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おらぁ、東京さ行ぐだぁ的闘病記
   〜義眼編D〜



殿中でござる
2007年2月13日〜15日


■2007年2月13日(火)
会社で昼飯を食べてから、東京へ出発。
今回はまず明日は東京医科大の後藤先生に逢って核医学注射による検査をお願いに行くのと、翌日の木曜日は東邦大病院の皮膚科の受診。
入院以外で東京に連泊するのは初めてじゃないかな。
何故だかちょっとワクワク。
今日の所は何も予定が無いので映画を観る。(映画を観るのも予定のうちなのだが)
『あなたを忘れない』と言う、何年か前に新大久保の駅で線路に落ちた人を助けようとして、電車に轢かれて死んだ韓国人留学生、イ・スヒョンさんの実話を元にした映画なんだけど、丁度先日、同じ様に自殺志願者を助け様として亡くなった警察官も居て、どうして自分の命を犠牲にしてまで人を助けようとしたのかが知りたいと思ったのだ。

有楽町駅に着いたのは15時45分ころ。
映画の開始は16時からだったので、走って東映丸の内に向かう。
上映時間ギリギリぐらいで映画館に入ったのだけど席はガラガラで、やっぱり平日の昼間は空いている。
さて映画の方なのだが、期待していたものとは随分違っていた。
主人公のイ・スヒョンは品行方正な好青年。一方、日本人は酷く悪く描かれている。
例えば、主人公がタクシーに跳ねられるシーンがあるのだが、タクシーの乗客は「急いでいるんだから、早く行け」と運転手を怒鳴りつける。
そんな事は有り得ないでしょ、普通は。
一緒に居た友人(彼も韓国人留学生)は回りの人に「あなたは事故をみましたか」と、目撃者を探すのだけど、誰も相手にしない。
イ・スヒョンさんは日韓の架け橋になる様な仕事がしたいと思っていたそうだが、この映画を見て同じ様に思う韓国人がいるのだろうか。
この映画はつまらない以前に、公開してはいけない映画なんじゃないだろうか。
ただ劇中、主人公のイ・スヒョンの恋人(ストリート・ミュージシャン)が唄う歌が良かったのは唯一の救いだった。


■2007年2月14日(水)
東京医科大には9時半頃到着。
本当は、8時から診察を行っているので、9時には病院へ入りたいと思っていたが、テレビを見ていたらついつい遅くなってしまった。

診察券と紹介状を眼科受付に出して、あとはイスに座って呼ばれるのを待つだけ。
予約なしなので待たされる事は覚悟の上だが、我が地元の藤田保健衛生大学病院に比べれば、あっと言う間だ。
1時間くらいして視力の検査に呼ばれ、右眼を散瞳してから更に待つ。
この散瞳がクセモノで、これをやられると手元の焦点が合わなくなり、雑誌を読みながら時間を潰すという事が出来なくなる。
だから仕方が無いのでボーっとして待つ外ない。

1時間くらいすると再び呼ばれ、中待合室で少し待ってからいよいよ後藤先生の診察。
後藤先生によれば(これはあくまでも後藤先生の認識だが)、国立がんセンターの鈴木先生も東邦大の金子先生もあまり生体検査を熱心にはやらないとの事。
今回は後藤先生に核医学注射をお願いしに来たのだが、先生の説明によると転移を調べる方法として一般に2つある。
1つは腫瘍マーカーによる方法ともう1つは画像による診断。
腫瘍マーカーとは、、血液や尿、組織などでガン細胞又はガンに対する体の反応によって作られるたんぱく質やホルモン等の一種で、腫瘍の発生の有無や進行の度合いを測る為に用いられている。
しかし、良性の腫瘍でも数値が高くなったりするので、腫瘍マーカーだけでは判断は出来ないらしい。
(全て、ネットからの受け売りです)
画像診断には色々あって、レントゲンやMRI、CTなどで、核医学注射による診断もその一つ。
今回は核医学注射による検査をお願いすると共に、ついでにレントゲンと採血(腫瘍マーカによるチェック)もやってもらう事になった。
もちろん、核医学注射による検査は今日行うのではなく、予約して後日行う。

一旦、廊下の椅子に座って待っていると看護士から核医学注射の予約窓口や検査の窓口の廻る順序が書かれた用紙と申込書が入ったクリアフォルダーを渡され、それを持ってまずは3階の核医学の受付で核医学注射の予約をする。
最初に核医学注射を行った時は3ヶ月くらいの予約待ちだったが、今回は 「来週でも構いませんけど」と言われるくらい予約が空いていた。
僕は来週でも構わないのだが、病室の方が空いているか心配だったので、1ヶ月先の3月13・14日に予約を入れることにした。
この日にしたのは他にも理由があり、3月15日には東邦大大橋病院で金子先生の診察があるので、何度も上京しなくても済むと考えたからだ。
核医学注射の予約が終わると次はレントゲンへ行き、その後は採血をやってからまた眼科へ戻る。
眼科で核医学注射を行う日を伝えて病室(希望は大部屋)が空いているか確認をしたところ、大丈夫だろうとのこと。
この後は会計をしてから、入院予約を済ませると今日の予定は全て終了となる。

昼食を新宿での僕の定番である『麺通団』で取った後、向かうのは両国の『江戸・東京博物館』。
今、『江戸城展』が行われていて、これを見るため。
江戸城で僕が知っている事といえば、「今は皇居になった」と言う事ぐらい。
実際はどんな所だったんだろうと興味があったのだが、本当のところは小雨がパラパラと降っているので、屋根の有る所へ行きたかっただけだ。
両国に着いたら雨は止んでいたが、多分、今日一日は降ったり止んだりだろう。

常設展示と江戸城展のチケットを買って、まずは江戸城展へ。
説明によれば、今年は太田道潅(どうかん)により江戸城が築城されてから550年。
しかし太田道潅が作った江戸城は城との名ばかりで石垣も無いものだったそうだ。
その後、家康が天下を取ってから本格的に築城を初め、1636年に完成するが1657年に火事により天守閣が焼失し、それ以降天守閣は作られなかった。
つまり江戸城に天守閣があったのはほんの20年くらいだったのだ。
皇居にはまだ石垣が残っていて、以前皇居へ行った時それを見て、歴史好き(特に幕末が大好物)の僕は、「勝海舟もこの石垣の前を歩いていたのだろうか」とか、
「もしかすると、今僕は時間を越えて勝海舟と同じ場所に立っているのかも知れない」とか勝手に思いを馳せていた。
(別に勝海舟のファンでは無いのだけど)

『江戸城展』を見たあとは、常設展示の方を見学する。
この『江戸・東京博物館』には以前にも来た事があり、常設展示の方は前回来た時と余り変わっていない様子だったので、横目でチラリと見ただけで足早に通り過ぎていった。
これならチケットも『江戸城展』だけ買えばよかったと少し反省。

時計を見ると4時を少し過ぎたところ。
今から急いで東銀座まで行けば、歌舞伎が観られると思った僕は直ぐ様、博物館を後にした。
歌舞伎座では今月は『仮名手本忠臣蔵』を上演中で、6時半から販売されるチケットでは七段目と十一段目が観覧することが出来る。
七段目と十一段目は有名なシーンで、七段目は大石内蔵助(歌舞伎では大星由良之助)が、
「私は敵討ちなんてぜーんぜん考えていませんよ〜」
という様に、お座敷遊びをしている場面。
そして十一段目はクライマックスの吉良邸討ち入りの場面。
人気のある芝居だろうから、『義経千本桜』の時の様にきっと早い時間から並んでいるに違いないと思った僕は、急いで歌舞伎座へ向かった。
急いだお陰で、到着予定時刻の5時よりも早く着きそうだったので途中、歌舞伎座の近くにあるドトールコーヒーで軽食を取っておいた。
芝居の終わる時間が9時なので、お腹が空かない様にする為だ。

5時に歌舞伎座へ行くと誰も並んでおらず、少し肩透かしを食った気分。
でも今からどっかへ行って時間を潰しているうちに行列が出来てしまうのもシャクなので、そのまま赤い毛氈の敷かれたベンチに座り、雑誌を読みながら待つことにした。

チケットが販売される6時半にはいつも間にか、結構多くの人が並んでいた。
受付でチケットを買い、相変わらず急な階段を駆け上がって一幕見席の受付で今月の出し物のガイドブック購入し、更に最近では一幕見席でもイヤホンガイドがレンタルされる様になったらしく、それも借りて席を確保する。
アッしまった! オペラグラスを忘れた!
歌舞伎座の一幕見席で観劇する場合は、オペラグラスは必須アイテムだったのに。

イヤホンガイドは場面毎の状況や例えば、それ以前の幕のストーリなんかも説明してくれるので物語を理解するのにとても助かる。
その上、当時の風俗などについての説明もあり、衣装ひとつ取っても、ただ綺麗なだけではなく、ちゃんと意味がある事を教えてくれる。

芝居は期待通り楽しむ事が出来た。
とこで討ち入りの場面で、一つ気になったのだが、吉良上野介(歌舞伎では高師直[こうのもろのう])の家来達が元赤穂藩士達にやられるのだが、彼らもまた忠義の上で戦ったのではないだろうか。
歌舞伎では元赤穂藩士の忠義を正義として描かれているが、吉良上野介の家来たちにも正義があったわけで、芝居なんだからそんな事はサラリと流してしまえばいいのだろうが、ちょっとモヤモヤする。


■2007年2月15日(木
今日は東邦大大橋病院で皮膚科の診察だけで、眼科の金子先生の診察はない。
予約は10時半からだったのだが、10時ころ病院へ到着したので、少し早めに診察を受ける事が出来た。
診察の結果、乾燥肌は「随分しっとりしてきましたね」との事。
実はもらった薬はあまり使っていないのだが、先生に言われた通り、少しぬるめのお風呂に入って、洗う時はタオルを使わず手を洗う様に撫で回して(手の届かないところはタオルを使うけど)という様に、極力刺激を与えない様にしていると、普段でも殆ど痒くならなくなった。
「もうこれで大丈夫でしょう」と今回で診察は終了になった。
でも念のため、薬だけは追加で出してもらうようにした。
今までに出してもらった薬も余り使っていないのでまだ残っているのだが、今年の秋口にまた痒くなるかもしれないのでもらっておく事にした。

病院の会計を済ませ、向かいの薬剤店で薬をもらったら渋谷へ向かう。
一昨日観た『あなたを忘れない』で、映画の方はイマイチだったが主人公の恋人役のマーキー(HIGH and MIGHTY COLOR)が歌っていた曲が気に入ったので映画を観た後、サントラCDを買おうと銀座の山野楽器へ買いに行ったのだが、サントラCDが置いてあるフロアが改装中の為、買うことが出来なかった。
そこで渋谷のタワーレコードに行けばあるに違いないと思ったのだが、案の定、容易に手に入れる事ができた。
これで本日の予定は全て終了。
東京地下の沖縄料理屋でソーキそばでも食って帰るとしよう。



2007.3.10記



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