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第15回ボクデミー賞 〜金賞の発表〜
昨年は工房の立ち上げのため、例年よりも観る本数が減ってしまいましたが、観る作品は吟味をしたので、割と『当たり』の確率が高かった様に思います。
そんな激戦の中からどの作品が選ばれるのでしょうか。


★ボクデミー作品賞 金賞
『湯を沸かすほどの熱い愛』


余命を知った時、人は何をするのだろう。
シリアスな設定だが、「墓場まで持っていく」なんて逃げ腰ではなく、最後まで前に進んでいく。
いじめられている安澄(杉咲花)には一人で戦う力を、愛を無くした鮎子(伊東蒼)には大きな愛を与える。
なんだか、「がんばれ〜」って応援したくなり、「僕もがんばらなくっちゃ」と思わせる作品だ。

『この世界の片隅に』

物語が何層にもなっていて深いし、色々な見方の出来る。
戦時中の話だが、食事のシーンを何度も見せる事により、現代と地続きである事を感じさせ、今の僕たちと関係が有る事だと気づかせてくれる。
焼夷弾が落ちてこようが、空襲警報が鳴ろうがメシを食わなくてはならないし、生きていかなくてはならない。
そう、何があっても生きていくんだ


★ボクデミー作品賞 銀賞
『何者』


家族と居る時の自分。
友達と居る時の自分。
学校に居る時、バイトをしている時。
そして、SNSでの自分。
色んな場面で様々な自分が居るが、どれが自分なのか、果たして自分は「何者」なのか。
そんな事を考えさせる作品だった。
(年を重ねれば、分かる事なんだがね)


★ボクデミー作品賞 銅賞
『シン・ゴジラ』

過去のゴジラシリーズの様に、人間ドラマや浪花節などのサイドストーリーを入れず、真っすぐにゴジラ対策に突き進む所が良かった。
しかし、その結果、物語性が弱くなってしまったのが残念。
(恐らく、ドラマはこれから起こるのだろう)
残念な点をもう一つ言えば、スクリーンでは息もつまる展開なのに、音楽がメチャクチャ子供っぽい。
庵野は自分には音楽のセンスが無い事に気付くべきだ。


★ボクデミー作品賞 佳作
『ちはやふる −上の句−』
『ズートピア』
『すれ違いのダイアリーズ』
『ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ』
『コップ・カー』


★主演男優賞

ニール・セディ (『ジャングルフック』)


ニール・セディが演じるモーグリはこの映画で唯一の実写の登場人物。
だからトラや狼が居ない中で撮影が行われたのだが、これがそんな事を感じさせない。
デジタルで撮影しているから、恐らく目の動きなどの細かなところはコンピュータ上で修正しているだろうと思うが、それでも自然な演技は良かった。


★主演女優賞
のん (『この世界の片隅に』)

のんが居なければこの映画は成立しなかった。もっと言えば、事務所とのイザコザで芸能界を干されていたお陰で能年のスケジュールが空いていた事がこの映画にとっても、我々見る側にとっても幸いな事だった。
もし、『あまちゃん』以降、売れっ子女優になっていたら、こんな小さな作品はやれなかった(事務所がさせなかった)と思う。

★助演男優賞
菅田将暉 (『何者』)

菅田将暉はチャラっぽく見えるが芯のしっかりした演技を見せてくれる。
僕は当初「ジャニタレかぁ」と思っていて(僕は生田斗真以外のジャニタレは色眼鏡で見るクセがあります)、その割にはちゃんとしているなぁと思っていた。
後日、何かのきっかけでジャニーズではなかった事を知って、どういうわけかホッとした。
色々な作品に出まくっているが、息切れしないかちょっと心配。

★助演女優賞
杉咲花 (『湯を沸かすほどの熱い愛』)


主演の宮沢りえの演技が凄いと聞いて見に行ったけれど、宮沢りえやオダギリジョーと言った演技達者に挟まれても埋没しない杉咲花の存在感が凄かった。
将来が楽しみな若手女優のひとりだ。

★ベストソング賞
『悲しくてやりきれない』 (『この世界の片隅に』)


2回目に観た時、作品の冒頭でこの曲が流れ、「ああ、そうかぁ」とグッと来た。

胸に沁みる空の輝き
今日も遠くながめ 涙を流す


空襲や原爆投下の事を歌っている訳ではないが、改めて効くと、そう解釈してしまいたくなる。
空はこんなに輝いているのに、地上にいる私はこんなにも悲しい。
すずさんの声にはのん以外にあり得なかったのと同様に、主題歌にはこの曲以外には考えられないと思う。


★とにかく、このシーンだけは見ておけ
柄本時生・・・『聖の青春』

濃い〜なぁ。
これでまだ20代とは恐れ入る。

交通事故と映画館での火事のシーン
      ・・・『ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ』

≪残念ながら画像がありません≫
主人公のマックスとその母親が乗った車が事故で横転するシーンでは背景と車と画面の3つが別々のスピードで回転するので、これってどうやって撮影したのかと思う。
それから、映画館で火事が起こるシーン。
座席の下をウイスキーのボトルが転がっていくシーンも撮影方法が分からない(ひよっとしてCG?)。
B級作品なのにこんな手の凝り様がGOOD。

*****

今年はどんな映画に出会えるのか楽しみ、と言うよりも、まずは映画館へ行けるのか!?

2017. 2. 25


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