中国鉄道の旅22 上海10:41〜1379次〜来賓 翌16:39(軟臥574元)
久々の上海駅、駅前面(だけ)改装がなされた様子。今回は仕事道具を持ってスーツでの移動だったので、贅沢にも軟臥を使うことになった。と言っても、航空運賃から見れば、高くは無い水準。駅を探し回ったのだが、時刻表が売っていない。探し物をするには、この駅、大きすぎるようだ。
無錫発の列車のため、なかなか案内が入らなかったが、発車15分前に改札。専用待合室のため、押し合いとならないのは、荷物が多いときはありがたい。
定刻に上海発車。発車前から、同じコンパートメントのオジサンが話し掛けてきた。上海の人だが、柳州に親戚がいるとのこと。この後延々お話で、車窓を眺める暇も無くなった。この列車、かなりの長距離列車で、車両もきちんと新型空調車なのだが、列車番号のとおり普快。よって1時間弱に1回程度は停車していく。12:17の嘉興でオジサン氏がホームにて買い物。食べきれないほど粽を買ってきて勧めてくれる。ここの粽は名物なのだそうだ。お昼はこれでおなか一杯。そして彼のカバンの中からは、ピーナッツ、種、みかんなど出てくる出てくる。一人旅なのにこれだけの物が出てくるのが、中国の人の謎。そして周りに勧める。いつものことだがこちらはお茶っ葉くらいしか用意が無いのが申し訳ない。
13:10杭州東。ここから23:01着の向塘までが未乗区間で今回のハイライトなのだが、ここから乗ってきた残る同室者2名がおしゃべりに加わり、ますます車窓を見る暇が無い。おしゃべりが終われば腹もくちくであり眠くなる。江南の風景はどことなく豊かでのんびりしているし、車内放送もお昼寝タイムに入る。15:58の金華西で温州方面の鉄路を分ける。待望の食堂車開店のアナウンスで、さっそくビールとつまみ目当てに出かける。軟臥車は必ず食堂車の隣に連結されているので、楽である。明らかに安くは無いが、車窓を見ながらのビールはやめられない。つまみは唐辛子と牛肉の炒め、家常豆腐。コンパートメントに戻り、17:12の衢州でこの路線の最優等列車K99次快速(上海〜九龍)に、19:12の玉山でK47次(上海〜広州)に抜かれる。そして気がつくと定刻より30分くらい遅延。抜かれる時かなり停車していたので、K99あたりが遅れていたようだ。セッコウ省から江西省に入るが、外はすでに真っ暗。結局また寝てしまう。目がさめるともうすぐ23時。福建省方面の路線を分け、列車は間もなく京九線との十字路、向塘へ入るはずだ。すでにコンパートメントの電気は消しているので、外の様子を見ることが出来る。右にゆっくりカーブしながら築堤の下をくぐり、30分遅れのまま向塘に23:30到着。ここで進行方向を変え、先ほどの築堤を上がり、今きた道をクロスしてから株州方面へ。この様子を眺めてから本格的に就寝。
7時過ぎ、祁東に列車が到着したところで目がさめた。夜のうちに湖南省に入っている。次の祁陽を過ぎたところで、杭州からの2人が身支度をはじめ、全州で下車。またオジサン氏と2人になる。いよいよ列車は広西に進入、山がちの地形ながら、民家のつくりなどはおなじみの形になってくる。12:32桂林着。今度は僕がオジサン氏に提案する番。桂林のお昼と言えば「桂林米粉」である。駅ホームにて購入。永福、鹿塞、そして柳州でオジサン氏下車。次は来賓だ。柳州で乗務員の大部分が交代、その旨放送で案内もあった。柳州を過ぎると車内はガラガラ。まもなく車掌が切符を返しにくる。車窓にはサトウキビ畑が広がり、遠景は岩山。まさしく来賓風情。17:00、20分遅れで一年ぶりの来賓に到着。改札口には老朋友の華氏が迎えにきてくれていた。