Back  Index Next 

おらぁ、東京さ行ぐだぁ的闘病記
   〜義眼編Q〜



アニメ三昧
2009年 6月7〜8日

6月 7日(日)
昨晩のサッカー日本代表のW杯出場を掛けたウズベキスタンの試合を見ていて、寝るのがすっかり遅くなってしまった。
それでも、「新幹線で寝ればいいや」と思っていたのだが、ウツラウツラとするばかりで何故だか寝られない。
そんな寝不足気味で、体調が今一つの状態のまま今回の上京はスタートした。

東京駅には10時半過ぎに到着し、駅中のコーヒーショップでホットドグとコーヒーでブランチをとった後、中央線で三鷹へ向かう。
今回の目的地は『三鷹の森 ジブリ美術館』。
以前にも行く計画をした事があったが、その時はチケットが売り切れで行けなかったのだけれど、近頃ではネットで簡単に入手が出来る様になって、今回ようやく行けることになった。

三鷹駅に着いたのは11時半ころ。
この時は体調が最悪で、駅から美術館までのバスが出ているのだが、それに乗ってしまったら確実に酔ってしまうと思い、玉川上水に沿って歩いて向かった。
そう言えば、玉川上水は太宰治が愛人と入水自殺をした所じゃなかったっけ?
奇遇にも今年は太宰治の生誕100周年だと、何かで見た覚えがある。
しかも、この玉川上水沿いには山本有三記念館もあって、なんだか文学のニオイがプンプンする場所だ。

三鷹駅から『三鷹の森 ジブリ美術館』までは急いで歩けば15分くらいで着くのだが、入場時間が決まっているので早く行っても仕方がない。
今日は有難迷惑なくらいに天気が良く、急いで歩くと汗が一杯出てしまうので、初夏の日差しを避けながら川沿いの木陰をゆっくり歩いて行く。

 

美術館では先ず初めに受け付けでトトロが出迎えてくれる、が本当の受付はここから10mくらい先に行ったところにある。
建物の中に入ると、最初にアニメーションの仕組みが展示されている。
アニメーションの原理はパラパラマンガで、例えば回転する大きな円盤の上に少しずつポーズが異なったトトロ人形が置かれていて、これに点滅するライトを当てるとトトロの人形が動いて見える。
これもパラパラマンガの応用例のひとつ。

2階にはアニメを作る作業部屋を模した6畳くらいの広さの部屋があるが、実際にはこんな小さな部屋ではなく、もっと大きな部屋で大勢の人で作っていると思う。
このフロアで一番、目を引いたのはトトロの絵コンテ。
絵コンテとは映画の台本に映像の絵を描いたもので、実際の映画になる前の設計図みたいなもの。
僕はジブリ映画の中では『となりのトトロ』が大好きで、DVDで何度も観ていて、トトロの絵コンテをパラパラとめくっていると、「あっ、あのシーンだな」と記憶の中の映像と重ね合わせていた。
中には実際に映画になったシーンと違っているところもあって、新しい驚きだった。
(例えば、エンディングでサツキとメイが、退院してきたお母さんと同じふとんで寝るシーン)

美術館の中には『土星座』という映画館があり、ジブリ・オリジナルの短編映画を見ることができる。
上映される映画は定期的に変わっていて、今日の上映は『やどさがし』という作品。
女の子が大きなリュックサックに沢山の荷物を詰め込んで田舎に出掛けるという内容で、セリフが一言もなく、女の子の鼻歌や、森の精のうなり声、効果音も声優の声だけで、物語が進んでいく。
で、映画のエンディングで声の出演のエンドロールが出て、館内に「おおっーー」と言う驚きの声が。
なんと、女の子の声は矢野顕子、森の精などの声をタモリがやっていた。
そう言われると、そんな声だったよ確かに。

昼食は美術館の中にある『麦わらぼうし』というカフェでとる、とは言え、店内には入らずテイクアウトで『2段重ねのチキンカツサンド』と地ビールの『風の谷のビール』で済ませる。
こういう場所なので味は期待していなかったけれど、その期待を裏切るウマサにうれしい驚き。
カツとビールはナイスマッチです。
今日は土曜日だというのに館内はあまり混んでいなくて、食事の為のベンチも簡単に座れたりで、「以前はチケット入手すら困難だったけれど、これも世界同時不況の影響なのかなぁ」と少しビールで酔った頭で思った。

    

食事の後は屋上へ足を運ぶ。
ここには『天空の城 ラピュタ』に出てきた、恐らく原寸大だろう思われる機械兵が立っている。
映画では長く放置され、朽ちて動かなくなった機械兵が出で来るが、正にそんな感じで、物も言わずに回りの人間たちを眺めていた。
機械兵が立っている屋上には雑草が生い茂っているが、実はコレ、わざわざ生やしているのだと、『となりのトトロ』のDVDの特典映像で宮崎駿が言っていた。
確かに、『天空の城 ラピュタ』では人が居なくなり、手入れをされなくなったラピュタでは雑草が生い茂っていた。
きっとそれを再現しているのだろう。

 

1階から屋上まで見て、これで館内全て征服したことになるので、念のためもう一度見落としているところが無いかを確認して美術館を後にした。

 


6月 8日(月)

今日は朝一番にMRIの検査があるので朝食はコーヒーだけで済ませて病院へ向かう。
昨日のピーカンな天気から一転して今日は小雨模様。
傘を差すか差さないか迷うようくらいしか降ってはいないが、そもそも今回は傘を持ってきていないので差さずに行くしかない。

自動受付機で受付を済ませて、保険証の確認窓口が開くのを少し待ってからMRI検査室のある3階へ上がる。
エスカレータで2階まで上がったところに、マスクの自動販売機があった。
初めて見る自販機に思わず写メを撮る。1つ100円だが売り切れだった。

 

MRI検査室は去年来た時から変わっていて、聞くところによると今年の4月に変わったのだそうだ。
検査の為、眼鏡を外しているのでぼんやりとしか見えないけれど、部屋の作りの変わっているほか、検査機そのものも変わっているみたいだ。
しかし、相変わらず検査中のやかましい音はそのままだった。

MRI検査の次は眼科で診察。黄色い袋には入ったカルテを眼科の受付で渡すと早速、「久しぶりだね」と木村先生に呼ばれて右目の眼圧や視力検査を行う。
当然というか、やっぱりと言うか、問題なしである。
問題が有るとは思っていないが、この様に検査をして大丈夫だと言ってもらえると、ほっとする。

暫くして鈴木先生に呼ばれて診察室に入る。
つい先ほどやったMRIの検査結果をパソコンのモニターで見て、「全然問題ないですね」との結果。
左眼も義眼台の露出もなく、問題なしである。

僕は前から気になっていた事について鈴木先生に聞くことにした。
一つは目ヤニについて。義眼で困る事の一つに目ヤニが沢山でるという事がある。
『ながやの掲示板』の書き込みを見てみると、目ヤニがそんなに出ない人もいる様なのだが、鈴木先生に聞いてみると「義眼だと仕方が無い」との答えだった。
目ヤニがドバッと出たり、ドギツイ色でなれば問題ないとの事で、幸いそうでは無いから辛抱するしか無い。
もう一つの質問は健常眼である右眼の定期的な検査が必要かについて。
鈴木先生の回答は両眼共に悪性黒色腫になる可能性はほとんど無いので、その心配はいらないとの事。
また、緑内障などの疾患についても症状がでていなければ特に検査の必要はないらしい。
そもそも、病気を治すのが医療であって、病気を見つける(検査)は医療では無いので、厳密に言えばやってはいけないとの事だ。
そうは言っても、病院へ行けば「○○検査を受けましょう」といったポスターを見かけるが、あれは本当はいけないのかなぁ。
病気の早期発見は(特にがんは)、とても重要な事だと思うのだが・・・。
そんな質問をしながらも、実は先日、会社の近くの眼科で検査を受けて、問題ないことを確認している。
やはり、自分の身は自分で守らなくてはいけない。
ところで、今になって思うのだが、鈴木先生が「病気を見つけるのは医療ではない」と言われたのは、ひょっとしたら国立がんセンターでの医療行為の事かもしれない。
だとすれば、がんセンターで、例えばがんとは関係の無い緑内障の検査は行わないという事は、ある意味当然だと思う。

会計を済ませた後、築地場外市場の『虎杖』("いたどり"読みます)へ向かう。
最近、テレビでよく紹介されている『海鮮ひつまぶし』を食べるのが目的だ。
系列店がこの界隈に何軒かあるのだが、今回僕が向かうのは『築地虎杖 魚河岸千両』。
うなぎの寝床の様な細長い店内のカウンターの一番奥に座り、『海鮮ひつまぶし』を注文する。
『海鮮ひつまぶし』はおひつにウニやイクラを始め12種類以上の魚介類が散りばめてあり、まずはそれらに軽くわさび醤油をかけ、茶碗によそって食べる(ここではウニを除けておくのがポイント)。
次は特製のたれを掛けて後、全体を混ぜて茶碗によそって食べる。
最後は、茶碗によそって特製のだしを掛けてお茶漬けの様にして食べる。
これだけ高級食材のオンパレードであるから、不味い訳が無いのだが、殊更美味いわけでもない。
どちらかと言えば、味の割りには値段(2100円)が高いかなといった感想で、ちょっとガッカリ。
お客さんのほぼ全員がこの『海鮮ひつまぶし』を注文していた。
しかし、安易に作れてしまうこの料理ばかり売れて、寿司職人として腕の見せ所が無いのではないかな。
なんだか、儲けに走っている様で、そんなところもガッカリした要因の一つだ。
(接客も良かったとは言えないし・・・)

空模様は依然としてはっきりしない。
幸いにも今のところ雨は止んでいるのだが、いつ降り出してもおかしくない。
念のため、コンビニで500円の傘を買ったが、結果的に家に帰るまでこの傘を使うことはなかった。
(未だに開くことなく家の傘立てに鎮座している)

次に向かうのはお台場。"アイツ"を見る為に向かうのだ。
新橋からゆりかもめに乗り込み、台場駅から海の科学館駅の間に"アイツ"が見えてきた。
そう、それは実寸大の『機動戦士ガンダム』。
7月の公開に向けて組立中なのだが、完成したものは見に来れないので、せめて製作途中でも見ようと思ったのだ。

 

海の科学館で新橋方面へ乗り換えて再びお台場へ戻り、そこから潮風公園へ徒歩で向かう。
今日は胴体を乗せる作業が行われていた。
腕や頭部の無いガンダムは、最終回でボロボロになったシーンにどことなく似ている。
僕はそれほどガンダムには思い入れは無いが、実寸大だとどれくらいの大きさになるのかと思い、興味があった。
実際に見てみると、なるほど、18mというとこれくらいの大きさになるのかと変に感心していたが、周りに大きさを比較する物が無いので、いまひとつピンとこない。
組立中のガンダムの前には遠足で来ている幼稚園児たちがシートを広げてお弁当を食べていたが、あまり興味なさそうだったのが印象的だ。
もう、すっかり興奮して見た後のお弁当だったのかな。
どちらかと言えば僕を始め、大人たちの方が興味深く組み立てられていく様子を飽きもせず、ずっと眺めていた。

   

ガンダムは今年、生誕30年らしい。
そして僕は病気が見つかってから10年が経った。
この間、残念ながら平穏無事と言うけにはいかず、再発や眼球摘出もあったが、それでも10年を迎えることが出来た。
この先、何があるか分らないが、このガンダムの様に30年後も大地にしっかりと立っていられたらと思う。

 

2009.9.1記



 Back  Index / Next