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長崎の旅 〜ワクワクの1日目〜
プロローグ
僕が勤める会社では、年に一度は3日連続で有休を取らなくてはいけないルールが有るのだが(取らないからと言ってペナルティーがある訳ではないけど)、今年はまだ取っていなかったので、「いつ取る?」と上司から催促されていた。
とりあえず、仕事の予定などから9/17から3連休(土日が入るので5連休)を取ることにしたものの、これと言ってやりたい事も行きたい所も無く、さてどうしたものか。

このホームページの管理人の正体(プロフィール)の欄でも書いているように、僕は坂本龍馬のファンである。
今年はNHKの大河ドラマで『龍馬伝』が放送されていて、幕末に日本中を駆け回った龍馬らしく、日本のあちらこちらで龍馬がブームになっている。
実は8月に会社の仲間と四国へ"ひたすら、うどんを食べるツアー"なるものに出掛けた折、高知では当然としても、途中で寄った滋賀の大津でも龍馬グッズが売られていてビックリ。
「龍馬と滋賀県は何が関係するの?」と言うくらい龍馬ブームである。
ならば、その龍馬を辿る旅というのはどうだろう。
京都・高知・長崎を巡ると言うのは我ながら名案だ。
が、しかし・・・
これだけ離れた場所を一度に回ろうとすると必然的に飛行機での移動がメインとなり、交通費だけでも10万円近く掛かってしまう(もっと前から計画していればもっと安くする事も出来たのだが)。
そこで、今回は一度も訪れた事の無い長崎だけに絞って出掛ける事にした。

9月17日(金)
まずは新幹線で博多へ。
3時間以上も何もせず揺られているのも結構疲れる。
唯一楽しみにしていた関門トンネルは、単なるトンネルで真っ暗。
当たり前と言えばそれまでだが、なんだかなぁ。。。。

博多に着いて背伸びをし、固まった体をバキバキ言わせたら、すぐに昼食。
もちろん、博多と言えばとんこつラーメンである。
聞くところによると、博多にはとんこつラーメンというものが無いそうだ。
なぜなら、博多でラーメンと言えばとんこつに決まっているからだ。
(アメリカにアメリカンコーヒーが無いのと同じことか?)

予めネットで博多駅近辺の人気ラーメン店を調べた結果、『一蘭』という店に行くことしにした。
この店はテレビでも何度も紹介されている有名店で、カウンターオンリーの店で、なお且つ一人ひとり仕切り板で隣の人と区切られている。
これは味に集中する為のこの店独特のシステム。
しかし、幅が狭いので少々食べにくいし、なんだか見た感じは牛舎の様で関心しない。
友達と一緒に来ても話が出来ないので、美味しさも半減するんじゃないだろうか。
僕はああだ、こうだと言うのも味のうちだと思う。
とは言うものの、素人の僕が言うのもなんだけど、さすが人気店だけの事はあり、味はまずまず。
こってりのとんこつスープに特製のピリ辛タレが効いていて、独特の味を出している。

乗車予定の長崎行きの列車までは1時間以上あるので、食後のコーヒーでもと思い、博多駅のタリーズコーヒーでアイスコーヒーとホットドッグを注文。
まだ殆ど体を動かしていないのに、こんなに食べていては太るばかりだ。

博多から長崎へは『特急かもめ』で行く。
初めて見る丸っこくて流線型の車両はなかなかカッコイイ。
車内に入ると新幹線のグリーン車の様な電球色の照明と茶色のシートが落ち着いた雰囲気を醸し出している。
しかし、良かったのはここまで。ツルツルのビニールシートの滑る事といったら有りゃしない。
前のシートの土台部分に足で踏ん張っていないと、ズルズルと滑っていってしまう。
その上、シート自体がしっかり固定されていないのか、隣の人が座り直すとグラグラ。
後ろの人がシートの取っ手を掴むとグラグラ。
文句を言っても仕方がないけど、言いたくもなる。


【特急かもめ】
見掛け倒しの電車です

長崎駅には15時前に到着。
何はともあれ、まずは『長崎原爆資料館』へ向かう。
長崎へ来たならば原爆関係の施設へ行くことは当然の事だろう。
『長崎原爆資料館』へは長崎電鉄のちんちん電車(路面電車)で浜口町まで行く。
名古屋では1974年に廃止になったので、長崎で走っているのを見るとすごく懐かしく思う。
小学生の頃はちんちん電車に乗って剣道の稽古に通っていたなぁ。


【長崎の路面電車】
夜の路面電車はロマンチックである

浜口町駅から急な坂を登っていくと『長崎原爆資料館』があり、それと共に『国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館』がある。
まずは『祈念館』の方から回ることにした。
『祈念館』は原爆による死没者を追悼し、平和を祈念する施設で、観光の為では無く、原爆の為に亡くなられた方への哀悼を捧げる場所だ。
その為、総合案内を抜けてまず初めに、雑踏を抜けてきてザワザワした心を落ち着かせるコーナーがあり、原爆で亡くなられた方の写真と名簿などの資料が展示されている。
僕以外に館内は初老の男性が一人たけ。
薄暗く静かな順路を進んでいくと、一転して明るい追悼空間に辿り着く。
ここには12本のガラスの光柱があり、原爆で亡くなられた方の名簿が納められている。
そしてこの光柱は先には原爆落下の中心地がある。ただそれだけなのだが、厳粛な、そして重い気持ちになる。
この厳かな空間に多くの方の魂が、悲しみや無念な気持ちが鎮座している様な気がする。



【平和祈念館の光柱】
この柱の並んだ先に原爆落下の中心地がある

追悼空間を抜けると、また元の総合案内の所に出てくる。
『祈念館』は小さな施設で、隣の『長崎原爆資料館』とは通路がつながっている。
『長崎原爆資料館』に入ると社会科見学なのだろうか、小学生たちがいた。僕はほっとした。
元気に走り回っている彼らの胸には"希望"や"夢"といった文字が揺れていたのだ。
もちろん実際に、そんな字が書かれていたわけではない。
でも彼らを見て、明日が来ることがなかった人たちの代わりに、明日を担ってくれる子供たちがいる事にどれだけ勇気が持てた事だろうか。

『長崎原爆資料館』の次に向かった『原爆落下の中心地』は公園の中にある。
通称『ボックスカー』と呼ばれたB29から落下されたプルトニウム型の原子爆弾が、この上空500mで炸裂した事を示す碑が建てられている。
この碑を中心に同心円状に敷かれた石が平和を願う心の波紋の様に見えた。


【原子爆弾落下中心地の碑】
黒い石柱が中心地を示す碑で、手前の黒い石の箱には原爆殉難者の名簿がマイクロフィルムにして納められている。

長崎で、原爆で、と言えば平和公園のあの像だろう。
天を指さし、そして手広げた、お馴染みのあの像だ。
こうして実際に見ると、やはり藤岡弘、に似ている。

【平和祈念像と藤岡弘、】
歌手で元国会議員の喜納昌吉にも似ていると思うが、いかがですか

余談だが、この平和公園は箱根にある"彫刻の森"かと思うくらい彫刻が沢山置かれている。
いずれも"平和"をテーマにした像で、説明のプレートを見たところ、世界各国から寄贈された様だ。
僕はその中でも中国から贈られた『乙女の像』が一番気に入った。
何故なら、オッパイが一番大きかったからだ。


【乙女の像】
中国は良い物を贈ってくれました


浦上天主堂は平和公園を出ると、すぐに眼下に見える。
最初に建てられた建物は原爆の爆風で吹き飛ばされてしまったと、先の原爆資料館で説明されて、その当時の像なども展示されていた。
現在の建物はその後1980年に立て直されたもので、その特徴はステンドグラスの美しさにある。
聖書の一文をステンドグラスで表していて、薄暗い館内に外の光でキラキラと光っているようだった。


【浦上天主堂】
左の写真は平和公園を出たところからの眺め
右の写真の手前の像は原爆で焼けて、黒くなっている

浦上天主堂で観光は一旦中断して、宿で30分ほど休憩してから夕食の為、長崎駅前へ向かう。
長崎グルメは色々あるが、まずはこれまで食べた事の無い『皿うどん』にしようと駅前をグルグル歩きまわった。
何軒かは食べさせてくれる店はあったが、初めてなのでちゃんとしたヤツを食べたいと思った。
ここで『皿うどん』に対して変な印象を持ってしまうと、今後の人生において後悔するかもしれないと思ったのだ。(まぁ、そんなに深刻に考えなくても良いのですが)
そんな中、"かたおか"という店がちょっと立派な建物だったので、ここで食べることにした。
皿うどんを注文すると、「太麺と細麺のどちらにしますか」と聞かれた。
初めてなのでどっちでもいいけど、ラーメンの場合、細麺はどちらかと言えば女性向という事を聞いたことがあったので、太麺をお願いした。
暫くして運ばれてきた皿うどんの麺はうどんと言うよりもスパゲティに近い太さ。
細麺だったらそう麺くらいの太さだったのだろうか。
見た感じも味もちゃんぽんに似ている。後で知ったのだが、ちゃんぽんから派生して皿うどんが出来たそうだ。
麺は炒めているので、ちゃんぽんよりも少し香ばしく、僕としては皿うどんの方が好みだ。

夕食の後は日本三大夜景の一つといわれている稲佐山からの夜景を見に行く (他の二つは函館と神戸) 。
長崎駅前から稲佐山の麓のロープウエイ乗り場までの無料バスが出ている。
これに乗って、更にロープウエイで稲佐山の頂上まで登る。
頂上と言っても東京タワーと同じ高さの333mなので、そんなに高いわけではない。
しかし、川を挟んで見下ろす長崎市内はキラキラした街の灯りがとても綺麗だった。
カップルで来ていればそれなりに楽しいのだろうけど、オッサン一人では写真を撮ってお終いである。
そそくさと下りのロープウエイに乗って下山し、帰りのバスに並ぶ。
並んでいると係員が「お手持ちの黄色いチケットは運転手に渡してください」と列に向かって言っている。
黄色いチケット?
そんな物は持っていないぞ。
僕以外にもそう言う人が居て、その人は路面電車で最寄の駅まで来て、そこから歩いて来たそうで、「思った以上に距離があって大変だった」と言っていた。
他に若いカップルが2組。
係員にどうすればいいか聞いてみたところ、幸運にもバスに余裕があって乗ることが出来た。
宿に戻ってからホームページを再確認してみると、無料シャトルバスの停留所になっている4軒のホテルのフロントで申し込む様になっていたが、見落としていた。
まぁ、旅につき物のちょっとしたハプニングだった。


【稲佐山からの夜景】
100万ドルの夜景だそうです。
円高で、その価値はどんどん下がっています。


2010. 9.26

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