2001年のコラム


ごんしーごんしーふたたび

 全く中国はおめでたい国である。うらやましいとはこういうことだ。って、否定的に文章をはじめてしまったが、これは本意ではない。本当にめでたい。
 というのは、昨日ワールドカップアジア予選で、中国の2002ワールドカップ出場が決まったらしい。夜9時過ぎ、突然外から歓声、爆竹(おやおや、都市では禁止されているはずなのに…)、太鼓の音、クラクションが。7月の2008年オリンピック開催決定の時と同じだ。我が事務所兼自宅は19階なので、窓から見下ろすと、よくはわからないが大変な騒ぎのようである。部屋着がわりにサッカー中国チームのユニフォームもどきを着ているので、これで外に行って一緒に騒ごうかとも思ったが、なにしろ旅行帰りで疲れていたし、一応外国人なのでやめておいた。でも、これを事前に察知していれば、窓から中国お得意の赤い垂れ幕を下げたら面白かったかと悔やまれた。「恭喜!中国隊!歓迎光臨来日本!(日本人民)」ってやつをね。
 しかし、立て続けに喜びは来るし、APECはやるし、WTOには加盟するし、なんだか本当にいけいけって感じですね。なんだか力が湧いてくるっス。世界はこんなご時世だけど。というかこんなご時世だけに、中国のこのGoing my wayぶりには力づけれられます。いやみじゃなくてですよ。
 と言っている矢先、中央電視台のニュースで、小泉首相来中のことを報道していた。まともに聞いていなかったので内容はよくわからなかったけれど、でも江沢民主席に会ってもらえたんだね。小泉さん。ともかく同席して話すというのは良いことだ。今年の反動で、来年のワールドカップでも契機に、日中関係も良くなってくれるといいなあと(そうそう、日韓関係も大変だ)、そうなれば本当にごんしーごんしーだなあ…
(2001年10月8日 昆明にて)

中国の報道

 先週の米国大規模テロ、驚きました。まずは被害にあわれた方に哀悼の意を表します。
 しかしここ中国にいると、こういう情報がなかなか入らない。私の祖国、日本という国が、何か事件が起こるとパニック的にそれについての情報に満ち溢れていたため、余計そう感じるのかもしれませんが。これをある人は情報の規制と呼び、またある人は情報の適正化と呼ぶのでしょう。
 中国テレビの総本山は、中央電視台。夜7時からのゴールデンタイムは、地方局もここのニュースを同時に流すことになっています。しかしこのニュースの内容が…。30分の枠のうち前半15分は中央政府の動向、トップの江沢民主席から始まり、国家指導者の動向、政府の決定内容などが続きます。後半15分のうち10分は某地方で政治学習会が開かれたとかその他諸々の国内ニュース、最後の5分に国際ニュースというのが標準パターン。さすがに12日のニュースは3番目に米国の事件がとりあげられましたが、このときのトップニュースは江沢民主席が米国に対し哀悼の意を表明したというもの。まあ、国によりいろいろの考え方があるものです。ただ外国人にとってはかなり不満のある内容ではあります。だいたい夜7時のニュースで事件などが取り上げられることは非常に稀です。
 お昼の12時のニュースはもう少し3面記事的なニュースが多く、国際ニュースにも時間が割かれるようです。また国内交通機関の動向コーナーがあり、これは時々役に立ちます。こちらのほうが私好みでしょうか。
 地方局ではやや違った報道姿勢も見られます。広西電視台のニュースは農業関係ニュースが非常に多いのが特徴でした。私は見ていませんが、今回の事件も広東電視台などではかなり大きく報道されたようです。また省レベルのテレビ局の下に、さらに県、市レベルのものがあり、これは地元密着型です。日本のODAが中国で一般市民に知られていないという問題が指摘されますが、これは一面的な見方です。地元密着型テレビ局や新聞社などは結構取材しています。先日防城港1号特集番組が、防城港電視台で放映されました(堂々30分!)。などと言っている私も、協力隊員時代、実は来賓電視台の取材を受けています。地方になればなるほどお国事情の違いは薄まってくるということでしょうか。
 願わくば中央電視台が、もっと融通のきいた報道姿勢になってくれればと思うのですが、外国人のたわごとです。
(2001年9月18日 昆明にて)


小田空さん
 私がスクラップブックをまとめるよりも、とっくに読み応えのあるスクラップブックを出しておられる方。ウェットに富み、中国に対する愛着、意見、怒鳴り声、暖かい目に富んだご著作に、私はうっとりであります。という訳で、今日は彼女の著書をご紹介。
 中国へ行こうと思っている方には、中国での注意や覚悟を促しつつ中国へ誘う好著。中国在住の方には、一緒に愚痴る友として、そして困ったときの知恵袋として。中国から帰った方にとっては中国の思い出に浸る贅沢な時間をつくる工具として。お役に立ちます。そして読み終わったときにはなんだか暖かい気持ちになります。

1.中国いかがですか?
 創美社発行集英社発売 838円 発行日2000年6月28日
 著者の2度の中国生活を描いた漫画。1度目の江西省南昌での留学生活、2度目の陝西省延安での日本語教師生活の涙と笑いとウィットに富んだお話。その場の当事者にとっては涙かもしれないけど、笑ってしまうのだよね。中国へ行く前の馬鹿笑い、中国での空笑いに苦笑い、中国から帰っての思い出し笑い。いつでもどこでも笑わせてもらえます。

2.中国の思う壺(上下)
 旅行人発行 各1400円 発行日2001年7月18日
 一体小田さんはなぜそんなに中国にこだわるのか。中国との出会い(恐ろしく第1印象が悪かったようです。さすが中国(笑)。ま、時代も今とは違いますが。)から、敗者復活戦、そして2度の中国生活と、正に腐れ縁とも言うべき中国との付き合いを余すことなく伝える。

是非是非、お読みください。なお、小田さんは現在雑誌「旅行人」に「ほんまチャイナ」というコラムを連載中です。
(2001年8月26日 防城港にて)


ごんし−ごんしー
2008年五輪北京開催決定!!
いろいろあるでしょうけど…
でも、これでわが中国が国際社会を意識して頑張ると言うこと、これは本当に歓迎。
北京の町は今夜はうるさいぞ。道端で五星紅旗を出す車数台、音楽流しながら進む車数台。中華人民共和国の未来に幸いあれ。世界人民にに幸いあれ。
ともかく、アジア第三番目の夏季オリンピックの成功をお祈りいたします。
(2001年7月13日 北京にて)

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