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第13回 ボクデミー賞 〜金賞の発表〜
今年のアカデミー賞は『バードマン(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が受賞しました。(日本では2015年4月公開予定)
この作品は、かつてスーパーヒーロー映画、『バードマン』で一躍大スターになった男が再起かけてブロドウェー進出に挑むというもの。
アカデミー賞は映画関係者が選ぶので、映画業界を舞台にした作品が受賞しやすい傾向にあるけれど、僕としては『6才のボクが、大人になるまで』が受賞してほしかったなぁ。

一方、日本アカデミー賞は『永遠の0』が最優秀作品賞を受賞しました。
優秀作品賞の5作品のうち僕が観たのは唯一『永遠の0』だけで、僕的にはフツーの作品でした。
そもそも、『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』が優秀作品賞の中に入っていない事自体が間違っている。

さて、ボクデミー賞ではどうでしょうか。(もう、お分かりですね)

[ルール]
僕の好み100%で選んでいます。
だから、TV局、映画会社やスポンサー等のしがらみ(ビートたけしも言っていましたね)が無いので、世間一般の評価とは随分異なるかもしれません。

★ボクデミー賞 金賞
『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』

僕が一番好きなシーンは終盤、親友のぽっさんが泣きながら、「一人にしてすまんかったなぁ」と言う場面。
ぽっさんの涙はこっこがネズミ人間と遭遇してどれほど怖かっただろうか、オレも居れば少しは怖さも和らいだかもしれないのにという思いが形になったものだ。
そんなぽっさんの思いがこれまで人の気持ちを理解できなかったこっこにも分かり、「ぽっさんの気持ち、分かったよ」のシルシとしてこっこはぽっさんと手をつなぐ。
ああ、分かりあえるって素敵やなぁ。

★ボクデミー賞 銀賞
『6才のボクが、大人になるまで』


もちろんフィクションではあるが、本作は或る家族の夏の数日を定点観測的に12年間覗き見した様な映画。
我々も日々、何かストーリーがあって生活をしているわけでは無いのと同様、本作もストーリーは特にない。
だが、ついつい見入ってしまうのは、我々がメイソンの家族と似たような経験をした事があるからだと思う。
だからこそ、感情移入もできるし、心に残るものがある。
子供が成長するってこういう事なんだとか、子供を育てるってこういう事なんだとか・・・。

『太秦ライムライト』

現在の時代劇映画を取り巻く環境がリアルに描かれていて、とても興味深かった。
日々稽古に励む切られ役の人や、アイドルを主演にした作品、あるいは使われなくなった道場の閉鎖・・・、それでも時代劇に夢を持つ役者たち。
撮影所という所は夢を見る場所なんだろう。
売れていく役者もいれば、ずっと下積みのままの人もいるが、その誰もが夢を見ている。
時代劇が滅ぶという事は夢の王国が一つ滅ぶという事だ。
昨年は『るろうに剣心』や『超高速!参勤交代』がヒットしたので、少しは息を吹き返したかもしれないが、油断をしないで、今後も新しい時代劇を我々に見せてもらいたい。

★ボクデミー賞 銅賞
『もらとりあむタマ子』


これぞ、The ニートのタマ子だが、それでも本人的には前に進むべくジタバタしている様で、アイドルになろうとしたり、父親の彼女(?)がどんな人かを探りに行ったりと、それなりに忙しい。
けれど、それらは何も発展しないのがこの作品の良い所。
そんな何もない日々だけれど、少しだけタマ子は成長している。
僕らの日常もそんなモンじゃないだろうか。
見どころは前田敦子のグータラぶり。
かつては今を時めくAKB48の不動のセンターと呼ばれていたあのマエアツの見る影も無い姿を目撃してほしい。

『記憶のひとしずく』(ショートストーリーなごや)

『ショートストーリーなごや』のオムニバス作品のひとつで、どれも良かったが僕はこの『記憶のひとしずく』が一番のお気に入り。
認知症の母親は嫁いだ姉の事は覚えているのに、日々世話をしている自分の事を覚えていないが、その理由に心がジーンとさせられた。

『それぞれの伊勢湾台風』

地元民であれば必ず見なければいけない作品だ。
小学生の頃に授業で少しだけ伊勢湾台風の事を聞いた事があるくらいで(恐らく、児童の親は当事者なので、あえて授業で教えなくても教えなくても親から聞いていると判断したのだろう)、干拓地には東北から移り住んで間もない人が多くいて被害に遭われていたり、海の無い岐阜県でも被害があったり、こんなにも細かな事は知らなかった。
そして家族を守り、懸命に復興にあたった大人たちはどれだけ大変だっただろうかと、大人になって初めて気づかされることが沢山有った。
それと同時に、東日本大震災などに遭われた方たちの姿に重なるものがあった。

★主演男優賞
福本清三 (『太秦ライムライト』)


大部屋俳優だからセリフはヘタなのはご愛嬌。
本人も監督に「出来るだけ少なくしてくれ」とセリフを切りに切りまくったら、すごく寡黙なキャラクターが出来上がってしまった。
しかしそれが反って時代劇が静かに幕を閉じていくかの様な雰囲気を作り上げている。

★主演女優賞
芦田愛菜 (『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』)


『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』ではこっこだけがドキュメントである。
そして、こっこがカメラの外で行儀の良い芦田愛菜を演じているに違いない。
そう思わせるくらいリアルで、逆に芦田愛菜以外の出演者が演技している様に見えてしまう。

前田敦子 (『もらとりあむタマ子』、『SEVENTH CODE』)

『もらとりあむタマ子』でのダラしない生活を続けるタマ子。
一方、『SEVENTH CODE』ではキレキレのアクションシーン。
同一人物には見えないけれど、どちらもマエアツなんだよなァ。
色々な役を出来る彼女の他の役も見てみたい。

★助演男優賞
<該当者なし>

★助演女優賞
原田貴和子 (『ペコロスの母に会いに行く』)


恐らく『私をスキーに連れてって』以外、彼女の出演作を観た事は無いと思う。
だから、その時のイメージのままなのだが、こんなにも綺麗で演技の上手い女優さんになっていたのか。
『ペコロスの母に会いに行く』には妹の原田知世も親友役で出ているが、圧倒的に貴和子の方に存在感がある。

★このシーンだけは観ておけ
ゴジラの咆哮 (『GODZILLA』)


作品のストーリー自体は大した事は無いのだが、それを帳消しにして更にはお釣りも貰える。
そんな咆哮を目撃せよ!
※咆哮[ほうこう] :猛獣などが、吠え猛ること。

日焼けした杏 (『真夏の方程式』)

スタイルが良いのは承知の事だが、そこに日焼けというアイテムが加わると、とんでもないことになる。
これを専門用語で「鬼に金棒」と言う。

★佳作
『くちづけ』

純粋な心が気持ちの良い作品です。

『RUSH プライドと友情』
水と油、カードの表と裏。それを好敵手(ライバル)と呼ぶ。

『あなたを抱きしめる日まで』
まるで映画の様な実話の映画です。

『監禁探偵』
監禁している側がやりこめられる可笑しさ。

『いのちのコール 〜ミセス インガを知っていますか』
タイトルからハートフルな作品を想像していたらサスペンスでした。

『スカイ・キッズ』
男の子2人の友情物語。全くの掘り出し物です。

『ペコロスの母に会いに行く』
全てを忘れていく母にも喜びや悲しみがあった。

★特別賞
高倉健


出演作が205作品あるとの事だが、僕は高倉健のファンなのにその殆を観ていない。
けれど、数少ない観た作品はどれも面白い作品ばかりだ。
「不器用ですから・・・」とのセリフの印象通りの人柄かと思われがちだが、だれもが語る高倉健像は話し好きで、悪戯好き。そんな所が大好きでした。
合掌。。。


2015. 3. 1


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