サケイ類(SANDGROUSE)

 何故かこの鳥は比較的乾燥した不毛の地を選んで生活している。ここでは紹介できないが、ササフサケイになると砂漠で生活するのだ。このような生息環境を好む鳥だから水分をあまり必要としない。とはいっても水分を全く必要としないわけではないので、水を飲むことは飲む。しかし多くのサケイ類は1日に1〜2回飲むだけで大丈夫なのだ。しかもこのサケイ類のえらいところは、オスが密になっている腹部の羽毛に水分を含ませて雛に水を与えるために持ち帰るのだ。
 サケイは力強く飛ぶことが出来るが、乾燥地帯を常に流浪して生活し、雨に遭遇するとその場で繁殖に入る。地上のくぼみに3個ほどの卵を産む。孵化した雛はすぐに自分で餌を探すことが出来るが、飛ぶことが出来ないためオスが雛に水を運ぶ必要があるのだ。水場についたオスは腹を地面にこすりつけて防水の役割をしている脂分を落とすことからはじめる。この後、自分の必要とする水を飲む。鳩のように水にクチバシをつけたまま吸い上げることが出来ないので、クチバシで水をすくって、顔を上げて水を喉に通すのだ。
 羽毛は密になっているのでスポンジのように水分を吸収することが出来る。こうして雛のもとに飛んでいくが多くは水分が失われてしまうという。それでも雛は残っている羽毛から水分を吸いとって生きのびていく。この後、オスは再び砂浴びをして濡れた腹を乾かすのだ。この作業をオスは2ヶ月ほど毎日続けるという。

 サンブルではじめてサケイ科の鳥に出会った。ハトを一周り〜二周りくらい大きくしたような体形で、大半を過ごす乾燥した大地に同化するために地味な体色で、はっきりいってこれといって人の心をつかむような美しさを持っているわけではないが何故かこの鳥のファンになった。なぜだろう?と帰ってきてからツラツラ考えてみるに、おそらくその表情の愛らしさが僕の心を捉えたのだと思う。
 このサケイ類は人をあまり恐れないので、サファリの場で出会うとすぐそばまで近寄れる。ドライバーはこの鳥をみつけると「SANDGROUSE」といって止まってくれる。僕がバーダーなのを知っているので、鳥を見つけては止まってくれるのだ。はじめて出会ったとき、「なんかさえない鳥だなぁ」と思っていたのだが、車が止まるとこの鳥もじっと立ち止まってこちらを「じーーーっ」と見つめてくる。ほんとに身動きしないでただただ「じーーーっ」と見つめてくるのだ。
 一度、「SANDGROUSE」といって止まってくれたとき、それはあまりにも近くて車のすぐ横下にいた。デジスコで狙える最短距離3mくらいでじっとしている。近すぎて上からは狙えないので運転手の窓越しに撮ることにした。


※近距離からクロビタイサケイ(オス)


※クロビタイサケイ(メス)

 たくさん写真が撮れたので僕らもそろそろ移動したいのだが、なにぶんこのクロビタイサケイ君たちはひたすら見つめていて一向に歩き出す気配がない。さすがに痺れを切らして移動するために車のエンジンをかけたら、案の定「びくっ」とさせてしまい申し訳ない。しかしこの鳥はみかけによらずマジかわいいです。もし出会ったら見つめあってください。サンブルでは川が流れているので、水を飲むのはこちらの川まで出かけるのだろう。比較的安定して水分を供給してくれる川がある分、砂漠で生活しているサケイ類より恵まれているかもしれない。

 水分を大事にかかえて愛する雛のもとへ飛んでいき、あるいは夫婦で広大な乾燥地帯を水分を求めて一生懸命にテクテク歩いている姿を想像すると、「また会いたいなぁ」という強い欲求が生じてきてどうしようもなくなる。

 最後にクロガオサケイの写真をアップしておきます。




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