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おらぁ、東京さ行ぐだぁ的闘病記C
   〜骨転移編 ブレイク〜



■骨転移! さぁ、どうする!!
と言う事で、骨転移と診断が出たところで、さて何をすべきか。
ちょっと考えただけで、色々と出てきた。
 ・骨転移について
 ・治療方法について
 ・治療後の日常生活について
 ・治療後の仕事について
 ・お金について
これらを一度に考える事が出来るほど、僕の脳ミソの出来は良くないので一つずつ考えてみた。
但し、一つにあまり時間は掛けられないので、概略が分かる程度に留めた。

【骨転移】
脈絡膜悪性黒色腫が転移する場合、日本人では90%が肝臓。
その他、肺や骨、脳等にも転移する事があるそうだ。
そもそも、脈絡膜悪性黒色腫自体が日本では200万人に1人くらいの割合しかおらず、その全ての人に転移が有ったとしても、90%が肝臓への転移なので、骨に転移する人が5%と仮定すると、4000万人に1人になる。
(ちなみにジャンボ宝くじの1等が当たる確率は1000万分の1で、平均購入枚数が30枚らしいので、計算すると約33万人に1人が当選している事になり、脈絡膜悪性黒色腫が骨転移する確率よりも120倍以上当たりやすい)
なので、該当者が限られる為なのかネットで調べてみたが情報は皆無だった。
しかし、脈絡膜悪性黒色腫からの転移という縛りを外せば幾つか見つかった。
中でも一番参考になったのは大阪府立成人病センターの橋本伸之先生[医学博士]が一般人向けに書かれた『がんを生きるための骨転移リテラシー』(文芸社)という本。
僕の参考になった点は以下の通り 。
(詳細は本を読んでください)


・骨転移に限らず、転移が起きたという事は『進行がん』であり、完治は難しい。
・一部の骨転移を除き、基本的には骨転移では死なない。
・骨転移には溶骨型と造骨型がある。
皮膚や他の部位と同様に骨も日々新陳代謝を行っていて、古い骨を溶かして新しい骨に生まれ変わっているのだが、骨を溶かす細胞(破骨細胞)が暴走しているのが『溶骨型』で、新しい骨を作る細胞(骨芽細胞)が暴走しているのが『造骨型』。
『溶骨型』の場合は骨の外に拡がる事があり、麻痺の原因になる。
・骨転移により骨折の可能性あり。


【治療方法について】
一般的ながんの治療法には『放射線(粒子線も含む)』『抗がん剤』『免疫療法』『外科手術』があるが、それぞれについてメリット・デメリットがあり、また分からない点もあるのでそれらを整理し、後日、国立がんセンターの鈴木先生に確認する事にした。


治療方法 疑問 メリット デメリット
放射線

・メラノーマには効きにくい
(実際のところ、効かなかった)

陽子線 ・どれくらい効果がありそうか
・後遺症は

・300万円くらい
(高額療養費制度が使えない)
化学療法
(抗癌剤)
・どの様な薬があるか
・どれくらい効果がありそうか
・後遺症は
・費用はどれくらいか



免疫療法
(オプシーボ)
・薬の投与期間は
・後遺症は
・費用はどれくらいか

・現在、見つかっていない癌細胞も殺すかもしれない
・高額療養費制度が使える
・効果(奏効率)は20〜30%くらい
(眼のメラノーマは更に低い?)
・効果判定に時間がかかる
・神経障害、肝炎などの重篤な副作用の恐れあり。
 最悪の場合は死亡する事もある。

外科手術
(慶応大病院)
・どの様な手術か
・後遺症は
・費用はどれくらいか
・高額療養費制度が使えるか


・後遺症の心配が大
(最悪、下半身マヒ?)
・癌細胞を取り切れない場合が有る

【治療後の日常生活について】
現時点では外科手術を行う可能性が大であるが、場所が場所なだけに後遺症が心配だ。
僕の場合は前述の「麻痺リスクのある転移」にバッチリ当てはまる為、益々心配。






骨転移で死ぬ事は無いとは言え、何があるか分からない。
まぁ、死んでしまったら後の事は生きている人に任せるとして(独り者はこの点は気楽)、最大の問題は半身不随になった場合だ。
日常生活に多大な影響を及ぼすと思われるが、どんな所に影響があるかサッパリ分からないので、僕なりに想像し、調べてみた。

@家のリフォームが必要
僕は一戸建てに住んでいるが、家の門から玄関までが少し上り坂になっている上、段差もある。
ここを車椅子でも通れる様にスロープへ改修が必要。
また、古い家なので上がりかまち(玄関の段差)が30cmほどあり、ここもどうにかする必要がある。
更に、トイレやお風呂もリフォームが必要となり、その費用は幾らになるのだろうか・・・と調べてみたが分からないので、実際に必要となった時に工務店に見積をしてもらう事にした。

Aトイレについて
僕は知らなかったのだが、半身不随になると排便・排尿のコントロールが出来なくなるらしい。
腸の運動自体は健常者と変わりなく動いているのだが、いきんでウンコを出すという事が出来ないそうだ。
その為、前日から水を多く飲んだりする準備が必要で、当日も浣腸をして1.5〜2時間ほど掛けてウンコをするらしい。
また、オシッコも漏れやすくなり、ネットで調べた中には尿道に管を刺して、タンクや袋に溜める様な事をしている人もいた。
何れも、麻痺の程度によると思うが、中々厳しそうだ。

B自動車について
半身不随になったからと言って、ずっと家に引きこもっているわけにもいかないので、手動操作で運転が出来る自動車が欲しい。
国内の自動車メーカのホームページを見たところ、車椅子の障碍者が運転できる車両を用意しているのはトヨタ・ホンダ・日産だけだった。
ホームページだけでは分からないので実際にディーラーに出かけ、またトヨタの場合は福祉車両だけを扱っているディーラー(トヨタハートフルプラザ)があり、話を聞いてきた。
それによると、
・手動運転装置やその他の機器は福祉車両だけでなく、希望する車両へ後付けが可能。
(但し、付けられない場合もあるので、車両を購入前に相談が必要)
・手動運転装置やその他の機器は僕の家の近くの『ミクニ ライフ&オート(旧ニッシン自動車)』という所が扱っている。
・手動運転装置は20万円前後、ハンドル旋回ノブは1.5万円前後
・新たに免許が必要なのかどうかはディーラーで聞いても分からなかった。


手動運転装置
<APドライブ>

<オートスピーコンU>

ハンドル旋回ノブ

C電車について
僕がよく使う名鉄(名古屋鉄道)の場合、ホームページによると利用する前日の18時までに連絡をしなければいけない。
JR東海に至っては2日前までに連絡が必要。
出かける時は良いとしても、帰りは時間通りにいかない可能性が高い。
これは即ち、現実的には使えないという事だ。
一方、名古屋市交通局(地下鉄など)は事前の連絡は必要無い様だが、地下鉄の駅へ行くには名鉄に乗る必要があるので、やはり使えない。
名鉄もJRも名古屋市交通局を見習うべきである。
車椅子生活になると移動がすごく制限される。
やはり、自動車が欲しいね。

【治療後の仕事について】
生きていく為には働かなくては行けないが、半身不随になった場合は現在の家具工房は続けられないので、廃業しなくてはいけない。
廃業した後、何をするかは追々考えるとして、まずは廃業の為に何が必要かを考えた。
・材料、工具類の処分
・機械の処分
・貸工場の復元
これらも色々とお金が掛かりそうだ。
半身不随の場合は即廃業へ進めていけば良いが、片足だけ麻痺といった場合はどうするか悩むところだ。
麻痺の程度にも依るだろうし、その場合は少し様子見だろう。

【お金について】
家のリフォームや廃業に掛かる費用など、色々とお金が必要になる事が分かったが、公的にはどんな補助があるのかを調べてみた。
・障害基礎年金[国制度]
    ・・・障害基礎年金1級=約8万円/月、2級=約=約6.5万円/月
      (障害の等級は障害者手帳とは異なる)
・特別障害者手当[国制度]・・・身体障害1、2級=約2.6万円/月
・特別障害者手当[県制度]・・・身体障害1、2級=約0.1万円/月

その他に自動車の改造費や病院への通院、入院費など色々と補助が有る様だ。
(もちろん障害の等級により受けられない補助もあるし、自己負担もある)

身体障害者手帳は市役所の担当窓口に申請し、その後児童・障害者相談センターで障害等級の判定が行われて手帳が発行される。
但し、障害の程度はリハビリ等により変化するので、医師の意見書は退院してから6か月ほど待たなくてはいけないらしい。


あれこれ調べているうちに何とかなりそうな気がしてきた。
転移した事は仕方がないが、幸いにも骨転移では死ぬことは無いので後は生きるだけである。
その前に治療をするのだが、それらについては国立がんセンターと慶応大学病院でもう少し詳しく聞いてくる予定だ。

2017. 1. 27

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