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おらぁ、東京さ行ぐだぁ的闘病記
   〜義眼編P〜



僕たちの『檸檬のころ』
2008年12月7〜8日

12月 7日(日)
いつもなら、東京での遊ぶ時間を多く確保する為、出来るだけ早く家を出発するのだが、今回はちょっとノンビリ。
と言うのも、今日は横浜に住んでいるワカヨの家に遊びに行くことになっている。
ワカヨは僕が東京医科大で入院している時にお見舞い来てくれた、小中学時代の同級生。
そして、その時一緒に来てくれた、カネヤン(彼もまた中3の時のクラスメイト)と一緒に行く為、新横浜の駅で待ち合わせている。(ワカヨとカネヤンは中学高校が同じ)
約束の12時半に電話を掛けるとカネヤンはまだ家に居て、「30分ぐらいで着くから、もう少しまっていて」と言うので、暫く駅ビルにあるビックカメラをブラブラして時間を潰すが、30分経っても携帯は鳴らない。
ベンチに腰かけて、持ってきた『檸檬のころ』(*1:豊島ミホ)を読みながら待っていると、ようやく着いたと電話があった。
駅の南側になるのだろうか、バスターミナルのある方の道で、カネヤンと合流し、ワカヨの家に向かう。
   
*1

田舎町のごく普通の高校年生たちの初めての片思い、初めての告白、そして失恋。情けなくて、かっこ悪くて、でも愛おしい。そんな、誰もが通ってきた慈愛に満ちた青春ストリー。懐かしくて切ない物語。


ワカヨのマンションは海から近い割に、すごく急な坂道の途中にあり、ちょっと神戸に似ている。
カネヤンが呼び鈴を鳴らすと、ドアが開きワカヨが出てくるのに続いて、ワラワラと子供も大勢出てきた。
ワカヨの所は子供が3人全て男の子だが、なんだがもっと居る。
それはカネヤンの一人息子も含まれていたのだ。
彼は前日からワカヨの所に泊っていたそうだ。
後から聞いた話では、月曜から期末試験にも関わらず、勉強道具は一切持ってきておらず、ゲームソフトだけをカバンに詰めて来ていたらしい。
カネヤンの奥さんは6才のP君息子を残して病気で亡くなってしまい、それ以来カネヤンは男手ひとつで彼を育てている。
自分の事だけでもままならない僕から見れば、カネヤンは子育ての他、家事もこなしていて、スゴイと思う。
ワカヨはカネヤンが出張などで家に居ない時、P君彼を預かっていて、ワカヨの面倒見の良さの血を受け継いだ長男坊があれこれと世話を焼いているらしい。
更に次男坊はP君彼が大好きで、抱きつかんばかりの様子を見て、「お前達は恋人同士か」とワカヨに言われる始末。
つまり、カネヤン家とワカヨ家は家族ぐるみの付き合いなのだ。
(三男坊はまだ、幼稚園児でワケガワカラナイお年頃でマイペース)
ワカヨの旦那さんは子供たちに輪をかけてゲームが好きで、家ではずっとゲームをしているらしく、今は『モンスターハンター』にはまっているとの事。
しかし、優しそうなスポーツマンタイプで、今朝も次男坊を連れてサッカーの練習に行っていたとワカヨは話していた。

昼食はワカヨ手作りのパスタや手羽先やサラダなど、どれも美味しく、腹いっぱい食べさせてもらった。
しかし、小学生の頃から考えると、まさかワカヨの手料理を食べるとは思わなかった。
ホント、人生って面白いね。
思わなかった”繋がりで言えば、今回、ワカヨは駒田一(*2)にも声を掛けてくれたのだが、生憎彼は舞台(AKURO-悪路-)の真っ最中。
しかも、神田沙也香と共演している。
まさか、将来、松田聖子の娘と同じ舞台に立つとは思っていなかっただろうな。
しかも、”娘”と言うところが時の流れを感じさせる。

*2
ミュージカル俳優で、「屋根の上のバイオリン弾き」や「レ・ミゼラブル」などに出演。しかも、結構、重要な役柄を演じている。僕とは中2の時のクラスメイト。

ワカヨ、カネヤンとは「誰と誰が付き合っていた」とか、「誰が好きだった」とか、まったく30年前にタイムスリップした様な話で盛り上がり、メチャメチャ楽しかった。
(ローカルな話なので、ここでは控えさせて頂きます)

カネヤンに近くの駅まで車で送ってもらい、東京・築地へ。
ホテルで少し休んでから、昭和通り沿いにある『伽哩屋 五郎蔵』でカレーを食べた後、いつもの様に銀座をブラブラする。
クリスマスが近いので、あちらこちらにイルミネーションが灯っていて綺麗だ。

     
ストリートミュージシャンがサックスで奏でるジャズの優しい調べがイルミネーションを更に温かい輝きにしていた。
ふと、「ニューヨークの5番街みたい」と思ったが、行った事がないので、あくまでもソーゾーです。
しかし、街はロマンチックだけれど、足元にはダンボールに包まった人がチラホラと・・・。
「以前はこんな事はなかったよなぁ」と厳しい現実に急に寒さ覚え、かじかむ手をコートのポケットに突っ込んで、足早にホテルへ向かった。

12月 8日(月)

今日はMRIの検査があるので朝食抜きだけど、ホテルの1階にある喫茶店でスポーツ新聞を読みながらコーヒーだけを飲む。
本来、ホテルの料金にはこの喫茶店での朝食が含まれているのだが、検査が有る事が多い為、ここで朝食をとる事はあまりない。
でも、何年も通っているうちに、店のママさんとはコーヒーのお代わりを入れてくれるくらい、少し親しくなる。
MRIの検査は朝一番なので8時に病院へ行くが、受付がまだ開いておらず、暫く1階のラウンジで昨日から読んでいる『檸檬のころ』を読みながら、受付が開くのを待った。
時間になり受付を済ませ、MRIは腹部の検査を行う。
一番転移しやすい肝臓をチェックするのだ。通常行う検査には採血や胸部レントゲンでもあるが、これらは会社で行う健康診断と同じ項目をチェックするだけなので、わざわざ病院で行わなくてもいいですと、今回の診察で鈴木先生に言われた。
なぁんだ、今まで散々検査をしていたけれど、やらなくても良かったんだ。
でも、会社の健康診断の場合、ほとんどが健康な人を検査しているので、数字で表れてこないレントゲンではどれくらい真剣に診ているか心配だ。
その点、ここなら、病人を検査しているので、やはり真剣さは違うでしょう。
今日のMRIの正式な検査結果は1週間後になるが、鈴木先生が診た限りでは問題なし。
今度の月曜日に電話をして正式結果を確認する事とした。
会計を済ませると、時間はまだ10時。ブランチは築地場内の穴子丼の旨い店でとろうと昨日から考えていた。
ずっと前に食べておいしかったのだが、それ以来、また行こうと思いつつも、店の名前が思い出せず行けていない。
回も市場をグルグル回ったのだけれど、やっぱり分からず、結局、見た目は似ているだろうと、『福せん』という鰻屋に入る事にした。
ここは『ハーフ&ハーフセット』というセットがあり、「うなぎ茶漬け」「焼き鳥丼」「うなぎ丼」「鰻まぶし丼」の中から2つを選ぶ事ができ、それに味噌汁と漬物が付いて1400円。
僕は「焼き鳥丼」と「うなぎ丼」のセットを注文した。
こう言っては何だが、うなぎの店なのだが、焼き鳥丼がうまかった。

食後は再び病院へ戻り、ラウンジでまた読書。
普段、小説はほとんど読まないのだが、読み始めると止まらない。
2時間ほど読んで、ようやく家路についた。

2008.12.31記



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