中国鉄道の旅20 杭州12:52〜K826次〜上海南15:15(硬座29元)

 大都市上海と大観光地杭州を結ぶ快速列車。杭州に友人を訪ね、1日だけだけれど皇帝のまったりとした気分を味わい(笑)、たまたま上映されていた懐かしのETを観てから杭州駅へ。そんなにすごい景勝地かどうかはともかくとしても、沿海部の発展は立派。それともうひとつちょっとした出来事があって、ともかく南方一辺倒の僕の中で、杭州は別格的に気に入った。
 1999年頃の駅舎新築のおかげで、杭州駅はさながら空港のようだ。1階到着ロビーと2階出発ロビーに分かれているところがすごい。
 12時半、改札開始。列車は思ったより短く7両編成。ただし2階建て。指定された座席は1階部分のため、展望は今ひとつだがスピード感は楽しめそう。幸い窓側のかぶりつき席だった。定刻に出発、水田が多いことと、次々に小川(運河?)を渡るところが、江南の豊かさを感じさせる。線路の複線化、直線化を進めたらしく、あちこちに旧線路や古い単線の鉄橋跡を見かけた。2階建て列車の欠点は車内販売のワゴンが使えないことで、列車員が段ボール箱を持ちながら、「えー、べんとー、べんと」「飲料、雑誌が来ましたよ」「カップめんはいらんかね」「アイスー、アイス。そこのお姉ちゃん、アイスだよ」などとやって来る。いつも思うが、最近の列車員、本当に商売熱心だ。
 新橋(あれ?どこかで見たような…)を過ぎ、上海方面の本線から分岐。以前はこちらが本線だったのだが、上海市内部分を市内高架電車の明珠線の用地に譲ったため、本線が郊外を迂回、こちらは上海南までの盲腸線になっている。線路は単線になり速度も極端に遅くなる。隣に上海地下鉄が寄り添うようになれば、まもなく上海南駅に到着。なんだか大都市上海に似つかわしくないような仮建築、簡素な駅だが、現在この駅を使うのは1日4本の杭州行き快速と近郊普通列車のみ。でも、このまま虹橋空港へ向かわねばならない僕にとっては、空港まで近いのがありがたい。雑然としたタクシー乗り場で、余韻を味わう間もなくタクシーに乗った。

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