猿政山 1267m 内尾谷ルート
2009年5月9日


林道から見上げる猿政山(右のピークが山頂)
矢印部分はとんでもない急登です;;

地図とコンパスのイラストデータ
行程

9:45車止め…10:07分岐…10:40猿政山登山口10:45…10:55尾根道…11:05 1077mピーク…11:40主稜線…11:50猿政山山頂12:40…13:00引き返す…13:10主稜線外れる…13:30休憩13:45…14:00尾根外れる…14:08登山口…14:15みとの恵泉14:25…14:50分岐…15:00車止め

コースタイム(歩行時間) 4時間05分(俵原ルートへの南尾根の一部往復20分を含む)
同行者
その他 入浴@神之瀬の湯  350円/1人


登山靴のイラスト 猿政山に行くのは容易なことではない。交通の便が悪いとかそういうことではなくて、ガイドブックを読むと怖じ気づくからだ。手元にあるガイドブックの記述をざっと拾ってみただけでも、

   「厳しい山」
   「一般的な登山対象ではない」
   「ピクニック気分では登れない」
   「実力を備えた少人数のパーティで」
   「意欲ある登山者の世界」・・・

そして極めつけが、

   「よほどの知識と体力とそして山を愛するモラルのそろった人にしか案内したくない。」

ここまで書かれると、とてもではないが気軽にこの山へは入れない。しかも広島から登山口までが遠いこともあって、これまでずっと敬遠してきた。

しかし南側から見るとにゅっとそそり立つような、存在感のある特異な山容を吾妻山や比婆山から何度も眺めるうち、いつまでも敬遠するのはやめて行ってみよう、いや、行かなくては!という気になった。「長い林道歩き」が有名な山だが、調べてみると我が家の車なら車止めまで行けそうなので、歩く時間は短縮できる。明るい5月の陽光の中なら熊にも出会わないだろうし・・・。

庄原ICから北上、王居峠、王貫峠を経て、島根県に入る。内尾谷集落への道路の入口は、「可部屋集成館」の駐車場の中にあった。駐車場に入ると、右手に道路が続いている。そこを曲がると、自然に川を渡り、左手に神社を見て内尾谷川沿いの道路に導かれた。未舗装路で内尾谷集落を抜け、終点の車止め付近に駐車。

(内尾谷集落の手前に4〜5台は停められそうな登山者用駐車場があります。その先は大きめのハンプがいくつかあり、乗用車で行くのはやめておいた方がよさそうです。)

車止めをまたいで林道を歩き始めると、すぐに沢を渡り、ヘアピンカーブが2回。案外体に傾斜を感じる林道を登っていく。地図上の804m地点の右側あたりに、この写真の分岐がある。ここを右折。

すると右下に、さっき通ってきた内尾谷集落が見下ろせる。その上に、鯛ノ巣山から吉田毛無山と、それに続く大万木山(左)が見える。

前方に見事なV字谷が見えてきた。この先、左手から林道で谷ぞいを迂回し、だいたい矢印の付近で猿政山に続く尾根に乗る。

上の写真の右側に続くのが、この猿政山。山頂左側の傾斜、きつそうですね。

林道の日陰部分は爽やかな風が吹き、気持ちがいい。

猿政山を眺めつつ、林道の崩壊箇所を歩く。ここから右を見ると・・・、

深い谷の先に鯛ノ巣山が見える。

車止めから1時間足らずで登山口。ここから左の斜面へ。

いきなり急登。尾根に出るまでは10分ほどだが、立木や笹をつかまないと登れそうにない。

尾根に出て右折。初夏でも笹はかぶり気味。ほんの少し下ると鞍部で、広島側への分岐を左に見送る。登り返してコブを2つ通り過ぎる。2つめが1077m地点。

1077mを下り始めると、ブナ林がとてもきれい。

鞍部まで下りると、今日楽しみにしていたサンカヨウの花が迎えてくれた。この先の急傾斜に備えて、しばしなごませてもらう。

こちらは可愛らしいタチカメバソウ。とてもたくさん咲いている。

次第に傾斜が出てきた。

この先は写真を撮る余裕もないほどの急傾斜となり、ロープが現れる。

いったん傾斜が緩む。この後さらに2本のロープ場があります。

吾妻山、比婆山方面。右手の飛び出たピークが立烏帽子山。 急登の途中から見えるこの山々は・・・、どこでしょう?
(マウスポインタを写真に乗せてみてください。)

主稜線に出て右折。尾根道を緩く登るとすぐに山頂東側のコブに至り、そこから西へと尾根の向きが変わる。写真は登山道から見下ろす南側の眺め。

山頂には、珍しい一等三角点があった。大きい!

帰り道から眺める福田頭。

ぼーっと、歩いているうちに、急斜面に下りる左折分岐を見逃し、見事なブナの尾根になった。「なんか変?」と思いつつさらに歩いていると、そのうち尾根上に岩が現れ、「あれ?来るときこんなところ通ってない・・・」と確信。左前方を見ると、広島県側の谷が見えていたf(^_^;;
ので引き返す。それにしても、山頂から5分ほどで尾根の向きが変わったことは気づいていたのに、どうして分岐を見逃してしまったのやら・・・。

急斜面に下りるところはこんな様子。立木にしっかりとテープが巻いてあり、見逃す心配はないはず・・・、なのだが、山頂から私たちより先に下山にかかった夫婦も見逃してだいぶ先まで行ってしまったそうで、なんと私たちよりも後から急斜面を下りて来られた。

急傾斜は当然下る方が難しい。ロープを頼りに少しずつ慎重に・・・。

鞍部に戻るとふたたびサンカヨウが癒してくれる。ここで15分もゆっくりした。

登り返して1077mを過ぎ、ふたたび急傾斜を林道へ下ってひと安心。

林道に下り立った地点から尾根をひとつ回り込んで下りていくと、谷のすぐ脇に「みとの恵泉」という湧き水がある。甘くてとてもおいしい。

だらだらと林道を下り、分岐を左折。周囲の緑が美しいことと言ったら・・・。杉の濃い緑でさえ、多様で重層的な新緑の中ではアクセントになって素晴らしい。中東のナツメヤシの単調な緑を思い出し、恵まれた自然のある日本の豊かさをまた思った。

ヘアピンカーブを曲がると、頭上に猿政山がのぞく。登ってきた山が帰り道にこんな風に見えるのは新鮮。

この先でもう一度ヘアピンカーブを曲がり、沢を渡るとすぐに車止めに至る。

内尾谷集落を通る道路。私が子どもの頃は、実家の前の道もこうだった。コンクリートとアスファルトに囲まれて、こんな様子を知らないいまの子どもたち。果たして恵まれていると言えるのだろうか・・・。(なーんてコメントをするということは、私も相当トシをとったということですね;;)

猿政山は、内尾谷集落への道をたどるときからすでに山深い。その先、林道とはいえどんどん深山に入っていく趣のあるアプローチ、林道から眺める深いV字谷、そしてとんでもなく急な傾斜をよじ登って至る山頂、折り返して下る急傾斜。深山と急傾斜の緊張を和らげる清楚で可愛らしい花々や、喉を潤してくれる甘い山の水、ひと口で「緑」と言い切れない初夏の木々の色。ものすごく多様な自然をすべて抱え持っている。帰り道の林道で、谷から屹立するその姿を振り返ると、「いい山に登ってきたな」と心から感じられるような山だった。



イカリソウ

キケマン

チゴユリ


カキドオシ

ラショウモンカズラ
ミソガワソウにそっくりですね。

ムラサキケマン


広島県に戻り、高野町の神之瀬の湯に入った後、りんご畑の中をドライブ。以前住んでいたミシガン州や、「赤毛のアン」や「アボンリーへの道」のタイトルバックを思い出すような絵。

ほんのりピンク色が可愛らしいりんごの花。

帰路は高野町から三次に抜けることにした。中国横断道の経路となる谷あいには、モニュメントのような橋脚がいくつも出来ている。途中、杉の木にまとわりついた巨大なフジを発見。車を停めて車外に出た瞬間、藤の花の濃い香りに包まれた。標識には「大欅と三宝荒神」と書いてあったが、大欅はどこにあったのやら、この見事な藤の前にかすんでしまってよくわからなかった;;


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