中国鉄道の旅16 昆明22:11〜K446次〜大理6:45(硬臥86元)

 話が前後してしまいましたが、こんな列車にも乗っていました。はっきり言って眠るだけの列車です。この路線、折角開通したのに走っているのはこの1本。多客期には1〜2本の臨時列車も前後して走りますが。昆明を出ると間もなく消灯、途中深夜の広通、楚雄に停車し、大理へ闇の中をひた走ります。窓の外はもちろん真っ暗、こちらも眠ってしまうわけで、旅行記の書きようもない路線です。ただ、昆明を出てすぐに列車員がホットミルクを売りに来て、お休み前にあまーいミルクを飲むことができました。ほっとさせられるサービスです。
 何ゆえこの超観光路線に昼間の列車を走らせないのか…。理由は列車は遅いということでしょうか。バスならば30分〜1時間間隔で高速バスが走っており、所要時間は4時間半〜5時間程度。航空便もあり、これならば30分。鉄道は最後にこの路線に参入したわけですが、最初から昼間の戦いを放棄したのでしょう。でも夜行列車ならば勝算あり。バスにも夜行の寝台車はありますが、あちらは窮屈な上に車内に臭いがこもります。それに比べれば鉄道は天国。というわけで実際乗客もほどほどに乗っていました。
 翌朝6:20、車内灯がつき、列車は大理に到着。予告時間より大分早い到着で、お客様はまだベッドの中。普通、中国の列車の場合、到着前に乗客をたたき起こすものですが、ここではそんなきついことをせずに乗客がゆっくりとおきだすのを待っていました。また、この列車、中国の寝台車では常識の乗車券と寝台票(金属の小さなカード)の交換もなし。ほどんどの乗客が昆明〜大理の利用ということでしょうか。安眠をお約束する、これがこの列車のサービスのようでした。

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            昆明17:52〜K442次〜玉渓19:58(硬座10元)

 ますます前後してしまいますが、こんな列車も…。

 昆明発Kシリーズ。この路線も、99年昆明花博のときに新設されたもの。
 夕方の昆明駅、Kシリーズに期待するも、硬座のみ、しかも旧型の緑色客車。見た目は普通列車となんら変わりありません。乗客も、観光客というよりは地元の人がほとんど。ただし、停車駅の少なさは、さすが快速。昆明を西に向かって出発。安寧市で成都、大理方面の線路と別れ、南下します。そして中誼村で、先行していた普通列車を追い抜きます。というか、普通列車はここが終点。同じ路線を走っていても、完璧に役割分担しています。そして次の昆陽にはじめて停車。ここで乗客の半数が下車。19:05.この先が新しく敷設された区間。外はすでに闇ですが、トンネルや鉄橋で地形と無関係に飛ばしていきます。途中高速道路と絡みながら、車窓に明かりが見えてくると終点玉渓は間近です。ちなみに、この新線区間は、地方鉄路の扱いです。
 この玉渓市、中国国歌の作曲者である(耳の下に双)耳の生誕地として知られており、また高品質煙草の代名詞である雲南煙草の一大産地でもあります。煙草メーカーとして全国的に有名な紅塔集団の城下町です。

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