質)
 ちしつ:地殻を形成する岩石や地層の性質や構造

●下枝
 しずえ:下の方の枝(主に古典での読み方)
 したえだ:下の方の枝

●認める
 したためる:文章を書く。食事をする (→手紙を認める、食事を認める)
 みとめる:(普通の読み方)

●地主
 じしゅ:その土地の守り神 (→地主権現)
 じぬし:土地の所有者

●自重
 じじゅう:それ自体の重量
 じちょう:自ら挙動を慎むこと

●死水
 しすい:流れない水、止水
 しにみず:死に際して供される水

●自然
 しぜん:人工でないあらゆるもの。宇宙。本来あるさま。ひとりでになるさま
 じねん:おのずからそうであること、ひとりでにそうなること(主に古典での読み方)。[仏教]人為を離れて法の本性としてそうなること (→自然法爾)

●質
 しち:約束を守る保証として相手に預けておくもの。質屋から金銭を借りるときに保証として預けておくもの、その物品。質権、質物。人質 (→不足代金の質として時計を預ける。着物を質に入れる、質流れ。質に取る)
 しつ:そのものの良否や傾向などを決めることになる性質。生まれながらに持っている性格や才能、素質 (→量より質、質が落ちる、質の悪い製品。天賦の質に恵まれる、蒲柳(ほりゅう)の質)
 たち:生まれつきもっている性質や体質、資質。物事の性質 (→辛抱強い質だ、日焼けしやすい質。いたずらにしては質が悪い、質の悪い風邪が流行っている)

●七宝
 しちほう:仏教で金、銀、瑠璃など七つの宝
 しっぽう:七宝焼の略 (→七宝印伝、七宝荘厳、七宝文)

●膝下
 しっか:手紙で父母などの宛名の脇付に用いる言葉
 しっか、ひざもと:自分を庇護してくれる人のもと (→親の膝下を離れる)
 ひざもと:膝のすぐそば (→膝下にうずくまる猫)
 *「お膝下、御膝下」は「おひざもと」と読む (→将軍の御膝下)
 ひざした:膝から下の部分

●湿地
 しっち:湿ってじめじめした土地
 しめじ:キノコの種類 (→香り松茸味湿地)

●疾風
 しっぷう:速く激しく吹く風。[気象]風力階級5の風 (→疾風迅雷、疾風怒涛、疾風に勁草を知る)
 はやて:急に激しく吹く風。「疫痢」の異名。旧日本陸軍の単座戦闘機、日本海軍の駆逐艦 (→疾風のごとく通り過ぎる。

●実物
 じつぶつ:実際のもの
 みもの:園芸や生け花の花材で主に実を観賞の対象とする草木

●入魂
 じっこん:親しく交際していること、懇意、昵懇 (→入魂の間柄、彼とは入魂の仲だ)
 にゅうこん:精魂を注ぎこむこと。そのものに魂を呼び入れること (→入魂の技、一球入魂。彫りあげた仏像に入魂する)

●拾得
 じっとく:中国・唐代の伝説的な僧 (→寒山拾得)
 しゅうとく:落とし物をひろうこと (→財布を拾得する)

●十分
 じっぷん、じゅっぷん:時間の長さ
 じゅうぶん:10に等分すること。満ち足りて不足のないさま、思うまま

●竹箆
 しっぺ:「しっぺい」の音変化 (→竹箆返し)
 しっぺい:禅宗で参禅者の指導に用いる竹製の棒。片手の人さし指と中指とをそろえて相手の手首を打つこと、しっぺ
 たけべら:竹を削って作ったへら

●四天
 してん:四時の天(春の蒼天・夏の昊天・秋の旻天・冬の上天)。「四天王」の略
 よてん:黄檗宗の僧が用いる衣服(袖が広く腰のあたりで四つに裂けたように仕立てたもの)。歌舞伎で使われる類似の衣装

●瞬く
 しばたたく:しきりにまばたきをする (→煙がしみて目を瞬く)
 またたく:まぶたを瞬間的に開けたり閉じたりする。光が明滅する (→瞬く間に。星が瞬く)
 まばたく:まばたきをする (→瞬いて合図する)

●飛沫
 しぶき:細かな粒となって飛び散る水 (→飛沫を上げて飛び込む、波の飛沫、水飛沫、血飛沫)
 ひまつ:細かな粒となって飛び散る水(とくに咳やくしゃみによるもの) (→咳飛沫、飛沫感染)

●四方
 しほう (普通の読み方)
 よほう:(主に古典で)四すみに角のある形、四角。枡をいう女房詞 (→四方棚)
 よも:(文語的)東西南北・前後左右の四つの方向。あちらこちら、いたるところ (→四方を見回す、四方の山々。四方の嵐、四方の神。四方山話)

●地味
 じみ:飾り気がなく目立たないこと、控えめなさま (→地味な服装)
 ちみ:生産力から見た地質のよしあし(「じみ」と読むこともある) (地味の肥えた土地)

●染める
 しめる:(主に文語的)色や匂いをつける、しみこませる。深く感じ入れさせる、強く心を引かれる (→煮染める、たき染める)
 そめる:(一般的な読み方) (→髪を染める、恥じらいでほおを染める、手を染める)

●霜降
 しもふり:霜が降りること。霜の降りたような白い斑点のある模様(特に白い繊維と色繊維を混紡した糸を用いて織った織物)。牛肉で赤身の中に脂肪が網の目のように入り込んでいるもの (→霜降の学生服。霜降り肉。霜降月、霜降松、霜降り作り)
 そうこう:二十四節気の一(霜が降り始めるころとされる)

●地物
 じもの:その土地で産した物
 ちぶつ:建物や岩石・山・川・橋・鉄道など、地上にあるすべての物(特に軍隊で、戦闘にかかわる物体についていう)

●捨身
 しゃしん:[仏教]仏法や他者救済などのために自分の命をすてること (→捨身往生、捨身供養、捨身成道)
 すてみ:命を捨てるくらいの覚悟で事に当たること (→捨身で立ち向かう、捨身技)

●弱音
 じゃくおん:弱い音、小さい音 (→弱音器、弱音ペダル)
 よわね:力のない物言い、意気地のない言葉 (→弱音を吐く)

●洒落)
 しゃら:物事にこだわらずさっぱりしているさま。生意気 (→洒落臭い)
 しゃらく:物事にこだわらずさっぱりしているさま (→洒落な人柄)
 しゃれ:ジョーク、冗談。気のきいた身なり、華やかな装い。今風であかぬけていること (→洒落にならない。お洒落、洒落込む、洒落る、洒落っ気。洒落本)

●十一
 じゅういち:数字の11
 といち:十日で一割という高利

●縦横
 じゅうおう:たてとよこ、南北と東西。あらゆる方面。思いのままに振る舞うこと (→市街を縦横に貫く通り。国内を縦横に走る鉄道。縦横に活躍する)
 たてよこ:縦と横 (→縦横十文字)

●修業
 しゅうぎょう:決められた課程の学業や技芸を習い身に付けること、その課程を終えること (→高校の課程を修業する、修業証書、修業年限)
 しゅぎょう:学問や技芸を習い身につけること (→修業中の身、師のもとで修業する、花嫁修業)

●柔軟
 じゅうなん:やわらかくしなやかなさま。融通性のあるさま (→柔軟に対処する)
 にゅうなん:[仏教]心が柔和で穏やかなさま

●十二分
 じゅうにふん:時間の長さ
 じゅうにぶん:十分すぎるほどのさま (→十二分に利益を上げる)

●重複
 じゅうふく:「ちょうふく」と同義(医学や数学では「じゅうふく」と読むことがある) (→重複解)
 ちょうふく:同じ物事が重なり合うこと (→話が重複する。重複組合せ、重複順列、重複遺伝子、重複受精、重複障害)

●終夜
 しゅうや:一晩中、よどおし (→終夜高熱が続く、終夜運転、終夜営業)
 よすがら、よもすがら:(文語的・雅語的)一晩中 (→終夜友と語り合う)

●祝詞
 しゅくし:神に祈る言葉、のりと。祝いの言葉、祝辞 (→新年の祝詞を述べる)
 のりと:神前で唱えて神に申し請う文章 (→祝詞を上げる)

●宿主
 しゅくしゅ:寄生生物に寄生される側の動物や植物 (→中間宿主)
 やどぬし:宿の主人

●宿直
 しゅくちょく:会社や学校で夜に泊まって警備に当たること、その人 (→宿直室)
 とのい:宮廷や役所に泊まって警戒に当たること。夜間貴人のそばに侍して不寝番をすること

●手指
 しゅし:手の指(普通の読み方)
 てゆび:手の指、手と指(最近おもに医療関係でされる読み方)

●寿詞
 じゅし:祝いの気持ちを述べた言葉や文章・詩歌
 よごと:天皇の御代の長く栄えることを祝う言葉。一般に祝いの言葉。祈願の言葉

●入水
 じゅすい:水中に身を投げて自殺すること、みなげ (→入水して果てる)
 にゅうすい:水にはいること (→入水前の準備運動。貝の入水管)

●種姓
 しゅせい:古代インドの四種の身分、バルナ
 すじょう:生まれや育ち。物の由緒や由来

●入内
 じゅだい:皇后・中宮・女御になる人が儀礼を整えて正式に内裏に入ること
 にゅうない:律令位階制で、外位から内位に進むこと

●出所
 しゅっしょ:刑期を終えて刑務所などを出ること。事務所や研究所などに出勤すること (→仮出所。定刻に出所する)
 しゅっしょ、でどころ、でどこ:物事が出てきたもとの所 (→うわさの出所、資金の出所を究明する)
 でどころ、でどこ:出るべき場所・場面。出口 (→ここらが主役の出所だ。袋小路で他の道路への出所はない)

●出生
 しゅっしょう:うまれでること、人がうまれること(一般の読み方)。ある土地・境遇・家柄の生まれであること (→出生前診断、出生地、出生届け、出生率。出生の秘密)
 しゅっせい:「しゅっしょう」と同義(医学や法律関係では「しゅっせい」と読むことが多い) (→低出生体重児)
 すいさん:[仏教]食事のとき少量を別の器に取り分けて衆生に施すこと

●出場
 しゅつじょう:その場所に出ること。競技会などに参加すること (野球大会に出場する)
 でば:出るべき場所・場面 (→主役の出場)

●出船
 しゅっせん:船が港から出てゆくこと
 でふね:港から出てゆく船

●出来
 しゅったい:出てくること、起こること(「しゅつらい」とも読む) (→珍事が出来する)
 でき:できること、でき具合

●出店
 しゅってん:新たに店を出すこと
 でみせ:支店。路上などの仮の店、露店

●取得
 しゅとく:手に入れること、自分のものとして得ること
 とりえ:とりたててすぐれた点、長所 (取得のない人、丈夫だけが取得だ)
 とりどく:取っただけ自分の利益になること

●受領
 じゅりょう:物や金を受け取ること (→会費を受領する)
 ずりょう:平安中期以降、実際に任国に赴任して政務を執った国司の最上席の者

●手練
 しゅれん:熟練した手際・手並み (→手練の早業)
 てれん:人をだましてあやつる技巧・方法 (→手練手管)

●床
 しょう:[助数詞。病人用のベッドの数を数えるのに用いる
 とこ (→床を延べる、床を取る、病の床。床あしらい。糠床(ぬかどこ)。川床。苗床。鉄床(かなどこ))
 ゆか (→床下、床運動、床暖房、高床、納涼床)

●正気
 しょうき:正常な心、確かな意識 (→正気を失う、正気に返る、正気の沙汰とは思えない)
 せいき:天地間に存在するという物事の根本をなす気。正しい気風・気性

●性根
 しょうこん:一つのことを最後まで成し遂げる気力、根気 (→性根が尽きる)
 しょうね:その人の根本の心構え、心の持ち方 (→性根を据えてかかる、性根の腐ったやつ、性根を入れかえる)

●荘厳
 しょうごん:[仏教]浄土や仏などの徳を示す美しい姿や飾り。仏像や仏堂などを美しく飾ること、その飾り
 そうごん:重々しくおごそかなこと、そのさま (→荘厳な式典。荘厳ミサ)

●上戸
 じょうこ:律令制で大戸・上戸・中戸・下戸の四等戸の第二
 じょうご:酒の好きな人。(接尾辞的に)酒に酔うとよく出る癖の状態を表す (→笑い上戸、泣き上戸)

●漏斗
 じょうご:口の小さい容器に液体を注ぎ込むための用具(醤油などを小瓶に移しかえるなど、日常の作業で使う場合)
 ろうと:意味は上と同じ(理科の実験などで使う場合。普通はガラス製) (→分液漏斗、漏斗胸)

●娘細胞
 じょうさいぼう:細胞分裂で生じた2個の新しい細胞 (→精娘細胞、卵娘細胞)
 むすめさいぼう:細胞分裂で生じた2個の新しい細胞(最近このように読まれることが多くなっている)

●生死
 しょうじ:[仏教]衆生が生まれては死に死んでは生まれる苦しみ・迷いの世界。輪廻 (→生死即涅槃
 せいし:生きることと死ぬこと、生と死 (→生死をともにする、生死の境をさまよう、生死不明)

●生者
 しょうじゃ:[主に仏教]生きているもの、生命のあるもの (→生者必滅)
 せいしゃ、せいじゃ:生きているもの(「聖者」と区別しやすいように「せいしゃ」と読むほうがよい)
 なまもの:未熟な者、身分のいやしい者

●正宗
 しょうしゅう:日蓮宗の一派「日蓮正宗」の略称
 まさむね:岡崎正宗の鍛造になる刀、一般に名刀。清酒の銘柄。人名(正宗白鳥)

●情緒
 じょうしょ:「じょうちょ」と同義(昭和20年代くらいまでは一般的な読み方。その時代までの文学書や心理学の古い本ではこの読み方が普通)
 じょうちょ:事に触れて起こるさまざまの微妙な感情、その感情を起こさせる特殊な雰囲気。[心理]急激で一時的な恐怖・驚き・怒り・悲しみ・喜びなどの感情、エモーション (→情緒豊かな作品、異国情緒。情緒不安定、情緒障害)

●清浄
 しょうじょう:[仏教]煩悩・私欲・罪悪などがなく心の清らかなこと (→清浄心、六根清浄)
 せいじょう:清らかでけがれのないこと、清潔なこと (→清浄な空気)

●小生
 しょうせい:男性が自分をへりくだっていう語
 しょうなま:小ジョッキの生ビール

●正体
 しょうたい:隠されているそのもの本来の姿。正常に意識が働いているときのようす (→正体を現す、正体不明。正体もなく眠る)
 せいたい:正しい形体、正しい姿。写植文字や活字などの書体の一(正方形の中におさまるように設計された文字)

●正中
 しょうちゅう:年号(1324〜1326年) (→正中の変)
 しょうなか:能舞台の中央の位置(「しょうちゅう」とも読む)
 せいちゅう:物の真ん中。かたよっていないこと。天体が日周運動で子午線を通過すること (→正中線、正中面)

●生得
 しょうとく:生まれながらに持っている性質(主に仏教関係での読み方) (→生得の報い)
 せいとく:生まれながらに持っている性質(普通の読み方) (→生得の才、生得観念、生得説、生得的)

●聖人
 しょうにん:徳の高い僧。高僧の尊称、上人
 せいじん:高い学識・人徳や深い信仰をもつ理想的な人。カトリック教会で公式に列聖された人。(濁酒を賢人というのに対し)清酒のこと (→聖人君子。守護聖人)

●床板
 しょうばん:[生物]サンゴなどの水平の仕切り板。[建築]コンクリート床スラブのこと (→床板珊瑚類)
 とこいた:床の間に張る板
 ゆかいた:建物の床に張る板

●常磐
 じょうばん:常陸国と磐城国の併称。福島県磐城市の地名 (→常磐自動車道、常磐炭田)
 ときわ:いつまでも変わらないこと。木々の葉の色が一年中変わらぬこと、常緑。北海道や茨城県などの地名 (→常磐の松、常磐木。常磐公園、常磐大学)

●上品
 じょうひん:品質のよいこと、高級品。品のよいさま (→上品に着こなす)
 じょうぼん:[仏教]極楽浄土を上・中・下に三分した最上層

●丈夫
 じょうふ:りっぱな男 (→堂々たる丈夫、偉丈夫、美丈夫)
 じょうぶ:健康に恵まれているさま。物がしっかりしていて壊れにくいさま (→丈夫な身体、気丈夫)
 *「ますらお」と読むこともある (→見事な丈夫ぶり)

●声明
 しょうみょう:[仏教]文字・音韻・語法などを研究する学問。(日本では)法会のさい僧によって唱えられる声楽 (→僧が声明を唱える)
 せいめい:意見や意思を世間に対して発表すること、その意見 (→声明文を発表する、共同声明)

●声聞
 しょうもん:[仏教]仏の四諦の教えに従って修行し聖者となる仏弟子 (→声聞僧)
 せいぶん:世間の評判、名声

●秤量
 しょうりょう:はかりにかけて重量をはかること、転じて事物の多少・軽重などを考え合わせること (→両者の立場を秤量する)
 ひょうりょう:はかりにかけて重量をはかること。はかりで正確にはかることのできる最大限の重さ (→薬を秤量する、秤量貨幣、秤量瓶。秤量二〇キロのはかり)

●精霊
 しょうりょう:死者の霊魂 (→精霊会(しょうりょうえ)、精霊流し、精霊祭)
 せいれい:あらゆる生物・無生物に宿り種々の働きをするとされる超自然的存在(アニミズムの観念)。死者のたましい (→精霊崇拝)

●初出
 しょしゅつ:初めて出ること、最初に現れること (→三年生で初出する漢字、初出誌、初出一覧)
 はつで:会社や店に初めて出ること

●初春
 しょしゅん:春のはじめ、早春。陰暦正月の異称
 はつはる:新年、新春

●女神
 じょしん:女の神(仏教や宗教学での読み方) (→女神座像)
 めがみ:女の神(普通の読み方) (→勝利の女神がほほえむ、自由の女神)

●初体験
 しょたいけん:初めての性体験
 はつたいけん:初めての体験

●初日
 しょにち:最初の日 (→興行の初日)
 はつひ:元旦の朝日 (→初日を拝する)

●白板
 しらいた:白木の板。魚のすり身を板にのせて蒸し上げてつくるかまぼこ
 ぱいぱん:麻雀で何も書いてない白い牌
 はくばん:ホワイトボード

●白魚
 しらうお:近海でとれる小形で体が半ば透き通っている硬骨魚(シラウオ科)
 しろうお:ハゼ科の魚でシラウオより小さい
 はくぎょ:白い魚。衣魚(しみ)に同じ

●白髪
 しらが:色素がなくなって白くなった髪(一本でも使う) (→白髪が増える、白髪交じり、若白髪)
 はくはつ:白くなった髪(とくに髪が全体的に白くなった場合。「しらが」の読みには年老いたさまなどがより強く含意されているのにたいし、「はくはつ」の読みは現象をより客観的に表現しているように思う)

●白紙
 しらかみ:色の白い紙。何も書いていない紙 (→白紙手形)
 はくし:白色の紙。書くべきところに何も書いてない紙。意見などを何ももたないこと。何もなかったもとの状態 (→答案を白紙で出す。白紙で会議に臨む。白紙撤回)

●白子
 しらこ:魚の乳白色の精巣。全身の色素が欠乏した人や動物
 しらす:イワシ・ウナギ・アユなどの稚魚 (→白子干し)

●白地
 しらじ:書いたり染めたりせず白いままの紙や布(主に法律上での読み方) (→白地刑法、白地小切手、白地式裏書、白地手形、白地引受)
 しろじ:布や紙の地色が白いこと、そのもの (→白地の浴衣)
 はくち:建造物や立木の立っていない土地、法律上の調査や規制などのなされていない土地、さらち (→白地地域)

●白白、白々
 しらじら:夜が明けて明るくなっていくさま。色の白いさま、白く見えるさま。平気でしらばくれたり見え透いたことを言ったりするさま。興ざめなさま (→白々と夜が明ける。闇にくちなしの花が白々と浮かぶ。慇懃無礼な扱いに白々とした気持ちになる)
 しろじろ:いかにも白く見えるさま (→白々と続く雪原)
 はくはく:[形容動詞]白いさま。明らかなさま、疑う余地のないさま (→白々たる雪山。白々たる証拠、明々白々)

●白砂
 しらす:九州南部一帯に分布する白色の火山噴出物が堆積した地層 (→白砂台地)
 しらすな:白い砂
 はくしゃ:白い砂 (→白砂青松)

●白玉
 しらたま:白色の美しい玉(古くは真珠のことをいった)。白玉粉で作った団子
 しろだま:白い玉

●白露
 しらつゆ:草木に置いて白く光って見える露(「白露の」は「おく」「たま」にかかる枕詞) (→白露の身)
 はくろ:白く光って見える露。二十四節気の一

●白鳥
 しらとり:カモメやハクチョウなど羽毛が白い鳥。人名 (→白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ/牧水)
 はくちょう:カモ科ハクチョウ属の鳥の総称。正宗白鳥

●素面
 しらふ:酒に酔っていないふだんの状態 (→素面では言いにくい話)
 すめん:(剣道や能で)面をつけていないこと。化粧していない顔、すがお

●白面
 しらふ:酒に酔っていない状態
 はくめん:素顔。色白の顔。年が若く経験の浅いこと (→白面の貴公子。白面の書生)

●地力
 じりき:その人の本来もっている実力
 ちりょく:土地の生産力

●退ける
 しりぞける:後方へ下がらせる、その場から遠ざける。向かって来るものをあとへ引かせる、撃退する。相手の要求などを受け入れない、用いない (→通訳を退けて会談する。敵を退ける、挑戦者を退ける。要求を退ける、諫臣を退ける)
 どける、のける:邪魔な物をその場所からわきへうつす (→故障車を退ける、道に積もった雪を退ける)
  *次のような場合は「のける」と読む:押し退ける、遠退ける、言い退ける、言って退ける、遣って退ける
 ひける:仕事や店などがしまいになる (会社が退ける、店が退ける)

●白金
 しろがね:銀の古い呼称
 はっきん:プラチナ

●白熊
 しろくま:ホッキョクグマの別名
 はぐま:中国産のヤクの尾の白い毛

●白墨
 しろずみ、しらずみ:胡粉を練り固めて作った白色の絵の具
 はくぼく:チョーク

●代物
 しろもの:売買する品物。人や物を(価値を認めたりあるいは卑しめたり皮肉ったりするなど)評価をまじえていう語 (→代物替え。めったにない代物、とんだ代物をつかまされた、あれで懲りないなんて大した代物だ)
 だいぶつ:代わりの品物 (→代物弁済)
 だいもつ:かわりの物。品物の代金 (→代物はいかほどでござる)

●人屋
 じんおく:人の住む家、人家
 ひとや:罪人を捕らえて閉じ込めておく建物、牢屋

●塵芥
 じんかい:ちりあくた、ごみ (塵芥焼却場)
 ちりあくた:ちりとあくた、ごみ。とるにたりないつまらないもののたとえ (→人を塵芥のように思っている)

●殿
 しんがり:軍隊が退却する時最後尾にあって追ってくる敵を防ぐ役。列や順番などの最後 (→殿をつとめる)
 との:貴人や主君に対する敬称。女から男をさしていう敬称 (→殿様。殿方)
 どの:[接尾語]氏名や役職名などに付けて敬意を表す。地名などに付いてそこにある邸宅さらにそこに住む人への敬称として用いる (→六条殿)

●人間
 じんかん:人の住んでいる世界、世間
 にんげん:ひと、人柄
 ひとあい:人づきあい
 ひとま:人のいない隙。人との交わりが絶えること

●深紅
 しんく:濃い紅色(普通の読み方) (→深紅のバラ)
 しんこう:濃い紅色、クリムソンレーキ(絵具)の色 (→深紅色)

●人工
 じんこう:人の手を加えること、人の力で作ること
 にんく:作業者の手間を数える語(ある仕事に1日または1時間に要する人員数で表す)
 にんぐ:[仏教]禅宗で剃髪して力仕事などの下働きをする者

●人口
 じんこう:人の数。世人の口の端 (→人口過密。人口に膾炙する)
 ひとぐち:人のうわさ、世間の評判

●深山
 しんざん:奥深い山 (→深山幽谷)
 みやま:奥深い山、奥山(「深山薄雪草」「深山桜」などのように多くの植物名の接頭辞として使われる)

●人事
 じんじ:人間に関する事柄。人としてなしうること、すべきこと。会社や組織内での個人の地位や職務などに関すること (→人事を尽す。人事異動)
 ひとごと:自分には関係のないこと、他人に関すること (→境遇が似ていてとても人事とは思えない)

●心中
 しんじゅう:相愛の男女あるいは複数の者が一緒に死ぬこと (→一家心中)
 しんちゅう:心の中、胸中 (→心中を明かす、心中穏やかでない)

●心性
 しんしょう:[仏教]不変な心の姿、本来の清浄な心
 しんせい:心のあり方の特質、心的傾向、メンタリティ (→日本人の心性)

●身上
 しんしょう:財産、身代 (→身上をつぶす、身上持)
 しんじょう:一身に関すること、身の上。その人に備わった価値、とりえ (→身上書。粘り強さが彼女の身上だ)

●深深、深々
 しんしん:あたりがひっそりと静まりかえっているさま。寒さなどが身にしみとおるさま (→夜が深々と更ける。冷気が深々と身にこたえる)
 ふかぶか:いかにも深く感じられるさま (→深々と山の空気を吸う、深々とおじぎをする)

●人身
 じんしん:人間のからだ、人体。個人の身分や身の上 (→人身攻撃、人身事故、人身売買)
 ひとみ:生きている人のからだ、生身 (→人身御供)

●人心
 じんしん:人間の心、世の人々の考えや気持ち (→人心を掌握する、人心を惑わす)
 ひとごころ:人の心、人情 (→測りがたきは人心、はてさて人心はさまざまなるかな)

●新造
 しんぞ:武家や富裕な町家の妻女、一般に他人の妻女(特に若妻(。近世遊里で姉女郎の後見つきで客をとり始めた若い遊女 (「しんぞう」と読んでもよい) (→御新造さん。番頭新造、振袖新造)
 しんぞう:新しくつくること (→新造船)

●心底
 しんそこ:心の奥底。心から、本当に (→心底から感服する。心底ほれる、心底あきれる)
 しんてい:心の奥底、心の中で考えていること (→心底を見抜く)

●身代
 しんだい:一身に属する財産、資産。暮らし向き、生計 (→身代を築く、身代を棒に振る)
 みのしろ:人身売買や人質解放の代金 (→身代金)

●人体
 じんたい:人間の体
 にんてい:その人の外見のようす、風体。それから受ける人としての印象 (→人体卑しからず)

●清朝
 しんちょう:中国の清の王朝
 せいちょう:和文活字書体の一

●新田
 しんでん:新しく開いた田地(古くは「あらた」とも読む)。江戸時代に新しく開発した農耕地(地名に多く残っている) (→新田開発、村請新田)
 にった:人名、地名

●人名
 じんめい:人の名前
 にんみょう:瀬戸内海塩飽諸島の船方にたいして江戸幕府が与えた身分(一般農村の本百姓に相当) (→人名株)

●真面目
 しんめんもく:本来のありさまや姿、真価 (→真面目を発揮する、真面目を保つ)
 まじめ:真剣で本気なさま。実直で誠実なさま (→真面目な顔、真面目に話をする。真面目な人柄、真面目に暮らす)

●人力
 じんりき:動力としての人間の力 (→人力で動かす、人力車、人力飛行機)
 *この意味でも「じんりょく」と読んでいることがある
 じんりょく:(自然や神の力に対して)人間の力、人間の能力 (→人力の及ぶ所にあらず、人力を尽して天命に任す)

●随意
 ずいい:束縛や制限を受けないこと、思いのまま (→各自随意に参加する、随意運動)
 まにま:他の意志や事態の成り行きに従うさま (→波の随意に漂う、運命の随意に)

●水煙
 すいえん:仏塔の最上部にある装飾の一部で九輪の上にある火炎をかたどった板状の透かし彫り金具
 みずけむり:水面に立ちのぼる霧、水が細かく飛び散って煙のように見えるしぶき(「すいえん」と読んでも良い)

●水準
すいじゅん:標準、レベル。土地などの高低や水平の度合いを測ること、その道具(=みずばかり) (→水準測量)
 みずばかり:細長い角材の上に溝を掘って水を入れて傾斜の度を測る道具

●水底
 すいてい:海や河川や湖沼の底、水の底(主に理科関係での読み方) (→水底噴火)
 みずそこ、みなそこ:水の底(主に文学作品などでの読み方。「みなそこ」のほうが雅語的) (→水底に沈む)

●隧道
 すいどう:地中に掘った墓室に通じる通路
 ずいどう:トンネル

●水瓶
 すいびょう:[仏教]水を入れる容器(比丘が持たなければならない18種類の持ち物の一つ)
 みずがめ:飲み水などを蓄えておくための瓶

●水泡
 すいほう:水のあわ。はかないこと・むだになることのたとえ (→水泡に帰する)
 みなわ:(文語的・雅語的)水のあわ。はかないことのたとえ (→水泡隠れ。水泡なすもろき命)

●水面
 すいめん:水の表面(普通の読み方) (→水面に浮かぶ、水面が盛り上がる)
 みなも:[雅語的]水の表面 (→水面をわたる風、水面にうつる影)

●水脈
 すいみゃく:地層中で水の流れる道筋
 みお:水の流れの筋、小舟の航路となる水路。船の通ったあとに残る泡や水の筋

●数奇
 すうき:運命のめぐりあわせが悪いこと、不運。運命に波乱の多いこと (→報われることのなかった数奇な人。数奇な運命)
 すき:風流・風雅に心を寄せること、茶の湯・生け花などの風流・風雅の道 (→数奇を凝らす、数奇者、数奇屋)

●図画
 ずが:図と画、絵(普通の読み方) (図画工作)
 とが:「ずが」の法律上の読み方

●頭蓋
 ずがい:脊椎動物の頭部の骨格(一般にされている読み方) (→頭蓋骨)
 とうがい:脊椎動物の頭部の骨格(医学関係での読み方) (→頭蓋骨、頭蓋底、頭蓋裂、後頭蓋)

●過ぎる
 すぎる:通過する。経過する。こえる。勝る
 よぎる:前を横切る、通りすぎる(比喩的にも用いる) (→目の前を黒い影が過ぎる、不安が心を過ぎる、思い出が一瞬頭を過ぎる)

●頭巾
 ずきん:頭や顔を覆う布製のかぶりもの
 ときん:修験道の山伏がかぶる小さな布製のずきん

●図書
 ずしょ:図面と書類。「としょ」の古い言い方 (→設計図書。図書頭(ずしょのかみ)、図書寮)
 としょ:書籍、本(普通の読み方) (→図書館)

●芒
 すすき:イネ科の多年草(秋の七草の一)
 のぎ(のげ):稲や麦などイネ科植物で花の外側の穎の先端にある針状の突起

●清白
 すずしろ:ダイコンの別称
 せいはく:品行などがきよく汚れがないこと、清廉潔白

●素振り
 すぶり:刀やバットやラケットなどを練習のために相手なしで振ること
 そぶり:表情や態度や動作に現れたようす、けはい (よそよそしい素振りをみせる)

●滑る
 すべる (→路面が滑る、スケートで滑る、筆が滑る)
 ぬめる:ぬるぬるしてすべる (→ウナギが滑る)

●盛花
 せいか:季節の盛りの花
 もりばな:水盤や籠など口の広い花器に花を盛って飾ること、その花

●西周
 せいしゅう:前11世紀〜前8世紀の中国の王朝(=周)
 にし あまね:江戸末・明治初めの啓蒙思想家

●生乳
 せいにゅう:搾ったままで加工されていない牛乳など
 なまちち:搾りたての新しい乳。覆い隠されていない乳房の俗称

●成敗
 せいはい:成功と失敗 (→成敗は時の運、事の成敗は問わない)
 せいばい:処罰すること。裁決すること。政治を行うこと (→逆賊を成敗する、けんか両成敗。神の成敗。御成敗式目)

●精兵
 せいびょう:弓を引く力の強いこと、その者 (→素引き(すびき)の精兵)
 せいへい:えりすぐった強い兵士(一般的な読み方。古典ではこの意味でも「せいびょう」と読むことが多い。)

●生物
 せいぶつ:いきもの
 なまもの:(煮たり焼いたり干したりしていない)なまの食品 (→生物は腐りやすい)

●生面
 せいめん:新しい方面、新生面。初めて会うこと、初対面 (→生面を開く。生面の客)
 なまづら:顔をののしっていう語 (→なんの生面下げて)

●背筋
 せすじ:背中を縦に走る中心線、背骨とその両側の部分 (→背筋を伸ばす、背筋を正す、背筋が寒くなる)
 はいきん:背部の筋の総称 (→背筋力、背筋を強くする)

●雪山
 せっせん:ヒマラヤ山脈の異称
 ゆきやま:雪が降り積もっている山

●雪洞
 せっとう:(茶道で)木や竹の枠に白い和紙を張って一部に窓をあけ風炉の上を覆うもの
 せつどう:雪の洞穴、とくに露営のため雪の斜面に掘ってつくる穴 (→雪洞を掘る)
 ぼんぼり:手燭または燭台に紙や絹布などをはった火袋を取り付けたもの (→明かりをつけましょ雪洞に)

●迫る
 せまる:(普通の読み方)
 せる:少しずつ上方・前方へ移動する。せきたてる (→迫り上がる、迫り出す、迫り込む。迫り立てる)

●千五百
 せんごひゃく:1500
 ちいお:(古典で)数の非常に多いこと、無数

●船首
 せんしゅ:船体の前端部、へさき (→船首材、船首像)
 みよし:(和船で)船首にある水を切る木製の部材

●専修
 せんじゅ:[仏教]他の行を修めることなくひたすら特定の行を修すること。寺名 (→一向専修、専修念仏。専修寺)
 せんしゅう:特定の学問や技術のみを専門に学ぶこと。大学名 (→経済学を専修する、専修学校。専修大学)

●千秋万歳
 せんしゅうばんぜい:千年万年、永遠
 せんずまんざい:正月の門付祝福芸(宮中をはじめ諸寺・諸家を回ってことほぎをして舞い祝儀をもらう) (「せんしゅうまんざい」とも読む)

●前前、前々
 ぜんぜん:(日時・年月や配列・序列を示す語の上に付いて)その前の前である意を表す (→前々日、前々回)
 まえまえ:ずっと前、かねて (→前々からの約束、前々から気になっている)

●船倉
 せんそう:船舶で貨物を積んでおく区画
 ふなぐら:船を納めておく倉庫、船小屋

●前頭
 ぜんとう:頭の前の部分 (前頭部、前頭骨、前頭葉、前頭前野)
 まえがしら:力士の位の一(小結の下、十両の上)

●千万
 せんばん:さまざま、はなはだ、まったく。(主に形容動詞の語幹に付いて)その程度がこの上もない、はなはだしいなどの意を表す (→千万手を尽くす、千万かたじけない。卑怯千万、無礼千万、笑止千万、迷惑千万)
 せんまん:万の千倍、転じて非常に数の多いこと (→千万の味方、千万無量)

●前方
 ぜんぽう:前の方。前部が四角いこと (→前方後円墳)
 まえかた:以前、先ごろ (→定刻より前方に着く)
 *古典では「前の方」の意味でも「まえかた」と読むことが多い

●造作
 ぞうさ:手間や費用のかかること、めんどう (→なんの造作もない、造作を掛ける、無造作)
 ぞうさく:つくること。家を建てること、その家。建築内部の仕上げ材や取り付け材の総称。顔の目や鼻のつくり (→離れを造作する。造作に凝る。造作の大きい派手な顔)

●相殺
 そうさい:差し引いて互いに損得がないようにすること、帳消しにすること。相反するものが互いに影響し合ってその効果などが差し引きされること。[法律]二人が互いに相手方に対して同種の債権をもっている場合に相互の債権を対当額だけ消滅させること (→貸し借りを相殺する。それまでの実績が一度の失敗で相殺される。相殺契約。相殺関税)
 そうさつ:殺し合うこと

●早生
 そうせい:植物の実が他の品種より早く実ること、その品種。普通より早く生まれること、早産 (→早生種。早生児)
 わせ:同種の作物の中で早く成熟するもの (→早生のミカン)

●早早、早々
 そうそう:(他の語句の下に付いて)直後。(多く「早々に」の形で)急いで (→入社早々、開始早々。仕事を早々に切り上げる、早々に退散する)
 はやばや:普通よりずっと早い時期に行うさま (→早々と店仕舞いする、早々と返事をありがとう)

●増毛
 ぞうもう:人工的に髪を増やすこと
 ましけ:北海道の地名

●諷言
 そえこと、そえごと:事物になぞらえるなどの技巧を用いてそれとなくわからせる言い方
 ふうげん:それとなく戒めること、その言葉

●注ぎ込む
 そそぎこむ:流れ入る、流し入れる。あることに熱中し心を傾ける (→川が海に注ぎ込む、石膏を型に注ぎ込む。情熱を注ぎ込む、新製品の開発に全力を注ぎ込む)
 つぎこむ:液体を器の中にそそぎ入れる。あることのために多くの物や金を出す。精力や精神をそのことにもっぱらかたむける (→水をタンクに注ぎ込む、とっくりに酒を注ぎ込む。兵力を注ぎ込む、全財産を事業に注ぎ込む、税金を注ぎ込む。今の仕事に全精力を注ぎ込む)

●注ぐ
 そそぐ:流れ込む、流し込む。降りかかる、降りかける。心・力などをそのほうに向ける (→降り注ぐ光。愛情を注ぐ)
 つぐ:容器に物を満たす。特に液体を容器にそそぎ入れる (→御飯を注ぐ、お茶を注ぐ、注ぎ足す)

●背面
 そとも:山の日の当たる方から見て後ろになる側、北側
 はいめん:後ろ側、裏側

●初め
 ぞめ、そめ:(動詞の連用形に付けて)その動作をはじめてする意を表す (→渡り初め、書き初め、出初め式、馴れ初め、咲き初める)
 はじめ:はじめたばかりの時期。最初 (→新茶の出初め。年度初め、初めから終わりまで)

●某
 それがし:一人称の代名詞で、主に武家が用いる (→某は真田幸村でござる)
 なにがし:金銭の額など数量についてあまり多くないことを漠然と言い表す。しかるべき家柄の人。不定称の人代名詞で、名が未知であるときやわざと明確にしないときなどに用いる (→某かの援助をする。これはいるまの某でござる/狂言・入間川。確か山田某とかいいましたね、御存じの鈴木某の説ですよ)
 ぼう:その人物の名前・その場所・時などが不明であるかまたはわざと示さない場合に代わりに用いる語 (→田中某の手紙、某作曲家、某大学、某年某月(ぼうげつ)棒日(ぼうじつ))

●逸れる
 それる:予想とは別の方向へ進む (→弾が逸れる、コースを逸れる、話が脇道に逸れる
 はぐれる:仲間を見失って離ればなれになる。機会をのがす。(動詞の連用形に付いて)…しそこなう、…しそびれる (→人込みで一行に逸れる、群れに逸れた子羊。仕事に逸れる。飯を食い逸れる)

●蹲踞
 そんきょ:うずくまること、うずくまってする礼。相撲の礼の一つ
 つくばい:茶室の庭先に低く据え付けた手水鉢

●孫子
 そんし:中国の思想家。その兵法書 (→孫子の兵法)
 まごこ:孫と子供。子孫 (→孫子の代まで)

●大会
 だいえ:大規模な法会
 たいかい:大規模な集会・会

●体腔
 たいくう:体壁と内臓との間のすき間)医学分野での慣用読み)
 たいこう:動物の体壁と内臓との間のすき間 (→体腔動物)

●太宰
 たいさい:古代中国の官名(百官の長)
 だざい:「大宰府」の略、大宰府の官人。人名

●大衆
 だいしゅ:[仏教]多くの僧の集まり、多くの僧徒
 たいしゅう:多くの人。一般民衆

●太政大臣
 だいじょうだいじん:律令制で太政官(だいじょうかん)を総括する官職
 だじょうだいじん:明治政府の太政官(だじょうかん)の最高官職

●大丈夫
 だいじょうふ:りっぱな男子、ますらお (→豪放な大丈夫)
 だいじょうぶ: (→心配せずとも大丈夫)

●帯刀
 たいとう:刀を腰に差すこと、腰に差した刀 (→帯刀御免、名字帯刀)
 たちはき(たてはき):太刀を帯びること、その人。(古代)春宮坊に属し、帯刀して皇太子を護衛した武官 (→帯刀の陣、帯刀の舎人、帯刀の役)
 *人名や地名では「たてわき」と読むことが多い

●大刀
 だいとう:大きな刀。武士が差した大小2本の刀のうち大きいほうの刀
 たち:長大な刀剣の総称。(刃を上に向けて腰帯に差した「かたな」に対して)刃を下に向けて腰につり下げる刀剣

●大兵
 だいひょう:体の大きいこと、その人。弓を引く力が強いこと、その人 (→大兵肥満)
 たいへい:たくさんの兵士、大軍 (→敵の大兵が攻め寄せる)

●大夫
 たいふ:中国で周代の官職の一(卿(けい)の下、士の上)。律令制で一位から五位までの人の総称、とくに五位の通称 (→卿大夫、士大夫。左近大夫、右近大夫)
 だいぶ:律令制で職(しき)および坊の長官 (→右京大夫、東宮大夫、修理大夫)
 たゆう:能楽の各流シテ方の家元の称号。浄瑠璃の語り手の称。歌舞伎で女方の敬称。最高位の遊女の称

●大仏様
 だいぶつさま:大仏にたいする敬称
 だいぶつよう:鎌倉初期の建築様式(僧重源が東大寺再建にあたり中国宋の様式を取り入れたもの) (→大仏様建築)

●大名
 だいみょう:有力な武家 (→守護大名、戦国大名、大名行列)
 たいめい:大きな名誉、高名 (→不朽の大名)

●対面
 たいめん:顔を合せること。互いに向かい合うこと
 といめん:マージャンで卓の向かい正面のこと、そこにいる競技者

●違う
 たがう:一致しない。ある基準からはずれる、従わない、そむく (→寸分違わず。予想に違わぬ結果、神の教えに違う)
 *違える たがえる (→彼とは道を違えることになった。約束を違える)
 ちがう:異なる

●出そう
 だそう ←出す (→水を出そうとする、一方踏み出そう)
 でそう ←出る (→水が出そうになる、溢れ出そうだ)

●称える
 たたえる:すぐれているとほめる (→健闘を称える、栄誉を称える)
 となえる:声に出して言う。大声で言う。人に先んじて言いだす、主張する (→お題目を称える、呪文を称える。万歳を称える。新学説を称える、異議を称える)

●叩く
 たたく: (→机を叩く、手を叩く、肩を叩く、門を叩く、尻を叩く、大口を叩く、出端を叩く。叩き込む)
 はたく:ほこりなどをたたいて払う。持っている金を使い尽くす。相撲で相手の首や肩を上からたたいて前に落とす。砕いて細かい粉にする (→障子を叩く、布団を叩く。有金を叩く、財布の底を叩く。叩き込み)

●正しく
 ただしく ← 正しい (→正しく生きる)
 まさしく:まちがいなく、まさに (→写真に写っている帽子の男は正しく私の夫だ、それは正しく本物だ)

●立方
 たちかた:能楽で(囃子方に対して)シテ方・ワキ方・狂言方のこと。歌舞伎や日本舞踊で(地方に対して)立って舞い踊る者
 りっぽう:三乗。体積の単位を表す

●立木
 たちき:地面に生えて立っている木
 りゅうぼく:[法律]土地に生育する樹木、その集団(登記することによって土地から独立した不動産として扱われる)

●竜頭
 たつがしら:竜の頭の形をした物、特に兜の前立物や葬礼の旗竿の先などにつける竜の形の作り物
 りゅうず:腕時計や懐中時計のねじを巻くつまみ。釣り鐘をつるす竜の頭の形のつり手
  *地名の「竜頭滝」「竜頭峡」は「りゅうず」と読む
 りゅうとう:竜の頭(「りょうとう」と読むこともある) (→竜頭(りゅうとう)蛇尾、竜頭(りょうとう)鷁首)

●店主
 たなぬし:貸家の持ち主
 てんしゅ:店の主人

●谷間
 たにあい:山と山との間のくぼんだ土地 (→谷間の集落、谷間の曲がりくねった道)
 たにま:谷の中。高いものの間の低い所。活動などの盛んでない部分 (→谷間に下りる。ビルの谷間。景気の谷間)

●束ねる
 たばねる:細長いものなどを一つにまとめてくくる。組織などをまとめてとりしきる (→稲を束ねる、紙を束ねる。業界を束ねる)
      *「髪を束ねる」「篠を束ねる」は「つかねる」と読んでも良い。
 つかねる:腕などを組む、こまぬく。統帥する (→手を束ねて見ている。全軍を束ねる)

●旅人
 たびにん:旅から旅へと渡り歩く人、とくに各地を転々と渡り歩いている博徒など (→旅人の仁義)
 たびびと:旅をしている人、旅行者

●単一
 たんいち:単一型乾電池の略
 たんいつ:ただ一つ

●暖気
 だんき:暖かい気候、暖かい空気 (→部屋の暖気)
 のんき:性格や気分がのんびりしていること、そのさま (→暖気な人、暖気に暮らす)

●淡黄色
 たんこうしょく:淡い黄色(普通の読み方)
 たんおうしょく:淡い黄色(「淡紅色」と区別してこのように読むことがある)

●知行
 ちぎょう:領地や財産を直接支配すること (→知行地、知行国、知行高)
 ちこう:知ることと行うこと (→知行合一説)

●中間
 ちゅうかん:あいだ。途中
 ちゅうげん:武家の奉公人(城門の警固や行列の供回りなどに使役された)。[仏教]二つのものの間(有と無の間、前仏と後仏の間など) (→中間男。中間禅)
  *「仲間」とも書く
 なかあい:なかほど(主に古典での読み方)
 なかま:福岡県の地名

●昼間
 ちゅうかん:(夜間に対して)ひるま、日中 (→昼間人口、昼間帯、昼間視)
 ひるま:朝から夕方までの間、昼

●中京
 ちゅうきょう:名古屋市の異称 (→中京工業地帯)
 なかぎょう:京都市の区名

●中空
 ちゅうくう:空の中ほど。物の内部がからになっていること (→中空の月。中空の茎)
 なかぞら:(やや雅語的)空の中ほど。(古文で)中途半端、心が落ち着かないさま (→中空の月)

●中原
 ちゅうげん:中国の黄河中流域を中心とした地域。(辺境に対して)天下の中央の地。覇権を争う場 (→中原の鹿)
 なかはら:人名、地名

●中高
 ちゅうこう:中学校と高等学校。中程度と高程度 (→中高生、中高一貫校。中高年、中高層)
 なかだか:中央部が周囲より高くなっていること。鼻筋が通って整った顔であること (→料理を中高に盛る)

●中食
 ちゅうじき:(一日二食の頃)朝食と夕食との間にとった軽い食事(後には昼食をさす)
 なかしょく:(外食に対し)惣菜や弁当などを買って帰り家でする食事、その食品

●忠実
 ちゅうじつ:まごころをこめてよくつとめること。内容をそのままに示すこと (→職務に忠実な人、忠実に任務を遂行する。原文に忠実な翻訳)
 まめ:労苦をいとわず物事にはげむこと。からだのじょうぶなこと、健康 (→忠実に帳簿をつける、若いのに忠実な人だ、筆忠実、小忠実。忠実で暮らしております)

●中生
 ちゅうしょう:[仏教]極楽浄土の階位九品の上品・中品・下品のおのおのの中位
 ちゅうなま:中ジョッキの生ビール
 *「中生代」「中生植物」「中生動物」などでは「ちゅうせい」と読む
 *九品(くほん):極楽往生の際の九つの階位。上中下の三品(さんぼん)を、さらにそれぞれ上中下に分けたもの。上品上生(じょうぼんじょうしょう)・上品中生(じょうぼんちゅうしょう)・上品下生(じょうぼんげしょう)・中品上生(ちゅうぼんじょうしょう)・中品中生・中品下生・下品上生(げぼんじょうしょう)・下品中生・下品下生の九つ

●柱石
 ちゅうせき:柱といしずえ(転じて、国家や団体などお支える中心人物)。岩石の名 (→国家の柱石)
 はしらいし:柱の下に置く石

●中点
 ちゅうてん:線分などを二等分する点(二等分点)
 なかてん:同種のものを並列するときの区切りなどに用いる記号(「・」のこと)

●中道
 ちゅうどう:一方にかたよらない穏当な考え方・やり方。物事の進行のなかほど。富士山の中腹をめぐる道 (→中道を歩む、中道政治。志むなしく中道で倒れる。中道めぐり)
 なかみち:まんなかの道、土地の中央・山の中腹などを通る道 (→中道を通って下山する、海の中道)

●中日
 ちゅうにち:彼岸7日間のまんなかの日。中国と日本。中日本の略 (お彼岸の中日。中日貿易。中日新聞)
 なかび:一定の期間の真ん中にあたる日、特に芝居や相撲の興行期間の真ん中にあたる日 (→大相撲の中日)

●仲人
 ちゅうにん:仲裁する人 (→けんかの仲人)
 中に立って橋渡しをする人、特に結婚の仲立ちをする人

●腸
 ちょう:小腸と大腸
 はらわた:腹の中の臓腑・臓物 (→酒が腸にしみる、腸がよじれるほどおかしい。腸が腐る、腸がちぎれる思い、腸が煮えくり返る、腸を断つ)
 わた:主に魚の内臓 (→魚の腸を抜く)

●長歌
 ちょうか:和歌の一形式(5音と7音の2句を交互に3回以上繰り返し、最後を多く7音で止めるもの。ふつうそのあとに反歌を添える)
 ながうた:地歌の一種(個別の短編歌詞を組み合わせた三味線組歌に対して一貫した内容の歌詞をもつ新曲種として17世紀末期に確立)

●長靴
 ちょうか:皮革製の長ぐつ(旧軍体用語)
 ながぐつ:ゴムや革で作ったひざ下まである長い靴

●停止
 ちょうじ:(主に古文で)さしとめること (→五百石以上の船停止の事。鳴物停止、諸礼停止)
 ていし:(普通の読み方) (→心臓が停止する、車を停止する。作業を停止する、営業停止処分)

●長袖
 ちょうしゅう:袖の長い衣服を着た人(公卿・僧侶などをあざけっていう語) (→長袖善く舞い多銭(たせん)善く商う、長袖者流)
 ながそで:(洋服で)手首まである丈の袖。(和服で)普通の丈の袂袖

●長身
 ちょうしん:背丈が高いこと (→長身痩躯)
 ながみ:刀・槍などの刃・穂の部分が長いこと、そのもの (→長身の槍)

●帳面
 ちょうめん:ノート、帳簿 (→帳面に書く)
 ちょうづら:帳簿に記載してある事柄、表向きの計算 (→帳面を合わせる)

●長刀
 ちょうとう:長い刀
 なぎなた:長い柄の先に反り返った長い刃をつけた武器、それを使う武術 (→長刀会釈(あしらい))

●鳥目
 ちょうもく:(昔の丸い穴あき銭の形が鳥の目に似ていることから)銭・金銭の異称 (→鳥目を与える、お鳥目)
 とりめ:夜に目が見えなくなる病気 (→鳥目になる)

●直面
 ちょくめん:物事に直接対すること
 ひたおもて:(古典で)直接に差し向かうさま。あらわなさま、ぶしつけなさま
 ひためん、ひたおもて:能の役者が面をつけずに素顔のままでいること

●築地
 ついじ:土をつき固めて造った塀 (築地をめぐらす、築地塀)
 つきじ:海や沼などを埋めてつくった土地。東京都中央区の地名

●追従
 ついじゅう:あとにつき従うこと、人の意見に従うこと (→権力に追従する)
 ついしょう:他人の気に入るような言動をすること、こびへつらい (→お追従を言う、顧客に追従する、追従笑い)

●遣った・遣って
 つかった・つかって ←遣う (→気を遣った)
 やった・やって ←遣る (→使いを遣った)

●付合
 つきあい:交際
 つけあい:連歌や俳諧で長句(五七五)・短句(七七)を付け合わせること、交互に付け連ねてゆくこと
 ふごう:[法律]所有者の異なる2個以上の物を(分離されると物理的・経済的に著しく不適当と認められる場合)1個の物として取り扱うこと

●突出した・突出して
 つきだした・つきだして ←突出す (→犯人を警察に突出した)
 とっしゅつした・とっしゅつして ←突出する (→突出した業績)

●吐く
 つく:息を吐き出す、呼吸する。好ましくないことを口に出して言う (→ため息を吐く、肩で息を吐く、一息吐く。悪態を吐く、うそを吐く)
 はく:体内の物を口から外に出す(⇔吸う)。中にある物を狭い所を通して外に出す。言葉として言う。白状する (→息を吸ったり吐いたり、荒い息を吐く、つばを吐く、血を吐く、悪酔いして吐く。煙突から煙を吐く。正論を吐く、本音を吐く。容疑者が泥を吐く、仲間のアジトを吐く)

●突く
 つく (普通の読み方)
 つつく:何度も軽く突く (→ 箸で食べ物を突く、鳥が柿の実を突く、蜂の巣を突いたような騒ぎ)

●付子
 つけこ:鳴き声のよいウグイスやホオジロのそばに同類の鳥の雛をつけてその音色を学ばせること、そのつけておく雛
 ふし:ヌルデの若芽や若葉などにヌルデノミミフシが寄生して生じた虫こぶ
 ぶし、ぶす:トリカブトの側根(アルカロイドを含み猛毒で、漢方で興奮・強心・鎮痛などに用いる。生薬名としては「ぶし」、毒として使うときは「ぶす」と読むことが多い。狂言では「ぶす」)

●拙い
 つたない:物事に巧みでない。能力が劣っている、おろかである。運が悪い (→拙い文章、拙い筆跡。拙い者ですがどうぞよろしく。武運拙く討ち死にする)
 まずい:下手なこと、具合が悪いこと (→テクニックが拙い、拙い経過)

●土塊
 つちくれ:土のかたまり、つち(主に文学での読み方) (→土塊をくわで砕く、子供が土塊をもてあそぶ)
 どかい:土のかたまり(理科関係などでの読み方) (→土塊のために発芽が妨げられる、土塊を細かく砕く)

●躑躅
 つつじ:ツツジ科ツツジ属の常緑または落葉低木の通称
 てきちょく:足ぶみすること。ためらうこと、ちゅうちょ

●爪先
 つまさき:足の指の先 (→爪先をそろえる、爪先立つ)
 つめさき:爪の先の部分 (→爪先が割れる、爪先を磨く)

●爪弾き
 つまはじき:人さし指や中指を親指の腹に当て強くはじくこと(嫌悪・軽蔑・非難などの気持ちを表すしぐさ)。ある人を忌みきらって排斥すること (→同僚から爪弾きされる」
 つまびき、つめびき:弦楽器を指先ではじいて鳴らすこと(三味線を爪や撥を使わないで指先で弾くことを特に「つめびき」と読むことが多い) (→三味線を爪弾きする)

●礫
 つぶて:小石を投げること。その小石 (→「礫を打つ」「梨の礫」「紙礫」)
 れき:小石。(地学で)直径2mm以上の岩片

●摘む
 つまむ:指先ではさむ、指先や箸などではさみもつ。指先などで取って食べる (→鼻を摘む、豆を摘む。寿司を摘む。狐に摘まれたような話)
 つむ:指先や爪の先ではさみとる。はさみなどで物の先を切りとる (→茶を摘む、花を摘む。枝を摘む。悪の芽を摘む)

●詰る
 つまる: (→予定が詰る、配水管が詰る、差が詰る、返答に詰る、息が詰る、気が詰る)
 なじる:相手を問いつめて責める、詰問する (→心変わりを詰る、職務怠慢を詰る)

●貫く
 つらぬく:端から端までまたは表から裏へ通す。始めから終わりまで方針や考えを変えないで続ける (→高原を貫く道路、矢が板を貫く。初志を貫く、一生独身を貫く)
 ぬく:穴を作る。突き破る (→ハート形に貫く。三遊間を貫くヒット)

●氷柱
 つらら:水のしずくが凍って軒下などに棒状に垂れ下がったもの
 ひょうちゅう:氷の柱(夏に室内を涼しくするために立てる)

●泥土
 でいど:[文章語的)どろどろの土、どろ。(比ゆ的に)つまらないもの、けがれたもの (→豪雨で畑地が泥土と化す、黒泥土(こくでいど)、泥土岩。身を泥土に委ねようとするのではない/鴎外)
 どろつち:どろどろの土

●泥濘
 でいねい:[文章語]ぬかるみ
 ぬかるみ:雨や雪解けなどで地面がぬかっている所(普通の読み方) (→泥濘に足を取られる、泥濘にはまる)

●手篭、手籠
 てかご:手に提げて持つ籠
 てごめ:人を力ずくで押さえ付けて自由を奪うこと。女性を暴力で犯すこと (→手篭にする)

●木偶
 でく:木彫りの人形。あやつり人形。役に立たない人 (→木偶の坊)
 もくぐう:木で作った人形、とくに古代中国や日本の弥生時代の副葬品になっている木製の人形

●手数
 てかず:ボクシングで手を出す回数 (→手数は多いが有効打が少ない)
 てすう(「てかず」とも):それをするのに要する動作や作業などの数。他人のためにことさらにかける手間。囲碁や将棋などで手の数(「てかず」と読むことが多い) (→手数のかかる料理。お手数をかけて恐縮です。手数を読む、白のほうが手数が長い)

●天衣
 てんい:天人や天女の着る衣 (→天衣無縫)
 てんね、てんえ:諸天や諸菩薩の像が肩から垂らしている細長い衣

●天人
 てんじん:天と人。天意と人事 (→天人ともに許さず、天人合一、天人相関説)
 てんにん:天上界に住む者 (天人の舞い)

●点図
 てんず:(触ってわかるように)突起した点を並べて描いた図
 てんと:「点字図書館」の略

●天道
 てんとう:太陽 (→お天道さま)
 てんどう:自然に定まっている道理、天の道。天の神。天体が運行する道

●天文
 てんぶん:年号(1532〜1555年)
 てんもん:天体に起こるさまざまな現象

●問屋
 といや:[法律]自己の名をもって他人(委託者)のために物品の販売・買い入れをなすことを業とする者(証券会社など)
 とんや:卸売を業とする店、その人。(比喩的に)そのことをもっぱら引き受けてでもいるような人 (→問屋で商品を仕入れる。病気の問屋のような人)

●灯火
 とうか:ともしび、あかり (→灯火親しむべし、灯火管制、無灯火)
ともしび:ともした火、あかり (→灯火がともる、風前の灯火、心の灯火、闇夜(やみよ)の灯火、生命の灯火が消えかかる)

●等閑
 とうかん:[文章語的]物事を軽くみていいかげんに扱うこと (→等閑にする、等閑に付す。等閑視する)
 なおざり:いいかげんにしておくさま、本気でないさま、おろそか (→等閑な練習態度、子供のしつけを等閑にする)

●登山
 とうせん:修行のために僧・修験者などが山に入ること。山上の寺社に参詣すること
 とざん:山に登ること。山上の寺社に参詣すること

●同行
 どうぎょう:連れ立って寺社に参る人々。心を同じくしてともに仏道を修める人々(禅宗では「どうあん」と読む)。同じ行 (→同行二人)
 どうこう:一緒に連れ立って行くこと、主たる人に付き従って行くこと (→警察へ同行を求める、同行者)

●道中
 どうちゅう:旅行の途中、旅に出ている間、旅路 (→道中の無事を祈る、珍道中)
 みちなか:目的地へ行く経路の中途。道の真ん中、道路上 (→道中で引き返す、道中で立ち往生する)

●道程
 どうてい:みちのり、行程。ある境地や状態になるまでの時間、過程 (→完成までの道程)
 みちのり:ある地点から他の地点までの道の長さ (→かなりの道程がある)

●解く
 とく (→問題を解く、謎を解く、誤解を解く、禁止を解く、武装を解く、警戒を解く、緊張を解く)
 ほどく:結んだり縫ったりもつれたりしたものをときはなす(「とく」と読んでもよい。「ほどく」のほうが口語的) (→荷物を解く、帯を解く、もつれた糸を解く、着物を解いて洗い張りする)

●徳治
 とくじ:年号(1306〜1308年)
 とくち:道徳・徳性を基本とした政治 (→徳治思想)

●特種
 とくしゅ:特別な種類 (→特種な植物、関東軍特種演習)
 とくだね:新聞などのスクープ (→特種をつかむ)

●読誦
 どくじゅ:[仏教]声を出して経文を読むこと (→法華経を読誦する)
 どくしょう:声に出してよむこと (→漢詩を読誦する)

●読本
 とくほん:明治期から第二次大戦直後まで使われた小学校の国語教科書、一般に教科書。読みやすいようにやさしく書かれた入門書や解説書 (→文章読本、人生読本)
 *連濁により「どくほん」とも読むことがある
 よみほん:江戸時代後期の小説の一種。古文書をわかりやすく現代の文字に直したもの

●土産
 どさん:土地の産物 (→他国と交易をはじめ品物を製し土産を出し/魯文)
 みやげ:外出先や旅先で求め家などに持ち帰る品物 (→土産物、手土産)

●留める
 とどめる:動いているものや動こうとするものをとめる、抑止する。滞在させておく、残しておく。あとに残しておく、この世に残す。その状態のまま残す。(「…に留める」の形で)ある範囲内に限定する (→足を留めて眺める、席を立とうとするのを留める。家族を郷里に留めて単身上京する。議事録に留める、記憶に留める、足跡を留める。現職に留める、原形を留めないほどのこわれ方。誤りを指摘するに留める、出費を最小限に留める)
 とめる:注目・注意する。はっきり意識し記憶する。その場にとどめおく (→一枚の写真に目を留める、先輩のアドバイスを耳に留める、道端の花にふと心を留める。その時は別に気にも留めなかった、このことをしっかりと心に留めておいてください。留置場に一晩留められる。一命を取り留める)

●止める
 とどめる:元の形のままであとに残す。その程度・段階・範囲内におさめてそれから出ないようにする (→昔の姿を止める、哀れを止めたのは一人残された幼子の姿だった。会費は一万円に止める、怒って出て行こうとするのを押し止める)
 とめる:動いているものや機能しているものを動かないようにする。継続している動き・動作や状態を中断する。ある動作をすることを制止・禁止する。動いたり離れたりしないように固定する (→エンジンを止める、足を止める。息を止める、痛みを止める薬、原料の供給を止める。子供のけんかを止める、医者に酒を止められている、止めるのも聞かないで出て行く。写真を壁にピンで止める、洗濯ばさみで止める)
 やめる:続けてきたことを終わりにする。しようとしていたことをしないことにする (→タバコを止める、付き合いを止める。雨なら外出は止めよう。旅行を取り止める)

●惚ける
 とぼける:知っていながら知らないふりをする、しらばくれる。間の抜けた言動をする (→肝心の点になると惚ける。惚けたことを言う、惚けた表情)
 ほうける:知覚のにぶった状態になる、ぼんやりする (→起きぬけの惚けた顔、病み惚ける)
 ぼける:頭の働きがにぶくなる (→まだ惚ける年でもない、年とともに惚けてきた、寝惚ける)

●奴婢
 どひ:召使いの男女、下男と下女
 ぬひ:召使いの男女、下男と下女。律令制における賤民の一(奴は男子、婢は女子のこと) (→公奴婢(くぬひ)、私奴婢)

●捕手
 とりて:罪人を捕える役人
 ほしゅ:キャッチャー

●鳥屋
 とや:鳥小屋、特にタカを飼う小屋。ツグミなどの小鳥をとるため設けた小屋。タカの羽が夏の終わりに抜け冬にはえかわること。遊女が梅毒のために髪が抜けること、梅毒。舞台花道の揚げ幕内に設けた小部屋 (→鳥屋に就く)
 とりや:鳥の売買を業とする店・人。鳥肉を売る店、その料理を出す店

●取手
 とりて:物を受け取る人。カルタのふだを取る人。相撲や柔道などの技、その技の巧みな人。素手で敵を倒し捕らえる術
 とりで:茨城県の地名

●名代
 なしろ:大化の改新以前の皇族の私有部民(べみん)
 なだい:名前を知られていること、名高いこと、そのさま。名目、名義。江戸時代歌舞伎や操り芝居などの興行師で奉行所から許可を得て登録された者 (→名代の色事師、当地名代の銘菓)
 みょうだい:ある人の代わりを務めること、その人 (父の名代として出席する)

●内証
 ないしょ:表向きにせずこっそりすること、内密 (→内証で外出する、内証事、内証話)
 ないしょう、ないしょ:うちわの事情、暮らし向き、家計。表向きでない場所、とくに台所・勝手 (→内証は苦しい、内証向き) (読みは「ないしょう」が望ましい)
 ないしょう:[仏語]自己の心の内で真理を悟ること。他人の妻を敬っていう語。身内、親族 (→御内証、内証の者)

●何色
 なにいろ:どんないろか
 なんしょく:使っている色の数がいくつか

●何語
 なにご:どの言語か
 なんご:いくつの言語か、いくつの単語か

●何人
 なにじん:どの国・地域の人か
 なんにん:どのくらいの人数か
 なんぴと、なんびと、なにびと:いかなる人、どういう人、何者

●何分
 なにぶん:なんらか、いくらか。なにとぞ、なにしろ
 なんぶん:いくつかに分けること (→これを何分しますか、何分の一)
 なんぷん:時間のいく分

●名主
 なぬし:江戸時代の村方三役の一、村の長。江戸時代の町役人の一
 みょうしゅ:平安後期から中世にかけての名田所有者
 めいしゅ:すぐれた君主、名君 (→名主と仰がれる)

●鈍る
 なまる:刃物の切れ味が悪くなる。鋭さが失われる、勢いが弱まる (→包丁が鈍る。体が鈍る)
 にぶる:鋭さがなくなる。力や勢いなどが弱くなる。頭のはたらきや腕前などが衰える (→刀の切れ味が鈍る、矛先が鈍る。決心が鈍る。勘が鈍る、腕が鈍る)

●行方
 なめがた:茨城県の地名
 ゆきかた:ある場所に行く方法や道順 (→電車での行方を教える)
 ゆくえ:行った方向、行く方向 (→行方が知れない、外交の行方を見守る、行方不明)

●名寄
 なよせ:人や物や名所などの名を寄せ集めること、そのもの。金融機関で同一名義の勘定をまとめること (→名寄帳)
 なよろ:北海道の地名

●南風
 なんぷう:南から吹く風(特に夏の風についていう)。南方の歌謡 (→南風競わず)
  *宿や店の名前では「なんぷう」と読むことが多い。
 はえ:(西日本一帯で)南または南寄りの風のこと (→黒南風、白南風)
 みなみかぜ:南から吹く風(普通の読み方)

●和魂
 にきたま、にぎたま:[神道]柔和で恵みや幸をもたらす神霊
 わこん:日本人固有の精神 (→和魂洋才)

●肉食
 にくじき:(主に仏教あるいは古い文体での読み方) (→肉食妻帯、肉食する)
 にくしょく:(普通の読み方) (→肉食動物、肉食文化)

●二言
 にごん:前に言ったことと違うことを言うこと (→武士に二言はない)
 ふたこと:二つの言葉 (→一言二言言葉を交わす)

●二重
 にじゅう:二つ重なっていること (→二重顎、二重丸)
 ふたえ:二つ重なっていること。「二重まぶた」の略

●二世
 にせ:現世と来世、今生と後生、この世とあの世 (→二世の契り)
 にせい:2代目 (→エカテリーナ二世、二世を継ぐ)

●日中
 にっちゅう:日がのぼっている間。日本と中国
 ひなか:日のあるうち、昼の間 (昼日中)

●日本橋
 にっぽんばし:大阪市の地名
 にほんばし:東京都の地名

●二分
 にぶ:重さ、割合、長さを示す。二等分 (→二分咲き。二分金、二分音符)
 にふん:時間の長さを示す
 にぶん:二つに分けること (→勢力を二分する、二分の一)

●鈍い
 にぶい: (→切れ味の鈍い刀、客足が鈍い、反応が鈍い、感覚が鈍い、神経が鈍い、頭が鈍い、鈍い痛み、鈍い日差し、鈍い光、鈍い音)
 のろい:動きや進行の速度がおそい (→足が鈍い、車が鈍い、仕事が鈍い)

●若気
 にやけ:男が派手に着飾ったり媚びるような態度をとったりすること、その人。男色を売る若衆(→若気男)
  *「若気る」は「にやける」と読む
 わかげ:若者の血気にはやったり無分別だったりする気持・傾向 (→若気の至り、若気の過ち)

●人気
 じんき:その地域の人々の気風。群集した人々の熱気、人々の活気 (→人気が荒い。人気の良い場所に店を出す)
 にんき:世間一般の評判、受け (→人気が上がる、人気をさらう)
 ひとけ:人のいるようす、人の気配 (→人気のない場所)
 ひとげ:(「人気ない」の形で)人並みでない、まともな人間らしくない

●人形
 にんぎょう:木や紙・土などで人間の形をまねて作ったもの(主に愛玩・観賞用)。他人のなすがままになっている人のたとえ。
 ひとがた:人の形に似せて作ったもの、とくに祭りや祈祷などのとき神霊の代わりあるいは人間の身代りとなるもの

●人足
 にんそく:荷物の運搬や普請などの力仕事に従事する労働者 (人足が荷物を運ぶ)
 ひとあし:人のゆきき (→人足がしげくなる、人足が絶える)

●抜糸
 ぬきいと:縫い物をほどくとき抜き取った糸
 ばっし:手術のさい縫合に使った糸を抜き取ること

●布袋
 ぬのぶくろ:布製の袋
 ほてい:中国・唐末の禅僧 (→布袋さん、布袋腹)

●塗れる
 ぬれる:塗ることができる
 まみれる:ものが一面にくっついてよごれる (→汗に塗れる、泥に塗れる、地に塗れる、血塗れ)

●捻る
 ねじる:細長いものの両端に力を加えて互いに逆の方向に回す、一端を固定して他の一端を無理に回す。体の筋をちがえる、捻挫する (→針金を捻る、腕を捻る、水道の栓を捻る。足首を捻る)
 ひねる:指先でつまんで回す。体の一部をねじって向きを変える (→スイッチを捻る、コックを捻る。腰を捻る、足首を捻って痛める)

●捩る
 ねじる:細長いものの両端に力を加えて互いに逆の方向に回す、一端を固定して他の一端を無理に回す (→針金を捩る、腕を捩る、ガス栓を捩る)
 もじる:笑いや風刺のため他の著名な文句などに似せて表現する。言葉を他の語の音や口調に似せて言う (→古歌を捩って世相を風刺する。「くたばって死ね」を捩って筆名を付けた)
 よじる:ねじって曲げる (→縄を捩る、身を捩って笑う)

●根太
 ねだ:床板を支える横木 (→根太が腐る)
 ねぶと:太股や尻などにできる化膿性のはれもの (→根太は敵(かたき)に押させよ)

●強請る
 ねだる:甘えたり無理に頼んだりしてほしいものを請い求める (→小遣いを強請る、チップを強請る)
  *古文では「ゆする、ごねる」の意味でも用いられる
 ゆする:人を脅したり弱みに付け込んだりして金銭を出させる (→盛り場で金を強請られる)

●年中
 ねんじゅう:1年の間。いつも、始終 (→年中無休。年中かぜぎみだ、年がら年中)
 ねんちゅう:1年の間。幼稚園・保育園で4歳児 (→年中行事。年中組)

●能書
 のうがき:薬などの効能を書きしるしたもの、その言葉。自分のすぐれた点などを述べたてること、その言葉 (→能書を読む。能書を並べたてる)
 のうしょ:字を巧みに書くこと (→有名な能書家)

●除ける
 のける:物をよそへ移す。取りのぞく、除外する (→石を除ける。取り除ける、撥ね除ける、払い除ける)
 のぞける:除くことができる (→簡単には不安は除けない)
 よける:被害に遭わないように前もって防ぐ。一部分だけを別にする (→風を除けるためにおおいをする。不良品を除ける)

●上り下り
 のぼりおり:のぼることとおりること (→会談の上り下り)
 のぼりくだり:のぼることとくだること、のぼったりくだったりすること (船が川を上り下りする、道路は上り下りとも渋滞している)

●呪う
 のろう:恨みや憎しみを抱いている人に災いが起こるように神仏に祈る、災難がふりかかったり失敗したりするように願う。強く恨む (→人を呪う、呪われた運命。世を呪う)
 まじなう:災いや病気を避けるために神仏などに祈る。相手の死を願って神仏などに祈る。祈って病気を治療する (→日照りが続かぬよう呪てもらう)

●刃
 は:物を切る道具の薄く鋭くしてある部分 (→刃を研ぐ、刀の刃が欠ける)
 やいば:焼き入れをして硬化させた刃、刃の表面に見える波形の模様。刀剣・刃物などの総称。刃のように鋭く威力のあるものの形容 (→刃を交える、刃を向ける、刃を掛ける、刃に伏す。氷の刃、笑みの中(うち)に刃を隠す)
 *「刃を迎えて解く」の時は「じん」と読む

●俳優
 はいゆう:役者(普通の読み方)
 わざおぎ:こっけいな動作をして歌い舞い神や人を慰め楽しませること、それをする人

●墓穴
 はかあな:遺骸や遺骨を葬るための穴(普通の読み方) (→墓穴を掘る)
 ぼけつ:(文章語)はかあな(「墓穴を掘る」は、身を滅ぼす原因を自分から作ることのたとえとして使われる) (→策を弄して墓穴を掘る)

●博士
 はかせ:その方面のことに詳しい人、ものしり。学位の「博士(はくし)」の俗称。律令制の官名(大学寮に明経・明法・紀伝(のちに文章(もんじょう))・算・音・書、陰陽寮に陰陽・暦・天文・漏刻、典薬寮に医・針・呪禁・按摩の各博士が置かれ、また大宰府・諸国にも明法博士や国博士が置かれ、それぞれ専門の学業を教授した) (→お天気博士、鉄道博士)
 はくし:学位の一 (→博士号、医学博士、博士課程)

●白衣
 はくい:白色の衣服、特に医師・看護師・化学者などの白い上着(「びゃくい」「びゃくえ」とも読む)
 びゃくえ:(墨染めの衣を着ていないことから)僧侶になっていない俗人、在家

●弾く
 はじく:曲げた物が元に戻る力で打つ、はね飛ばす。寄せつけない、はねのける。そろばん玉を指で動かす、計算する (→おはじきを弾く、爪先で弦を弾く。このレーンコートはよく水を弾く、鋼鉄の板が銃弾を弾く。そろばんを弾く、損得を弾いてみる)
 ひく:弦楽器や鍵盤楽器を鳴らす、かなでる (→琴を弾く、バイオリンを弾く、ピアノを弾く)

●撥音
 ばちおと:撥で弾き鳴らす音
 はつおん:国語の音節の一で、語中または語尾で1音節をなす鼻音(「ん」と表記される)

●八幡
 はちまん:「八幡宮」「八幡神」の略
 ばはん:倭寇の異称。海賊、海賊船。江戸時代国禁を犯して密貿易をしたり外国に渡航したりすること。「八幡船」の略
 やはた:福岡県北九州市の地名
 やわた:京都府南西部の地名、千葉県市川市の地名

●幕下
 ばっか:張りめぐらした幕の中、陣営。将軍の配下の者
 まくした:力士の地位の一(十両の下)

●八寸
 はっすん:一寸の8倍の長さ。懐石料理で八寸角の器、それに盛った料理 (→八寸膳)
 やき:背たけが4尺8寸ある馬(大きくたくましい馬をいう)

●飛蝗
 ばった:バッタ科の昆虫の総称
 ひこう:生息密度が高くなると群飛して集団移動をするバッタ、その集団移動の現象(トノサマバッタ・サバクバッタなどにみられる)

●八百万
 はっぴゃくまん:800万
 やおよろず:非常に数が多いこと (→八百万の神)

●放った・放って
 はなった・はなって ←放つ
 ほうった・ほうって ←放る

●半月
 はにわり:半陰陽、ふたなり
 はんげつ:半円形をした月、弓張り月。半円形
 はんつき:1か月の半分

●梁
 はり:構造物の上部からの荷重を支えたり柱をつなぐために架け渡す水平材
 やな:魚を捕るしかけ
 りょう:中国の国名

●半額
 はんがく:半分の金額
 はんびたい:冠の額に三日月形の透かしのある冠

●番頭
 ばんがしら:番衆の長。大番組・小姓組・書院番などの長
  *大番頭(おおばんがしら):大番衆の長、大番組の長
 ばんとう:商家などの使用人のかしら。風呂屋の番台に座る者
  *大番頭(おおばんとう):商家使用人のうち最高の地位にある番頭

●板木
 はんぎ:文字や絵などを彫りつけた木版
 ばんぎ:合図のためにたたき鳴らす板

●半玉
 はんぎょく:まだ一人前として扱われず玉代(ぎょくだい)も半人分の芸者
 はんたま:うどんやそばなどの1玉の半分

●万歳
 ばんざい:祝福のために両手を上げて唱える言葉、それを唱えたくなるほどめでたいこと (万歳三唱)
 まんざい:新年に家々を訪れて祝言を述べ舞を演じる門付け芸人、その芸能(のちにこっけいな掛け合いをする寄席の芸にもなった) (→三河万歳、尾張万歳、秋田万歳)

●万人
 ばんじん:すべての人、多くの人 (→万人心を異にすれば則ち一人(いちにん)の用無し)
 ばんにん:すべての人、多くの人 (→万人が納得する理論、万人向きの製品、万人の万人に対する戦い)
 まんにん:人数を表す (→数万人、百万人、誉め手千人悪口(わるくち)万人)

●半生
 はんしょう:生死のさかいにあること (→半死半生)
 はんせい:一生の半分、今までの人生 (半生を振り返る、前半生、後半生)
 はんなま:半分なまの状態(なま煮え・なま乾きなど)。「半生菓子」の略。知識などがなまはんかなさま (→半生チョコレート。半生な知識をひけらかす)

●半身
 はんしん:からだの半分 (→上半身、半身不随)
 はんみ:相手に対してからだを斜めに向けること。魚を二枚あるいは三枚におろしたときの身の片方 (→半身の構え)

●帆布
 はんぷ:木綿または麻の太い糸を密に平織りにした厚地の織物(帆・テント・靴などに用いる)
 ほぬの:帆に使用する厚地の布

●氷上
 ひかみ:兵庫県の地名
 ひょうじょう:氷の上

●酷い
 ひどい:残酷な。度を超している。程度が非常に悪い (酷い雨。酷い点数)
 むごい:痛ましい、残酷な、無慈悲な (→酷い死に方、酷い仕打ち)

●日向
 ひなた:日光の当たる場所
 ひゅうが:九州地方の地名

●氷室
 ひむろ:天然氷を夏までたくわえておくために設けたむろ
 ひょうしつ:氷を貯蔵しておく部屋

●眉目
 びもく:まゆと目。転じて顔かたち、容貌 (→眉目を開く。端正な眉目、眉目秀麗)
 みめ:顔立ち、容貌 (→眉目麗しい、眉目よし)

●百行
 ひゃくぎょう:100行
 ひゃっこう:あらゆるおこない (→孝は百行の本(もと))

●百姓
 ひゃくしょう:農業に従事する人、農業をすること
 ひゃくせい:(「ひゃくしょう」と読んでもよい)一般の人民、公民 (→百姓を安んずる)

●百足
 ひゃくそく:100の足、多くの足。ムカデのこと (→百足の虫は死して僵(たお)れず)
 むかで:唇脚綱の節足動物のうちゲジ類を除いたものの総称

●百部
 ひゃくぶ:100部
 びゃくぶ:ビャクブ科の多年草(薬草)

●冷酒
 ひやざけ:燗をしない酒、冷やした酒
 れいしゅ:燗をしない酒。燗をしないで飲むようにつくった酒、冷用酒

●冷水
 ひやみず:冷たい水(しばしば比ゆ的に用いる) (→年寄りの冷水、冷水を浴びせる)
 れいすい:冷たい水 (→冷水塊、冷水摩擦、冷水浴)

●評定
 ひょうじょう:皆で相談して決めること (→小田原評定。評定衆、評定所)
 ひょうてい:一定の基準に従って価値や価格や等級などを決めること (→地価を評定する、勤務評定)

●平城
 ひらじろ:平地に築いた城
 へいじょう:「平城京」の略。中国の北魏時代前期の都 (→平城宮)
 へいぜい:第51代天皇(在位806〜09年)の名

●平家
 ひらや:1階建ての家屋、平屋
 へいけ:平(たいら)の姓を名乗る一族 (→平家物語、平家琵琶)

●飛竜
 ひりゅう(ひりょう):空を飛ぶという竜。聖人、英雄 (→飛竜雲に乗る、飛竜天に在り)
 ペーロン:九州南西部で行われる中国伝来の舟漕ぎ競走、それに用いる舟

●放る
 ひる:体外へ出す (→屁を放る)
 ほうる:遠くへ無造作に投げる。途中でやめる、そのまま放置する。あきらめて放棄する (→ボールを放る。泣いても放っておく。試験を放る)

●便
 びん:人や荷物や手紙などをある場所まで運ぶこと、その手段 (→飛行機の便がある、午後の便で届く、宅配便、速達便)
 べん:都合がよいこと、便利なこと、そのさま。大便と小便(特に大便) (→乗り物の便がいい、運輸頗る便なり)
 よすが:頼りとすること、身寄り、よるべ。手がかり、手だて (→知人を便に上京する、身を寄せる便もない。今ではもう昔を知る便はない)

●品位
 ひんい:(普通の読み方)品格。金銀や有用元素の割合
 ほんい:律令制で親王・内親王に与えられた位階

●歩
 ふ:将棋の駒の一(「歩兵(ふひょう)」の略)
 ぶ:土地の面積の単位(1歩は6尺四方)。長さの単位(1歩は6尺)
 ほ:歩くこと、その足の運び方。物事の進行。歩数をかぞえる助数詞 (→歩を合わせる。着々と開発の歩を進める。五十歩百歩)

●分
 ぶ:自分のほうに有利になる度合い。利益の度合い。全体を10等分したもの。割合・長さ・重さ・体温・通貨の単位 (→対戦成績では分が悪い。分のいい商売。工事は九分どおり完成した、三分咲きの桜)
 ふん:時間の単位。角度および経度・緯度の単位
 ぶん:分けられた部分。その人の持っている身分や能力。当然なすべきつとめ。物事の状態・様子・程度 (→これは私の分です、あまった分をわける。分をわきまえる、分を守る、分に安んずる、分に過ぎる。学生は学問をその分とする。この分なら大丈夫だ、軽い仕事をする分には差し支えない)

●布衣
 ふい:官位のない人、庶民 (→布衣の交わり)
 ほい、ほうい:庶民着用の衣服、官服に対して平服、転じて平民。狩衣、平安時代以後は狩衣一般、特に無文の狩衣、それを着る六位以下の身分の者。江戸時代では武士の大紋に次ぐ4番目の礼服、それを着る御目見以上の身分の者 (→布衣(ほうい)始め)

●無音
 ぶいん:久しく便りをしないこと、音信がとだえること (→御無音に打ち過ぎ申し訳ございません)
 むおん:音がしないこと (→無音室)

●封ずる、封じる
 ふうずる、ふうじる:封をする。出入り口などを閉じてふさぐ。自由な発言や行動ができないようにする。神仏の力などによって閉じ込める (→密書を封じて使者に託す。港を封ずる、敵の退路を封ずる。口を封ずる、反対派の動きを封ずる。お札で虫を封ずる)
 ほうずる、ほうじる:領地を与えて領主や大名とする (→五万石の大名に封ずる)

●封土
 ふうど:古墳などをおおう盛り土
 ほうど:封建君主がその家臣に領地として分かち与えた土地

●風流
 ふうりゅう:上品な趣があること、みやびやかなこと、そのさま。世俗から離れて詩歌・書画など趣味の道に遊ぶこと (→風流な庭。風流を解する。風流韻事、風流人、無風流)
 ふりゅう:みやびやかなものや風情のあるもの。(中世以降)物語や和歌の心を意匠化した風情あるつくりもの、祭礼に出るきらびやかな練りもの、拍子物や歌謡を伴い手振り美しい踊り (→風流踊り、風流傘、風流車(ふりゅうぐるま))

●伏す
 ふくす:かがむ、平伏する。従う、屈伏する、従わせる。潜伏する、潜ませる (→墓前に伏す、神前に伏す。敵軍に伏す、権力に伏す、威に伏す。先陣を岩陰に伏す、山かげに伏した一隊)
 ふす:腹ばいになる、地面にひざをつくなどし頭を深く下げる。姿勢を低くして他から見えないようにする、隠れる (→地に伏す、伏してお願い申し上げます。岩かげに伏して様子をうかがう)

●不定
 ふじょう:[仏教]定まらないこと、そのさま。(古文で)意外なこと、思いがけないこと (生死(しょうじ)不定、存命不定、不定の雲、老少不定。不定のことかな)
 ふてい:決まっていないこと、一定しないこと (→住所不定)

●仏語
 ふつご:フランス語
 ぶつご:仏の教えの言葉、仏教の用語

●物心
 ぶっしん:物と心、物質と精神 (→物心両面から支援する)
 ものごころ:世の中の物事や人間の感情などについて理解できる心 (→物心がつく)

●歩兵
 ふひょう:将棋の駒の歩(ふ)
 ほへい:徒歩で戦う兵 (→歩兵隊)

●不便
 ふびん:かわいそうなこと、気の毒なこと、そのさま(「不憫」「不愍」は当て字)。(古典で)かわいいこと、いとしいこと (→不便に思う、不便でならない)
 ふべん:便利でないこと、そのさま (→狭くて不便な家)

●文科
 ぶんか:(理科にたいして)人文・社会科学分野のこと
 もんか:文部科学省の略 (→文科省、文科相)

●文言
 ぶんげん:中国で(白話に対して)旧来の伝統的な文章表現、文語 (→文言体)
 もんごん:文章中の語句、文句 (→手紙の文言)

●文治
 ぶんじ:年号(1185〜1190年)
 ぶんち:武力を用いず教化や法によって世を治めること (→文治主義)

●憤怒
 ふんど:大いに怒ること(主に動詞として使われる場合) (→非道な行為に憤怒する)
 ふんぬ:大いに怒ること(主に名詞として使われる場合) (→憤怒の形相、憤怒相)

●分別
 ふんべつ:道理をよくわきまえていること、物事の善悪・損得などをよく考えること (→分別のないことを言う、よく分別して態度を決める、無分別)
 ぶんべつ:種類や性格などによって別々に分けること (→家庭のごみを分別する、分別収集)

●変化
 へんか:状態や性質などが変わること (時代の変化、変化に富む生活)
 へんげ:神仏などが本来の形を変えて種々の姿を現すこと。動物などが姿を変えて現れること。人がその姿・形を次々に変えること (→妖怪変化。七変化)

●保安
 ほあん:安全を保つこと
 ほうあん:年号(1120〜1124年)

●帽子
 ぼうし:(普通の読み方)
 もうす:(禅宗で)僧侶のかぶる頭巾

●法文
 ほうぶん:法律・法令の文章。法学部と文学部を合せた称。
 ほうもん:[仏教]仏法を説き記した文章。

●法力
 ほうりき:仏法の威力、仏法の功徳の力。仏法を修行して得られた不思議な力
 ほうりょく:法律の力、法律の効力

●解れる
 ほぐれる: (からまった糸が解れる、気持ちが解れる)
 ほつれる: (セーターの袖口が解れる、髪が解れる)

●本性
 ほんしょう:本来もっている性質、生まれながらの性質。正気、本心 (→本性をあらわす。酔って本性を失う)
 ほんせい:本来の性質、その存在に固有の性質(哲学や倫理学・自然科学系では「ほんせい」と読むほうが適切な場合が多い) (→自然の本性、人の本性、光の本性)

●本田
 ほんだ:人名
 ほんでん:(荘園制では新開田に対して、江戸時代では新田に対して)旧来の田

●紛れ
 まぎれ:←紛れる (→どさくさ紛れ、苦し紛れ、腹立ち紛れ、紛れ込む、紛れもない事実)
 まぐれ:偶然の好運にめぐまれること (→紛れで合格する。気紛れ、紛れ当たり)

●捲る
 まくる:物の端を外側へ巻きながら上へあげる。(動詞の連用形に付いて)むやみに…する、…しつづける (→裾を捲る、尻を捲る、腕を捲る。読み捲る、逃げ捲る、追い捲る)
 めくる:おおっているものや重なっているものをはいだり上げたりする (→布団を捲る、暦を捲る、ページを捲る、日捲り)

●股
 また:胴から足の分かれる所、両足のつけ根の部分。一つのもとから二つ以上に分かれている所、そうなっている形 (股を広げて座る。木の股、二股ソケット。股に掛ける)
 もも:足のひざより上部の腰に連なる部分 (→太股。股を割いて腹に充たす)

●町中
 まちじゅう:町の全部、町全体
 まちなか:住宅や商店が集まっている所

●末期
 まっき:ある物事の終わりの時期 (→戦争の末期、平安末期)
 まつご:一生の終わりの時、死に際 (→末期の言葉、末期の水、末期養子)

●守り
 まもり ←守る (→守りを固める、守り刀、守り神、守り札、守り袋、守り抜く)
 もり:まもること、その人。子供の面倒をみること、その人 (→渡し守り、灯台守り、堂守り、墓守り。子供の守りをする、守り役、守り立てる)

●守り育てる
 まもりそだてる:(普通の読み方) (→森を守り育てる)
 もりそだてる:(文語)子どもをいつくしみ育てる

●饅頭
 まんじゅう:小麦粉・そば粉・上新粉などを練った生地で餡を包み蒸すか焼くかした菓子
 まんとう:中国の蒸しパン(包子に対し、中に何も入れないものをいう)

●見える
 まみえる:「会う」の意の謙譲語。対面する。夫として仕える (→主君に見える。両雄相見える。貞女は二夫に見えず)
 みえる:(普通の読み方)

●水際
 みぎわ:[雅語的]陸地が水に接する所、みずぎわ (→水際によせるさざ波)
 みずぎわ:陸地が水面と接しているあたり、物が水面と接している所 (→水際の植物、水際作戦、水際立つ)

●見出し
 みだし:標題、タイトル
 みいだし ←見出す(みいだす:見つけ出す)
 *「見出した・見出して、見出される」などは「みいだした・みいだして、みいだされる」などと読み、「けんしゅつ…」とは読まない

●見出す
 みいだす:見つけ出す
 みだす:見はじめる (→テレビを見出す)

●名跡
 みょうせき:代々受け継がれていく家名 (→先代の名跡を継ぐ、名跡収名)
 めいせき:名高い古跡。有名な筆跡 (→『日本名跡叢刊』)

●明朝
 みょうちょう:あすの朝
 みんちょう:中国の明の王朝。活字の書体の一つ

●無性
 むしょう:[仏教]仏性のないこと、成仏できないことが生まれつき定まっていること。分別のないこと、道理がわからないこと、そのさま (→滅多無性)
  *「無性に」の形で:やみくもに、むやみやたらに、いちずに (→無性に腹が立つ、無性に人恋しい、無性に眠い)
 むせい:[生物]雌雄の区別がないこと (→無性芽、無性生殖)

●目下
 めした:地位や年齢などが自分より下であること、その人 (→目下の者)
 もっか:ただいま、さしあたり (→目下のところ復旧の見込みはたたない、目下検討中)

●面子
 めんこ:表面に絵のある円形のボール紙製の玩具
 めんつ:体面、面目 (→面子を立てる、面子がつぶれる、面子にかかわる)

●面目
 めんぼく:世間に対する名誉や体面、世間からうける評価、人にあわせる顔。外に表れている様子 (→面目を保つ、面目が立つ、面目次第もない、面目ない、面目丸つぶれ、面目をつぶす、面目を失う、不面目。面目を一新する)
 めんもく:「めんぼく」と同義 (→新面目、真面目、無面目、面目躍如、面目一新、面目を改む、本来の面目)

●妄想
 もうそう:(普通の読み方) (→被害妄想、誇大妄想)
 もうぞう:[仏教]精神が対象の形態にとらわれて行う誤った思惟・判断(「もうそう」と読んでも間違いではない) (→莫妄想(まくもうぞう)、妄想分別)

●木工
 もく:木を使って建物や器物をつくる人(古い言い方) (→木工頭(もくのかみ)、木工寮)
 もっこう:木材を使って家具や調度品などを作ること、作る人 (→木工品、木工所)

●盛り土、盛土
 もりつち:敷地の造成や築堤などのとき所定の高さにするために土を盛ること、その盛った土(普通の読み方)
 もりど:「もりつち」の建築や土木関係での読み方

●役所
 やくしょ:役人が公務を取り扱う所
 やくどころ:その人にふさわしい役目、与えられた役目 (→役所をわきまえた人、ぴったりの役所)

●役立たず
 やくたたず:役に立たないこと、そのような人・物
 やくだたず ← 役立たない

●櫓
 やぐら:一段高く作った構造物 (→火の見櫓、櫓太鼓)
 ろ:和船をこぐための木製の道具 (→櫓をこぐ、櫓脚(ろあし)、櫓綱(ろづな))

●夜中
 やちゅう:夜のあいだ、夜間 (→夜中遊行)
 よじゅう、よるじゅう:一晩中、終夜 (→夜中起きていた)
 よなか:夜のなかば、夜ふけ、夜半 (→夜中まで起きている)

●夜半
 やはん:(普通の読み方)
 よわ:(文語・雅語的) (→夜半の月、夜半の寝覚、夜半の嵐、夜半の煙、夜半の関守)

●破れ
 やぶれ (→衣服の破れを繕う、破れ障子)
 やれ:やぶれたもの、やぶれたところ。印刷で刷り損なった紙(→破れ団扇、破れ穴、破れ縁。インクがのらず破れが出る、破れ紙)
 *「破れ鐘」「破れ鍋」などでは「われ」と読む

●山女
 やまおんな:や山姥(深山に住んでいるといわれる女の妖怪)
 やまめ:サケ目の魚

●両班
 やんばん、やんぱん:朝鮮の高麗および李氏朝鮮時代の特権的な官僚階級・身分
 りょうはん:禅寺で東序と西序のこと(=両序)

●遊行
 ゆうこう:遊び歩くこと。さまようこと (→夢中遊行症)
 ゆぎょう:僧などが布教や修行のために諸国を巡り歩くこと。出歩くこと。歩き回ること (→遊行上人、遊行期)

●横手
 よこて:横に当たる方向、わき。秋田県の地名 (→舞台の横手、横手から入る)
 よこで:感じ入って両方の手のひらを打ち合わせること (→横手を打つ)

●来日
 らいじつ:今から来る日、あす、将来
 らいにち:日本に来ること

●礼拝
 らいはい:仏教で神仏を拝むこと
 れいはい:キリスト教などで神を拝むこと

●落書
 らくがき:書くべきでないところに文字や絵などをいたずら書きすること、その書いたもの (塀に落書する)
 らくしょ:政治や社会や人物などを批判・風刺した匿名の文書、おとしぶみ (→二条河原落書)

●利益
 りえき:もうけ、利潤。得になること
 りやく:仏の教えに従うことによって幸福や恩恵が得られること、神仏から授かる恵み (→観音様のご利益、現世利益)

●六体
 りくたい:漢字の六種の書体
 ろくたい:和歌の六種の形式

●六合
 りくごう:天地と四方、上下四方。世界、全宇宙
 ろくごう:体積の6合。山頂までの道のりの6割

●六部
 りくぶ:中国の六つの中央行政官庁
 ろくぶ:「六十六部」の略
 (六十六部:法華経を66回書写して一部ずつを66か所の霊場に納めて歩いた巡礼者。江戸時代に仏像を入れた厨子を背負って鉦や鈴を鳴らして米銭を請い歩いた者)

●立像
 りつぞう:立っている姿の像
 りゅうぞう:立ち姿の仏像名に使用されるときの読み方 (→地蔵菩薩立像)

●竜胆
 りゅーたん:リンドウの根及び根茎を乾燥させた生薬(健胃薬とする)。「りんどう」の古い言い方
 りんどう:リンドウ科の多年草

●両側
 りょうがわ:両方の側
 りょうそく:両方の側(医学など専門用語での読み方) (→両側同期性、両側回遊)

●両国
 りょうこく:両方の国
 りょうごく:東京都の地名

●冷泉
 れいぜい:人名(京都の名家)
 れいせん:(温泉に対して)25℃以下の水温の地下水

●連中
 れんじゅう:音曲や演芸などの一座の人々 (→長唄連中、お囃子連中、常磐津連中)
 れんちゅう:仲間、同じようなことをする者たち(親しみ、あるいは軽蔑を込めていう) (→会社の連中、こういう連中は度し難い) (「れんじゅう」と読んでも良い)

●和解
 わかい:争いをやめ仲直りすること
 わげ:外国文を日本語で解釈すること (→ハルマ和解、阿蘭陀本草和解)

●和布
 わかめ:海草の一種
 わふ:柔らかく肌ざわりのよい布


(2008年5月26日第1版、2008年6月10日第2版、2008年7月9日第3版、2008年8月20日第4版、2008年9月16日第5版、2009年6月29日第6版、2010年8月2日第7版、2011年1月26日第8版、2012年1月9日第9版、2013年2月24日第10版)