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Road to Meister 〜Episode 3 : 匠の技を知る〜
訓練校の先生から『削ろう会』が神戸で行われると聞き、このゴールデンウイークの5月5、6日に行ってきた。

【削ろう会】
『削ろう会』の細かなルールは知らないが、要するに鉋(かんな)で一番薄く削ったチームが勝ちという大会で、31回目の今年は神戸の国際展示場(3号館)で行われた。
訓練校では丁度鉋の授業を行っている最中で、それは刃を研ぐところから始まり、鉋に入れた刃の出代の調整をして実際に角材を削るというものだが、これら全部が上手く出来ない。
そこで匠たちの技を見学に来たのだ。


会場の中央には100チームくらい(?)が鉋の調整や準備・練習の為のスペースがある。
練習では5〜7μm(1μmは1000分の1mm)がTOPで、これくらい薄くなると鉋の華(鉋クズをこう呼ぶ)を指で触っても、触った感覚が全く無い。
本番は会場奥で行われるが、中々良い成績が出ない。
練習場で十分調整しても時間が経てば会場の湿気を吸って鉋も変化するので頻繁に刃の出代を木槌でコンコンと優しく叩いて更に調整をする。
また、鉋を引く人の力加減も影響するので何度もトライしていた。




中には刃の幅が30cm以上もある大鉋も登場。迫力満点!

尚、この『削ろう会』で使われる鉋はこの競技専用のスペシャル品で、実際の現場では使われない。
何故なら、現場で数μmで削っていては時間ばかり掛かって、仕事にならないのだ。
(最後まで観なかったので優勝チームは何μmだったのかは分かりません)

この『削ろう会』では競技の他にも色々なイベントも用意されていて、来場者を飽きさせない。

≪大工道具市≫

鉋以外にもノコギリや砥石など様々な大工道具が販売されている。
僕はノミの10本組セットを製作者の岩崎永祐氏から直接購入。
岩崎氏は銘を"左のぶ弘"と言い、経済産業大臣指定伝統工芸士に認定されている人で、ネットで調べた限りではそれほど有名ではなさそうだが(有名なら高価で買えない)、僕が現物を見た限りでは鋼も綺麗に巻いてあり、粗悪品ではなさそう。
値札には"定価128,000円"と書いてあり、その下には"本日に限り58,000円"とあり、これらの値札とは別に"50,000円"の表示もある。
「今日はお金を持っていないんですよ」と言うと
「負けますよ、45,000円。48,000円」(何で上がるの?)
結局、45,000円で購入したが、ちょっと有名な銘になると10本組で10万円オーバーは普通で、20万円以上もザラの世界だ。
『なんでも鑑定団』(テレビ東京)では左市弘が作った12本組に300万円の値が付けられていた)

≪鉋削り体験≫

体験コーナーを覗くと子供ばかりだったが、「大人もOK」との事なのでボクちゃんもトライ。
鉋は予め調整されているので、あとは角材を削るだけなので楽勝だ。
『削ろう会』と同様、削った鉋の華を測定してもらい認定証を貰った。

自分で調整してこれくらいの薄さで削れれば良いのだが・・・まだまだ道は長い。

≪はつり≫
会場の外でもイベントは行われている。
"はつり"とは木材を少しずつ削ぎ落としていく作業の事で、ノコギリが発達していない時代、斧やチョウナで大まかに材木の形を整えていたそうだ。
丸太を斧ではつるのはハラハラドキドキの連続。
振り下ろした斧から手が離れてしまうとその延長線上に居る人は只では済まない。
それなのに疲れてくると片手が離れてしまい、もうドギドキなのだ。


まずは切り込みを入れる


そして「ヨイショ」の掛け声に合わせて斧で削っていく


ガイジンのジョナサンも「ヨイショ」ではつる。
 仲間 「ヨイショは英語で何て言うの」
 ジョナサン 「YOISHO!」



若い人がはつる中、ハタ仙人が参加するも、半分でリタイア。
(来年は還暦だとか)


大きくはつる時(削る時)は斧を使うが、細かくはつる時はチョウナと呼ばれる道具を使う。


チヨウナではつった結果。
昔はこの後、槍鉋(ヤリカンナ)でツルツルにしていく。

≪台掘り屋さん≫

鉋の刃が入る所の加工の実演。
少し削っては刃を入れて、キツイ所をまた削るを何度も繰り返す。
ホームセンターで売られている様な物は機械加工の大量生産だと思うが、プロの職人が使う道具はやはりこの様に手が掛かっているのだろう。

【竹中大工道具館】
 

神戸には大工道具だけを展示した『竹中大工道具館』があり、『削ろう会』が行われている国際展示場からシャトルバスも出ていた。
『竹中大工道具館』は石器時代から近代までの大工道具が展示されていて、僕が行った時は大工道具を芸術の域まで昇華させた名工、“千代鶴是秀”の特別展が開催されていたが、まだトーシローの僕には何が凄いのかは良くわからなかった。


ところで、刃物鍛冶の銘は歌舞伎役者の芸名と似ていて、初代・二代目といった銘があったりするので(血縁があるとは限らない)、初代○○は□□の弟子で、二代目○○は初代の長男で・・・の様にその系譜を調べるのもまた面白い。

【おまけ】
折角神戸に来たのだから、観光もしてきた。

≪生田神社≫

   
楼門 拝殿
藤原紀香と陣内智則が結婚式を挙げた事でも有名な神社だが、ここのどこで結婚式を行ったのだろうかと思わせるくらい小さかった。

≪南京町(中華街)≫

あづまや 長安門 海榮門 西安門

ゴールデンウイーク中と言う事もあって、想像した通りの混雑ぶり。

≪神戸ポートタワー≫



タワー(108m)とは言え、周りにはそれよりも高い建物があるので、見晴はあまり期待できないのでは。
(上っていないので、推測です)


“MOSAIC”のロゴを見て、10年以上前にイトコの娘(『いとこ違い』と言うそうだ)のアキコの結婚式の二次会で行った事を思い出した。

2015.05.09



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