エボシドリ(Turaco)

  鳥の分類学の世界では、カッコウとエボシドリは陸鳥のなかでも最も原始的な部類に入ると考えられている。ここではエボシドリを取り上げる。
 エボシドリ科はアフリカにのみ生息する中型の鳥でそのほとんどが森林性である。分類学の父といわれるリンネの時代からカッコウ類とエボシドリ類との近縁性を結びつける考え方があった通り外見はカッコウ類に似ている。ただしカッコウ類は外側の指が常に後ろ向きになっているのに対し、エボシドリ類は自由に向きを変えることができる。

 エボシドリは現在はアフリカに生息が限られるが、エボシドリ科と思われる化石がヨーロッパから出土していることを考えれば、かつては広く分布していたことを示唆している。

 エボシドリは僕もかなりアフリカに行っているが、なかなか会えていない。オウカンエボシドリ(Hartlaub's Turaco)がマサイマラにあるフィグ・ツリー・キャンプのブッシュ状になっている庭でみかけた。深みのある緑色が独特で頭の冠と合わせてすぐにエボシドリだとわかったが、ロッジの部屋から出てきた僕をみるなり飛んで逃げるわけではなく、木の枝から枝を小走りに走ったりジャンプしながらすばやく移動して行った。こうした木々の間の歩き方もエボシドリの特徴の一つでもある。
 オウカンエボシドリをたくさん見かけたのは、旅行記にも書いたがケニア登山の熱帯雨林のエリアでよく見かけた(高度によって植物相・動物相がガラリと変わっていく)。道路を歩いているとあちこち飛び回っていて、ディスプレイ用に使う赤い色が目立つのでハッとさせられる。エボシドリが飛ぶときに見せる羽根の赤い色は本当にきれいなので、枝に止まっている姿だけでなく、是非その飛行中の色に魅せられてほしい。ちなみに、「ケニア登山記7」に書いた文章を再掲しておく。飛ぶ姿をみた人ならきっと僕と同じ意見を持ってくれると思うのだ。

僕は登山で歩いているときにこの鳥が飛んでいるのを見ると、よく「すごくきれいな鳥だね」とシーザーにいっていた。 
                                       「ケニア登山記7」より



 ちょっと検索していたら、掛川花鳥園の公式ブログにあったので、以下にリンクしておきました。ケニア山登山では、このオウカンエボシドリが近くをあちこち飛びまわっているのですが、本当にきれいで見とれてしまうんです!
http://kamoltd.blog110.fc2.com/blog-entry-816.html



 フラミンゴがその食べ物スピルリナ(藻の一種)を食べてあのピンクが作られるように、エボシドリの緑色と赤色は、その食べ物から摂取した銅(copper)から作られる。特に鳥の緑色は唯一の色素による色となっている。他の鳥の緑色はいずれも羽根の非常に細かな構造によって光の屈折が作りだす色である。
 従ってエボシドリの若鳥は羽が成長と同じような色になるまでに1年くらいかかることから、自然界では必要となる銅を摂取するのにそれくらい時間がかかっていることを意味している。



オウカンエボシドリ(Hartlaub's Turaco)
 〜ケニア山登山・メッツステーションホテル 2011年9月(飛ぶと赤が美しいです)


 白黒の地味なエボシドリ科の鳥であれば、サンブルでも見かけた。サンブル・セレナ・ロッジに泊ったときには、食堂にいたウエイターが手渡しでシロハラハイイロエボシドリに餌をあげていた。かなり人慣れしている。この鳥の色は地味だが、トサカが素敵である。
 なお、シロハラハイイロエボシドリも仲間に入るシロハラハイイロエボシドリ亜科では、英語で「go-away bird」と呼ばれる種が多いが、


The call of the Go-away Bird sounds as if it is saying 'go'way - 'go'way
(管理人訳)
ハイイロエボシドリの鳴声はまるで「Go way Go way」と言っているように聞こえる。


と記述されている本もあった(「Safari Guide To East African Birds」)。
※この本は写真がとれも綺麗でお勧めしたいのですが、今では中古本でしか買えないみたいです。しかもamazonとかで見てるととても値が張ります。



シロハラハイイロエボシドリ(White-bellied Go-Away Bird)
 〜サンブル・セレナ・ホテル 2005年7月。少しトサカがわかりにくいかな



シロハラハイイロエボシドリ(White-bellied Go-Away Bird)
 〜サンブル・セレナ・ホテル 2005年7月。いつものデジスコ撮影。トサカが魅力的!



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