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器でお酒の味が変わる!?

或る日、中日新聞に『おちょこで、お酒の味が変わる!?』という記事が紹介されていた。
たとえば、純米酒ではお米の味を楽しむ為、口径の大きいおちょこが良く、お酒が舌全体に行きわたって味が綺麗にまとまるらしい・・・・、と言う事を友人の陶芸家である、野村絵梨花に話しをしたら、
「そうそう、変わるんだよ。今度試してみて」
と言うので早速試してみた。

【条件】
(1) 器


@
A
B
C
D

(2) 酒
甘口 辛口
日本酒度 ±0 +6
銘柄 特別純米・奥の松
[奥の松酒造]
純米・越路吹雪
[高野酒造]

(一般的に日本酒度が大きいと辛口とされますが、もちろんそれだけではありません)
尚、今回のお酒の温度は室温で確認しました。

【確認結果】
(1) 味の変化
生憎、繊細な舌を持ち合わせていない僕だけど、同じお酒でも器によって味が変わるのでビックリ!
(正確には味が変わった様に感じると言った方が正確かな)
何度飲み比べても、確かに味が違って感じられるものだから面白くなってきちゃって、どうして変わるんだろうと、あっちを飲んで、こっちを飲んで、又あっちを飲んで・・・・とやっているうちに酔いつぶれる事、数回・・・・。
ザックリとしか判らないけれど、どうやら器の口の大きさが影響しているんじゃないだろうかと言う事が僕の見解だ。

@やAの様に口の広い器で飲むと、お酒が舌全体に広がってまろやかな味わいになり、CやDの口の狭い器の場合はお酒は舌の中央奥に流れていき、辛さが増す。


ネットで調べてみると舌の場所によって強く感じる味の種類が違うらしく、その為、飲んだ時のお酒の広がり方によって味が違って感じるのだろう。
(ただし、“舌の場所によって強く感じる味の種類が違う”という事は無いというサイトも沢山あって、本当のところは不明)
ちなみに、甘口と辛口で、どちらが味の変化が大きいという事はありませんでした(と言うか判りませんでした)

(2) 材質の違い
器の材質の違いによる味の変化は感じられなかったけれど、唇が器に触れた時の感触が違うので、お酒の種類によって更に美味しく感じさせる器との組み合わせがあるカモ。
たとえば、冷酒だとガラスや磁器、錫の器なんかで飲むとキリリとした感じが味わえたりするんじゃないかな。
また、熱燗なら肉厚の陶器の器だと冷めにくいので良いと思う。
枡酒なんてのも、ツウみたいな気持ちになれて、また違った味わいがあるのかもしれません。
(何れも未確認なので、想像で書いています)

但し、木製の器(今回は杉)は器自体に匂いがあるので、お酒の香を消してしまい、お勧め出来ません。
匂いのあまりしない材質なら良いのかもしれませんが、とにかく杉はダメです。

【と言う訳で・・・・】
器の口の大きさでお酒の味が変わるのならば、こんなのを作ってみました。

器の一方は大きく、もう一方は小さくして、一つで二つの味が楽しめる器。
我ながらナイスでグッドなアイデアだと思ったのだけど、先に試した時ほど味に違いは感じられなかった。
何故だろうと器をシゲシゲと見比べて気が付いたのが高さだ。
特に器の口が小さい方は先に試した器よりも低く、つまり器の中での助走距離が短いので、お酒が舌の奥まで届かない様だ。

それから、味が変わる以外に気が付いた事がもう一つ。
僕が作った器で飲む酒は美味しくないという、嬉しくない真実。
あらためて、美味しくお酒が飲める器を作る人ってスゲェと思った。

2012. 5.18

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