TopNovel未来Top>キスから、夢まで。・10


…片側の未来☆梨花編その2…
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 指と指が触れること。手のひらを重ね合わせることで伝わってくるお互いの気持ち。

 目で見ただけでは絶対に分からなかった、言葉で形容しようのない感覚。それはあっけないほど簡単に私の前に舞い降りてきた。

 

「……じゃあ、ここで」

 駅のロータリーまで辿り着いて、ゆっくりとつないだ手を解かれる。じっとりと湿った自分の手のひらが夕方の風にひんやりとさらされた。そのまま、ぎゅっとグーの手になる。この想いをひとつもこぼさないように。

「うん、……また明日ね」

 夕日に照らし出された街並み。見慣れているはずの風景が今日はとても切なく見える。約束されたはずの明日がもどかしくて、心許なくて。何か……もっともっと、がっちりとつなぎ止めるものが欲しいなと思っていた。

 

***   ***   ***


 一緒にいるだけで、楽しい。目があって微笑みあったり、同じものに「すごいね〜」と感激したり。同じ空間を共有しなければ見えてこないものが、実はたくさんあった。

 

 ――何でも、知っている、分かり切ってるつもりだったのにな……。

 

 学校でも「恋愛相談窓口」みたいな役割を持っていた。自分でそれを望んだわけではなかったけど、「槇原ファミリー」の一員だと言うだけで、恋愛の達人みたいに誤解される。

 確かに、パパとママはすごいと思う。結婚して20年以上経ったのに、未だに常春夫婦で。子供の私たちから見ても呆然としちゃうくらい、らぶらぶしてる。チャーミーグリーンのCMみたいに、手をつないで買い物に出かけてしまうし、授業参観だっていつも夫婦同伴だった。ふたりいるなら別々の教室に行けばいいのに、何故か連れだって移動するのよね。

 ママはいいなと思う。何にもしなくても、パパが全部引き受けてくれる。「愛してるよ」「大好きだよ」って、両手からこぼれ落ちるくらい言ってもらえる。そりゃ、私たちだってパパに「大好き」って、言ってもらっていた。でも……ママへの言葉とは次元が違う。本命チョコと義理チョコみたいに。

 お姉ちゃんだって。片思いの頃は落ち込むこともあったけど、今では岩男くんにあんなに大切にされて。お姉ちゃんは恥ずかしがり屋な岩男くんのことを、ちょっと物足りなくもどかしく思うこともあるらしいけど、外野から見たら、それってすごい贅沢な悩みだと思う。

 見てごらんよ、岩男くんのあの視線。お姉ちゃんを見つめるときのとろとろととろけちゃいそうなあまーい眼差しは、疑う余地がないって感じ。

 ……なのに。私はそうじゃなかった。私のこと、一番大切に思ってくれる人、いなかったもん。告白してくる先輩やクラスメイト、そして見たこともない他校の男子もたくさんいた。でも……あの人たち、私のことちゃんと見てないんだもん。ただ「槇原梨花」というブランドをそばに置いて、優越感に浸りたいだけなのよ。そうとしか思えない。

 

「そんな風に、頭であれこれ悩んでいても駄目よ。行動あるのみだと思う。だって、ひとりで悩んでいても、彼はあなたの存在だってよく知らないのよ? きちんとアピールしなくちゃ」

 ……なんて。知ったかぶりしてアドバイスしたこともある。よくもまあ、恥ずかし気もなく。自分にだって満足に出来ないことを、口にしていたなんて。

 

 聖矢くんの気持ちが分からない。そんな中で、行動を起こすのはなんて難しいのだろう。

 手をつなぐだけだって、あんなに大変だった。それなのに、その上のことなんて、考えられない。世の中の恋人同士みたいに、くっつきあって見つめ合って、まるでこの世がふたりだけのもののように思えるにはどうしたらいいのだろう?

 この前みたいに、またお願いすればいいのかな? 今度は――「腕を組んでいい?」とか? そしてその次は「キスしていい?」とか聞くの?

 ……変だよぉ、そんなの。情けないったらない。

 

 彼女になるのって。もっともっと当たり前で、すんなりと行くことなのかと思ってた。みんなやってるじゃない、巷にはカップルが溢れているんだよ。イマドキ、中学生はおろか小学生だって付き合ってる相手がいたりする。弟の樹なんて、幼稚園の頃から彼女がいたわ。

 今までの私は、ずーっとひとつの目標だけに邁進していた。岩男くんをお姉ちゃんから取り上げること……彼の心をこちらに向かせること。それしか考えてなかった。岩男くんにとっての「可愛い女の子」になることだけを考えていれば良かったし、それのいくつかはとても上手くいった。
 どうしたら心配してくれるか、どうしたら相談に乗ってもらえるか、ちゃんと分かっていたもん。

 

 でも……それが、聖矢くんに対しては応用がきかないってどういうこと?

 

 ふたりの共通の話題を探そうと、受験勉強のこととか切り出してみた。でも、悲しいかな彼は文系で私は理系。全然科目が違ってるんだ。ただし、そうはいっても私は現役の高校生だから、当たり前に学校の授業がある。そこで文系科目だってちゃんと勉強するのだ。

 日本史にしたって、古文にしたって、浪人生の聖矢くんなら一通りの範囲は網羅しているはず。だから、色々分かっているはずだ。

 ……そう思って、話を振るのに。何故か彼には得意な部分と苦手な部分がある。え〜っ!? と思うような簡単な問題が分からなくて、黙り込んだりして。そうじゃなかったら、慌てて取り繕ったりして。

「えっと〜、待ってくれよ。この辺まで出てるんだけどな〜」

 なんて、喉の辺りに手を当てたりして。焦ってる彼を見ると、話を振ってしまった自分がとても申し訳なく思えてくる。楽しい会話って難しい。動物のことを話しても、彼はシベリアンハスキーも柴犬も同じに見えるほど犬音痴だし。ハムスターにいろんな種類がいることも、熱帯魚は海水で飼うことも知らなかったという。

 私との会話によって、彼の「無知」があからさまになることになる。もちろん、年上の彼はそんなときにムッとしたりわざと話を変えたりはしない。でも、ふたりの間には気まずい空気が流れた。

 

 ……ああ、これが岩男くんだったらな。

 こんな風に考えるのはいけないことなのに。まだ比べている私がいる。聖矢くんは岩男くんとは別の人間なのに。それなのに。

 

 会話の糸口をあれこれ思いあぐねていると、あっという間に終点に辿り着く。知らない間に早足になっていたのだろうか。日に日に到着時間が早くなっていく気がする。

 もうちょっと一緒にいたいなと思っても、私たちは時間に追われる受験生。映画を見たり喫茶店でだべったり、そんな当たり前の恋人同士みたいなことが難しい。私としてはたまにの息抜きもいいかなと思うけど……聖矢くんにしてみれば、3度目の受験だもん。邪魔したくない。

 

 それだけじゃない。

 私は気づいていた。聖矢くんがだんだん元気がなくなっていることを。最初は夏風邪か何かで調子が悪いのかなと思った。でもそんなこともないみたい。それなのに、日に日に顔色が悪くなる。私を見つめる目に何とも言えない色が浮かぶ。探っているような……疑っているような。

 何か、私に落ち度があるのだろうか? 自分でも気づかないうちに聖矢くんを呆れさせているのだろうか。何だろう、それが自分では分からない。今まできちんとおつき合いをした経験もない。だから、きっと何か私には決定的な欠陥があるんだ。

 ――聖矢くんは優しいから。それを、言えなくて困っているのかも知れない。

 どうしよう、こうして誘うのも迷惑なのかな? でも、会いたいんだよ、知らないうちに足が公園に向いてしまう。携帯にメールして「今日は会うのやめようか」というのは簡単なこと、……だのに。聖矢くんの方から断りの言葉が出ないから、それなら……と甘えてしまってる。

 私たちには接点がない。学年も学校も予備校も違う。志望する学部も大学も違う。全く異なる世界の人間なのだ。それなのに、どういうことか一緒にいる。

 

 私が、あの夜に彼の隣に座ったから。そして、彼が私を見つけてくれたから。

 

 もしもちょっとでも時間がずれたら、私たちは巡り会えなかった。だから、きっと少しでもずれたら、修正がきかなくなっちゃうんだ。会いに行かなくちゃ、少しの時間でも共有しなくちゃ。彼はすぐに私のことなんて忘れてしまう。

 

 ……会いたい、と言う気持ちを。どうしたら、もっと素直に伝えることが出来るのだろう。

 

 そんなことを頭の中でぐるぐる考えているうちに、週末になる。明日の日曜日は模試があるし、次の月曜日は予備校や休み。じゃあ、火曜日にまた会おうって、別れた。

 

***   ***   ***


 私は、小さな頃から物わかりが良くて、大人びた性格だと言われていた。わがままを言って困らせることも少なかったし、パパやママが心配するような行動は極力慎んでいた。それなりに自由に遊んでいたけど、きちんと安心させることを忘れていなかったし。

 だけど、世の中には。お姉ちゃんみたいな甘え上手な人間がたくさんいる。感情を素直に表現して、それでも周りからうるさく思われない恵まれた人たちが。もちろん、私の通う高校にもクラスにもそんな子はたくさんいた。


 思い出した、そう言えば夏前にこんな事があったっけ。

「ああんっ! どうしようっ、もう駄目かも知れないっ……、だってぇ、メールが来ないのっ! 朝におはようって絶対に入れてくれていたのにっ……!」

 ある朝、教室に入ると、髪の毛を茶色に染めたクラスメイトがピーピーと泣いていた。うちの高校にしてはちょっと軽くて派手な子。まあ、進学校だから、多少の服装や髪の乱れは問題外なのだ。一定の成績をきちんと取っていれば全て免除される。逆にいくら品行方正でも成績が悪ければ生徒指導の先生に目を付けられる。

「うわ〜んっ! どうしようっ……、もう駄目ぇっ、おしまいなの〜〜〜〜っ!」

 彼女の周りには親切な友人たちが集まって、口々に慰めや励ましの言葉をかけている。それもひとりやふたりではない。違うグループの子たちまでが群れをなして、なだめようとしているのだ。

 

 ……馬鹿馬鹿しい、何よあれ。

 

 席が離れていたのを幸いに、さっさと鞄を開けて今日の授業の予習を確認する。ああ、そうか昼休みに生徒会の打ち合わせがあったっけ。お弁当は早めに食べなくちゃ、とか考える。

「ねえねえ、槇原さん。ちょっといいかしら?」

 声を掛けられて、振り向く。そこには、さっきの自己中心的迷惑全開娘の「親友」とされている女子が立っていた。彼女は、まるであの子の嘆きが自分のことのように目をうるうるとさせている。全くおめでたいわねえ、こんな騒ぎ、いつものことじゃない。それに、あの子の彼氏って4月から3人目でしょ? また愛想を尽かされたんじゃないの?

「千絵子、かわいそうじゃない? どうしよう、何で彼は今朝に限ってメールしてこなかったんだと思う? 千絵子が彼からのメールをとっても楽しみにしていることは、分かっているはずなのに。どうしたんだろう……槇原さんなら、こういう事も多いだろうから何か分かるんじゃないかと思って」

 

 ……はあ?

 

 思わず、そう叫びそうになった。馬鹿もたいがいにして欲しい。何で私が、あのお気楽な女子の彼氏の脳内まで知り得なくちゃ行けないのよ。あんたもあんた。本当に山ノ上高校の生徒なの? こんな低次元の話に盛り上がっていてどうするのよ。

「そ、そうねえ……」

 一応、考えて見ることにする。何でか知らないけど、私は恋愛上手だと思われているんだから、こんな相談も受けるんだ。

 

 付き合っている訳でもないのに「槇原さんの彼氏」と称される男もたくさんいる。どうも、あっちがちょっと立ち話をしただけで私のことを彼女のように言いふらしているらしいんだけど、いちいち訂正するのも面倒だから黙認していた。しばらくしてつきあいが途切れれば「彼は槇原さんに振られた」と言うことに収まっている。

 そう言えば、今年の春やっと卒業してくれた元生徒会長もしつこかったな。あまりに勘違いをするから、きっぱりと断ったのに全然動じないんだもん。まあ、下手に自尊心を傷つけてストーカーになられても、背後からいきなり刺されてもまずいから。いいのよ、言いたい奴には言わせておけば。

 

「携帯をどこかに置き忘れたとか、さもなくば電池切れだとか。きっと今頃、彼も慌てているかもよ。携帯は便利だけど、それに慣れすぎると困ったことになるわね」

 必死で頭を巡らした答えがこれか。自分でも情けなくなる。でも、質問してきたあの子の「親友」はとても感動したようにうんうんと頷いた。

「そうよねぇ〜、あまり神経質になるのもどうかと思うわ。でもっ、千絵子は真剣だから、もうちょっとなだめてみる。どうもありがとう、やっぱり槇原さんは頼りになるわ〜」

 どどどっと、人垣の中に戻っていく。先生が朝のホームルームにやってくるまで、数十分、彼女はわめき続けた。

 

 ――本当にいい気なもんだな、そう思うんだけど。彼女の場合はそれで全てが上手くいくのだからいいのかも知れない。ああいうのも「人徳」と言うことになるのかな。情けない気もするけど。

 

 そう言えば、その前だって。中間試験で彼女、結構いい成績を取ったのよね。世界史とか85点で。もう喜んじゃって。大はしゃぎよ。彼女が85点を取った噂は学年中に轟いていたわ。

 確かに、あの先生の問題は難しくて。今回も平均点が42点だったわよ。あの子は世界史が得意だし、ヤマカンも当たったんだろう。だけど、それで「私、歴史の研究者になろうかな?」とか言い出す? 思い上がりもいいとこだと思う。それに、そんな馬鹿馬鹿しい自慢話を、「おめでとう」とか「良かったねえ」とかはやし立てる外野にも問題ありすぎ。

 まあ……ある意味、羨ましくあるのも事実よね。おなかにあることを、洗いざらい吐き出して、すっきり出来る人は恵まれていると思う。だって、私には出来ない。こんな事を言って、周りの人がどう思うだろうとかすぐにそっちを心配しちゃう。馬鹿にされたり、陰で笑われたり、そんなの絶対に嫌。

 実はそのテストが92点だった私は、はしゃぎまくる彼女のことをただただすごいなあと思うだけだった。


 あの子のように、素直な気持ちを伝えることが出来たなら。そうしたら私の人生は変わっていたかも知れないと思える瞬間はいくつもある。だけど、私はあえてそれを選ばなかった。

 周りの目を考えると、行動を慎んで、寡黙になるしかない。だってただでさえ、目立ってしまうんだから。私が自分の成績がいいことや、かけっこで一番になることを自慢すれば、絶対にやっかむ人が出てくる。そう言うのも面倒くさかった。だけど……やっぱ、誉めて欲しいな、認めて欲しいなと思う瞬間はある。

 でも、それが与えられるのは自己アピールした人間だけなのよね。

 自分がいかに優れているか恵まれているか、さもなくば不幸なのか。それをきちんと相手に伝えなかったら、絶対に分かってもらえない。人間に与えられた「言葉」と言う奇跡は、かえって足枷となる。上手に使える人にとっては有益だけど、使いこなせない人にとっては邪魔になるのだ。

 長い長い時間の中で積み重なったもの。それが私を封じ込めてしまう。聖矢くんに対して、素直に気持ちを伝えることなんて出来ない。彼が行動を起こしてくれるのを待つしかない。想いを込めた瞳で見つめても、彼はただ、戸惑ったように微笑むだけで。上手く重なり合えない心が切なかった。

 

***   ***   ***


 週明け、火曜日。

 その日の聖矢くんは本当にどうしてしまったのかと思うくらい沈んでいた。思わず、言葉にして具合が悪いのかと訊ねてしまったほど。そうじゃないと答える表情にも明るさがなかった。

 

 ……どうしよう、やっぱ、私なんかと一緒にいたくないのかな?

 

 ふたり並んで歩く道が、今日はとてつもなく遠く感じられた。引き返して、地下鉄で帰るって言おうかな? その方が彼も嬉しいかも知れない。私と付き合うことで時間をつぶされるのは、彼にとってとても不本意なことなのかも……?

 

 さすがに言葉を発する気力もなくなって、無言のまま歩いていった。やだな、私たちお通夜みたいだよ。そう思ったとき、見慣れたレンタルショップの看板が目に付いた。

「あの、ちょっと。覗いていいかな?」

 探していた新譜があった。シングルだったから、アルバムに収録されるまで待とうと思ったけど、レンタルだったらちょっと欲しいなと思う程度の。でも、うちの近所のお店には品切れで、何日も通っているのに手に入らなかった。ここなら……明日も通るんだし、いいかなと。

 聖矢くんが頷いてくれたので、出来るだけ時間を掛けないようにと急いで店内に入った。新譜のコーナーをチェックする。同じチェーン店なのに、だいぶ品揃えが違う。やはり立地の差かな。うちの方は住宅地だから、どちらかと言うとファミリー向けの傾向になってる。

「…あった」

 ずらっと並んだ一枚を手にする。少し格好を付けたボーカルの横顔。これよ、これが聴きたかったの。私はうきうきしながらお財布を取り出した。……あれ?

「会員カード、忘れちゃった」

 借りれば? とか言ってくれる聖矢くんの声もなんだか冷たくて、だから必要以上にしゅんとしてしまった。

「いいや、明日にする…」

 そう言って、棚にCDを戻すとき、なんだかすごく悲しくなってしまった。私には欲しいものも手に入らないんだ。きっと、私には何かが足りないんだ。だから聖矢くんもこんな風につまらなそうなんだ。

 

 もしも、元の彼女さんだったら。

 聖矢くんはあんなに彼女のことが好きだったんだもん。いくら冷たく振られても、そのときは何でもないように別れても、後から思い出しては荒れるほどに。彼女となら、もっと楽しい時間を過ごせたんだろうな。

 そうよ、待ち合わせの場所にだって。足を引きずるようにして、周りを気にしつつ浮かない顔をしてやってくるなんて。やっぱ、これって迷惑ってことなんだろうな。会いたいって思うのも、もっと一緒に過ごしたいと思うのも、私の一方的な気持ちでしかないんだ。

 どんな人だったんだろう、聖矢くんの彼女さんって。たしか「いずみ」さんという名前だった。綺麗な人だったのかな……だよなあ、私よりも年上だもん、大人の魅力とかあったんだよ。

 

「あの…」

 私が黙っているから、聖矢くんも黙っている。私から働きかけないと、彼は何もしてくれない。そんな彼が……物思いに沈んでいる私に声を掛けてきた。

「俺、部屋に戻ればここの会員カードあるけど。今日は早いし、梨花ちゃんの家に戻るよりは近いから。…どう?」

 

 これから取りに行こうか? と言ってくれた言葉に、黙って頷くことしか出来なかった。


 

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