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日本丸に乗船する

きっかけは突然だった。
遅く起き、遅い朝食をとった後、さて今日は泳ぎに行くかそれともジムにしようかと考えながら何気なくテレビをつけると、名古屋港に日本丸という帆船が入港しいて、その模様を放送していた。
「これは行かねばならぬ」
そう思った3分後、僕は車のアクセルを踏んでいた。

中学の頃、一時期、帆船にハマっていた時があり、部屋に帆船のポスターを貼ったり、ノートに絵も描いたりしていた。
大海原を帆に思いっきり風を受けて走る威風堂々とした姿に何かを感じていたのだろう。
ちなみに、帆船の前はSL(蒸気機関車)にハマっていて、SLのパネルや絵葉書を集めたりしていた。
今にして思えば、妙に、レトロな趣味の中坊だったのだ。

ところで、名古屋港といってもいささか広い。
テレビの放送をしっかり見てこなかったので、どこに停泊しているのかが分からない。
でも水族館辺りだろうと見当を付けて行ってみると、駐車場から帆船のマストの先端らしき物が少し見える。
おっ、あっちだ。
トコトコと歩いていくと、徐々に船体が見えてくる。
それと共に、なんだか少し、アレレレレといった気持ちが沸いてくる。
思っていた程、大きくないのだ。
僕のイメージとしてはタンカーとまではいかないにしても(タンカーも見た事は無いのですが)、それくらいの大きさを思い描いていたのだ。
それが、漁船くらいの大きさしかない。
しかし、この日本丸は帆船としては最大級の大きさで(注:最大ではない)、決して小さい船ではないのだ。
(という事をスピーカーで説明していた)

僕はとりあえず持ってきたカメラでパチパチと写真を撮っていたのだが、柵があって結局は同じアングルからしか撮れない。
それに、前からばかりではなんだから、バックショットも撮っておこうと後ろへ回ると50人くらい並んでいる人達がいる。
どうやら、日本丸に乗る為に並んでいるようだ。
僕は列の最後尾よりも更に少し後ろで、日本丸の写真を撮り始めた。
デシカメで撮ったり、普通の1眼レフで撮ったりとしている内に、気がつくと列に飲みこまれ、僕の後ろにも人が並び始めていた。
スタッフの拡声器での説明によると、あと30分程で乗船できるとの事だったのでそのまま並ぶ事にした。


日本丸 [NIPPON MARU]

乗船してみると、更に小ささが感じられる。(くれぐれも、最大級です)
幅は14m弱で、学校の教室の幅よりも狭いのではないだろうか。
実はこの船は訓練船で、船のあちらこちらでは実習生が「こんにちは」と爽やかに挨拶をしてくれる。
聞くと20歳くらいから上は31歳の実習生が乗っているそうだ。
31歳の実習生が誰かは分からないが、皆どこか幼さが少し残った顔をしている。
まだまだ、海の男といった感じはしない。
(注:女性実習生も10人乗っている(女性乗組員は2名)。かと言って、海の女[海女=あま]にはならないだろう)
小さい船なので、ゆっくり見ても20分で一巡りしてしまった。

今日は停泊していたが、いつの日にか、あの中学生の頃、部屋の壁に貼っていたポスターの様に、帆にめい一杯の風を受け、大海原を疾走する帆船に乗ってみたいと思った。


【豆知識】
・初代日本丸は1930年に作られ、現在の日本丸は2代目で、1984に作られた。
・日本丸には海王丸という姉妹船があり、大きさなどは殆ど同じ。ただ、海王丸の方が5年遅く作られた事から最新技術が導入され、帆船の最速を競う「ボストン・ティーポット・トロフィ」を4度受賞し(日本丸は3度受賞)、歴代の最速1・2位の記録を保持している。

2003.10.26

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