第2回 触って知るとは:触運動知覚の基礎

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第2回 触って知るとは:触運動知覚の基礎 (11月18日)

◆触覚の位置付け

●感覚の分類

@視覚
A聴覚
B灸覚
C味覚
D体性感覚 (身体の表面や深部にある様々な受容器による、自分の身体の状態や変化についての感覚)
 ・皮膚感覚 → 触覚・圧覚、温度感覚(温覚・冷覚)、痛覚
 ・深部感覚 → 自己受容感覚(四肢の位置や運動、関節の曲り具合、抵抗・重量等)、内臓感覚
 ・平衡感覚
E時間感覚

 このうち、〈触って知る〉ことのために不可欠なのは、皮膚感覚と自己受容感覚。さらに、平衡感覚と時間感覚も影響する。

●自己受容感覚
 自己受容感覚も、皮膚感覚などと同様、視覚からは独立した感覚であり、目を使わなくても、自分の身体各部の位置や動き、運動の方向、四肢にかかる力や重さを知ることができる。食事をしたり、簡単な機械を操作したり、おもちゃで遊んだりなどの多くの手作業が、視覚を使わない状態でもできるのは、この自己受容感覚が基盤となっているからだと言える。


◆触覚の定義

@狭義の触覚 (接触・圧力・振動の感覚)
A皮膚感覚
B皮膚感覚+自己受容感覚 → 触運動知覚

※この講習会で「触覚」とか「触知」という場合、多くはBの「触運動知覚」の意味で使っている。

●触運動知覚の能動性
 手や指が何かに触れただけで、まったく手指を動かさないとすれば、その物の表面の様子や形などはほんのわずかしか分からない。
 日常生活での触覚の重要な役割は、身のまわりの対象に触れ、手指を動かし(とくに全盲の場合は)様々に駆使しつつ、これを認知することにある。これはきわめて能動的な知覚過程であり、その意味で能動性は触運動知覚にとって必須である。
 触運動知覚では、ふつう手指による探索、すなわち自らのおこした手指の運動が前提となる。この探索運動は、触対象の特徴を把えようとする手指の合目的的な運動である。

※ 2点弁別閾: 2点を2点として感じることのできる最小距離。例えば指先の2点弁別閾は、研究者によって多少異なるが、2mmくらいとされている。しかしこれは静止状態における数値であって、実際の触知における指を動かしている状態ではこれよりかなり小さくなる(少なくとも1mmくらいにはなると思う。私は1mm刻みの目盛りのある物差しを使っている)。

●触知状態の分類

受動的
 @手指も物体も静止している (1回限りの点的な情報。順応により、刺激の強度も弱くなる)
 A手指が静止し、物体が動く (継時的な線的あるいは面的情報。物体の動きの方向や速さを自分で自在にコントロールできない限り、全体の形状や各部の詳細な情報は得られない。)

能動的
 B手指を動かし、物体は静止している (継時的な面的情報。もっとも触知力が高まる。)
 C手指を動かし、物体も動いている (様々な触感覚を統合して、物体についての全体的な特徴やイメージを作るのが難しくなる)

●触経験の蓄積
@何にでも触れる段階(おもに受動的。触感を楽しむ)
A触りまくる段階(手指を自由奔放に動かして触対象の細かな部分の様子や全体の特徴をとらえる)
B系統的に手指を動かす(全体と部分の関係を意識しつつ、目的に合せて手指を動かす)
C頭の中のイメージと触運動とを意識的に関連させる

※このような順序で、触知力が発達・深化していくと思われる


◆触覚と他の感覚の比較

@直接性と間接性
 触覚・味覚は、直接接触しなければ感じられない(注)。そのため、接触できない物(星や月などのような遠い物、高温だったり電流が流れていたりして危険な物)は直にはまったく感知できない。また、接触は対象物の状態を変えてしまう可能性が高いため、本当の姿を確認できないことがある(生物、シャボン玉や花など)。
  (注) 温度や震動は、赤外線や空気の震動などを介して、離れていても皮膚や身体で感じ取れる。また、触覚は極めてわずかな圧の変化をも感知できるので、空気の流れを敏感にとらえ、それを利用して、近切した人や物の通過、通路の方向や曲り角や空き地なども知ることができる。
 視覚・聴覚・嗅覚は、離れた所から何かの媒介物(光、音波、化学物質)を介して感じる。したがって、少くとも日常的なレベルでは、知覚活動が対象物に影響をあたえることはない。

A能動性と受動性
 上の特徴と関連して、触覚や味覚は、こちらから能動的に対象に接触しないと何の情報も得られないことが多いが、視覚・聴覚・嗅覚はこちらからの積極的な働きかけがなくても情報は入ってくる(もちろん、実際にそれが何であるかを認知するには、選択や注意が必要)。

B散在と局在
 触覚は、体表面全体に散在する。
 (触知では手指が中心になるが、実生活では、足裏の感覚、食物の舌触り、衣服の肌触りなど多岐にわたる)
 視覚・聴覚・味覚・嗅覚・平衡感覚は、特定の感覚器官に局在する。

C時間特性と空間特性
・触覚は、部分的・継時的。
 触覚(および聴覚)は時間的特性に優れていて、刺激の発生から認知までの時間が短く、いわば瞬間的といえるほどの刺激を継時的につなぎ合せてひとつのまとまった情報として読み取ることができる。
 点字の触読では、この触覚の特性が十二分に生かされている。
・視覚は、全体的・同時的。
 視覚は空間特性に優れていて、精密さはもちろんのこと、遠近や広がり(視野)においても素晴しい能力を持っている。例えば、目の分解能は2点について約1′(30cmの距離だと約0.1mm離れた2点を識別できることになる)。ただこのような能力が発揮されるためにはやはりある程度時間が必要で、瞬間的な刺激の変化にたいしては触覚や聴覚ほどには十分に対応できないようだ。
 (触覚では数百Hzの振動を感知できるが、視覚では50〜60Hzの蛍光灯の点滅でも識別できない)

D自己言及的
 触知では、触対象の形や表面の粗滑や温度を直接感知しているというよりも、触対象が自分の手指の皮膚に与えている変形や熱をまず感知し、それを介して触対象の性質について語っていると言える。
 例えば、ざらざらした物を静止した指の上で移動させて行くと、指の皮膚の伸び縮みの方向、皮膚の引っ張り感覚で、その物の移動方向が分かる。
 (静止した指の上で、 1mmの目盛りの刻まれた物差しを動かして、その動く方向を当てる実験。受講者の皆さんは、鉛筆などすべすべした物でも試し、動きの方向が分かることを確かめていました。)
 実際にどのような触感覚を経験しているかは、個々人の手の状態・環境に大きく依存しているように思われる。

※指紋も大切: 指紋の下部には神経終末装置に富む触覚小球(主にパチニ小体)があり、この部分の触覚はとくに鋭敏である。しかも指紋のしわは、物をつかむ場合には摩擦を大きくする働きをもっており、滑り止めの役割を果たしている。

※足裏の感覚: 見えない人の歩行の場合、足裏の感覚は、路面の様子の変化やランドマークを知るために、また、傾斜の変化や段差に合せて自分の身体を支えバランスを取るために、とても大切

●触覚の弱点
・一度に得られる情報量が少ない
 単位時間に受容できる情報量で比べると、触覚は視覚の1万分の1とされる
・分解能が大きい
 指先の 2点弁別閾と 30cmでの視力の分解能を比べると、視覚のほうが10数倍優れている。面積で考えれば、この差は数百倍になる。さらに視覚では色や明度の違いなども利用できるのでよりクリアな表現が可能になる。
・凹んだ部分、とくに5mm以下の指先の入らないような部分の触知が難しい
 (凹んだ部分や細かな凹凸については、針先や爪などを使うことで、ある程度様子を知ることができる)
・漏れが生じやすい
 触運動知覚では、手指の運動に従って継時的に情報を積み重ねていくことになるが、(とくに見えない人の場合)触対象についての一部の情報が欠落してしまうことが多い。触対象全体についての情報を得るには、手指を系統的にスキャンする技術が必要。もちろんそのためには、多くの時間も必要になる。


◆生理学的基礎

●無毛部(手指の掌側と足裏)における触受容器(機械受容器)の種類
@マイスナー小体(Meissner's corpuscle)
 真皮乳頭(表皮の下層に飛び出している)の中にある小体で、不規則に分枝して終わる有髄神経の終末が卵形の小包につつまれている。速順応型で、持続的な皮膚圧迫には急速に順応し応答しなくなる。触刺激による皮膚変位の速さを検出するのに適する。また40Hz以下の粗振動を検出するのに適している。
Aパチニ小体(Vater-Pacini corpuscle)
 真皮下層や皮下組織にある直径約1mmの大きい層状構造をもつ受容器。皮膚変位の加速度を検出する。すなわち、非常に順応が速く,200Hz前後の繰返し刺激を与えたとき閾値が最低となる。非常に感度がよく、接触のときまず興奮するのはパチニ小体と考えられる。パチニ小体は、皮下組織のほか、深部組織たとえば骨膜、骨間膜、内臓にも広く分布して、伝播してくる振動をとらえる。
Bメルケル触盤(Merkel's disc)
 無毛部表皮胚芽層にあるメルケル触細胞と、これに接する神経終末からなる。順応が遅く、持続する皮膚変位の大きさに比例する応答を示す。持続的接触すなわち軽い圧刺激を検出する。
Cルフィニ終末(Ruffini ending)
 ルフィニ小体ともいう。真皮下層や皮下組織にある小包につつまれた神経終末である。メルケル盤と同じく遅順応型の受容器で、持続的な皮膚変位の大きさに比例した応答を示すが、メルケル盤と異なり真皮層に存在するため、やや遠い部位に加わった変位たとえば皮膚がひっぱられることなどを検出するのに適する。

※有毛部では、これらに加えて毛盤と毛包受容器がある。各種の触刺激(触った瞬間、離した瞬間、一定の圧が加わっている状態、低周波の振動、高周波の振動、引っ張りなど)に対応して各種の受容器が特定されつつあるようだが、このような分析的なやり方で触知覚の多様な姿がどの程度把えられるのか疑問でもある。

●ウェーバーの法則
 Weber (1834)は異なる重さの物体を比較する心理実験を行い、感覚の強さにちょうど識別しうる差が生じるのに必要な2つの重量の最小差ΔSは基準重量Sに関係し、
ΔS/S=C(一定)
であることを示した。
 重さに関してはC=1/30であるので、30gと31g、90gと93gが識別の限界であるということになる。
 Cの値はウェーバー比と呼ばれ、例えば、触覚0.01-0.02、視覚(明るさ)0.02-0.03、聴覚0.07、味覚0.05-0.15、嗅覚0.2-0.4となり、値が小さい程弁別能が良いことを意味する。

※見えない人がコップに水などを入れていく場合、主に重さの違いを手がかりにする(熱の変化や音の違いも参考になる)。コップが重いほど、相対的に水の量の変化が分かりにくいことになる。

●スティーブンスの冪関数の法則
 感覚の強さ Iは、閾上刺激(S-S0)の n乗に比例する。
 I=k'(S-S0)^n (k: 比例定数、S: 刺激の強さ、S0: 最小刺激閾)
 nが 1より小さい時は、感覚の強さの増加は刺激が強い程変化が減少し、逆に n>1 の時、感覚の強さの増加の変化は加速度的に増加する。
 n=1 は物体の長さを視覚で評価するときに得られる。ちなみに nの値は、光(輝度)0.33、圧(手掌)1.1、電撃3.5、音0.67、味1.4、におい0.6などである。

※点の高さ、点の大きさ、点間隔などの違いによって、触感覚はどのように変化するのだろうか?

〈実験〉
エーデルを使って、点の大きさと点間隔の違いによる、触感覚の違いについての実験
 エーデルでは、点の大きさとして、小、中、大の3種類が用意され、点の間隔としては、小の点は 3〜20、中の点は 4〜21、大の点は 5〜22、というように、各点につき18段階で調節できるようになっている。
 (点の高さについては、エーデルのデータを打ち出す点字プリンタ ESA721に依存しており、ソフト的にはまったく調節できない)
 b5の用紙に、縦に同じ点の大きさ、横に同じ点の間隔が並ぶように配置し、点の大きさや点の間隔(およびその組み合せ)が、実際にはどのように触って感じられるか、受講者の皆さんと検討した。

小の点 3 5 7 9 11 13 15 17 19
中の点   5 7 9 11 13 15 17 19 21
大の点   5 7 9 11 13 15 17 19 21 23*

 * 23は補点で描いて大の点に変換したもの

実験に用いたエーデルのデータ

〈まとめ』
@小の点の3、中の点の5、大の点の5と7など、点の間隔がごく狭い場合には、他の点の間隔の場合と比べて点の高さが低くなりかなり弱い線として感じられる。(プリンタのハード的な問題)
Aとくに大の点の5と7で目立つが、連続した点の最後に打ち出された点(この例では左端)が強く高く出る傾向がある。 (プリンタの問題)
B点の大きさが大、中、小と小さくなるにつれて、触感覚も弱くなるように思われるが、実際には小の点は、とくに7や9の場合、鋭く鮮明に感じられる。点の高さが調節できない場合、点の大きさだけで触感覚の大小をコントロールするのは難しい。
C同じ点間隔の場合、小の点と中の点、とくに中の点と大の点の違いを識別するのにはかなりの時間と注意を要する。違いを伝えたい時には、小の点と大の点にしたほうが良い。
D同じ点の大きさの場合、点間隔が4以上違っていないと、違いが簡単には識別できない。
E連続した点の並びを触知上実線とみなすか点線とみなすかについては、だいたい、点の間隔が7以下の場合は実線、点の間隔が11以上の場合は点線と感じられる。


●感覚の順応
 同じ強さの刺激を感覚器に持続的に与えていると主観的感覚の強さが次第に減少して、一定値に近づく。これを順応と呼ぶ。
 触覚、嗅覚は順応が速く、痛覚や深部感覚は順応が遅い。眼鏡や帽子の着用は時間の経過とともに意識しなくなるが、靴の中の小石による痛みはいつまでも続く。これは前者が順応の速い触覚によるものであり、後者が順応の遅い痛覚によるためである。

※同じ太さの、滑らかな線と連続した点線を比べると、点線のほうがはるかに鮮明に触知される

●対比(contrast)
 ある刺激によって起こる知覚は、空間的(あるいは時間的)に異なる第2の刺激によって影響される。そのような状況では、促通あるいは抑制効果が見られる。
 例えば一定の明るさの灰白色の小さい紙面の感覚的明るさは、その紙を黒い大きな紙の上に置くときより明るく(白く)見えるし、もっと白い紙の上に置くときは暗く見える。この現象を同時または空間対比simultaneous or spatial contrastという。灰白色の紙が大きいときは、黒い紙と接する部分が中央の部分よりより白く見えるし、また白い紙と接する場合はより黒く見える。この現象を辺縁対比border contrastという。また、白い紙を見て次に黒い紙を見ると黒い紙はいっそう黒く見え、黒い紙を見て次に白い紙を見ると白い紙はいっそう白く見える。この現象は継時または時間対比successive or temporal contrastといわれる。

※触図でも、線や面の分かりやすさは周りの線や面によって影響を受ける(抑制的な場合に注意)。
 近切した2本の線の違いは、離れている時よりも分かりやすくなることが多い。
 2種以上の面記号が接する時、境界付近がぼやけて境界線をたどれないことが多い(とくに境界がカーブしている時)。 面記号の間にわずかな空白を入れるか、境界線を引いてその両側にわずかに離して面記号を入れるとよい。


◆心理学的基礎

●図と地
 視野に二つの領域が存在するとき、一方の領域には形だけが見え、もう一つの領域は背景を形成する。背景から分離して知覚される部分(形)を「図」といい、背景となるものを「地」という。図と地の関係は視覚だけに限らず、聴覚におけるメロディーと伴奏など、他の感覚においても認められる。触知においても図と地の関係は識別できる。
〈ゲシュタルト心理学の図の群化の要因〉
@近接の要因
 互いに接近している要素はまとまって知覚される傾向にある。
A類同の要因
 互いに類似している要素はまとまって知覚される傾向にある
B閉合の要因
 閉じられた領域は1つのまとまりと知覚される傾向にある。
Cよい形の要因
 四角や円など、よい形がひとまとまりとして知覚される傾向がある。
Dよい連続の要因
 滑らかな、連続を示すものは、まとまって知覚される傾向がある。
E共通運命の要因
 この要因は要素の運動に関わるもので、同一方向に動くものは1つのまとまりとして知覚される。

※触知においても、これらの要因の効果をほぼ確かめることができる。(私が、これらの要因に対応した、触ってもひとまとまりの図として認知できるような簡単な図を黒板に描き説明した。)
 触知においてこれらの要因が有効にはたらくようになるには、ある程度の経験と訓練が必要だと思われる。とくに、頭の中で、触覚情報のない部分についてイメージしたり運動方向についてイメージできるようになることが必要。
 このことは、見える・見えないにかかわらず、認知の仕方の共通性を示しているようにも思われる。


[以下は、情報処理・認知過程一般について言われていることで、点字の触読や触図・立体物などの理解にも十分参考になると思う。]

● パターン認知(pattern cognition)
 パターン認知:様々に形態の異なるものを同じ一つのものと知覚すること
 (例: 同じ手書き文字でも形は異なるが、同じものと知覚)

@鋳型照合モデル
 ・記憶内に入力パターンと対応する各種の鋳型が蓄積
 ・刺激が入ってくると、鋳型と一つ一つ照合する
【問題点】
 鋳型がいくつ合っても足りない
 形がかなり歪んでいても同じものと認識できることを説明できない

A特徴抽出モデル
 ・複数段階の処理を仮定
 ・特徴に関する分析・統合→記憶との照合→認知

●無意識的推論 (または文脈効果)
 無意識的推論:不確定な感覚情報を過去経験と結びつけて、素早く一つの解釈に至る過程。過去経験や期待や知識が影響する。
例:多義的な網膜刺激を、規則的で単純な同じ形として見る
 文脈効果: 情報処理において、対象が文脈に適合するものである場合は、その認知が促進されるが、適合しない場合には、認知の遅れや誤認といった負の効果が生じる。文脈効果は、当該刺激が曖昧な場合に明瞭に認められる。

●情報処理の2型
トップダウン処理(概念駆動型処理)
 ・期待が先行し、その期待に即したデータの分析から開始される処理 (高次から低次へ)
 ・図と地の文化が困難だったり、一部が欠落ないし不正確な場合に効力を発揮する
 ・認知的バイアスやエラーを生じさせることもある

ボトムアップ処理(データ駆動型処理)
 ・刺激に依存し、部分的特徴抽出の積み重ねから全体の認知に至る処理 (低次から高次へ)

※図や立体物の触知においてばかりでなく、点字の触読においても、この上向・下向の両過程を常に併用しており、いわば織り出すようにして、(その人にとって)十分に意味の通るものにしようとしている。

●選択的注意――カクテルパーティ現象
選択的注意:特定の刺激情報だけを選択的に知覚する
カクテルパーティ現象:騒がしいパーティ会場で呼ばれた自分の名前が聞き取れる