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おらぁ、東京さ行ぐだぁ的闘病記
   〜義眼編S〜



久しぶりの義眼工房
2010年 6月20〜21日
6月 20日(日)
今回の上京の最大のイベントは、久しぶりに義眼工房の水島先生に会う事。
月曜の国立がんセンターでの検査&診察の後に行こうと水島先生に連絡をしたところ、その日は帝京大病院で月に一度の金子先生のお手伝いをする予定が入っているとの事で、代わりに日曜に会って頂ける事になった。
王子には2時頃に伺う予定なので、その前に、これも久し振りに土手の伊勢屋で天丼を食べる。
ビールも飲みたい暑さだが、この後、水島先生の所に伺うのに酔っ払っていてはダメなので我慢。

店を出た後、まだ時間があったので腹ごなしの為、少し散歩でもしようと山谷の辺りを歩いていると、ビルの間から背の高いタワーが見えた。
「おっ、あれが東京スカイツリーか」
そう言えば浅草とか押上とか、東京の地理は詳しくはないけど、確かここからはそんなに遠くはない所で立てていると聞いた記憶がある。
折角なので写真を撮ろうと思ったものの、ビルやマンションが邪魔で中々良いアングルで撮れない上に、遠目に小さく写る程度。
ならばもっと近づこうと思い、噴出す汗を拭いながらズンズン歩いて行ったが、近づけば近づくほどタワーそのものが建物の影に隠れて見えなくなってしまう。
高い所へ上がれないかと考え、マンションの非常階段で上がろうとしたが、そもそもカギが掛かっていて入れない。
こうなれば兎に角近くまで行こうと、更に歩いて行くと公園に出てきた。隅田公園で、少年野球の練習をしている向こうに建設中の東京スカイツリーが現われた。
しかし、あまり良いスタイルをしていないなぁと言うのが率直な感想。なんだかヒョロヒョロしたエノキ茸みたいで、美しくない。僕としては東京タワーの方が良いなぁ。
(後日、旅行の広告か何かで"19日現在の高さが398m"と載っていたので、この日は丁度400mくらいかな)

   


左端の街灯にちょっと似ている

バスと都電を乗り継いで王子の水島先生の工房に着いたのは2時過ぎ。
部屋はクーラが効いていて、あぁ極楽、極楽。
今回伺ったのは、義眼をチェックしてもらう事が目的。義眼を作って頂いてから3年以上経つが、これまで一度もチェックをしていないのだ。
先生に見て頂いたところ、まったく問題ないとの事だったが、折角なので研磨だけやって頂いた。
最近の水島先生は帝京大の金子先生のお手伝いとして、小さな子供の義眼のケアをされているそうで、小さい子というのは日々成長しているのですぐに義眼が合わなくなってしまったり、あるいは義眼を外して噛んで傷だらけにしたりして困っている人が多いということで帝京大に『義眼外来』を作ってもらい対応されているのだそうだ。
先生とは久し振りなのでもっと話をしたかったが、奥様が腕を骨折されているとの事で、早々に引き揚げる事にした。

今日はこの後の予定は無く、こんな事もあろうかと、有楽町のどこの映画館で何時から何の映画をやっているかを予め調べておいたが(我ながら準備が良い)、適当な映画が無かったのでマルイに入って、Vネックの黒のTシャツが無いかを探すことにした。
以前から探していて、どこにでも有りそうなものなのだが、これが案外無く、あっても変な柄がついていたりして中々気に入るものが見つからないでいた。
しかし、さすがマルイだけの事はあって、数軒の店で売られていたが、どの店も6000円以上もして、大金持ちじゃない僕にはTシャツごときにそんな大金は出せない。
今回もダメかと諦めかけた時に、2980円で売っている店を発見。
それでも僕には充分高額なのだが、ついさっきの店の半額以下なので思わず買ってしまった。

マルイを出てホテルのある築地方面へ歩き出すと、丸の内東映が見えた。
事前に調べた中に、どういう訳か丸の内東映は入っていなかった(我ながらマヌケである)。
時間を確認すると、丁度『孤高のメス』が始まるところだったので、慌ててチケットを買って中に入った。
映画はアメリカで研修をしてきたスーパードクターが片田舎の公立病院に赴任して、難しい手術を次々とこなし、当時は日本ではまだ認められていなかった生体肝移植までも成功させるという話で、何で今更という映画。
しかし、生体肝移植が認められた当初は、手術が行われるとニュースで大々的に報道されていたが、今では当たり前に行われているのか、報道される事は無い。
我々が期待するのはスーパードクターの存在では無く、高度な医療技術の標準化なんだ。

映画館を出て晴海通りに出ると銀座の時計台(和光)の向い側に消防車と救急車が何台も止まっていた。
すぐに僕は2年前の秋葉原で起きた事件を思い出した。
あれも6月に僕が上京していた日だった。
近くに行くと20代くらいの女性が担架で運ばれているのが見えたが、周りの人は落ち着いていて、事件が起きた様子は無かった。
夕食の為に入ったあずま通りにある『海ごはん』の店員にも聞いたが何も知らなかった。
ホテルでTVニュースを見ても何も言っていなかったので大したことは無かったのだろう。
よかった、よかった。

ホテルでひと息ついてから銀座探検に向かう。
銀座のビルの谷間に小さな稲荷があることをテレビで紹介していたので、探してみようと思ったのだ。
テレビの映像から大体の場所の見当はついていたが、いざ行ってみると全然違う場所にあった。
全然違う場所だったので、稲荷の石柱を偶然見つけなければ永遠に探し続けていたかもしれない。
石柱の立っているビルの谷間を入っていくと小さなお稲荷さんがあった。
しかし、どうしてこんなに狭い所にお稲荷さんがあるんだろう。
お稲荷さんの有った場所にビルを建てる事になったが、お稲荷さんは商売の神様だから取り潰すわけにもいかず、結局、ビルに取り込む形になったと言うところでしょうか。
お稲荷さんを過ぎて、更に細い路地を進んでいくとビルに入るドアが有る。
このドアも参道の一部なので、ビルが閉まっていても24時間開いているらしい。




縁結びのパワースポットとして有名らしいです



ここに出てきます

6月 21日(月)
朝目覚めたら時計は8時を指していた。
「やべぇ!」本当は7時半に起きる予定だったが、目覚ましのセットを失敗していた。
慌てて身支度をして1階の喫茶店でコーヒーだけ飲んで病院へ向かう。
病院が近くて良かったよ。

8時半には受付を済ませて、まずはMRIの検査を受ける。
検査の方はいつも通りで、鼻への酸素を供給する管をやらなかったくらい。
MRIの次は眼科で鈴木先生の診察。
眼科では診察の前に行っていた木村先生の視力や眼圧の測定がなかった。
受付の小窓から見た感じでは木村先生は不在のようだったがどうしたのだろう。
担当医の所には木村先生のプレートがあったので、今日は単に休みなのだろうか。

鈴木先生の診察では、ついさっき行ったMRIも含めて問題無しで、ひとまずメデタシ、メデタシ。
次に「少し左のマブタが下がっていますね」と話をされ、僕としても左右の目の開き具合がアンバランスなのは前から気にはなっていたが、「そんなもんだろう」と思っていた。
先生の話によれば、『眼瞼下垂(がんけんかすい)』という状態で、これは先天性の場合もあれば後天性の場合もあり、後天性の場合は妊娠したり、あるいはコンタクトレンズを付けただけでなる場合もあるというデリケートな病気というか症状。
手術で治す事も可能だが、がんセンターでは行っていないとの事だ。
数年前に韓国の蘆武鉉(ノ・ムヒョン)大統領(当時)もマブタが垂れてきたので(彼の場合は老化が原因だったと思う)手術をしたという報道を聞いたことがある。
手術を受けるかどうかは別として、治せるという事は嬉しい情報だ。



会計を終えてもまだ9時半。
検査の為、朝食抜きだったので、築地市場で朝食を取ることにした。
特に行く店は決めてはおらず、何を食おうかとブラブラとしていたら、乾物屋の主人が他の旅行客に「店内を覗いてみて、長靴を履いている人が居るでしょ。
あの人たちは市場の人で、市場の人が多く入っている店が美味しいだよ」と説明をしていた。
なるほどと思い、チラチラと外から店内を見て、長靴を履いた人が5人ほどいた『ふぢの』というラーメン屋に入り、暑かったこともあって冷やし中華を注文した。
出てきた冷やし中華は麺がヒタヒタに浸かるくらい黒いタレが掛かっていて、今ひとつ美味くない。
長靴を履いた人が多いんだけどなぁ、やっぱり好き好きなんだろうかと、乾物屋の長靴理論は脆くも崩れ去った。
メシを食った後は去年に続いて再びジブリ美術館へ行く。
目的はこのゴールデンウイークに和室をフローリングに張り替えたのを期に、この部屋をアトリエにしようと考えていて、ジブリ美術館にアトリエを模したコーナーがあった事を思い出し、それを参考にしようと考えたのだ。(もちろん、実際のジブリの作業部屋とはまったく違うはず)

前回は三鷹駅から美術館まで歩いて行ったが、今回はバスで向かう。
美術館に着いてたら真っ先に『麦わらぼうし』というカフェへ行き昼食をとる。
レストランもあるが行列が出来ていたのでやめた。
ホットドッグとみかんジュースをお腹に詰め込んだら、目的のアトリエのあるコーナーへ行く。
アトリエは薄暗く、暗い色の家具で統一されていて、本棚には分厚い本がぎっしり詰まってたいた。
壁にはアンティークな飛行機などのポスターが所狭しと貼られている。
こんな雰囲気のアトリエにしたいと思い、写真撮影は禁止なので脳みそにしっかり覚えさせる為に、ずっとみ見入っていた。
次にショップへ行くと相変わらず人でごった返していたが、売られている商品は前回来たときとは少し変わっていた。
その中に(前回もあったかもしれないが)、ジブリ美術館を紹介する本があり、あのアトリエの写真も載っていた。
僕の当てにならない記憶力よりも、この本があれば心強い。見たいものも見て、思いがけない本も手に入れたのでもうここには用はないのだが、そうそう、土星座で映画をまだ観ていなかった。
今日は『くじらとり』という映画で、幼稚園で子供たちが積み木で船を作り、鯨を"釣り"に行くという話し。
前回見た『やどさがし』に比べて面白くなかった。
ジブリ美術館には正味1時間くらいの、あっと言う間の滞在で、岐路についた。


2010.7.12記



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