ネズミドリ(MOUSEBIRDS)


チャイロネズミドリ


 アフリカの鳥は非常に個性の強いものが多いが、ネズミドリもその一つになる。分類学的にもDNA分析的にも「ネズミドリ類に近縁な仲間は現生の鳥類にはいない。・・・古代に分岐したグループの遺存種である」と結論されている。
 サハラ砂漠以南のアフリカにしか生存しておらず、頭に冠羽があり尾が長い。社交的な鳥で小群で藪や低木の間を出入りして逆さまにぶら下がることもよくする。ネズミドリ類の足は「皆前趾足」といい、前足が第一指から第四指までがすべて前を向いている形である。ただし、第一指と第四指は後ろ向きにも向けることができる。
 樹上を起用に動き回ることができ、果実、花の蜜、木の葉などを食べている。ネズミドリという名前の由来は体羽がやわらかいためボサボサしていてネズミのように見えるためだ。これは羽鉤(はねかぎ)と呼ばれる、羽同士の結びつきを強める構造がないことによる。従って、羽の強力な防水機能も貧弱で激しい雨などで寒さのあまり死んでしまうこともある。おそらく、分岐学的、DNA学的にもかなり古い鳥の遺存種とされている通り、古代の鳥の羽構造もこうした貧弱なものだったことは容易に想像できる。彼らも雨で体温が急激に下がることで多くの生命が失われてきただろうし、この対策として現生の鳥の多くがもつ、羽鉤構造が発達する要因になったはずだ。

 この鳥を見たのは、サンブル国立保護区であった。朝、夕のゲームドライブ(つまりサファリのこと)の間はロッジで自由な時間になる。だいたい何処の場所も動物が活発に動く朝夕にサファリをして、動物が非活動的になる昼間はサファリもせずにそれぞれロッジでくつろぐのがほとんどである。このときはプールに入る観光客もいれば、昼寝をする人もいるし、ビールを飲んでくつろいでいたりしている。僕はどこでも探鳥機材をもって、ロッジ周辺の鳥を撮影していた。ゲームドライブをする低灌木帯は鳥がとても多いが、日中のサンブルセレナロッジ周辺は鳥が少なかった。その中でフェンス内にある裏手の森の中でアフリカシラコバトは二羽並んで寝ていた。そのシラコバトを撮影していたら、何か動く鳥をみつけたので、デジスコで撮ってみることにした。葉が生い茂っており、しかも動くのでなかなか難しい撮影になったがとにかく証拠写真レベルでは撮れた。後から調べたら、シロガシラネズミドリだった。カラ類のように枝にぶら下がったりしながら移動していた。


※シロガシラネズミドリ

 サンブルの最後の日、朝にゲームドライブをして朝食を食べにロッジに向かう途中でとても綺麗な囀りがきこえてきた。車を停めてもらい、撮影することにした。アオエリネズミドリという鳥だったが、20羽くらい集団で日光浴でもしているようでじっとしていて身動きしない。それでいて、集団でずっと囀っていた。単調な音の連続であるが、とても高音で綺麗な鳴声で心地よい響きである。朝食が終わる時間も迫っているし、すぐにナイロビに向けて移動しないといけなかったので、5分くらいで切り上げざるを得なかったが、もっと観察していたかった。


※アオエリネズミドリ



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