ハチクイ(BEE-EATER)

 ハチクイ科はその特徴的なクチバシと鮮やかな色彩を持つものが多く、バーダーを魅了する鳥である。そのスリムで長いクチバシはハチクイ(BEE−EATER)の名前どおり、ハチを捕らえて食べる習性の産物である。食性は昆虫であり、蝶も食べる。しかし好物はハチであり、ミツバチ(bee)、クマンバチ(hornet)、スズメバチ(wasp)などである。この長いクチバシに捕らえられたハチはいくら捕食者に向かって針を刺そうとしても届かないのだ。ハチクイとはまた違った歪曲をもつが、多少よく似たくちばしをもつハチドリは花の蜜を吸うという点で似たような形に収斂している。どちらにしても鳥のクチバシの形というのは非常に面白く、ダーウィンがガラパゴス諸島のフィンチのクチバシがそれぞれ異なることから進化という考えが芽生えたのは有名である。それくらい鳥のクチバシの形は面白い。

 ナイバシャ・カントリー・クラブの広大な庭を桟橋方面に歩いていき、桟橋の手前で左の森の方に歩くようにするとやがて草食動物が群れている低灌木帯に入る。ここでは草食動物が自由に群れているから、糞がいたるところに落ちていて、特に乾燥している糞は踏まないように歩くことが不可能なほど密集して落ちている。逆に言えば、ウォーキング・サファリといっても過言でないほどあちこちに草食動物が群れていて、シマウマ・トムソンガゼル・インパラ・ウォーターバック・バッファロー・キリン・ケープウサギなどがいる。肉食動物はいないからまあ数少ないバッファローに近づかないようにすれば目線で動物たちに近づくことが出来るのでオススメである。やはりサファリカーよりも自分の足で草食動物に近づいて撮影するのは楽しい。
 少し話しは飛んだが、ここの低灌木帯では探鳥も楽しい。すぐ近くのナイバシャ湖の水鳥もよいが低灌木帯にこれば小鳥たちも多いからだ。ここでシロビタイハチクイ(White-fronted Bee-Eater)によく出会った。この鳥は警戒心が強くて30mほどの距離まで詰めると逃げていってしまう。それでも少し離れて待っているとやがてまた同じ木の低層にもどってくるから根気よく撮影すれば撮れないという最悪の事態だけは免れる。ただ距離があるのでデジスコでもなかなか満足な写真にならない。せめて20mくらいまで寄せて欲しいし小さな鳥で30mほどあるといくら超超望遠のデジスコでも最初からあきらめムードで臨む。どうしても空気の層が厚くなり、なおかつ高倍率にすればするほど画質がどんどん低下するから。


※シロビタイハチクイ

 ナイバシャ湖でのハチクイはこのシロビタイハチクイだけだったが、あまりうまく撮れずにいた。ハチクイはとても綺麗なのでなんとか鮮明に撮りたいなぁと悩んでいたが、サンブルで別のヒメハチクイ(Little Bee-Eater)を近距離から鮮明に撮れたので満足した。
 サンブルはサファリのフィールドに出たほうが鳥とたくさんあえるが、泊まったサンブル・セレナ・ロッジ周辺は正直言って鳥が少なかった。ロッジの裏手のフェンス沿いの道を歩いていると突然綺麗な鳥が二羽飛んできてすぐ近くの低い木のてっぺんに止まった。クチバシの形から
「ハチクイィィ!」
とすぐにわかって、さっそくカメラの電源を入れてMFピントを合わせる。これほどのチャンスはないので「飛ばないでくれよ」とドキドキしながら祈る。構図を決める。近すぎて一番低倍率でも全身が入らない。尻尾が切れるのは目をつむりピントを合わせる。ちょうど太陽を背にしているので鳥が順光となっていて美しい。静かにレリーズを半押しして一枚撮影する。こうなると少し気分が楽になってきて、二枚目からはできるだけよい表情を撮影するためにレリーズを半押ししたままじっと辛抱する。3枚撮ったところで飛び去ってしまったが、そのうち一枚は顔が真横に向いていて色彩美が堪能できるとても満足する絵になった。


※ヒメハチクイ


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