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(3)診断


眼底検査で黒褐色の隆起性病変が確認される。
腫瘍が小さい時は脈絡膜母斑との鑑別が困難。
脈絡膜母斑では大きさが不変であるが、脈絡膜悪性黒色腫の場合は徐々に大きくなる。
最初は緩やかな傾斜で隆起するが、腫瘍がブルッフ(Bruch)膜を破るとその部を茎としたキノコ上の増大を示す。
転移性脈絡膜腫瘍ではキノコ状になりにくいので、その点で鑑別される。
腫瘍が大きくなるにつれて網膜は菲薄化し、表面に出血を生じる。
さらに、硝子体出血することがあり、その場合は眼底が見えないのでCTやMRI検査で腫瘍の大きさを追跡する。
腫瘍の色素が豊富な悪性黒色腫はMRI検査のT1,T2画像で、転移性腫瘍と鑑別できる。
超音波検査(エコー)も経過観察に有用である。

また、核医学検査と呼ばれるごく微量の放射性物質を用いて検査を行う方法もあり、18F-FDG PETは様々な悪性腫瘍を検出することが出来、汎用性が高い。
また、123I-IMP SPECTは脈絡膜悪性黒色腫に対して18F-FDG PETよりも感度が良いが、肺がんから脈絡膜への転移性の場合は陽性となる場合があるので、他の検査と合わせて診断を行う。
(他の部位から脈絡膜へ転移するケースは少ないが、転移していた場合は、他の部位にも転移している可能性が高く、余命も短い)

 
診断上の問題点として基本的に偽陰性診断と偽陽性診断に分けられる。

・偽陰性診断(false negative diagnosis)
ほかの原因、例えば痛みや続発緑内障により眼球が摘出されるまで黒色腫だと疑われなかった場合である。
いくつかの研究では、摘出時に疑われていなかった黒色腫は全体の10%であると述べられている。
どの患者でも説明のつかない固めの混濁した中間透光体のある場合、他のものが証明されない限り、悪性黒色腫があると疑わなければならない。
 
・偽陽性診断(false positive diagnosis)
眼底病変が悪性黒色腫と誤診され、他の治療が望ましいのに眼球が摘出された場合である。


【診察と治療のフローチャート】



Index (1)眼の構造 (2)脈絡膜悪性黒色腫とは
(4)どの様な治療法があるか (5)治療後 (6)参考文献