中国鉄道の旅 第9回 昆明〜南寧 (502次直快 828km 18時間51分 98元(空調硬座))
2000年10月の改正で2006次普快となっています。スピードアップも進み、現在所要時間14時間半、夜出発朝到着の便利な列車になっています。中国国鉄も地方都市間のこういった列車に力を入れているようで、時刻表に「夕発朝至」の特別ページを設けています。高速道路、航空網の発達に伴いバス、飛行機からの先制攻撃を受けている今、寝ている間に目的地へというこの戦略は正しいと思いますし、是非頑張ってもらいたいものです。
そう言いながら、昆明南寧間を頻繁に往復する私も、今ではすっかり飛行機利用ばかり。オンラインで全国どこでも鉄道の切符が買えるようになれば、状況はもう少し良くなるはずなのですが。
来訪中の日本からのお客様(?)を見送ってから、駅に向かう。昆明は、切符の取れない街ワースト3の一つらしく、出札口前の看板にも「無」の文字が並んでいたが、何とか座席を取ることが出来た。南昆線が走り始めて半年以上、友人からは「まだ乗っていないの?本当に鉄道好きなのかね」などと言われつづけていたが、ようやく機会に恵まれた。ただ、体調が思わしくないのが残念。
14:29出発。数日前に時刻の改正があり、昆明〜南寧間は大幅増発。こんなことも、切符の取れた原因かもしれない。列車は高度を上げながら昆明の街を後にする。ベトナム国境方面のか細い線路と寄り添いながら宣良へむかう。渓谷沿いのナローゲージは風情がある。一度は乗ってみたいと思う。向こうは等高線に沿っての路線だが、こちらは山も谷もぶち抜く新幹線のような路線。ベトナム行の線路と別れ、さらに進む。少しうとうとしてふと目を覚ますと車窓にごつごつとした岩の柱が目立つようになる。石林到着。新ダイヤに移行してすぐの為か、列車の遅れが増していく。外が真っ暗になった頃、羅平に到着。こんな所に?と思うような意外な大都市。煙突の上から炎が出ている。後で調べてみると、ここは石油が出るらしく、一大工業都市となっている。内陸に突如としてこのような都市が出現するところが、中国の強さだと思う。実際、中国のこんな内陸で石油が出るとは、国外の誰も考えまい。この先、貴州省をかすめ、広西へとはいっていくわけだが、外はもちろん真っ暗。思いの外人の乗り降りが激しい為、なかなか寝付けない。ローカル利用者が多いということは、新線開業草々地元に根ざしつつあるわけでめでたいことなのだが、こちらは咳だけではなく熱も出てきたみたいで…。田林、百色、田陽…広西西部の街をうとうとしながら通りすぎるうちに、夜が明ける。田東。このあたり、いやに「田」のつく駅が多い。雲南でのろのろしていた分、広西に入ってから快速で飛ばすようになり、結局終点南寧には、40分遅れの10:00に到着した。さて、さっさと小平陽に帰って、寝よう。
鉄道旅行表紙へ戻る
HOME