オカメインコ考

 オカメインコを雛から飼ったことがあるが16年も生きてくれた。ここまで生きると愛着がわくというレベルではなくて家族そのものになる。もしそういう感覚が生じないならたぶん動物を飼わないほうがいいでしょう。
 オカメインコはおとなしくて優しい生き物である。たまに怒るし、本気で噛まれると血もでるけど、それでもおとなしいとしか形容しようがない。はじめにセキセイインコや文鳥を飼っていて、もうすこし大きくて飼いやすい鳥を選びたかったらオカメインコを勧めることにしている。雛のときが一番神経を使うけど、この時期の体験がないとなつかないし、今後鳥とつきあっていく上で可愛いという感覚が薄れていくかもしれない。まあ、それでもインコ類ではなついてなくても、他の手乗りの鳥と遊んでいるとそれを見ていてなついてくるものも少なくない。それでも「鳥を飼うには雛から」がモットーである。
 オカメインコを雛から育てるときに一度大失敗をしたことがある。一ヶ月くらいまで育ってきて、充分手乗りになったのはよかったけど、人間が食べるものに興味をもちだし、白米をたまにあげるようにしていたらアワを食べなくなりだし、しまいには急に痙攣を起こして動物病院に連れていって注射を打ってもらっても助からずに死なせてしまったことがある。「栄養失調です」といわれたときは罪を犯したと思った。無知とは恐ろしいものだといまでも思い出すとゾッとする。あのときの痙攣して苦しんでいる姿は忘れられないなぁ。それ以来、人間の食べるものに興味をもっても果物以外はあげないようにしている。
 さてこれはオカメインコに限らないが、一日は「食う・寝る・遊ぶ」で終わる。「遊ぶ」といってもだいたいは「破壊活動」と読み替えても結構。タタミをガリガリ。柱をガリガリ。本をガリガリ。破壊できそうなものを見かけると、目がキラッと光り、ガリガリガリ・・・。
 人間のやるような勉強は当然しません。たまにテレビで簡単な算数の問題をだして、やらせのように鳴き声で答えたりとかしている動物がいるが、ウチの鳥どもは「1+1は?」と問いかけても無視してガリガリやるだけである。たとえマグレか偶然でもいいから「ピッピッ」と二回くらい鳴いてくれてもいいのに。本当に2であろうが無限大であろうが興味がない。マンガの世界だったら、「標数2の代数多様体上では、1+1は0であり・・・」などと純粋数学理論を述べる鳥とかできそうであるが、現実では興味があるのはただただ「食う・寝る・遊ぶ」だけだ。
 勉強モドキといえば、人間の話しかけることをじーっと聞いていて、あるときそれと同じ鳴き声を出すくらいかな(最初はぎこちなけど、だんだんサマになってくる)。鳥に人間の言葉を覚えさせるコツは、人間が彼らの友達だと思わせることにある。なついてない鳥に人間の言葉を覚えさせるのは無理。
 なついている鳥を飼う人ってみんなそうなんじゃないかな?と思うけど、肩の上で首を背中に突っ込んで寝てしまうと困るよね。少しでも動こうものなら目覚めてしまうし、僕の体はしびれてくるし。


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