STORY
「ここはさくらほいくえんです。さくらほいくえんには、こわいものがふたつあります。
ひとつはおしいれで、もうひとつは、ねずみばあさんです。」
(『おしいれのぼうけん』より)
ある日の昼寝の時間、言うことを聞かないあきらとさとしは、
いつものように押入れに閉じ込められてしまいました。
ところが、みずの先生が押入れの前で待っていても、
二人はいつまでたっても「ごめんなさーい」と言いません。
一方あきらとさとしは、押入れの中に現れたねずみばあさんから逃げ出すために
手をとりあって押入れのトンネルの中へ入っていきました……。
押入れの中に広がる不思議な世界への冒険がはじまります。
COMMENT
大人にとってはただの押入れでも、子どもにとって「おしいれ」はとても怖いもの。
でも、怖いけれどちょっとのぞいてみたいという怖いもの見たさのようなものが、
子どもの想像力や好奇心をかき立てます。
押し入れの奥の世界を想像してわくわくしたり、ドキドキしたり……。
そんな押入れの世界を描いたこの物語に子どもたちは引き込まれ、
あきらやさとしと一緒に冒険しているような気持ちになれるのではないでしょうか。
ただの押入れと思っている大人も子どもの頃の気持ちを思い出して
押入れの中の不思議な世界を冒険してみてはいかがですか?
いつもの身近な出来事が、ドキドキするような冒険にかわったり、
いつもは怖かったものが楽しいものへとかわったり、
子どもの気持ちを見事に捉えた素敵なお話です。
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