【第29回千歳JAL国際マラソン 天気 雨→曇り 2009年6月7日(日)】


フル 非公認コース

 3月1日の篠山ABCマラソンで地獄を味わって、ようやくリベンジする日がきた。本当は4/19のかすみがうらマラソンでリベンジする予定だったが、直前の肉離れ再発で無念だが辞退した。フルマラソンともなるとかなりの走りこみをしないといけなくて、僕にとっては故障になるかどうかの駆け引きが始まる。かすみがうらのときは、この直前の走りこみが過負荷となって再発したのである。
 一ヶ月前から休日になると20kmほど走りこみ、いつもの右足大腿部の肉離れが再発しないことで自信をもった。本当は一ヶ月前であれば、30kmほど走りたかったが、20kmほどで「あっ、やばいかな?」という感覚があったので控えざるを得なかった。ようやく1週間前の土曜日に25km、日曜日に20km走ることができなんとかフルを完走できる手ごたえをつかんだ。
 ただしまったく怪我がないわけではなく、アディダスの靴を購入したがサイズが合わずに左足親指がやられて内出血状態となった。左足親指の爪は中学生のサッカー部のときにはがしてから慢性化していて、今まで3回はがしている。そして今回まだ爪ははがれていないが、やがて基部から新しい爪が押し上げてきてはがれるのは時間の問題だ。爪は内出血のため紫色になっており、初期段階は非常に痛いがやがて痛みはなくなってくる。フルマラソン当日はもう痛みがなくなっている頃だったので助かった。ちなみにこのアディダスの靴は自分にとても合っていると思われたので、再度+0.5cm大き目のものを買って今回に臨んだ。

 そんな状態で6/6に北海道入りした。名古屋は暑かったので半袖であったが、こちらではまだみんな長袖である。天気予報をみると気温は14時ですら16.2度であった。肌寒いが走るにはよい気温である。さて、天気予報は6/6〜7にかけて雨時々曇りとなっている。雨の中走るのは気が滅入る。「やれやれ」と思うがみんな同じだから文句は言うまい。
 6/6の14時ごろに千歳市のホテルにチェックインした。そして大会の受付が前日にできるので、さっそく行くことにする。歩いて20分ほどかかるが、いかにもジョガーの格好をした人たちがゾロゾロ歩いている。横断歩道橋には「歓迎 千歳JAL国際マラソン」の横断幕が掲げられている。そして向こうからすでに受付をした人たちがもどってくる。明日はこの街は1万人を超えるジョガーが参加する。すでに前日の土曜日ですらたくさんのジョガーが賑やかに約9万3千人のこの街の住人の一部となって活気を作り上げようとしている。

 スポーツセンターアリーナで受付をする。建物の前でどこかから集めてきた雪で、約1.5メートルほどの雪だるまが作られている。きれいな清流が流れていて、その付近ではテント泊をするのか、いくつかのテントが構築されている。いろんなランナーが受付にやって来るが、若い女性たちがたくさんきているのに感心した。さすがにヴィトンのバックをした少しおしゃれな若い女性も受付をする建物にはったときは唖然としたが。人は見かけによらないもんだなぁ。
 「がんばってください」という言葉とともに大会プログラムとかタオルとかいただく。このタオルはデザインがいい。大会キャラクターのラン坊(黄色いヒグマに見える。。。)がかわいいですね。そして大塚製薬のキャラバンでクイズに答えてアミノバイタルをいただく。
 その日はあまり無理せず、ビールと多めの水分を飲んで早めに寝た。すでに外は雨が降っていた。

 6月7日、7時に起床して外をみると依然として雨が降っている。スタートは10時10分なので、8時には食事を完了してアクエリアスを一本飲んだ。食事はおにぎり2個とコンビニで買ったみたらしとバナナである。後はいつものようにゼリー状のアミノバイタルをスタート時間の30分前に飲むだけだ。
 9時15分頃に会場に到着し、着替えをするためにスポーツセンターアリーナの2階にいくが、すでにあまり場所がなかった。なんとか空き場所をみつける。
 9時半ごろにランニング用のポンチョ(アシックス製)を着て外に出る。9時時点の気温は14.7度とやや寒い。おまけに冷たい雨が降っており体感的にはもう少し寒いと感じるが、走れば暑くなるのでまあこれぐらいで結構。
 スタート地点にむかってぞろぞろとみんな歩いている。結構、歩く。歩いていると3kmの部のランナーがやってくる。3kmのトップは横をゾロゾロ歩いているフルの人たちから拍手をもって迎えられる。大人も小さな小学生の子も雨に打たれてびっしょりになりながら懸命に走っている。
(力をもらったよ。ありがとう)

 スタート地点にいくが、すごい人でスタート地点から100mほど後方でスタートすることとなった。スタートするとランナーたちからいっせいに拍手が沸きあがる。この瞬間が大好きだ。なにか困難なものに対して自分をチャレンジすることができるその起点。いつもワクワクする気分を感じることができる。これから対決していかなければいけない自分自身との戦いの起点。

 とにかく人が多く、スタートラインまでずっと徒歩だった。スタート地点にあるテントではJALのアテンダントの服をきた人や、ミス何とかという人たちが笑顔で手をふっていた。
 スタートラインを超えてようやく走り始めるがとてつもなく遅い。しかも相変らずマンモス大会ではどこでもそうだが抜けない。結局抜けない状態が約4kmまで続いてようやくバラけだした。ここからペースアップして抜きながら進む。途中水溜りがいっぱいあるので、靴がどうしても濡れていく。最初の5kmでラップをとると28:01秒である。遅い。

 コースの高低図については大会のものより拝借する。


(高低図)

 スタート地点から約ハーフの地点まで155mほど登り、そこから下ってくるようなイメージである。途中、何度か小さなアップダウンが発生する。まず最初のアップダウンが2〜4kmの間にあるがこの下りがとくにこわかった。練習でも経験していないような急激な下りで、しかも雨になっている土の道を降りるのでなんだか滑って転びそうな感覚に襲われた。それ以降は10km地点の登りが「ああっ、登っているなぁ」という感じに襲われる勾配であるが、それ以降はあまり登りを感じさせないゆるやかなものである。
 以下に5kmごとのラップを刻んでおく。
 5〜10kmまで24分13秒(10km地点を52分14秒で通過)
 10〜15kmまで24分25秒
 15〜20kmまで24分35秒(雨がやんでいたのでこの区間でポンチョを脱ぎ、ウエストポーチにくくりつけた)

 20km地点のタイムが1時間41分15秒である。このタイムをみて後半は3時間30分を切ることを意識した走りとなった。約22km地点で折り返し地点になる。折り返してみてびっくりしたのは、意識しなかったが意外と登ってきてたんだなということだった。つまり折り返し地点から適度な傾斜のある坂を下っていく感じになる。
 下りは勢いにのってストライド走法に切り替えて重力を利用して下っていった。従ってラップをみても30km地点まではスピードがあがっているのがわかる。
 20〜25kmまで23分57秒
 25〜30kmまで23分45秒

 ただし調子がよかったのはここまでだった。特に32km地点から急にズシッと脚が重くなった。両足の大腿部がいやに重くて自分の足じゃないみたいだ。
(キタキタ30kmの壁が〜)
と思った。あと10km持つだろうか不安になってきた。またずっと下ってくる途中で靴があっていないのか右足の親指が靴にぶつかっていて痛みが走っていた。感覚からすると、左足と同じように爪がやられているはずだ。
 さて30kmを過ぎてくると歩いている人をよく見かけるようになる。それならまだしも前に走っていた人が辛そうだなぁという動きを見せた後、急に歩き出す姿をおそらく10人以上はみた。
 心の中で(頑張れ〜)とおもうが、かくいう自分も相当ツライ状態となっている。目の前で歩き出す光景はまるで(おい、そんなに頑張ってないでお前も楽になれよ)という強烈な誘惑となって僕の心の中を支配しようとする。
(嫌なんだ!!!)
と何度も叫んでいた。自分自身に負けるのが嫌なんだ。社会で、あるいはプライベートでみな楽なほう楽なほうに流れていく姿をみていて、自分がああいう生き方をするのは絶対に嫌なんだ。努力しない人間が嫌なんだ。とにかく「嫌なんだ」とおそらくこのマラソンをしているときに100回は心の中で叫んでいた。ここで歩いたら絶対に後悔する。
 30〜35kmまで24分45秒とガクッとさがった。35km手前から舗装道路にでて、そこからしばらくいくと急激な下りとなる部分で稼いだことを考慮しても24分45秒は相当に失速している。失速しているのはわかるが、脚がどうにもならない。2回ある信号待ちの部分も運よく引っかからずに走り続けることができた。脚が棒になっている状態を考慮すると、ここで止まったら二度と走れないような気がしていた。とにかく止まったら終わり。歩いたら終わり。そしていつものように辛くなると(嫌なんだ)と叫び続けていた。
 とにかく35kmからゴールまでが苦しかった。40km地点のラップは忘れていた。意識も冷静な思考ができなくなっていてラップを押すことを忘れていた。1kmがとにかく長い。しかも3時間30分を切るか切らないかの戦いがずっと続いていて、35km地点ではとにかく1km5分のペースができれば切れるとわかっていた。ただただ1km5分のペースを維持するために必死になって腕を振り、動かない脚を前に出し続けた。

 大会プログラムの運営役員をみるとものすごく多くの人がこの大会を支えているのがわかる。給水係員の半分以上がJALの職員であるため、きめ細かなサービスはさすがである。どの給水所でもアミノバリューやスポンジなどをお世話になりましたが、素敵な笑顔やかけ声とともに手渡ししてくれたりとてもありがたかった。そして40km地点にあるこうした給水所で(もうこれで温かいもてなしもおしまいか〜、寂しいな)と思いながら、すでにズタボロになっている身体を引きずるように残りの2kmを駆けぬけていった。 


 【公式記録】
グロスタイム: 3時間31分45秒
ネットタイム:  3時間29分34秒

総合順位   302位 (2371人中)
種目別順位 162位 ( 966人中)
通過点 START 10K 20K 30K 40K ゴール
通過タイム 0:02:12 0:54:25 1:43:27 2:31:09 3:20:51 3:31:45
ラップタイム 0:52:13 0:49:02 0:47:42 0:49:42 0:10:54

※右足親指の爪はやはり内出血とともに少し剥がれていました。いま痛いですがあと1週間もあれば痛みも消えていくでしょう。


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